Podmanのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

Podmanのシステム開発を発注するなら、Podman自体の導入費だけで判断せず、業務要件・コンテナ基盤・データ移行・運用保守を分けて委託範囲と費用を決めることが重要です。

「Podmanのシステム」という言葉から、Podmanのコマンドや管理機能を調べている方もいれば、Podmanを実行基盤にした営業管理、顧客管理、社内Webシステムの開発を検討している方もいます。本記事では後者を中心に、発注形態の選び方、RFPと要件整理、契約形態、2026年時点の費用相場、委託先選定、見積比較、リリース後の保守までを発注者の視点で解説します。

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Podmanのシステム開発を発注する前に全体像を整理します

Podmanのシステム発注全体像

Podmanは、アプリケーションそのものではなく、OCI準拠のコンテナイメージをbuild、run、管理、配布するためのオープンソースのコンテナエンジンです。デーモンレスで動作し、rootless、つまり一般ユーザー権限でコンテナを実行できる点が代表的な特徴です(出典: Podman公式サイト、2026年確認)。発注時は「業務システムを作る費用」と「そのシステムを安定して動かす基盤を設計する費用」を分けて考える必要があります。

Podman本体と「podman system」コマンドを区別します

Podmanを使った業務システムとは、たとえばフロントエンド、API、バッチ、データベース、ログ収集などをコンテナに分けて開発・検証・本番で動かす構成を指します。一方で、検索者が調べている「podman system」は、Podmanの情報表示、接続設定、サービス管理、不要なリソースの整理などに関わるコマンド群を指す場合があります。前者の開発を外注する際は、業務アプリの機能一覧とコンテナ基盤の設計書を別々にRFPへ記載すると、提案会社の見積を比較しやすくなります。

外注に向く企業と内製を残すべき領域を分けます

Linux、OCIイメージ、レジストリ、CI/CD、ネットワーク、監視、バックアップを社内で設計・運用できる場合は、業務アプリの開発だけを委託する方法もあります。しかし、既存のDocker環境から移行する場合、rootlessのユーザー名前空間、ボリューム、NFS、ポート、SELinux、cgroup v2などの論点が増えます。社内に経験者がいない場合は、最初のPoCと本番基盤設計を外部へ委託し、業務ルールやマスタ、受け入れ判断は発注側が持つ分担が現実的です。データマスタの整備や現場運用の決定まで丸投げすると、完成後に使われないシステムになりやすいためです。

発注形態はどれを選ぶべきですか?

Podmanの発注形態を選ぶイメージ

発注形態は、業務機能をどこまで新しく作るか、コンテナをどこで動かすか、将来の拡張をどの程度見込むかで決めます。既存業務をすべてスクラッチ開発することが、Podmanを採用する条件ではありません。標準機能をSaaSやパッケージに寄せ、差別化部分と連携処理だけをPodmanで運用する方式も含めて比較します。

SaaS・パッケージを使い連携部分だけを開発します

CRMやMAの本体をSaaSで利用し、社内データとの同期、帳票、通知、認証、バッチ、社内ポータルだけをPodman上で動かす方式です。標準機能に合わせられる業務は新規開発を減らせるため、納期と初期費用を抑えやすくなります。発注時は、SaaS側のAPI制限、データの取得頻度、障害時の再送、認証情報の保管場所、SaaSの契約終了時にデータを取り出せるかまで確認します。Podmanの採用範囲を連携サービスに限定できるため、初めての導入では有力な選択肢です。

クラウドVMとPodman・Quadletで小さく始めます

社内Webシステム、API、定期バッチなどで、複数ノードの自動復旧までは不要なら、LinuxのクラウドVMにPodmanを導入し、Quadletとsystemdで起動・停止・依存関係を管理する構成があります。単一VMのため構成を理解しやすい一方、VM障害やディスク障害がサービス全体に影響する点は弱点です。RTO、つまり復旧目標時間と、RPO、つまりどの時点までデータを戻せればよいかを先に決め、バックアップからの復元時間を実測してから採用します。Quadletはcgroup v2を必要とするため、OSと実行環境の前提条件もRFPに書きます(出典: Podman systemd/Quadlet公式ドキュメント、2026年確認)です。

