PACSの発注は、要件を整理し、同じ条件で各社を比べ、移行を確認する順で進めます。この順で進めると、診療継続につながります。
方式とRFPから始めて、契約、費用へと進みます。委託先の選び方と導入の進め方も、順に見ていきます。全体像は、下記の完全ガイドにもまとめています。
▼全体ガイドの記事
・医用画像管理システム(PACS)開発の完全ガイド
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医用画像管理システム(PACS)の発注・外注で最初に決める事項

PACSは、撮影装置から画像を受け取って保存し、患者・検査単位で検索できるようにする仕組みです。読影やレポート作成を支え、電子カルテや院内外の関係者へ画像を届けます。
業務をまたいで使われるため、発注側は製品を選ぶ前に、対象業務と必要な運用水準、担当者を決めておく必要があります。
「解決したい業務」の言語化
発注側は、現行PACSで困っている場面を、機能名ではなく業務上の事実で書き出します。
- 表示・登録の課題:過去画像の表示遅延や他院画像の手入力
- 業務上の課題:予約と患者情報の二重入力、レポート承認状況の不明
- 聞き取り対象:放射線科、技師、医師、医事、情報システム、経営側
- 背景の確認:検査量増加、画像共有、遠隔読影、災害対応、AI利用
聞き取りでは、通常業務と例外業務を分けて整理します。サーバーの更新が目的に見えても、実際には別の課題が隠れていることがあります。
目的は、「既存画像と新規画像を安全に管理し、必要な検査を遅延なく参照できる状態にする」のように一文で定めます。目的がはっきりしていれば、不要なカスタマイズを減らせます。
発注単位はPACS単体ではなく連携範囲
発注側は、発注単位とする範囲と、見積条件に書く情報をそろえます。
- 接続先:CT・MRI・X線・超音波・内視鏡、RIS、HIS・電子カルテ
- 周辺機能:レポート、画像診断支援AI、VNA、地域連携、バックアップ、認証基盤
- 見積条件:台数、年間検査件数、保存期間、同時接続数、既存データ量
- 運用条件:読影端末数、連携先、必要な稼働時間
発注書やRFPには「PACS導入一式」とだけ書かず、対象範囲を具体的に記載します。
連携先の見落としは、稼働後の手間に直結します。RISから患者情報が正しく渡らないと、入力の二重化が残ります。
また、クラウドPACSの保管機能が優れていても、院内ネットワークや画像の事前取得が不足すると、読影時に待ち時間が生じます。前提が決まらないまま見積を取ると、会社ごとに条件が異なり、比較できません。
PACSの発注形態:パッケージ・クラウド・スクラッチの選び方
標準的な業務を短期間で安定させたい場合は、パッケージかクラウドが第一候補になります。
既存システムや独自業務に合わせた差別化が経営上重要で、標準機能では対応できない場合に限り、追加開発やスクラッチを検討します。
方式を初期費用だけで決めると、移行や保守などの負担を見誤るおそれがあります。そのため、総保有コストで比べます。総保有コストには、障害対応と契約終了後のデータ搬出まで含めます。
標準パッケージとクラウドPACSの比べ方:導入の速さと運用負担
導入の速さと運用負担を見比べて、自院に合う方式を選びます。確認する条件は、会社や方式によらず同じにそろえておきます。
- 標準パッケージ:標準業務に近い施設ほど導入しやすい
- クラウド型:院内設備を抑え、機器更新や遠隔共有を委託しやすい
- 費用条件:初期投資ゼロでも総額は発生。月額、容量、接続、移行、契約期間、データ搬出費を確認
- 障害対策:院内キャッシュ、障害時に閲覧できる最低限の画像、復旧目標時間・時点をSLAと手順で確認
標準パッケージには、画像管理やViewer、検索などの機能が備わります。権限管理も含まれます。
PSP株式会社の公式サービスページは、東日本と西日本の二拠点での多重保管を示しています。さらに、レンタル機器により初期投資ゼロを実現する方式も紹介されています。
オンプレミスとハイブリッドの比べ方:診療継続性とデータ量
診療継続性とデータ量に照らし、院内設備とクラウドのどちらが何を受け持つかを比べます。
- オンプレミス:大容量画像を扱いやすいが、設備と保守を自院で持つ
- ハイブリッド:直近画像を院内、長期保存画像をクラウドに置ける
オンプレミスでは、サーバーとストレージを自院で持ちます。バックアップや監視、更新、保守要員も、自院で用意することになります。一方で、ハイブリッドは診療速度と災害対策を組み合わせやすい方式です。
選定時は、検査件数と画像サイズ、保存年数を整理します。夜間・休日の読影や複数施設の連携、回線の冗長性も含めて、方式を比べます。
