駐車場管理システム開発の完全ガイド

駐車場管理システムは、駐車場の種類、設備構成、運用条件を分けて考えると、必要な機能と導入方式を選びやすくなります。そのうえで、主要機能から費用、開発会社の選び方、導入後の運用まで、発注側の担当者の目線で順に見ていきます。

▼関連記事一覧
・駐車場管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・駐車場管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・駐車場管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・駐車場管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

駐車場管理システムの概要

駐車場管理システムは、車室の情報を集めて判断し、利用者や管理者へ知らせる業務システムです。その結果、省人化と利用者の駐車しやすさを支えます。

車室の情報は車室センサーやカメラで集め、入退場ゲートや精算機、管理画面などと組み合わせて使います。

料金計算や予約、定期契約まで扱います。さらに、売上集計や障害対応も含みます。

システム化で管理できる範囲

管理対象は、次の4つに分けて考えられます。

  • 現場の情報:満空、入出庫時刻、車番
  • 金銭の情報:料金、割引認証、決済のほか、売上も含まれます
  • 契約と予約:定期券、月極契約、予約枠
  • 機器と保守:機器状態、巡回・保守記録

表計算ファイルや紙台帳で情報を別々に管理すると、車両や契約の二重登録、料金と利用時間の集計違いが起きることがあります。一方で、情報を一つの基盤にまとめると、現場担当者は異常確認に集中でき、運営責任者も拠点別の稼働率や売上を比べやすくなります。

導入で期待できる効果

導入の効果は、管理者の作業時間の削減に加えて、利用者の利便性や現場の対応力にも表れます。

  • 満空情報:早く正確に伝えることで、場内を周回する利用者の時間が減る
  • 予約・キャッシュレス:利用の前後にかかる手間を減らす
  • 遠隔監視:夜間の機器不具合を確認し、現地対応の要否を判断する

効果を後から比べられるよう、導入前の状態を測っておく必要があります。

測る対象は、待ち時間や表示遅延、精算トラブルです。加えて、巡回時間や稼働率も測ります。

駐車場の種類別に見る必要なシステム

駐車場管理システムに必要な構成は、施設の使われ方と料金の決め方によって変わります。

用途には月極と短時間利用があり、施設来訪者向けや複数拠点の公共運営もあります。

用途を先に分けておくと、不要な機能や機器への投資を抑えやすくなります。

月極駐車場・社宅駐車場

月極では満空検知より、契約の管理が中心です。請求、更新、解約を扱い、車両登録も含みます。

  • 契約情報:契約者と車両番号、区画を組み合わせ、契約期間と請求状態をひも付けて管理します
  • 空き区画の案内:Webで確認できるようにすると、電話や紙台帳の作業を減らせます
  • 出入りの方式:利用者が限られる社宅や集合住宅では、必要に応じてゲート、ICカード、スマートフォン認証を加えます

コインパーキング・時間貸し駐車場

時間貸し駐車場では、運用機能と設備方式を分けて確認します。

  • 運用機能:入出庫の記録から料金計算、最大料金、割引、決済、未払い確認まで
  • 設備方式:ゲート式、ロック板式、車番認識式、在車センサー式

方式の向き不向きは、敷地の舗装や電源、通信で決まります。工事期間や夜間保守の体制も関係します。

小規模な屋外駐車場では、ワイヤレスセンサーとクラウド管理で配線工事を抑えられる場合があります。

通信断時の精算方法とデータ再送の仕様は、事前に確認しておく必要があります。

施設付帯・公共・大規模駐車場

商業施設や病院、駅では、施設利用に応じた割引認証や複数階の誘導が論点になります。空港や自治体施設も同じ論点を持ちます。加えて、障害者用区画、EV充電、周辺駐車場との連携も検討します。

  • 活用事例:国土交通省の事例集では、満空情報やキャッシュレス、EV充電の活用が紹介されています
  • バリアフリー情報:たとえば、金沢市では情報を2分ごとに更新する仕組みが示されました

