オンラインサロンシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

オンラインサロンシステムの発注は、会員状態の整理、方式と契約の選定、RFPによる相見積もりの順に進めます。この順で進めると、運営に合う仕組みを公開できます。

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オンラインサロンシステムを発注する前の全体像

オンラインサロンシステムを中央に置き、会員と決済、コンテンツ配信とコミュニティ運営、返金に関わる設計範囲を注釈で示した図。
会員管理から運営上の例外まで、確認範囲が広がります。

オンラインサロンは、入会から退会までを一つの会員体験として設計するシステムです。会員登録だけを扱う会員サイトとは、対象の広さが大きく異なります。

本人確認や継続課金、閲覧権限から、返金や問い合わせまでが対象です。そのため、月額料金だけで選ぶと、必要な運用機能が不足することがあります。

会員と決済を一体で管理する仕組み

会員と決済を連動させる場合は、次の機能と状態を発注前に整理しておきます。整理しておくと、どの状態で何を止めるかを、発注者と開発会社が同じ前提で話せます。

  • 基本機能:登録、ログイン、認証、プラン選択、決済、限定コンテンツ、退会、管理画面
  • 料金設定:無料体験、月額・年額・期間限定プラン、クーポン、返金
  • 例外処理:決済失敗時の再請求、休会、強制退会、チャージバック

閲覧権限は決済成功だけで決めず、会員状態と利用期限を基準にします。

StripeはWebhookで支払い成功・失敗、トライアル終了、期限超過、解約を受け取ります(出典: Stripe Documentation、2026年確認)。この通知をもとに、サービス側のアクセス期限を更新する設計が示されています。

発注時には、決済状態ごとの閲覧権限と通知を仕様として決めます。さらに、返金やチャージバック、再請求の扱いも、個別に決めておきます。

コンテンツ配信とコミュニティ運営の設計

配信と交流の機能は、サロンで提供したい体験と運営上の優先度で選びます。

  • コンテンツ:有料記事、動画、音声、ライブ配信、アーカイブ
  • 交流:掲示板、チャット、コメント、イベント予約
  • 通知:メールやLINEで会員へ案内

すべてを初期開発せず、入会、決済、限定投稿、退会、管理画面をMVPとして公開する方法もあります。そのうえで、会員の反応を見てから機能を広げられます。

動画では、保存容量や配信転送量に加えて、会員限定URLの流出にも備える必要があります。AWSの構成例では、S3、MediaConvert、CloudFrontを組み合わせ、必要に応じてMediaPackageの暗号化やDRMを使います。

委託先には、ページにURLを直接書き込まず、短時間だけ有効な署名付きURLやCookieを使えるかを確認します。退会後に視聴できない設計も必要です(出典: AWS公式ドキュメント、2026年確認)。

オンラインサロンシステムの発注形態の選び方

発注形態は、現在の会員数に加えて、12〜36か月後の会員数と運営モデルも見て選びます。まず、何を検証し、何を自社の資産にするかを決めます。

小規模な検証には、プラットフォームやSaaSが適しています。一方で、会員データの自社所有や複雑な権限、複数主宰者の売上分配が必要なら、セミオーダーやスクラッチが候補になります。

プラットフォームを利用する発注

プラットフォームは、早期検証に必要な基盤と契約条件をあわせて比べます。

  • 利用機能:審査、会員管理、決済、コミュニティ運営
  • 収益条件:売上手数料、報酬配分、利用できる決済手段
  • 移行・制限:データ出力、画面や機能の制約

事業アイデアを早く検証したい場合に適しています。公開情報では、初期費用と年間更新費用は不要で、月額会費は550円からです。最短3週間程度で開設できます(出典: DMMオンラインサロン「サロンを開設したい方へ」、2026年8月確認)。

