学校・教育機関向け保護者連絡システムの発注では、機能の多さよりも、欠席連絡・一斉配信・回答集計・年度更新・校務システム連携を自校の運用に合わせて設計できる委託先を選ぶことが重要です。
「既製のSaaSを導入するべきか、開発会社へ外注するべきか分からない」「見積書のどこを比較すればよいか不安」という学校、教育委員会、学校法人の担当者向けに、発注形態の選び方からRFP、契約、費用相場、委託先選定までを実務の順番に沿って解説します。公開価格のあるサービスと、要件によって金額が変わる個別開発を分けて考え、PoCや研修、障害時の代替連絡まで含めて失敗を防ぐ視点をまとめます。
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・学校・教育機関向け保護者連絡システム開発の完全ガイド
学校・教育機関向け保護者連絡システムの発注とは何ですか?

学校・教育機関向け保護者連絡システムは、学校からの情報発信だけでなく、保護者からの欠席・遅刻連絡、アンケート回答、確認状況の把握、校務データとの連携までを一つの業務フローにまとめる仕組みです。発注時は「アプリを作る」という技術の話から始めず、電話、紙、個別メールで行っている業務をどこまで置き換えるのかを決めることが出発点です。
連絡業務をデジタル化するだけでは発注目的になりません
現場で最初に効果が出やすいのは、朝の欠席電話の受付と集計、緊急連絡の一斉配信、紙のお便りの配布確認です。ただし、欠席理由や健康情報を含む場合は、担任、学年主任、養護教諭、管理職など、誰がどの情報を閲覧できるかを細かく分ける必要があります。単にメール配信機能があっても、未確認者の把握や返信の整理ができなければ、教職員の確認業務が残ってしまいます。
発注前には、現在の電話件数、朝の受付時間、紙の配布量、アンケート集計にかかる時間を1週間または1か月単位で記録します。導入後に「便利になった気がする」だけで終わらせず、保護者登録率、電話件数、受付から担任確認までの時間、未確認率を比較できるようにするためです。教育現場の業務フローとデータ環境を先に確認し、限定範囲のPoCから段階展開する方針は、今回のリサーチでも重視されている差別化ポイントです。
最初に決めるべきなのは対象範囲と利用者です
公立小中学校を教育委員会が一括導入する場合と、私立高校が1校で導入する場合では、必要な管理単位も調達手続も異なります。特別支援学校では保護者との個別連絡や送迎情報が重要になり、学習塾では入退室通知や講座単位の連絡が優先されることがあります。対象を「全校」とだけ書かず、学校種別、校数、児童生徒数、保護者数、教職員数、部活動やバスの有無までRFPの前提条件に記載します。
必須機能は、学校・学年・学級などの単位別配信、緊急通知、欠席・遅刻・早退の受付、未確認者の把握、アンケートと自動集計、PDFや画像の添付、年度更新、権限管理です。登下校、健康観察、面談調整、集金、多言語翻訳、校務支援システム連携は、費用と運用負担を増やす拡張機能として優先順位を付けます。最初から全部を盛り込まず、目的と効果指標が結び付く機能から発注することが大切です。
発注形態はSaaS・連携開発・スクラッチのどれを選びますか?