そのうえで、更新間隔は、表示の可否だけでなく、利用者が判断できる速さかどうかで決めます(出典:国土交通省「自治体等と連携した駐車場データ活用事例集」、2025年)。

ポイント

用途が月極か時間貸しか、施設付帯や公共かで、必要な機能と設備方式は変わります。迷うときは、用途ごとに運用機能と設備方式を分け、自社の運用条件と照らし合わせます。

駐車場管理システムの主要機能と機器構成

機器から通信、クラウドやサーバー、管理画面、利用者画面までを、一つの構成として考えます。

データをどの機器から取得し、何秒または何分で誰が判断するかまで決めておきます。

入出庫・料金・決済の管理

入出庫から料金、決済まで、次の4つの機能を扱います。

  • 入出庫:ゲートや発券機、精算機を組み合わせ、車番認識カメラやICカード、QRコード、スマートフォン認証を加える
  • 料金:時間単位や曜日・時間帯別の料金、最大料金
  • 契約・割引:定期券、月極契約、施設利用者割引。返金や滞納の扱いも対象
  • 決済:現金、クレジットカード、電子マネーを検討し、コード決済も対象

決済端末が止まっても現場を止めない運用を決めておきます。決済手数料も、5年総額に含めます。

満空・誘導・予約の管理

車室センサー、カメラ画像解析、ゲートの入退場情報から満空を判定します。

  • 誘導:フロア・ブロック表示や入口サイネージと連携すると、空き場所へ誘導できます
  • Webへの表示:Webの満空情報や予約枠と合わせることもできます
  • 予約の受付:予約可能時間や延長、車両変更を決めます。さらに、遅刻や無断キャンセル、満車時の扱いも決めておきます

予約データと在車データがずれた場合の優先順位は、画面開発の前に定めておきます。

売上・保守・データ連携

ダッシュボードでは、売上や稼働率、平均駐車時間を確認します。車室別回転率やキャッシュレス比率、割引も対象です。さらに、不正駐車や長時間滞留、機器異常も確認します。

  • 保守機能:異常通知や遠隔再起動、対応履歴のほか、巡回予定や部品交換、SLAに基づく対応時間も管理します
  • 連携先:会計や施設予約、顧客管理などのほか、EV充電や地図、自治体基盤との連携も検討します
  • 連携方式:API、CSV、メッセージ通信など

データの所有権や再利用の範囲、連携停止時の扱いは、契約に明記します。

ポイント

機能の一覧で比べるより、データの取得元と、何秒または何分で誰が判断するかを先に決めると選びやすくなります。入出庫、満空・予約、売上・保守の3領域に分けて必要な機能を見ます。

駐車場管理システム開発・導入の進め方

駐車場管理システムの導入を、要件定義、現地調査、PoC、段階展開、運用改善の順に示す図。
現場で確かめながら導入範囲を広げる構成です。

駐車場管理システムは、画面を作ってから現場へ持ち込むと失敗しやすい領域です。

特に屋外では、電源や通信、舗装の状態が影響します。防水防塵や電波干渉、積雪のほか、雨天も関係します。

一方、屋内では、階層誘導や既設設備、ピーク時の集中利用が論点です。想定外の工事や業務停止を抑えるには、導入を次の段階に分けて進めます。

  1. 要件定義
  2. 現地調査
  3. PoC
  4. 段階展開
  5. 運用改善

▶ 詳細はこちら:駐車場管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

現地調査と要件定義

現地調査では、現場の情報と関係者の課題を集めます。集めた内容は、要件定義書に運用条件として反映します。

  • 設備・運用:区画図、入出庫方式、料金、営業時間、ピーク、機器のメーカー・型式、電源、通信、勤務体制、障害履歴
  • 関係者の課題:利用者、現場担当者、経理、施設管理者、システム管理者から困りごとを聞く
  • 要件定義:機能要件に加え、表示遅延の許容、通信断時の動作、誤認識修正、障害通知、保存期間、権限、バックアップ、復旧目標、保守窓口、現地駆け付け条件
  • 容量見積もり:車室数・拠点数、ピーク時の入庫台数、同時アクセス数を記録