自社サイトへ移る可能性があるなら、会員情報や契約履歴、投稿、購入履歴などを、どの形式で出力できるか質問しておきます。

SaaS・ノーコードを利用する発注

SaaSやノーコード型の会員サイトなら、サーバーやアップデートを自社で抱えずに始められます。また、LCK cloudの公開料金はプランごとに異なります。

  • 無料版:初期費用・月額費用ともに0円
  • 標準:月額450〜2,700円
  • 独自ドメイン:月額650〜3,300円
  • 動画ストリーミング対応:上位サーバーは月額2,600〜5,100円
  • 独自サーバー:月額8,000円

料金は容量や会員数、動画保護などで変わるため、公開価格は比較の起点として扱います(出典: LCK cloud「料金・プラン」、2026年8月確認)。

会員数が数十〜数千人で、一般的な会員ランクや決済、記事・動画配信を使うなら、SaaSは開発期間を短くできます。一方で、会費分配やCRM同期、複数ブランドが必要になると、追加対応が増えます。特殊な予約枠や厳格なデータ保管を求める場合も、対応の範囲は広がります。

無料版を試す場合でも、データのバックアップと移行方法を先に確認します。

セミオーダー・フルスクラッチで開発を委託する発注

独自の会員体験や業務フローを競争力にする場合は、既存部品を組み合わせるセミオーダーか、一から作るフルスクラッチを検討します。

  • MVP:会員ランク、継続課金、動画、掲示板、管理画面を備え、初期200〜800万円、公開まで3〜6か月の推定
  • フルスクラッチ:複数サロンや独自課金、CRM・動画・アプリ連携を含み、初期800〜2,500万円、公開まで6〜12か月程度の推定

金額と期間は、リサーチノートの要件工数に基づくレンジで、正式な価格ではありません。

スクラッチの場合、脆弱性対応や監視、バックアップ、障害対応は発注者の運用責任になります。動画の不正共有対策も、その範囲に含まれます。

運用人員がいない場合は、保守契約とSLAを見積もります。障害時の連絡体制や改善開発単価も、あわせて見積もります。

ポイント

事業をまず検証する段階か、会員データや独自の仕組みを自社の資産として持つ段階かで、候補が変わります。12〜36か月後の会員数と運営モデルも、あわせて見ておきます。

RFPと要件整理で決める項目

RFPは、開発会社が提案と見積もりを比べられるようにするための依頼文書です。事業目的や利用者、業務ルールを、同じ条件で伝えます。機能や納期、予算などの条件も、同じ前提でそろえます。

細かな画面を最初に固定するより、会員状態と業務上の判断基準を先に明確にするほうが、提案の前提がそろいます。

事業目標と利用者像の記載

RFPでは、事業目的と利用者像を具体的に書き、会員計画や運営条件もそろえておきます。

  • 提供価値:動画講座、無料体験の転換率計測、イベント予約と会費をまとめて管理
  • 会員計画:開始時、6か月後、12か月後、ピーク時の人数
  • 運営指標:会費単価、同時接続数、月間動画本数、問い合わせ件数
  • 対応範囲:運営者が手作業で対応できる業務

会員数が50人の場合と1万人の場合では、監視やサーバー構成、費用の考え方が異なります。

高単価の講座では、決済や個別サポートの設計が中心になります。一方で、低単価で会員が多い場合は、解約防止や自動通知が大切になります。

会員状態の遷移と権限ルールの定義

会員状態ごとに、閲覧や投稿の可否を決めておきます。イベント予約や通知、管理者操作の可否も、同じ単位で定める必要があります。決済失敗時には、即時停止するか猶予期間後に再請求するかも決めます。

  • 登録・利用:仮登録、認証待ち、無料会員、無料体験、有料会員
  • 契約変更:決済失敗、休会、退会、強制退会
  • 精算:返金済み、再請求、利用期限の扱い

会員状態を並べた一覧や遷移図をRFPに添えると、認識差を減らせます。たとえば、退会後の動画再生の防止や返金後の停止時期、管理者操作の履歴は、受入テストにもつなげられます。

外部連携・法務・セキュリティの要件

外部連携や情報管理、法務の条件もRFPに含め、どこまでを誰が受け持つかを明確にします。

  • 連携先:決済、LINE、Zoom、メール、動画、CRM、会計、分析ツール
  • 連携仕様:データ項目、同期方向、失敗時の再実行、担当者通知
  • セキュリティ:トークン化、多要素認証、最小権限、監査ログ