発注形態は、標準機能を使うSaaS、SaaSに設定や連携開発を加える方式、要件に合わせて新しく作るスクラッチ開発の3つに整理できます。比較の軸は初期費用だけではありません。業務を製品に合わせられるか、校務システムの正データとつなげられるか、年度更新や障害対応を誰が担うかまで含めて判断します。
短期間で始めるなら教育向けSaaSです
欠席連絡、一斉配信、アンケートなどが標準機能で足り、独自の校務ルールを大きく変えられる学校にはSaaSが向いています。サーバー構築やアプリストア公開を自前で行わずに済み、導入期間を短くしやすいことがメリットです。一方で、既存の学籍・校務支援システムと自動連携できない場合は、CSV取込や二重入力が残ることがあります。
公開価格の例として、tetoruは連絡配信と欠席連絡を含むStarterプランを無料で案内し、個別連絡を月額1,500円(税別)、より多機能なプランを月額5,000円(税別)としています。個別連絡機能は年度途中の解約ができず、年度末まで料金が発生する条件もあるため、料金表だけでなく契約期間まで確認します(出典: tetoru「プラン」「個別連絡機能のお知らせ」、2025年提供情報)。
標準クラウドに連携開発を加える方式が中間案です
標準機能を活かしながら、校務支援システムとのAPI連携、暗号化CSVの定期取込、学校独自の承認フロー、自治体向けの管理画面などを追加したい場合は、クラウド+連携開発が現実的です。SaaSベンダーだけで対応できるのか、別の受託開発会社が連携部分を担当するのかを、発注前に整理します。責任分界が曖昧なまま進めると、障害時に「サービス側か連携側か」が分からなくなります。
この方式では、標準機能のアップデートを受けやすい一方、独自改修が標準仕様の変更で影響を受ける可能性があります。APIのバージョン管理、CSVの項目定義、エラー時の再取込、連携停止時の手作業、テスト環境の提供をRFPに含めます。見積比較では開発費だけでなく、連携保守費と仕様変更時の単価も確認します。
独自ルールや大規模連携が中心ならスクラッチ開発です
自治体全体で数十校から数百校を管理する、複数の既存システムを一つの利用者基盤でつなぐ、学校種別ごとに権限や通知を変えるといった要件では、スクラッチ開発が候補になります。独自の業務フローを実装しやすい反面、要件定義、セキュリティ設計、テスト、保守、障害時の責任を発注者側も継続して管理する必要があります。
スクラッチを選ぶ場合でも、最初から全機能を一括開発する必要はありません。1校または1学年の欠席連絡と一斉配信でPoCを行い、登録率や電話削減などの効果を確認してから、アンケート、登下校、集金へ広げる段階開発が安全です。AIによる欠席理由の要約や返信案の作成を加える場合も、人が内容を確認してから送信するHuman-in-the-Loopを初期条件にします。
学校・教育機関向け保護者連絡システムの外注はどう進めますか?

外注の進め方は、現状分析、要件整理、候補選定、提案・見積比較、契約、PoC、本番展開の順番にすると、後戻りが少なくなります。特に学校では、年度や学級が変わるたびに名簿と権限が変わるため、開発完了日だけをゴールにせず、年度更新までを導入プロジェクトの範囲に含めます。
現状分析では電話・紙・集計の流れを見える化します
まず、朝の欠席連絡を誰が受け、どの台帳へ記録し、担任へどう伝え、未確認の家庭へ誰が折り返しているかを確認します。校長、教頭、担任、養護教諭、事務職員、教育委員会、保護者のそれぞれに短時間のヒアリングを行うと、仕様書だけでは見えない例外処理が見つかります。兄弟姉妹がいる家庭、代理送迎、外国語での連絡、スマートフォンを使えない家庭も対象に含めます。
現状分析の成果物は、業務フロー図、利用者と権限の一覧、データ項目表、連携対象システムの一覧、効果測定の基準値です。例えば「朝8時までの欠席連絡を担任が確認できる」「緊急配信の未確認者を把握できる」といった業務成果に置き換えると、必要な機能と不要な機能を判別しやすくなります。
要件整理とRFPで委託先が提案しやすい条件を作ります
RFPには、対象校数、利用者数、利用開始時期、必須機能、拡張機能、対象外の範囲、既存システム、データ移行、セキュリティ、保守、研修、見積書の分け方を記載します。「使いやすい画面」のような抽象表現だけでは比較できないため、「担任が学級を選んで欠席一覧と未確認者を確認できる」「保護者が兄弟姉妹を一つのアカウントで登録できる」など、利用者と操作結果で書きます。
提案依頼時には、標準機能、設定で対応する機能、追加開発、外部連携、別途オプションを分けて回答してもらいます。さらに、初期費用、月額、名簿移行、研修、問い合わせ窓口、年度更新、障害対応、保守改修を別項目で見積もるよう指定します。これにより、一見安い提案の後から追加費用が積み上がる事態を防ぎやすくなります。
デモとPoCで現場の使いやすさを確かめます
提案書だけでなく、教職員と保護者の双方が実際に触れるデモを行います。教職員には、学級別配信、誤送信防止、未確認者の確認、年度更新、CSVエラーの処理を操作してもらいます。保護者には、初回登録、兄弟の追加、欠席連絡、添付ファイルの閲覧、通知の再確認を試してもらい、操作に迷う箇所を記録します。
PoCは1校、1学年、または欠席連絡だけに限定し、3〜6か月程度で効果を検証する設計が考えられます。これは対象システム固有の公表統計ではなく、リサーチノートで整理した編集上の目安です。全校導入を急ぐより、登録率、電話件数、確認時間、誤送信、問い合わせ内容を測定し、研修とマニュアルを直してから広げる方が、現場への定着を評価しやすくなります。
RFPと要件整理では何を決めるべきですか?