満空表示は、車室単位かフロア単位か、Web公開するかで構成が変わります。

サーバーや通信に必要な容量も、集めた情報を基に見積もります。

方式選定と小規模PoC

業務の標準性や既設設備、独自ルールに合わせて、次の方式を比べます。

  • SaaS・パッケージ:標準機能が多く、標準的な月極契約や売上管理が中心の場合に候補
  • クラウド+機器:クラウドと現場機器を組み合わせる構成
  • 連携開発:既存設備を活かす方式。複数メーカーのゲートや精算機は接続仕様を確認
  • スクラッチ開発:公共施設・港湾の独自入退場、予約、ヤード、複数組織の権限を統合する場合

本番前には、1拠点または1フロアでPoCを行います。

晴雨や昼夜、繁忙時の違いを検証します。加えて、通信が不安定な場所、車種、駐車位置の違いも見ます。

満空判定の正解率や表示時間、入庫待ちを評価します。

誤認識の修正時間や精算トラブルも評価し、遠隔解決率と現場の操作時間も見ます。

デモ画面がきれいでも、実際の通信や機器で安定しなければ、採用を見送ります。

設計・開発・現地試験

設計では、データの関係、担当者ごとの画面、利用者への案内を一体で整理します。

  • データと権限:車室から障害までのデータを整理し、権限別の画面を設計
  • 現場画面:異常の原因、影響範囲、次に行う操作を表示
  • 利用者画面:文言や色、音、表示位置を確認します。高齢者や外国人、障害者、運転に不慣れな人にも分かりやすい設計にします。

単体試験や画面試験に加え、センサーからクラウド、管理画面、精算、売上集計までを通したシナリオを試します。

通信断や停電、精算中の再起動も確認します。

予約車両の別区画への入庫や誤認識の訂正も試します。

リリース直後に備えて、連絡先と暫定運用を決めます。復旧手順や紙、手動の代替手段も用意します。

段階展開と導入後の改善

PoCの基準を満たしたら、影響範囲を分けて次の順に機能を展開します。

  1. 機器監視と満空管理
  2. 料金・決済
  3. 予約・契約
  4. 複数拠点の分析

全拠点を同日に切り替えず、利用量や設備の新しさから展開順を決めます。通信や現場体制も踏まえます。

並行稼働の期間と旧データ移行の責任者も決めておきます。

稼働後は、導入前のKPIと毎月比べます。表示遅延や入庫待ち、巡回の状況を確認します。問い合わせや精算エラー、未払いのほか、停止時間や利用者満足度も見ます。

効果が小さい機能は、設定や動線を見直します。追加開発の前に、料金ルールや表示位置、役割を変えるだけで改善できる場合もあります。問い合わせ文面の変更でも改善できることがあります。

ポイント

屋外か屋内か、既設設備を使えるかは現地調査の段階で確かめます。PoCで通信と誤認識を試してから段階展開へ進むと、想定外の工事や業務停止を抑えやすくなります。

駐車場管理システムの費用相場と5年TCO

駐車場管理システムの見積もり内訳を、設計・開発、機器・工事、導入・運用、継続・終了の4区分で示す図。
初期導入後の運用や終了時まで費用を見渡せます。

費用は、車室数や拠点数、既設設備によって変わります。工事条件や決済方法、個別開発の範囲でも差が出ます。

以下の金額は概算で、2026年時点の公開料金と業界掲載レンジをもとにしています。導入事例と調達情報も参考にしています。

正式な予算を立てるには、現地調査と要件定義を反映した複数の見積もりが必要です。

▶ 詳細はこちら:駐車場管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

導入パターン別の初期費用と月額

導入方式ごとの初期費用と月額費用は、次の範囲が目安です。

  • 月極管理SaaS:初期0〜30万円程度、月額3〜15万円程度
  • 満空・予約・ダッシュボード:初期30〜150万円程度、月額5〜20万円程度。通信費・決済費は別途
  • センサー・カメラ等:機器と設置工事で50〜500万円以上になる場合がある
  • 既設設備との個別連携:ゲート・精算機との連携を含む開発は200〜800万円程度
  • 複数拠点などの統合:自治体、港湾、施設予約、会計、独自権限まで含むと1,000万円から1億円を超える場合がある