カード情報は自社DBに保存せず、決済代行のトークン化を利用します。管理者には多要素認証と最小権限を設定し、投稿、通報、削除の操作は監査ログに残します。

消費者庁は、最終確認画面に期間や自動更新、料金を表示するよう案内しています。無料期間後の有料移行や、支払いの時期と方法も、表示の対象として挙げられています。解約方法や期限、不利益も確認できる表示が必要です(出典: 消費者庁「サブスクリプションサービスをオンライン契約により提供されている事業者様へのお知らせ」、2026年確認)。

法務の判断は専門家に確認します。RFPには、レビューとログを残せる画面仕様も明記します。

ポイント

RFPは細かな画面より、会員状態と業務上の判断基準を明確にして、各社が同じ前提で提案できるように書きます。

オンラインサロンシステムの契約形態の選び方

契約は見積金額だけでなく、要件の確定度や変更の多さ、意思決定の体制で選びます。成果物の定義も、契約形態を決める材料になります。

全工程を早い段階で固定すると、変更のたびに費用や納期に影響が出ます。一方で、すべてを準委任にすると、総額や完成条件が見えにくくなることがあります。

請負契約の成果物と完成条件

請負契約は、合意した成果物を完成させて引き渡す形態です。画面やAPI、管理機能を定義できる工程に適しています。テスト結果や操作マニュアルも、契約で取り決められます。

受入条件には、ログインだけでなく会員状態に応じた機能の動作も含めます。

  • 有料化:無料体験から有料会員へ移行できる
  • 決済失敗:指定した猶予ルールに沿って権限が変わる
  • 退会:限定コンテンツへのアクセスが停止する

会員ランクやライブ配信、LINE通知を変える場合は、追加見積もりの手順と単価を、契約書や変更管理票で決めておきます。納期への影響や承認者も、同じ書類に残します。

完成の定義があいまいなまま金額だけを固定すると、双方が想定する完成状態にずれが生じます。

準委任契約による企画・設計・改善

準委任契約は、専門家として一定の業務を遂行する形態です。企画やUX設計、要件定義に適しています。技術調査やアジャイル開発、公開後の改善にも使えます。

会員の反応を見てMVPを改善する場合も、この契約で進められます。発注者と開発会社は、週次で優先順位を決めます。

契約では、次の事項をあらかじめ取り決めておきます。

  • 稼働と費用:稼働人数、単価、上限
  • 報告:報告内容、バックログ
  • 成果:評価方法

定例会では、2週間や1か月ごとの目標を確認します。そのうえで、デモや未解決課題、次の判断事項も確認します。

工程別の契約と保守契約の組み合わせ

要件定義や技術検証は準委任、MVP開発は請負、公開後の改善は準委任や保守契約にする方法があります。不確実性の高い工程と、成果物が明確な工程を分けておくと、変更リスクと予算を切り分けて管理できます。

保守では、障害の重要度や初動時間、復旧目標を決めます。問い合わせ時間やバックアップ、脆弱性対応のほか、OS・ライブラリ更新と軽微な改善の範囲も定めます。

開発費のほかに、月額の保守費やクラウド、動画・メール・SMSの費用も、分けて確認します。さらに、決済手数料や追加開発費の範囲も見ておきます。

ポイント

要件の確定度と変更の多さで契約形態を選びます。確定した成果物は請負、不確実な工程は準委任、公開後は保守契約を組み合わせる方法が候補になります。

オンラインサロンシステムの費用相場と見積もりの内訳

見積もりの工数配分を横棒で比較し、要件定義・UX設計は全体の10〜20%、フロント・バックエンドは40〜60%、決済・動画・外部API連携は10〜25%、テスト・診断・データ移行は10〜20%と示した図。
実装工程の比率が大きく、案件特性で幅があります。