RFPは、業者に希望を伝える資料であると同時に、発注者自身が業務と責任範囲を整理する資料です。特に保護者連絡では、誰が送信できるか、誰が返信を読めるか、どの記録を何年間保存するか、進級・転校・卒業時にどう更新するかを曖昧にしないことが重要です。
業務フローと権限を利用者別に記載します
配信では、全校、学年、学級、部活動、個別家庭という宛先の単位と、予約配信、緊急配信、既読確認、再通知の有無を決めます。保護者からの連絡では、欠席・遅刻・早退の受付締切、理由の選択肢、自由記述、添付の可否、担任への通知方法、管理職が確認できる範囲を決めます。返信を許可する場合も、学校からの一方通行と個別相談を同じ画面に混在させるかを検討します。
権限は、システム管理者、教育委員会、学校管理者、学年主任、担任、養護教諭、事務職員、保護者などに分けます。例えば欠席理由は全職員が見られる情報ではない可能性があるため、画面表示、CSV出力、検索、監査ログの範囲を別々に指定します。人事異動や担任変更がある4月に、管理者だけで安全に権限を更新できるかも確認します。
名簿・データ・連携方式を先に確定します
名簿の正データがどのシステムにあるかを決め、児童生徒、保護者、続柄、学校、学年、学級、在籍状態、連絡先の項目をデータ項目表にします。兄弟姉妹を一つの保護者アカウントに紐付ける場合は、児童生徒IDと保護者IDの関係、重複登録の検知、離婚や別居など配信先が複数になるケースも要件に含めます。
API連携が可能なら認証、接続元制限、エラー通知、再送、仕様変更時の連絡方法を確認します。APIがないシステムでは暗号化CSVの定期取込を採用できますが、文字コード、必須項目、差分取込、削除フラグ、取込失敗時の戻し方を定めないと、古い学級情報が残る危険があります。提案時には連携仕様書のサンプルと、テスト環境での実証を依頼します。
セキュリティと運用を機能要件と同じ重さで書きます
文部科学省は、教育現場には児童生徒や保護者の情報を扱う特徴があるとして、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを改訂しています。2025年3月版では、教育委員会がポリシーを策定・見直す際の考え方が示されています(出典: 文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」、令和7年3月)。RFPでは、通信時・保存時の暗号化、多要素認証、管理者操作ログ、脆弱性対応、バックアップ、障害時の復旧目標、国内データセンターの有無を確認します。
個人情報保護委員会のガイドラインでは、委託先の安全管理措置を確認し、委託契約に必要な条項を盛り込み、委託先の取扱状況を把握することが示されています(出典: 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、2025年版)。認証マークの有無だけで安心せず、再委託先、アクセスできる情報、監査方法、インシデント報告期限、契約終了時の返却・消去証明まで提案書で回答してもらいます。
契約形態と発注時の契約条項はどう選びますか?