公共調達の例では、職員宿舎・駐車場管理システムの構築と2023年度から2028年度までの運用保守を含む予算上限が、税込1億1,922万円でした。複数年運用を含む大規模案件の事例です(出典:島根県「職員宿舎・駐車場管理システム構築・運用保守業務」、2021年)。

見積もりに含める費用の内訳

初期導入から契約終了時まで、見積もりの費用を次の区分に分けます。

  • 設計・開発:要件定義、現地調査、設計、ソフトウェア開発
  • 機器・工事:機器、設置、電源、配線、掘削
  • 導入・運用:通信、クラウド、決済、データ移行、教育、現地試験、保守、監視
  • 継続・終了:利用者数や車室数による従量課金、拠点追加、API、保存量、監視時間帯、現地対応費、決済手数料、OS・クラウド更新、機器交換、撤去
  • 見積書の区分:初期、月額、年額保守、変動費、オプション、データ返却、機器撤去

屋外では、舗装や電源の状態によって工事費が変わります。また、ワイヤレス機器を使う場合も、電池交換や電波調査、ゲートウェイ設置費が必ずしもなくなるわけではありません。

5年TCOによる回収可能性の判断

投資判断では初期費用だけでなく5年TCOを計算します。式は「初期費用+月額費用×60か月+通信費×60か月+決済手数料+保守費+機器交換費+現地対応費−撤去・更新で不要になる費用」です。

初期250万円、月額12万円、年額保守60万円、5年目の機器交換80万円なら、決済手数料と通信費を除く5年総額は1,210万円です。これは比較の方法を示す試算で、導入効果を示す数字ではありません。回収効果は、売上以外も含めて、目的に合うKPIと合わせて試算します。

  • 運営負担:人件費、巡回回数、夜間対応
  • 利用・収入:精算トラブル、稼働率、利用者離脱、未払い
  • 利用者対応:入庫待ち、場内滞留、バリアフリー、災害時の情報提供

売上だけで評価すると、施設付帯・公共駐車場では判断を誤ることがあります。

ポイント

見積もりは、初期費用に月額や保守、機器交換、撤去を加えた5年総額で比べます。通信費や決済手数料は、見積もりの条件をそろえて別に確かめます。

駐車場管理システムの開発会社・ベンダーの選び方

提案と見積もりを比較する観点として、依頼資料、見積区分、評価項目、デモと判断を並べた図。
条件をそろえると候補間の差を見比べやすくなります。

開発会社やベンダーは、知名度や機能数だけでなく、駐車場の運営形態と設備条件に合うかで選びます。現地施工や機器保守、通信を誰が担うかに加え、決済やセキュリティ、導入後の改善の担当も確認します。

製品の提供元と個別開発の担当が別の場合は、障害が起きたとき、どこまでを誰が受け持つかを決めておきます。

駐車場・現場設備の実績確認

導入実績は、次の条件が自社に近いかを見て確認します。

  • 施設規模:車室数、拠点数、施設種別
  • 運用条件:入出庫方式、利用ピーク、導入後の運用体制
  • 設備条件:既設機器との接続や現場設備の条件

公開事例には、約5,000台規模の大規模空港で車室センサーや誘導表示を導入したケースがあります。広い施設では、満空判定に加えて誘導設計も大切になります(出典:駐車場IoT導入事例、2020年)。

2025年には、約100台規模の港湾駐車場で、25台の在車センサー、3台の監視カメラ、精算機を組み合わせた事例があります。この駐車場はゲートレス・チケットレス運用を始めました(出典:公開導入事例、2025年)。ただし、大規模施設での実績があっても、小規模な屋外駐車場の電源や通信、現地保守に強いとは限りません。