費用は方式と機能で変わります。プラットフォームやSaaSは初期費用を抑えられますが、売上手数料や動画配信費が利用量に応じて発生します。

受託開発では、要件定義やデザイン、開発の工数を積み上げます。外部連携やテスト、移行、保守の工数も、積み上げの対象です。そのため、同じ会員サイトでも金額に幅が出ます。

方式別の初期費用と公開期間の目安

公開料金や一般的な人月単価をもとにした初期費用の目安は、方式ごとに異なります。

  • 無料版・ノーコード:0〜10万円
  • SaaS・クラウド:0〜30万円
  • パッケージ設定・軽微改修:20〜150万円
  • セミオーダー・MVP:200〜800万円
  • フルスクラッチ:800〜2,500万円

複数主宰者型の大規模開発は、2,500〜5,000万円超となる可能性があります。いずれも、機能範囲から算出した推定のレンジで、一律の公開料金ではありません。

公開期間は、無料版・ノーコードが1日〜2週間、SaaSが1〜4週間、パッケージが1〜3か月です。MVPは3〜6か月、フルスクラッチは6〜12か月、大規模開発は12〜18か月以上が目安です。

会員データ移行や決済審査、アプリ審査があると、期間は延びます。動画エンコードや法務確認、受入テストも、期間を延ばす要素です。見積書では、利用開始できる範囲と時期を確認します。

見積もりに含める費用の内訳

工数配分を並べると、会社ごとの見積もり範囲の違いが分かります。次に示す比率は、案件特性で変わる目安です。

  • 要件定義・UX設計:全体の10〜20%
  • フロント・バックエンド:全体の40〜60%
  • 決済・動画・外部API連携:全体の10〜25%
  • テスト・診断・データ移行:全体の10〜20%

この比率は相場を断定するものではなく、各社の工数配分を確認するための目安です。

2025年時点の一般的な受託開発の人月単価は、おおむね50〜130万円程度とされます(出典: 株式会社ripla「官公庁のシステム開発の見積相場や費用」、2025年)。

オンラインサロンの開発費は、必要な職種と工数を掛け合わせて推定します。要件定義を別見積もりにする会社と開発費に含める会社とでは、総額の見え方が異なります。そのため、設計から公開支援までを工程ごとに分けて比べます。

3年間の総保有コスト

3年間の費用には、初期費用だけでなく、継続運用と移行にかかる費用も含めます。

  • 月額費用:保守、クラウド、動画、メール、SMS
  • 利用量費用:決済手数料、売上手数料
  • 運用費用:監視、バックアップ、セキュリティ診断
  • 切替費用:別サービスへの乗り換え

低単価の会費では、月額の固定費よりも売上手数料の影響が大きくなることがあります。さらに、会員が増えるとSaaSの利用料が上がる場合もあります。

会員数50人、250人、1,000人、1万人の各ケースについて、売上や解約率を仮に置いて3年間の費用を試算します。動画視聴量や問い合わせ数も、同じように仮置きします。

会員が増えたときの手数料が初期開発費を上回るなら、移行可能なSaaSや自社システムが候補になります。反対に、反応がまだ見えない段階でスクラッチを選ぶと、使われない機能への投資になりかねません。

委託先選定と見積比較のポイント

委託先は、会社名や提示価格だけでなく、実績も見て選びます。会員サイトや継続課金、動画などの実績を確かめ、同じ要件で提案と見積もりを比べます。

要件を聞かずに短時間で安価な金額を出す場合、後から追加費用となる範囲が広い可能性があります。

実績と運用設計の経験の確認

制作実績は、見た目より会員状態や各機能の運用方法を確認するために見ます。公開情報は、候補を知る参考として扱います。

発注時には、担当者や保守体制、現在の対応範囲を再確認します。さらに、決済失敗から権限停止までのデモも見せてもらいます。

退会後の動画アクセスや管理者の操作ログも確認します。データ出力や障害時の連絡方法も、あわせて見ておきます。

  • 会員・決済:会員ランク、サブスク決済、決済失敗時の権限変更
  • 配信・交流:ライブ配信、LMS、DM、予約、退会後の動画アクセス
  • 管理・保守:二段階認証、操作ログ、データ出力、障害時の連絡