同じ「外注」でも、完成したシステムを納品してもらう契約と、要件を相談しながら準委任で開発する契約、毎月利用するSaaS契約では、責任範囲と費用の考え方が変わります。学校側が何を完成条件とするのか、仕様変更をどう扱うのか、導入後の運用を誰が担うのかを契約前に明確にします。
請負・準委任・SaaSの違いを責任分界で見ます
請負は、合意した成果物を完成させ、検収することを重視する契約です。画面、帳票、API、テスト仕様書、操作マニュアルなど、納品物と検収条件が具体的な案件に向いています。準委任は、要件調査や改善を含めて一定期間の作業を依頼する形で、仕様が変わりやすいPoCや伴走型の支援に使いやすい一方、成果物と工数の評価方法を合意しておく必要があります。
SaaSはサービス利用規約や個別契約に基づいて使うため、開発委託の検収だけではなく、サービスレベル、利用停止、データ保存、解約、料金改定、障害時の補償を確認します。SaaSと追加開発を組み合わせる場合は、標準サービスの契約と追加開発の契約を分けるのか、一本化するのかを決め、問い合わせ窓口も一本化できるかを確認します。
検収・仕様変更・遅延時の扱いを文章にします
検収条件には、主要画面が表示されることだけでなく、権限別に見える情報が正しいこと、学級変更後に配信対象が正しく更新されること、CSVエラーが通知されること、通知が重複しないこと、監査ログが残ることを含めます。受入テストの担当者、テストデータ、期限、不具合の重大度、修正期限を合意すると、検収の判断が属人的になりにくくなります。
学校の要望は、PoCや説明会の後に増えやすいものです。仕様変更の依頼方法、追加見積の単価、納期への影響、変更を承認する委員会や責任者を決めておきます。年度開始に間に合わない場合の暫定運用や、開発が遅れたときの代替連絡手段も、契約書または運用計画に含めます。
再委託・データ削除・研修まで契約範囲に含めます
開発会社がクラウド事業者、通知配信会社、コールセンター、運用監視会社へ再委託する場合は、再委託先の名称、業務範囲、アクセスするデータ、事故時の責任、変更時の承認を確認します。契約終了時は、データをどの形式で返却するか、バックアップを含めていつ消去するか、消去証明を発行するかまで決めます。児童生徒や保護者の情報を長期間残さないための出口設計が重要です。
導入支援では、管理者向け研修、教職員向け研修、保護者説明会、操作マニュアル、問い合わせの一次窓口、年度更新の伴走を分けて見積もります。初年度の登録支援だけでなく、毎年の進級・卒業・入学・人事異動に必要な作業と費用を確認します。機能が完成しても利用されなければ効果は出ないため、研修と定着支援を開発費の外側に追いやらないことが発注のポイントです。
学校・教育機関向け保護者連絡システムの費用相場はいくらですか?

費用は、公開価格のあるSaaSと、要件定義から作る個別開発で大きく異なります。学校数、児童生徒数、通知量、アプリの有無、校務システム連携、名簿移行、研修、SLAによって変動するため、「保護者連絡システムは一律いくら」と断定できません。ここでは公開情報と、類似業務システムの規模から置いた編集用推定値を分けて示します。
公開価格では無料から月額数千円程度まで幅があります
tetoruの公式プランでは、基本的な連絡配信と欠席連絡を無料で使えるプラン、個別連絡を月額1,500円(税別)で加えられるプラン、月額5,000円(税別)のプランが案内されています。ただし、対象となる学校種別、契約年度、集金や校務支援連携の条件を確認する必要があります。無料という表示だけで、名簿移行や研修まで無料だと判断しないことが大切です。
VISHのChimeleeでは、スクールバスプランを初期費用0円、1施設あたり月額5,500円(税込)で公開しています。乗降車管理は月額1,100円(税込)、位置情報配信はGPS端末1台につき初期費用27,500円(税込)と月額5,500円(税込)というオプション例があります(出典: VISH株式会社「Chimelee プラン・料金」、2026年確認)。複数施設やスタンダードプランは別見積もりになるため、公開価格は比較の起点として使います。
個別開発は小規模300万〜800万円程度が推定レンジです
個別開発の費用は、公的な対象システム別統計が確認できないため、以下は公開SaaS価格、一般的な業務Web・スマートフォン開発の規模、学校向けのセキュリティと連携要件から置いた編集用の推定レンジです。実際の見積もりを示すものではなく、発注前に複数社へ同じ条件で確認するための目安として扱います。
1校向けで、配信、欠席、アンケート、権限、CSV出力を備える専用Webシステムは、300万〜800万円程度、期間は3〜6か月程度が目安になります。iOSとAndroidのアプリを新規に作り、プッシュ通知、ファイル保管、監査ログ、保護者登録まで含める場合は上限側へ寄りやすくなります。初期設定、名簿移行、操作研修だけを既存クラウドへ依頼する場合は、0〜50万円程度の編集用推定レンジで別途見積もると比較しやすくなります。