オンプレミスやKubernetes・OpenShiftを含めて比較します

閉域網、データ所在地、既存のRHEL基盤、低遅延が重要ならオンプレミスのPodmanを検討します。複数ノード、自動復旧、ローリング更新、サービス発見、強いテナント分離が必要なら、Podman単体ではなくKubernetesやOpenShiftを本番のオーケストレーターにする方が適切な場合があります。Podmanは開発環境やイメージ作成、単一ノード検証に使い、Kubernetes YAMLへ接続できる設計にしておくこともできます。2025年のRed Hatの事例でも、みずほ証券はPodmanを開発環境のプロビジョニング自動化に活用し、中長期ではコンテナオーケストレーションを見据えています(出典: Red Hat事例、2025年)です。

RFPと要件整理は何を決めるべきですか?

PodmanのRFPと要件整理

RFPは「Podmanで作ってください」とだけ書く文書ではありません。業務上の目的、現状の課題、利用者、データ、性能、可用性、運用体制、納品物、予算とスケジュールをそろえ、提案会社が同じ前提で設計できるようにする文書です。仕様を最初から細部まで固定できない場合も、未確定項目を一覧にして、いつ誰が決めるかを明記すれば見積の精度が上がります。

業務要件と非機能要件を分けて書き出します

業務要件には、顧客登録、商談管理、リードのスコアリング、通知、承認、帳票、外部CRM連携など、利用者が何をできる必要があるかを書きます。非機能要件には、利用者数、同時アクセス、画面応答時間、処理件数、稼働時間、バックアップ頻度、RTO、RPO、ログ保存期間、将来のコンテナ数を記載します。たとえば「営業担当300人が平日9時から18時に利用する」「夜間バッチは翌営業日8時までに終える」のように、測定できる表現にします。Podmanのコンテナ数やメモリ量だけでなく、業務処理の負荷からインフラを見積もることが大切です。

データ・セキュリティ・運用責任の境界を決めます

営業・CRM・MAのシステムでは、顧客名、連絡先、商談履歴、行動履歴などの個人データを扱うことがあります。RFPには、どのデータをどこに保存するか、本番データを開発環境へ持ち出してよいか、アクセス権限、操作ログ、削除期限、バックアップ先、クラウドのリージョン、再委託の可否を明記します。Podmanのイメージに顧客データや秘密情報を含めないこと、秘密情報は環境変数やシークレット管理基盤で扱うことも要件にします。

納品物と受け入れ条件をRFPの段階で固定します

納品物はアプリケーションのソースコードだけでは足りません。Containerfile、イメージのタグとdigest、レジストリ設定、PodmanまたはQuadletの定義、IaC、CI/CD設定、データベース定義、バックアップと復元手順、監視・アラート一覧、脆弱性対応手順、テスト結果、操作マニュアル、障害時の切り戻し手順を列挙します。受け入れ条件も「画面が表示される」ではなく、主要業務の完了、権限の拒否、バックアップからの復元、イメージ更新、障害時の再起動、ログの検索など、実際の運用シナリオで判定できるようにします。

契約形態はどう選びますか?

Podmanのシステム開発契約を検討する場面

Podmanを使う案件では、技術検証をしないまま全工程の完成責任を固定すると、rootlessの制約や既存システムのデータ品質が後から問題になりやすくなります。逆に、すべてを準委任にすると、成果物や完了条件が曖昧になり、予算が膨らみやすくなります。要件の確度と発注者が負うべき意思決定を見極め、工程ごとに契約を組み合わせます。契約の法的な適否は、案件の実態と専門家の助言を踏まえて判断します。

要件と完成条件が固まる部分は請負契約を検討します

機能一覧、画面仕様、インフラ構成、テスト項目、納期、受け入れ条件が合意できている開発工程は、請負契約で成果物と完成責任を明確にしやすくなります。たとえば、合意済みのContainerfile、API、画面、データ移行スクリプト、Quadlet定義を納品する工程が該当します。ただし、Podmanの採用可否を含む技術検証や、既存データの欠損調査まで請負の完成条件に含めると、双方の認識がずれることがあります。前段の調査・PoCと本開発を分けると、リスクを抑えられます。