株式会社ビルドサロンは、会員ランクやサブスク決済、ライブ配信などの制作例を公開しています。LMSやDM、予約などの制作例のほか、二段階認証の例もあります。

株式会社WOWNも、サロンやコミュニティ開発、独自プロダクト連携を案内しています。

専業でなくても、会員・決済・イベントを業務システムとして統合した実績があれば候補になります。例外処理まで説明できるかが判断材料です。

見積書を同じ単位でそろえた比較

A社の開発費やB社の月額保守、C社のクラウド費は、そのまま並べても比べられません。作業項目ごとに範囲をそろえてから比べます。

  • 設計・開発:要件定義、デザイン、登録、認証、プラン管理
  • 機能・連携:決済、返金、コンテンツ、コミュニティ、ライブ配信、外部連携
  • 公開・運用:管理画面、テスト、移行、公開支援、保守

各項目は、「含む」「含まない」「別途」に分けて比べます。見積もりでは、要件定義やRFPレビューの担当を確認します。決済審査やWebhookテストについても、どこまでを誰が受け持つかを確かめます。

動画の保存・配信費と、会員データ・ソースコードの帰属を質問します。退会・返金のテスト、保守の最低期間、追加開発単価も確かめます。解約時には、データの返却形式も確認します。

金額差の理由を説明できる見積もりであれば、契約後のトラブルを減らせます。

安い見積もりの裏にあるリスク

見積もりが極端に安い場合は、省かれている作業がないかを確認します。一方で、高額な提案にも、使わないSNS機能や複雑なレコメンドが含まれることがあります。

  • 不足の確認:非機能要件、テスト、移行、監視、権限設計
  • 責任の確認:法務対応、障害対応、漏えい時の連絡
  • 機能の優先度:必須、できれば必要、将来検討

個人情報保護委員会は、報告対象の漏えい等について、速報を発覚日から3〜5日以内、確報を原則30日以内と案内しています。

不正目的のおそれがある場合、確報は60日以内です(出典: 個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」、2026年確認)。

委託先の検知や発注者への第一報、証拠保全を、インシデント対応表に書き出します。本人通知や再発防止の役割も、同じ表に入れます。

ポイント

同じ要件で比べた提案のうち、金額差の理由を説明できる会社を候補にします。極端に安い見積もりは、省かれた作業がないかを先に確かめます。

発注から公開までの進め方

発注後の進行を3つのボックスで示し、要件定義とプロトタイプ、テスト・データ移行・受入、小さな公開と運用改善の順につないだ図。
利用者の確認を挟みながら、公開後の改善へつなげます。

発注後は、企画や要件定義から始まり、公開と改善へ進みます。その間には設計や開発、テストなどが入ります。発注者が事業判断の場を設け、開発会社任せにしないことが大切です。

会費や会員ランク、無料体験の条件は、発注者が決める必要があります。返金や投稿ルール、問い合わせ対応についても、発注者が決めておきます。

要件定義とプロトタイプによる認識合わせ

要件定義では、画面や権限、会員状態を整理します。外部連携やデータ項目も整理し、非機能要件と受入条件を決めます。

登録やプラン選択、決済、限定コンテンツ閲覧、退会の導線を、プロトタイプで確認します。主宰者や運営、会計、問い合わせ担当にも触れてもらいます。

実際の利用者が確認すると、後から発覚しやすい運用上の抜けを早期に見つけられます。

テスト・データ移行・受入

テストでは正常系だけでなく、決済失敗や二重送信、返金の扱いも確認します。期限切れや退会直後のアクセスも、確かめる対象です。

  • 会員操作:権限違いのURL直アクセス、管理者の誤操作
  • 通知:通知の未達、再送などの扱い
  • 動画配信:スマートフォン、PC、通信速度、同時接続
  • アーカイブ:公開権限の確認