複数校、教育委員会管理、校務支援システム連携、年度更新、個別連絡、監査、障害対応を含む中規模案件は800万〜2,000万円程度、期間は6〜12か月程度が推定レンジです。自治体全体で数十校から数百校を対象にし、冗長化、災害対策、多言語、集金、登下校まで統合する大規模案件では2,000万〜5,000万円超、期間12〜24か月程度になる可能性があります。いずれも対象システム固有の公表相場ではありません。
保守・クラウド・通知・研修を含む総額で比較します
開発費だけで予算を決めると、稼働後の費用が不足します。クラウド利用料、保守、監視、通知配信、ファイル容量、問い合わせ、年度更新、脆弱性対応、追加改修を分けて確認します。開発費に対して保守費を年15〜25%程度と置く方法もありますが、これは一般的な計画用推定であり、SLA、問い合わせ件数、データ容量、連携本数によって実際の金額は変わります。
見積書では、初年度だけ発生する費用と毎年発生する費用を分け、3年または5年の総保有コストで比較します。例えば、初期費用が安くても、1校ごとの従量課金、年度更新手数料、オプションの個別連絡、アプリ保守が積み上がる場合があります。税別・税込、最低契約期間、年度途中解約、値上げ条件、利用人数の数え方も同じ表にそろえます。
委託先選定と見積比較では何を確認しますか?

委託先は、教育向けSaaSベンダー、受託開発会社、SaaSと開発を組み合わせる事業者に分けて比較します。「開発会社」と書かれていても、標準クラウドを提供する会社と、要件に合わせてゼロから作る会社では、できること、費用、契約責任が異なります。候補の種類をそろえた上で、同一のRFPに回答してもらうことが重要です。
学校種別と導入規模が近い実績を確認します
実績は導入校数だけでなく、自校に近い学校種別と運用を確認します。公立小中学校や教育委員会の一括導入、私立高校、特別支援学校、学習塾では、必要な権限や保護者支援が異なります。候補会社には、同じ規模の導入事例、導入期間、登録支援の方法、年度更新の分担、障害時の連絡体制を質問します。事例を紹介できない場合は、実績がないと断定せず、同等規模の検証環境やPoCを提案できるかで評価します。
候補例として、tetoru、Chimelee、sigfy、スクリレ、マチコミ、HotConPassなど、学校や教育施設向けの標準サービスを提供する企業があります。これらは同じ分類の受託開発会社という意味ではなく、標準クラウドの導入候補です。個別連携や独自業務が必要な場合は、各ベンダーに追加開発の可否を確認するか、受託開発会社と連携して責任分界を定めます。
見積比較は価格・範囲・リスクの3列で行います
見積比較表には、価格だけでなく、標準機能で対応する範囲、追加開発の範囲、発注者側の作業、除外事項を並べます。例えば、同じ「名簿移行」でも、CSVを渡すだけなのか、データクレンジング、重複確認、移行リハーサル、本番移行まで含むのかで工数は変わります。研修も、動画を渡すだけなのか、各校で説明会を実施するのかで価値が異なります。
技術面では、APIまたはCSVの仕様、認証、通知、ログ、バックアップ、SLA、復旧目標、脆弱性対応、国内データセンター、再委託先、データ削除証明を同じ質問票で確認します。運用面では、サポート時間、休日の緊急連絡、保護者からの問い合わせ窓口、年度更新の作業分担、契約終了時の移行支援を比較します。認証取得の有無だけでなく、実際の運用手順と証跡を確認することが大切です。
安さだけを強調する提案には追加条件を聞きます
「初期費用0円」「短期間で導入可能」という提案は魅力的ですが、対象校数や利用者数の制限、名簿移行、研修、オプション、解約条件が別になっていないか確認します。無料プランが公立小中学校など特定の対象に限られる場合もあります。費用が低い理由を説明でき、対象外の条件や将来費用まで開示できる会社は比較しやすい候補です。
反対に、要件を聞かずに機能数と総額だけを提示する、セキュリティ質問に認証名だけで答える、再委託や障害時の責任分界を示さない、年度更新やデータ返却に回答しない会社には注意します。発注者側も、全校導入を前提にしてPoCを省く、現場研修を予算化しない、既存データを整理しないという進め方を避けます。質問への回答の具体性と、分からない点を正直に示す姿勢も評価対象です。
学校・教育機関向け保護者連絡システムのよくある質問

発注前には、料金だけでなく、既製サービスと開発の境界、導入後の運用、個人情報の扱いについて質問が集まります。ここでは学校、教育委員会、学校法人の担当者が特に確認したい3点に直接回答します。
SaaS導入と個別開発はどちらがよいですか?