要件定義・技術検証は準委任契約が合う場合があります

要件定義、現行環境の調査、Podmanへの移行可否、KubernetesやOpenShiftとの比較、性能検証など、作業を進めて初めて答えが見える工程では、準委任契約で専門家の稼働と検討プロセスを確保する方法があります。発注者は、作業時間だけでなく、週次報告、論点一覧、設計判断、検証結果、次工程の見積条件を成果物として合意します。準委任だから成果が不要になるわけではなく、何を報告し、どの意思決定を支援するかを契約書や個別発注書で明確にします。

PoC・本開発・保守を分けたハイブリッド契約にします

実務では、最初に準委任で現状調査とPoCを行い、方式と要件が固まったら請負で本開発を発注し、リリース後は準委任の保守契約へ移る組み合わせが扱いやすいです。保守では、OSやPodmanの更新、イメージの脆弱性対応、監視、障害一次対応、バックアップ確認、問い合わせ対応の範囲を分けます。24時間対応が必要なら、営業時間外の連絡方法、目標応答時間、復旧目標、追加費用、対象外の障害をSLAとして確認します。

Podmanシステム開発の費用相場と内訳を確認します

Podmanシステム開発の費用を比較するイメージ

Podmanはオープンソースのため、Podman本体のライセンス購入費は原則として発生しません。ただし、これは業務システムが無料で作れるという意味ではありません。要件定義、設計、アプリ開発、移行、テスト、クラウドやRHELの利用、レジストリ、監視、バックアップ、保守運用に費用がかかります。Podman専用の日本標準見積は公開されていないため、以下は営業・CRM・MA系の業務システム開発とコンテナ基盤の作業量を組み合わせた、2026年時点の予算仮説です。

規模別の開発費は80万円から1億5,000万円以上まで幅があります

検証・PoCは、1〜3コンテナ、Containerfile、簡易CI、既存DBへの接続確認で80万〜300万円程度が一つの目安です。小規模本番は、Web・API・バッチ・DB、単一VM、rootless、Quadlet、バックアップ、監視を含めて300万〜1,000万円程度です。複数環境、SSO、権限管理、外部CRMや基幹連携、レジストリ、冗長化を含む中規模業務システムは1,000万〜3,000万円程度、大規模・ハイブリッド構成は3,000万〜1億5,000万円以上になることがあります。いずれも確定価格ではなく、機能数、データ移行量、品質要求、運用時間によって変動するレンジです。

インフラ費と運用費は初期開発費から分けて見積もります

クラウドVMの料金は、リージョン、OS、インスタンスタイプ、利用時間、ストレージ、データ転送、バックアップ、監視によって変わります。参考としてAWSの公開料金では、米国東部のLinux T3インスタンスがt3.smallで0.0209ドル、t3.mediumで0.0418ドル、t3.largeで0.0835ドルの時間単価として示されています(出典: AWS EC2 T3 Instance Types、2026年確認)。730時間、1ドル150円で単純換算するとVM単体は月約2,300円、約4,600円、約9,200円ですが、これは請求額ではありません。EBS、ログ、固定IP、レジストリ、転送、冗長化を加え、開発・検証は月3,000円〜3万円、小規模本番は月3万〜15万円、冗長化や複数環境は月10万〜80万円以上を予算の起点にします。

見積書では要件定義・設計・開発・テスト・保守を分解します

見積の費用配分は、要件定義10〜15%、設計20〜30%、アプリ実装30〜40%、テスト15〜20%、移行・教育・運用設計5〜15%程度を検討の起点にします。Podman関連では、Containerfileやイメージの設計、rootless検証、レジストリ、CI/CD、ログ、バックアップ、更新手順が設計・運用設計に含まれるかを確認します。保守費は初期開発費の年10〜20%程度を出発点にできますが、24時間監視、脆弱性対応、OSやPodmanの更新、障害対応を含む場合は別途増えます。単価だけでなく、含まれる工数と含まれない作業を比較します。