自社に近い事例について、課題と構成を聞きます。効果や残った課題も聞いておくと、判断材料になります。

連携・施工・保守の対応力

提案では、機器連携の責任範囲と、運用開始後の支援内容を確認します。

  • 機器連携:既設ゲート、精算機、カメラ、センサーの接続可否、異なるメーカーを一画面で扱えるか、仕様変更を誰が改修するか
  • 連携仕様:通信方式、API公開範囲、取得頻度、障害通知、ログ保存、出力形式。終了時の移行方法を契約に記載すれば、長期運用の不確実性を下げられる
  • 保守体制:受付、一次切り分け、遠隔復旧、現地対応、代替機器、部品供給、夜間休日対応、障害報告
  • 運用支援:操作研修、マニュアル更新、月次レポート、KPI確認、改善相談、運用責任者、改善会議

提案と見積もりの比較方法

提案依頼と評価の条件をそろえ、次の観点で比較します。

  • 依頼資料:図面、車室数、料金表、入出庫方式、既設機器一覧、通信・電源、利用者区分、必要画面、想定ピーク、データ連携、セキュリティ、保守時間、5年TCO条件
  • 見積区分:標準機能、設定変更、追加開発、機器、工事、保守を分けて提示
  • 評価項目:機能・現地適合、操作性、拡張性、セキュリティ、保守、費用、導入期間の7項目
  • デモと判断:満車、通信断、精算エラー、誤認識を確認します。予約変更や長時間滞留、権限外閲覧も見て、5年の運用リスクと改善性を評価します。

▶ 詳細はこちら:駐車場管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

▶ 詳細はこちら:駐車場管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ポイント

知名度や機能数よりも、駐車場の運営形態と設備条件に合うかで候補を絞ります。障害時にどこまでを誰が受け持つかも確かめる必要があります。

導入後の運用とセキュリティの注意点

駐車場は屋外の設備と業務システムがつながるため、開発が終わったあとの運用設計が結果を左右します。

機器停止や通信断、誤認識を想定して、技術対策と現場手順を整えます。長時間滞留や災害、映像漏えいにも備えます。

車番・カメラ画像の個人情報管理

車番や映像を扱う際は、利用方法と管理手順を次のように定めます。

  • 取得・利用:取得データ、利用目的、掲示、第三者提供、委託先を決める
  • 保存・削除:保存期間と削除手順を定める
  • 権限管理:現場、拠点責任者、経理、システム管理、保守で分け、閲覧者を絞り、ログを残す
  • アカウントと窓口:退職・異動時に停止し、取得内容を掲示して問い合わせ窓口を設ける

個人情報保護委員会は、個人を識別できるカメラ画像について、利用目的を具体化し、その範囲内で利用する考え方を示しています。契約者情報と車番・映像を照合する場合は、設備データだけでなく個人情報を扱う業務として設計します(出典:個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドラインQ&A」、2023年更新)。

特に、保存期間を決めずに映像や車番をためると、漏えいが起きたときの影響が大きくなります。

ネットワークと機器の安全対策

機器とネットワークは、アクセスから廃棄まで、段階ごとに対策を行います。

  • アクセス:初期パスワード変更、強い認証、不要ポートの閉鎖
  • 保護と保守:通信暗号化、ソフトウェア更新、バックアップ、ログ監視
  • 廃棄:機器内のデータを消去

IPAのチェックリストは、設計構築から廃棄までの対策を整理しています。自治体や民間の調達にも活用できるとしています(出典:IPA「ネットワークカメラシステム チェックリスト」、2025年更新)。

通信断時の扱いは、端末にデータを一時保存して復旧後に再送するか、有人対応に切り替えるか、返金するかを決めます。

運営側は、停電や災害時にも最低限の入出庫、緊急連絡、安全確認を続けられるよう、紙の手順や代替電源を含む業務継続計画を作ります。

現場の例外処理と保守体制

例外処理から保守契約、稼働報告まで、ひと続きの体制として整えます。

  • 例外処理:長時間滞留、区画違い、未払い、予約不一致、ゲート接触、紙切れ、電池切れ
  • 運用規程:国土交通省の規程例を参考に、明示、長期滞留車、記録保存、連絡先を反映
  • 画面と手順書:機能追加への依存を減らし、同じ業務フローに沿って設計
  • 保守契約:障害重要度、一次回答、復旧目標、代替機器、部品在庫、点検、脆弱性、更新費、訪問費
  • 月次報告:停止時間、誤検知、手動訂正、問い合わせ、再発障害、改善提案

定期的に報告内容を確認して改善を続けると、安定稼働につながります。

よくある質問

導入では、規模や既存設備について質問が寄せられます。費用や開発期間についての質問もあります。自社の条件に置き換えて判断できるよう、代表的な質問に答えます。

小規模な月極駐車場にもシステムは必要ですか?