必須機能が標準でそろい、業務をある程度製品に合わせられるなら、短期間で始めやすいSaaSが適しています。校務システム連携、自治体固有の権限、複雑な年度更新、独自の承認フローが重要なら、連携開発やスクラッチを比較します。まずSaaSのデモと個別開発の要件ヒアリングを並行して行い、3年総額と運用負担で判断すると失敗しにくくなります。
発注費用はどのくらいの予算を見ておけばよいですか?
公開SaaSは無料から月額数千円程度の料金例がありますが、対象や機能、初期設定、名簿移行、研修、オプションで変わります。個別開発は、1校向けの小規模で300万〜800万円程度、複数校・連携を含む中規模で800万〜2,000万円程度、自治体全体の大規模で2,000万〜5,000万円超という編集用推定レンジがあります。公表統計ではないため、対象校数、利用者数、連携、SLA、研修範囲をRFPに書いて複数社から見積もりを取得してください。
委託先のセキュリティは何を確認すればよいですか?
通信・保存時の暗号化、権限管理、多要素認証、管理者操作ログ、脆弱性対応、バックアップ、障害時の復旧、再委託先、国内データセンター、データ返却・削除を確認します。ISMSやISO/IEC 27017などの認証は参考になりますが、学校の教育情報セキュリティポリシーに沿った具体的な手順と証跡を確認する必要があります。個人情報保護委員会のガイドラインが示す委託先の選定・契約・監督の考え方も、RFPと契約条項へ反映します。
まとめ:発注条件を整えてから保護者連絡システムを外注しましょう

学校・教育機関向け保護者連絡システムの発注では、SaaS、標準クラウド+連携開発、スクラッチを、対象校数、運用の独自性、既存システムとの連携、予算、導入時期で比較します。公開価格のある無料〜月額数千円程度のSaaSと、300万〜5,000万円超の個別開発の推定レンジは同じ土俵で比べず、初期費用、月額、移行、研修、保守、3年総額に分けて見積書を読みます。
失敗しない発注の順番は現状分析、RFP、PoCです
最初に電話、紙、アンケート、緊急連絡、年度更新の業務を見える化し、利用者、権限、データ、連携、セキュリティ、研修の条件をRFPへ落とします。そのうえで、標準機能と追加開発を分けて複数社へ依頼し、デモとPoCで現場の登録率や電話削減を測ります。全校導入を急がず、現場の声を受けて仕様とマニュアルを修正することが定着につながります。
次の一手は要件一覧と比較用の質問票を作ることです
まずは必須機能を一斉配信、欠席連絡、未確認者の把握、アンケート、年度更新、権限管理に絞り、拡張機能を別枠にします。委託先には、教育現場の実績、校務連携、再委託、障害対応、データ削除、年度更新、保護者登録支援を同じ質問で確認してください。発注者と委託先が運用上の責任を共有できる条件を整えれば、導入後も改善できる保護者連絡基盤を作りやすくなります。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