委託先の選び方と見積比較のポイントを押さえます

Podmanの委託先と見積を比較するイメージ

Podmanの発注先は、Podmanという単語を知っている会社を選ぶだけでは不十分です。RHELやLinux、OCIイメージ、BuildahやSkopeo、レジストリ、KubernetesやOpenShift、クラウド・オンプレミス、データ保護、24時間運用を組み合わせて設計できる会社を比較します。Podmanの直接実績が公開されていない場合は、実績がないと断定するのではなく、担当者がどの範囲を経験し、誰が設計・運用を担うのかを提案時に確認します。

技術力は実績と質問への回答で確認します

候補会社には、rootlessでのボリューム、NFS、ポート、GPU、ユーザー名前空間の制約、SELinux、cgroup v2、macOSやWindowsのPodman machine、本番の永続DB、レジストリ認証、イメージのdigest固定について質問します。回答が一般論だけでなく、今回のOS、データ量、ネットワーク、RTO/RPOに結び付いているかを見ます。「Podmanなら自動的に安全」「Dockerの設定をそのまま置き換えられる」と断定する提案には注意が必要です。Podman単体で足りない場合に、KubernetesやOpenShiftへ切り替える条件を説明できる会社ほど、長期の発注先として信頼しやすくなります。

同じRFPを2〜3社へ渡し作業単位で比較します

見積比較では、合計金額の安さよりも前提条件をそろえることが優先です。2〜3社へ同じRFPを渡し、要件定義、PoC、設計、開発、データ移行、テスト、教育、運用引き継ぎ、保守の行を分けて提示してもらいます。各社の見積に、コンテナ数、環境数、DBの責任範囲、レジストリ、監視時間、バックアップ保持、脆弱性修正、クラウド費、ライセンス費、再委託費が含まれているかを並べます。金額が低い会社ほど、未計上の作業や発注側の担当範囲を確認します。

契約と保守の確認を技術比較と同じ重さで行います

提案会社が作成したソースコード、Containerfile、IaC、設定ファイル、イメージ、ログ、バックアップ、ドキュメントを誰が所有し、契約終了後に返却・削除するかを決めます。OSSのライセンス表示、商用サポートの契約者、脆弱性が見つかった場合の修正期限、Podmanやベースイメージのバージョン更新、再委託先の開示、秘密保持、監査、障害時の責任分界も確認します。顧客データを委託する場合、個人情報保護委員会は委託先の安全管理措置を事前確認し、契約に取扱状況の把握や再委託の管理を盛り込むことを示しています(出典: 個人情報保護委員会「通則編」ガイドライン、2026年確認)です。

Podmanシステムの発注からリリースまでの進め方を解説します

Podmanシステム開発の進行手順

発注後は、技術選定を先に確定するのではなく、現場の業務と運用を確認しながら段階的に進めます。小さな検証でPodmanの制約を確認し、解決できない論点を本番へ持ち込まないことが重要です。発注側には、業務責任者、情報システム担当、セキュリティ担当、データ管理者を置き、提案会社との意思決定を止めない体制を作ります。

RFI・RFPを出して提案と見積の前提をそろえます

まず現行のシステム構成、利用者、データ、契約、障害履歴、将来計画を整理し、情報提供依頼やRFPを作成します。提案会社には、採用する構成図、Podmanを使う理由、代替案、PoCの範囲、発注側の作業、納品物、費用、期間、リスクを同じ様式で回答してもらいます。選定会議では、価格だけでなく、技術質問への回答、業務理解、説明の透明性、担当者の継続性、保守体制を評価します。

PoCでrootless・データ・運用の成立性を検証します

PoCでは、単にコンテナが起動することだけを確認しません。実際のOS上でrootlessの起動、外部からの通信、ボリュームへの書き込み、バックアップと復元、ログ収集、イメージ更新、脆弱性スキャン、ユーザー権限、障害後の再起動を試します。WindowsやmacOSを開発環境に含めるならPodman machineのVM差分も確認します。PoCの結果は、採用、条件付き採用、見送りの判断と、本開発に追加すべき工数・リスク一覧として納品してもらいます。