複数拠点をまたいで検索する場合は、クラウドが有利です。ただし、大量のCT画像を連続表示する施設では、キャッシュや回線設計を検証しておく必要があります。
スクラッチ開発の評価の観点:独自性と保守体制
標準製品で業務に合わせにくいときは、独自性と保守の両面から追加開発を評価します。
- 適用例:独自の読影フロー、複数社統合、VNAでの非DICOM画像集約
- 必要な技術:標準仕様、接続、Viewer性能、長期保存、セキュリティ更新
発注側は、DICOMの受信や検索、患者IDの同定、データ移行について、設計・試験・保守の担当者を一つずつ決めておきます。
開発会社には、画面を作る力に加えて、独自コードと保守を引き継げる体制が求められます。そのため、独自コードの著作権と、ソースコードや設計書の引き渡しを確認します。第三者保守や、担当会社が撤退した場合の引き継ぎ条件も確かめます。
RFPと要件整理の進め方

RFPは、候補会社に同じ前提で提案と見積を依頼する文書です。製品カタログを写すよりも、現場の業務シナリオと非機能要件を具体化するほうが、各社の回答をそろえやすくなります。
最初からすべてを決めきれなくても構いません。ただし、比較に必要な前提は発注者側でそろえておきます。
現行環境とデータ移行の前提の洗い出し
見積の前提をそろえるため、発注側は現行環境と移行対象を洗い出します。
- 機器・データ:メーカー、機種、台数、接続方式、件数、容量、保存年数
- 関連データ:旧PACS形式、レポート、キー画像、CD・DVD、JPEG・PDF
- 識別・移行:患者・検査IDの名寄せ、重複、全件か直近年分か、旧PACS併用
- 検証と費用:検査・シリーズ・インスタンスの件数照合、サンプル確認、移行費、失敗時の再移行負担
他院画像と非DICOM画像も対象に入るかを確認します。サンプル画像では、表示と計測を試し、さらに比較やレポート参照まで確かめます。
移行費が見積に含まれているか、失敗時の再移行費を誰が負担するかも、各社に質問します。
MUSTとWANTによる要件の優先順位
要件に優先順位をつけ、初期導入に含めるものと将来拡張に回すものを分けます。
- MUST:ID誤り防止、画像受信、過去画像検索、電子カルテ起動
- MUST:権限管理、監査証跡、バックアップ、障害時の代替運用
- WANT:将来のAI、スマートフォン、地域連携、3D高度解析
- 比較条件:代替案、追加費用単位、標準機能と個別開発の境界
WANTは、初期導入に含めるか、拡張の余地だけ確保するかを決めておきます。優先順位がないと、追加機能の見積が会社ごとに食い違い、価格差の理由が見えなくなります。
発注側が「必須」「できれば」「今回は対象外」を明記しておくと、発注後の追加費用を抑えやすくなります。
DICOM・連携・セキュリティ・性能の数値と試験方法
発注側は、接続方式、性能目標、セキュリティ要件を、試験できる形で提示します。
- DICOM:C-STORE、C-FIND、C-MOVE、C-GET、QIDO-RS、WADO-RS、STOW-RS、MWL、MPPS
- 性能:通常時・混雑時の検索応答や過去画像の表示時間、同時読影者数、夜間の一括受信量、障害時の切替時間
- セキュリティ:多要素認証、最小権限、アクセスログ、暗号化、脆弱性対応
- 運用:バックアップ復元と委託先の監視範囲
DICOM公式はDICOMwebを医用画像のWeb標準と説明し、既存のDIMSEサービスへのプロキシ実装も可能としています。また、2026年2月に公表された鳥取大学の調達では、DICOM、DICOMweb、IHE Radiologyの主要プロファイルが要件とされていました(出典:政府公共調達データベース、2026年)。
厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版」は2026年6月に改訂され、契約や保守委託機関に関する資料も公開されています。このガイドラインは、RFPと契約の確認に使えます(出典:厚生労働省、2026年)。
PACSの契約形態と責任分界
一つの契約に開発や保守、クラウド利用が含まれていても、責任と料金の発生条件は項目ごとに別々です。
契約書と提案書、仕様書の優先順位を決め、正式な合意内容を明確にします。要件定義書、SLA、運用手順書の扱いも、合わせて決めておきます。
請負契約の成果物と検収条件
要件と成果物が固まっている導入や開発では、請負契約が適する場合があります。
- 納品物:設定書、連携仕様、移行報告、テスト記録、マニュアル、教育記録
- 運用資料:バックアップ・復元手順、設計書
- 検収試験:ID修正、通信断、重複受信、旧画像検索、権限外アクセス、復元