区画数が少なくても、契約更新や請求に時間がかかるなら、契約管理SaaSの効果が見込めます。募集や問い合わせに時間がかかる場合も、効果が期待できます。

満空センサーやゲートまで一度に入れる必要はありません。まずは契約・請求から始め、運用効果を見て機能を広げる方法が現実的です。

既存のゲートや精算機を残して導入できますか?

既存機器を残した導入は、可能な場合があります。通信仕様や制御方法、メーカーのサポート期間を確認します。設置年と、故障時にどこまでを誰が受け持つかも確認します。

既設機器を連携する方法と、機器を更新して標準構成へ寄せる方法を比べます。その際は、初期費用だけでなく5年TCOや停止リスク、将来の拡張性を見ます。

駐車場管理システムの開発期間はどのくらいですか?

標準的な月極管理SaaSは即日から1か月程度、満空・予約・ダッシュボードのクラウド導入は1〜3か月程度が目安です。

機器設置や既存ゲート連携を含む場合は3〜10か月程度、複数拠点や公共・港湾などの統合案件は6〜18か月以上かかることがあります。

現地調査や調達、工事によって期間が変わります。繁忙期の切替制限も影響します。そのため、開発だけでなく全体工程で見積もります。

センサーとカメラはどちらを選べばよいですか?

センサーは車室単位の在車判定や配線条件に強く、カメラは広域確認や車番・映像の活用を得意とする傾向があります。

精度は、天候や照明、車種によって変わります。駐車位置や通信、保守方法が、精度と費用に影響します。プライバシーの扱いも関わります。

そのため、片方に決めず、現地PoCで判定精度や誤認識対応を比べます。5年TCOや映像保存・権限管理も比べます。

車番やカメラ映像を扱う場合の注意点は何ですか?

利用目的を具体化して掲示し、権限や保存期間、ログを定めます。委託先と削除手順も定めます。契約者情報と照合する場合は、教育や漏えい時の報告手順も整えます。

技術面では、初期パスワードの変更や暗号化を確認します。更新やバックアップ、廃棄時のデータ消去についても、開発会社やベンダーへ確かめます。

まとめ

駐車場管理システムは、満空表示にとどまらず、入出庫や料金、契約をまとめる仕組みです。予約や決済、売上も含み、保守や連携にも関わります。

標準業務ならSaaSやパッケージ、既存設備が複雑なら連携開発が候補になります。独自の料金や公共・港湾業務の統合が必要なら、個別開発を検討します。このように、必要な範囲から方式を選びます。

導入前に整理する5つの項目

導入前には、設備と業務、改善のKPIを整理します。必要・不要な機能、初期・月額・工事費を含む5年TCOも整理します。障害や個人情報、保守について、どこまでを誰が受け持つかも決めておきます。

そのうえで、候補者には同じ資料を渡し、現地調査からPoC、段階導入、稼働後の改善まで含む提案を依頼します。効果を測れる状態を作ってから開発へ進めば、予算と現場の納得感を両立できます。

システムを定着させる考え方

定着しているかは、機器の数よりも、利用者や現場、管理者の運用で判断します。

  • 利用者:迷わず利用できる
  • 現場:例外処理を行える
  • 管理者:数字をもとに改善できる
  • 導入前の備え:通信断、精算機障害、誤認識、長期滞留、映像の扱いを決め、現地試験と段階展開で確認

規模にかかわらず、運用とセキュリティを含めて比べると、導入後に追加費用や手作業が膨らむリスクを抑えられます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。