設計・開発・移行・受け入れを業務シナリオで進めます

本開発では、アプリ設計とコンテナ基盤設計を並行して行います。開発・検証・本番のレジストリと設定を分け、latestタグだけに依存せず、イメージのdigestを固定して再現性を確保します。データ移行では、件数と欠損、文字コード、重複、マスタの責任者、移行リハーサル、切り戻し条件を決めます。受け入れテストは画面単位だけでなく、登録から承認、外部連携、バッチ、バックアップ復元、障害通知までの業務シナリオで実施します。

運用引き継ぎと段階展開までをプロジェクトに含めます

リリース前に、誰がイメージをビルドし、誰が承認し、誰が本番へデプロイし、誰が脆弱性や障害を受け付けるかを決めます。単一VMの場合はsystemdの状態確認、ディスク容量、ログローテーション、バックアップ、再起動手順を運用担当者が実行できるようにします。いきなり全社展開せず、まず一部の営業チームや限定したデータでパイロット稼働し、入力時間、処理件数、エラー、問い合わせを確認します。現場のフィードバックを反映してから段階展開すると、業務停止のリスクを抑えられます。

Podmanの外注で起きやすい失敗と対策を確認します

Podmanシステム開発のリスク対策

Podmanは柔軟で導入しやすい一方、採用理由と運用方法が曖昧なまま進めると、Dockerとの違い、単一ノードの限界、権限設計、更新責任が後から問題になります。発注時に失敗パターンをRFPと契約へ反映し、テストと引き継ぎで確認します。

rootlessを安全性の宣伝だけで終わらせないようにします

rootlessはホストOSのroot権限を常用しないため、権限分離の有効な手段です。しかし、コンテナが自動的に安全になるわけではありません。非特権ユーザー、capabilityの削減、read-only root filesystem、SELinuxやseccomp、ホストパスの最小化、秘密情報の分離、ネットワーク制限、イメージの脆弱性スキャンを要件にします。Podmanソケットを外部へ無制限に公開せず、必要な接続にはSSH転送、認証、接続元制限を用います。2026年もPodman Desktopでは複数のCVE修正が継続しているため、OSSを採用した後の更新担当と期限を契約に含めます(出典: Podman Desktop 1.28 Release、2026年6月)です。

Podman単体で足りない規模になった場合の移行条件を決めます

PodmanはKubernetes YAMLを生成・再生できるため、将来の選択肢を持たせられますが、Podman単体がKubernetesのようなマルチノード・自動復旧オーケストレーターになるわけではありません。コンテナ数、ノード数、障害時の復旧時間、リリース頻度、トラフィック、チームの運用スキルが一定水準を超えたらKubernetesやOpenShiftを検討する、といった移行条件を定義します。最初から大規模基盤を買うのではなく、現在必要な構成と将来の移行コストを見積に分けることが発注者の判断を助けます。

データ品質と委託先依存を発注側の課題として管理します

システムの失敗原因は、Podmanの設定よりも、顧客マスタの重複、部署ごとの入力ルール、古いデータ、責任者不在にあることがあります。移行前にデータ項目とマスタ責任者を決め、品質問題を別タスクとして管理します。さらに、ソースコードやContainerfileを委託先だけが持つ状態にせず、発注者のリポジトリ、レジストリ、クラウドアカウント、ドキュメントへ適切に引き継ぎます。契約終了時のデータ返却・削除、再委託、緊急時のアクセス方法を決めると、ベンダーロックインの影響を小さくできます。

よくある質問(FAQ)

Podmanのシステム発注に関するよくある質問

Podmanのシステムを外注するときは、技術の採否だけでなく、業務の対象範囲、費用、契約、運用責任を一つずつ確認します。ここでは発注前に特に多い質問へ、結論から回答します。

PodmanのシステムはDockerの代わりになりますか?