- 変更管理:承認者、費用・納期の提示期限、緊急対応、遅延条件
納品物は「PACS一式」とせず、検収できる資料や試験ごとに分けます。また、発注者の確認が遅れた場合や、第三者システムの仕様が変わった場合に、遅延や追加費用になる条件も明確にします。
準委任契約の作業範囲と進捗管理
内容を進めながら具体化していく作業では、準委任契約が合う場合があります。準委任であっても、作業の成果と進捗を追えるように、条件をあらかじめ合意しておきます。
- 対象作業:要件定義、現状調査、PoC、ベンダー調整、運用改善
- 管理内容:会議体、作成資料、レビュー回数、意思決定事項、月次報告
- 課題管理:課題管理表で活動内容と進捗を追う
- 引き継ぎ:成果物の粒度、第三者利用、レビュー記録、未決事項
要件定義後に別の会社へ導入を頼むときは、設計書とRFPの引き渡し条件を決めておきます。要件を作った会社と導入する会社が違う場合でも、この条件があれば引き継ぎを進めやすくなります。
契約終了時のデータ所有権と搬出条件
医用画像は、契約が終わったあとも診療記録として扱われます。そのため、データの権限と保存、終了時の搬出を契約で定めておきます。
- データ条件:所有・利用権限、保存期間、バックアップの扱い
- 搬出条件:形式、方法、費用、消去証明、ログの引き渡し
- 委託管理:再委託先、障害時の連絡先
- 役割分担:自院の設定・教育・アカウント管理と委託先の監視・脆弱性対応・復旧・報告
厚生労働省が第7.0版に関連して公開している「医療情報システムの契約における当事者間の役割分担に関する確認表」は、どこまでを誰が受け持つかの確認にも使えます(出典:厚生労働省、2026年)。
終了時の移行費やデータ取り出しの制限は、後から問題になることがあります。条件を口頭の説明で済ませず、契約文書に記しておきます。
医用画像管理システム(PACS)の費用相場と見積内訳
PACSは公開価格が少ないうえに、施設規模や画像容量によって見積が変わります。次の数値は、公開価格、公開調達要件、業務システムの一般的な相場を組み合わせた推定レンジです。
市場全体の公定価格ではないため、予算の初期検討に使うのが適切です。最終的には、同じ条件のRFPで個別の見積を取ります。
規模別の初期費用とランニング費用の目安
施設規模と構成ごとの推定レンジを、初期費用と運用費に分けて示します。
- 小規模診療所・健診施設:標準パッケージまたはクラウド型は、初期費用0万〜300万円程度、月額5.5万〜30万円程度
- 中小病院:初期費用300万〜1,500万円程度、月額10万〜50万円程度
- 中〜大規模病院:PACS、RIS、VNA、冗長化、大量移行を含み、初期費用1,000万〜5,000万円超、年額数百万円からとなる可能性
- 統合・スクラッチ:フルスクラッチや複数施設を統合する基盤は、初期費用3,000万〜1億円超、導入期間12〜24か月以上を見込むことがあります
中小病院の条件には、複数モダリティ、電子カルテ・RIS連携、データ移行を含みます。
保守費用は初期費用の年10〜20%程度とするケースも想定しています。いずれも施設条件による推定です。
キッセイコムテックが2019年に案内したハイブリッドクラウド型PAXiS-Xには、月額55,000円からとの公開例がありました。ただし、これは容量などで変わる過去の公開例で、2026年の導入価格を保証するものではありません。
PSPのクラウドPACS NOBORIは初期投資ゼロのモデルですが、月額利用料や施設ごとの構成費用が発生します。公開価格は、現在の見積条件とは分けて扱います(出典:キッセイコムテック、PSP株式会社)。
見積書の内訳:ライセンス・連携・移行・保守
一式表示を避け、初期費用と運用費の項目ごとに確認します。
- 製品・設備:ライセンス、Viewer、接続数、ストレージ、サーバー、専用機器
- 連携・機能:モダリティ、HIS・RIS、電子カルテ、レポート、AI
- 導入・運用:バックアップ、監視、セキュリティ、移行、端末・モニター、現地作業
- 支援費:教育、保守。数量・単価・期間・前提・対象外も確認
クラウドは、容量や転送量、追加ユーザーで総額が変わります。さらに、AI処理や長期保存、データ搬出、最低利用期間も総額に響きます。
オンプレミスは、機器と設置費に加えて、数年ごとの更新も見込む必要があります。保守部品やバックアップ媒体、電源・空調も必要になるため、見積に含まれているかを確かめます。
5年程度の利用期間を置き、初期費用と月額・年額を合算して比較します。
5年総額と追加費用の境界による比較
同じRFPで各社の見積を取り、価格差が要件や対象範囲の違いから生じたものかを比べます。