既存サービスから移る場合は、会員IDや氏名、メール、契約プランを対応付けます。決済状態や開始日、次回更新日のほか、購入履歴や同意履歴も対応付けます。

パスワードを移せない場合は、再設定を案内します。移行前後の件数照合や、個人情報の受け渡し、失敗時のロールバックも受入条件にします。

小さな公開と運用改善

公開日は、全機能が完成した日ではなく、運営できる最低条件を満たした日として決めます。

  • 公開に必要な機能:無料登録、決済、限定投稿、退会、管理画面、問い合わせ対応
  • 計測する指標:会員数、視聴率、有料化率、月次解約率、決済失敗率、投稿・イベント参加率
  • データを見て追加:ライブ配信、レコメンド、アプリ、複雑な会費分配
  • 生成AIの利用:回答候補を作り、人が承認して送信

会費や返金、規約、個人情報の回答は、完全には自動化しません。参照情報、承認者、送信履歴のログを設け、誤案内で会員が不利益を受けない運用にします。

ポイント

発注者が事業判断の場を設け、要件、テスト、データ移行を一緒に確認します。公開は全機能の完成ではなく、運営に必要な最低条件を満たした時点で決めます。

オンラインサロンシステム発注のよくある質問

費用や期間、SaaSからの移行、開発会社の選び方について答えます。自社の会員数や運営体制に当てはめて、RFPに反映してください。

オンラインサロンシステムの外注費用はいくらですか?

既存プラットフォームやSaaSは初期0円から数十万円、セミオーダーやMVPは200〜800万円、フルスクラッチは800〜2,500万円程度が推定レンジです。

動画量や会員数、アプリの有無で変わります。決済方式やデータ移行、セキュリティ診断によっても変動します。要件定義から公開後保守まで範囲をそろえて比べます。

SaaSで始めて後から自社開発へ移行できますか?

移行できるかどうかは、SaaSのデータ出力項目と契約条件で決まります。会員情報や契約状態、次回更新日、決済履歴を持ち出せるかを確認します。投稿やコメント、動画、同意履歴も、対象に含めて確かめます。

移行に備えて、開始時から自社側で会員IDとデータ項目を管理しておきます。利用規約や最低契約期間、解約時の返却、APIの有無は、発注前に確認します。

オンラインサロン開発の委託先はどう選べばよいですか?

会員管理や継続課金、動画の実績を確認します。コミュニティやイベント、通報、退会処理の実績も、あわせて見ます。同じRFPで、2〜3社以上から提案を受けます。

価格や実績、要件の理解度を評価します。体制や保守、データの所有と返却も見ます。

セキュリティや障害対応の考え方も確認します。例外処理まで説明でき、事業判断を支援できる会社が望ましいです。

画面やログ、権限の設計は、開発会社に依頼できます。一方で、事業者としての最終判断や利用規約は発注者の責任です。特定商取引法表示や個人情報の取扱いも、発注者が担う範囲です。

法務やプライバシーの専門家に確認する工程と担当者を決めます。無料体験後の自動課金や解約方法、返金条件も整理します。著作権や肖像権の扱いも、整理の対象です。

まとめ

発注方式は、初期費用だけでなく、会員数や会費、動画量、コミュニティ密度、外部連携の5つの観点で選びます。3年間の総保有コストと移行可能性も比較します。

小さく検証するならプラットフォームやSaaSが、独自の会員体験を作るならセミオーダーやスクラッチが候補になります。

発注前にRFPで固定する項目

RFPには、事業目的や会員数、会費、会員状態、閲覧権限を記載します。決済失敗や返金、退会の扱い、動画保護、外部連携も含めます。法務・セキュリティや移行、納期、予算、保守まで、RFPに書いておきます。

見積もりは、要件定義や開発、テストに分けてもらいます。移行や公開、保守も、工程として切り分けます。対象外の項目と追加変更の単価も確認します。

最初に決める会員状態と権限

最初に決めるのは、誰がいつ何を見られるかという会員状態と権限です。華やかな機能一覧より、利用ルールを先に明確にします。

そこからMVPや契約、予算を整理し、開発会社の役割を決めます。2〜3社以上の提案を、同じ基準で比べます。

公開後は、有料化率や解約率、決済失敗率を見て改善します。視聴率や参加率も、あわせて確かめます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。