多くの開発・実行用途では代替候補になりますが、完全に同じとは限りません。PodmanはDocker互換のCLIとOCIイメージを扱え、Docker由来のイメージやComposeファイルを利用できる場合があります。一方、デーモンの有無、ソケット、権限、ネットワーク、ボリューム、CI/CD、運用ツールの対応状況を検証する必要があります。既存環境を移行する場合は、停止を伴わない切り替え方法と切り戻しをPoCで確認します。

Podmanのシステム開発費用はいくらかかりますか?

検証・PoCは80万〜300万円、小規模本番は300万〜1,000万円、中規模業務システムは1,000万〜3,000万円程度が予算仮説のレンジです。大規模・ハイブリッド構成では3,000万〜1億5,000万円以上になる場合があります。Podmanのライセンス費が原則無料でも、アプリ開発、RHELやクラウド、レジストリ、監視、データ移行、保守は別に発生します。利用者数、機能、連携、可用性、運用時間、データ移行量をそろえて複数社へ見積を依頼することが必要です。

Podmanは本番運用に使えますか?

使えますが、システム規模と運用要件に応じた設計が必要です。小〜中規模なら、rootless、Quadlet、systemd、監視、バックアップ、復元演習を組み合わせた単一VM構成が候補になります。複数ノードや自動復旧、頻繁なローリング更新が必要なら、KubernetesやOpenShiftを本番実行基盤とし、Podmanは開発・イメージ作成に使う構成を検討します。Podmanを導入すること自体ではなく、障害復旧と更新を実行できる体制が本番利用の条件です。

どのような会社へPodmanのシステム開発を依頼すべきですか?

Podmanだけでなく、業務アプリ、Linux・RHEL、OCIイメージ、レジストリ、CI/CD、KubernetesまたはOpenShift、クラウド、セキュリティ、保守を一つの計画で説明できる会社を選びます。候補会社には、rootlessやQuadletの制約、将来のオーケストレーター移行、脆弱性対応、納品物、発注側の作業を質問します。実績の件数だけで決めず、同じRFPへの提案の具体性、担当者の経験、障害時の窓口、契約終了時の引き継ぎを2〜3社で比較することが重要です。

顧客データを扱うPodmanシステムの外注で注意することは何ですか?

データの種類、利用目的、保存場所、アクセス権限、ログ、バックアップ、削除、開発環境への持ち出し、再委託、漏えい時の連絡を契約と設計の両方で確認します。個人情報保護委員会のガイドラインは、委託先の安全管理措置を事前に確認し、委託契約で取扱状況の把握や再委託を管理することを示しています。Podmanやクラウドを選んだだけで法令対応が完了するわけではないため、情報管理責任者と法務・セキュリティ担当を早い段階から参加させます。

まとめ

Podmanのシステム発注まとめ

Podmanのシステム開発を発注するときは、Podman本体の無料性ではなく、業務システムと実行基盤を含む総額で判断します。まずSaaS・パッケージ連携、クラウドVM+Quadlet、オンプレミス、Kubernetes・OpenShiftの候補を比較し、RFPには業務要件、非機能要件、データ、セキュリティ、運用、納品物、受け入れ条件を書きます。そのうえでPoC、契約形態、2〜3社の見積、運用引き継ぎを段階的に進めることが、発注後の手戻りを減らします。

Podmanの発注で最後に確認するチェックポイントです

提案を比較するときは、Podmanを使う理由と代替案、rootless・ボリューム・ネットワークの検証、イメージとレジストリの管理、データ移行と復元、監視・脆弱性対応、KubernetesやOpenShiftへの移行条件、ソースコードやContainerfileの納品、保守の責任分界を確認します。金額は開発費、インフラ費、商用サポート費、保守費に分け、根拠のない一式見積を避けます。業務側のマスタ責任者と受け入れ担当を決めておくことも、技術選定と同じくらい重要です。

最初の一歩は現状整理と小規模PoCの相談です

いきなり全社向けの大規模開発を発注するのではなく、現行環境と業務課題を整理し、対象業務を限定したPoCの相談から始めると、Podmanの適合性、必要な運用スキル、将来の拡張費用を具体化できます。発注者と開発会社が同じRFPを見ながら、技術・業務・契約・費用の論点を一つずつ決めることが、Podmanを活用したシステム開発を成功させる近道です。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。