- 見積範囲:標準、オプション、未確定の前提、対象外を色分けして区分
- 追加費用:データ増、機器追加、連携変更、休日作業、再移行、回線変更
- 比較項目:価格、期間、移行、SLA、代替手順、教育、窓口、更新、搬出費
- 総額確認:月額課金やオプションも含め5年で合算
容量課金や高額なオプションがあると、5年総額の順位が逆転する場合があります。一方で、高い提案でも、移行・教育・保守が含まれていれば、発注者側の追加作業が減る可能性があります。
PACSの委託先選定と見積比較で確認するポイント
委託先は、自院に近い規模・モダリティ・連携環境での経験を確かめて選びます。知名度や営業資料は、判断材料の一つとして扱います。
また、メーカー系、クラウドPACS事業者、医療ITに強いSIerでは、得意範囲が異なります。要件定義や複数社の調整を支援する独立系の会社もあり、候補ごとに責任範囲を比べます。
実績の確認:社名ではなく類似条件と担当範囲
実績は、自院との類似性と、導入後までの担当範囲で評価します。
- 導入条件:病床規模、モダリティ数、年間検査件数、方式、HIS・RIS・レポート連携、旧PACSからの移行件数
- 稼働実績:停止時間、想定外費用、導入後の問い合わせ対応
- 担当体制:責任者、医療連携、DICOM・ネットワーク、保守担当
導入先の担当者の同意を得たうえで、実際の状況を聞きます。営業担当と要件定義・移行・保守の担当者が異なる場合は、その担当者を示してもらいます。さらに、担当者の交代や再委託のルールも確認します。
デモで試す実データに近い業務シナリオ
匿名化または検証用に準備した、実データに近いCT・MRI画像を使い、実際の操作で確かめます。見た目の良さより、業務の流れに合うかを見ます。
- 画像操作:検索、前回比較、MPR、計測、レポート作成
- 連携・負荷:電子カルテ起動、他院画像、権限表示、大量受信、回線制限
- PoC基準:検索時間、登録誤り、移行件数と不一致、表示再現性
- 運用基準:復旧時間、教育後の操作完了率
候補会社には自社のシナリオを渡し、標準機能、設定、追加開発、運用変更のどれで実現するかの回答を求めます。その回答は、見積の根拠になります。
提案面談で確認する追加費用と失敗時の責任
機能の有無に加えて、追加費用や移行時の責任を文書で確かめます。
- 費用:別契約や追加ライセンスの要否
- 移行:全件移行の担当者、照合結果の帳票、不一致IDの修正担当
- 契約・障害:終了・譲渡の通知期間、搬出形式と費用、障害連絡、報告
- 保守・AI:脆弱性パッチと医療機器プログラムの承認・認証が必要か
回答が提案書、見積書、契約書のどこに記載されるかも確認します。AIについては、診断の自動化と、読影支援・トリアージ・計測を分けて説明してもらいます。
発注後のPACS導入で計画する移行・教育・切替

導入は契約で終わりません。現状調査から設定・開発までを終えたら、連携試験と移行リハーサルに進みます。その後、利用者教育、稼働判定、本番切替を経て、安定化支援へ移ります。
診療を止めないため、切替日から逆算して、担当者と確認内容を計画書に記しておきます。
移行リハーサルと並行運用による診療停止リスクの低減
発注側と委託先は、移行の検証と切替時の代替手順を事前にそろえます。
- 移行リハーサル:抽出、変換、取込、件数照合、サンプル読影を複数回実施
- 対象データ:CT・MRI、レポート、キー画像、マーク、動画、非DICOM、患者属性
- 切替準備:差分移行、最終同期、旧PACSを参照専用で残す期間、紙・別媒体の手順、回線断・サーバー・認証障害時の連絡網
- 復旧確認:画像を復元し、検索・表示できることを試験
切替後の問い合わせ窓口を一本化し、改善要望を優先度付きで管理すると、稼働直後の混乱を抑えやすくなります。
職種別教育と稼働後の運用を含む契約範囲
職種ごとの実務シナリオで教育し、稼働後の確認項目と見直しの場も定めておきます。
- 対象者:放射線技師、読影医、依頼医、事務、情報システム
- 訓練内容:検索、比較、計測、レポート、ID修正、画像取込、障害連絡、権限申請
- 稼働後点検:受信エラー、表示遅延、未登録検査、権限、容量、バックアップ、監査ログ
- 定期見直し:月次の障害・復旧・問い合わせ・要望、更新前の5年総額と搬出条件
マニュアルには、画面の説明に加えて、例外時の連絡先を含めます。PACSは長く使う基盤であるため、導入後も運用の改善を続けます。
医用画像管理システム(PACS)の発注・外注でよくある質問
費用や方式は、施設ごとに答えが変わります。自院の検査量と業務要件に当てはめて確かめます。
PACSの発注費用はいくらかかりますか?
小規模なクラウド・パッケージは初期費用が0万〜300万円程度で、中小病院は300万〜1,500万円程度です。中〜大規模病院は1,000万〜5,000万円超という推定レンジがあります。
公開価格と業務システムの相場を組み合わせた目安で、公定価格ではありません。費用は、画像容量やモダリティ、移行や連携ごとに分けて見積を取ると比べやすくなります。さらに、ViewerやAI、冗長化、教育、保守も分けて見積を取ると、各社の内容を同じ並びで比べられます。
クラウドPACSに外注すると安全ですか?
安全性は、クラウドかオンプレミスかという方式だけでは判断できません。確認するのは、多重保管や暗号化、認証といった守りの仕組みです。加えて、監査ログや脆弱性対応、バックアップからの復元も見ます。
回線障害時の代替運用や委託先の監視体制も確認します。厚生労働省のガイドラインと自院の規程に照らし、契約書とSLAで責任分界を定めます。
既存PACSの画像をすべて移行する必要がありますか?
全件にするか直近数年分にするかは、保存義務や参照頻度、費用を踏まえて決めます。あわせて、旧システムの保守期限と画像の完全性も確かめます。
全件移行では、画像に加えて、患者・検査IDやレポートも対象になります。さらに、キー画像や動画、移行後の照合も含めます。
段階移行では、旧PACSを参照専用で残す期間や、旧環境のバックアップ、契約終了後の閲覧方法を定めます。移行しないデータも、管理の対象にします。
委託先を選ぶときは何社から見積を取ればよいですか?
少なくとも複数社に同じRFPを示し、方式や移行範囲、連携を比べます。さらに、保守や契約終了の条件も比べ、価格だけで選ばないようにします。
候補を増やしすぎると、質問や評価に時間がかかります。そこで、要件に合う会社を絞り、PoCや詳細提案へ進む候補を選ぶと進めやすくなります。
相見積もりでは、各社の前提とリスクを見比べられる形にします。
まとめ:業務要件と契約条件をそろえたPACSの発注・外注の比較
発注前にそろえるべき五つの確認事項
発注前には、解決したい業務と連携範囲、移行対象を一枚にまとめます。性能や障害対応、契約終了時の搬出も、同じ一枚に書き込みます。
五つがそろえば、提案条件を統一でき、見積の抜けや追加費用の境界を確認しやすくなります。
最初の一歩:現場ヒアリングと同条件のRFP
製品デモの前に、放射線科や医師、情報システム、事務担当へ聞き取りを行います。そのうえで、代表的な検査と例外業務を整理します。
内容をRFPにまとめて複数社へ渡し、同じ業務シナリオでデモやPoCを比べます。移行方法や5年総額、契約条件も、そろえた条件で確かめます。
自院だけで整理が難しい場合、医療システムに詳しい第三者へ要件定義や比較支援を委託できます。
- 対象整理:解決業務、現行環境、移行データ、連携先を洗い出し
- 方式選定:診療継続性と運用体制に合う構成を決定
- 要件提示:MUST・WANT、接続、性能、監査、障害試験をRFPに記載
- 費用比較:各費目と搬出条件を分け、5年総額で評価
- 委託先・運用:担当範囲、切替、稼働後改善を確認
費用は推定レンジとして扱い、ライセンスや連携、移行の費用を分けて比べます。端末やセキュリティの費用も、分けて見ます。さらに、教育、保守、データ搬出の費用も、項目ごとに確認します。
委託先は、類似条件での担当範囲と移行責任を確認します。障害対応や契約終了時のデータ返却も、あわせて確かめます。切替と稼働後の改善も、計画に含めます。
▼全体ガイドの記事
・医用画像管理システム(PACS)開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
