ポートフォリオ管理システムの開発会社は、管理対象、業務設計、データ連携の3つの範囲で比べると、自社の意思決定に合う会社を選びやすくなります。
紹介する6社は得意領域がそれぞれ異なります。選び方の全体の流れは、下に載せた完全ガイドでも確認できます。
▼全体ガイドの記事
・ポートフォリオ管理システム開発の完全ガイド
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ポートフォリオ管理システムの開発会社選びが重要な理由

ポートフォリオ管理システムは、登録した案件情報をもとに、予算や人員の配分を考え、計画と実績に差が出た理由を読み取り、投資を続けるかを判断する仕組みです。そのため、画面の見た目や機能数だけでなく、業務設計・データ連携・運用定着まで理解しているパートナーを選ぶ必要があります。
開発会社と製品ベンダーの役割の違い
製品ベンダーは、標準機能を短期間で導入しやすい一方で、独自の評価基準や承認経路には追加の設定や開発が必要になる場合があります。開発会社やSIerは、業務整理やデータ設計、ERP・会計・人事・工数システムとの連携まで設計できる反面、要件が膨らむと期間と費用が増える傾向があります。
発注前に確認する入力定着とデータ移行
候補となる会社には、導入後の運用とデータ移行も含めて、次の4点を同じ条件で質問します。
- 管理対象:IT投資か製品開発か、対象の範囲
- 入力・承認:入力担当者と承認者、その頻度
- 連携・移行:予算・実績の粒度と、移すデータの範囲
- 試行方法:1部門・1ポートフォリオでのPoCや、段階的な稼働の進め方
高機能なシステムでも、入力項目が多すぎたり、入力の利点が伝わらなかったりすると、現場がExcelへ戻る場合があります。そのため、入力率や検索時間、会議資料の作成時間をどう測るかも、あわせて確認しておきます。
既存のExcelに重複や表記ゆれがある場合は、過去データをどこまで移すかを、先に決めておく必要があります。また、契約が終わるときに、データや設計書をどの形式で返してもらうかも確認しておきます。さらに、見積書を要件定義から保守まで工程ごとに分けてもらうと、各社の提案を比べやすくなります。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
株式会社riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進した経験を活かし、ビジネスへの成果創出と、システムの定着を支援します。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業ごとの業務要件に合わせて対応します。
特徴と強み
案件の登録そのものが目的になると、現場の入力負担が増えてしまいます。そのため、riplaは次の2点を重視します。
- 業務整理と利用定着:納品後も関わり続け、業務の見直しから現場での使われ方まで支援します
- 利用者別の設計:経営層・部門長・担当者ごとに情報を分け、画面と承認フローを組んで、意思決定に使える仕組みを目指します
得意領域・実績
複数部門の情報を扱う基幹システムの経験を活かせるので、ポートフォリオの定義の段階から相談したい企業に向いています。
自社業務に合わせた専用システムを考えたいものの、大規模な開発に不安がある場合は、MVPの範囲を決めて始める方法も相談できます。
登録・検索・権限・承認・ダッシュボードから、優先度の高い機能を選んで着手します。費用や期間は、要件、利用者数、既存システムとの連携数によって変わります。そのため、要件定義の段階で確認します。
日本電気株式会社(NEC)|製品開発・製造業のプロジェクトを可視化
日本電気株式会社(NEC)は、PLMソリューション「Obbligato」などを展開する総合IT企業です。公式情報では、製品開発のプロセスをWBSとして定義できるとされています。
進捗・リソース・製品データを関連付ける機能も紹介されています。一方で、IT投資全般のPPMとして一律に導入するより、製造業の製品開発や成果物管理とつなぐ候補として検討します。
特徴と強み
NECの強みは、複数部門が関わる製品開発を、工程・成果物・変更管理・リソースの観点で整理しやすい点です。一方で、導入時には設計変更や成果物の承認、担当者の負荷、後続工程への影響も把握する必要があります。PLMや既存の基幹システムとつなぐには、個別の設計が関わります。
得意領域・実績
製造業や機械、医療機器など、開発成果物や部品情報も含めて管理したい企業に適しています。NECの公開事例では、Obbligatoでプロジェクトの進捗を把握し、問題の早期発見と解決につなげた例が紹介されています。
導入前に、製品開発のポートフォリオを経営会議で見たいのか、現場のWBS管理を高度化したいのかを明らかにしておきます。そのうえで、対象範囲と費用を分けて提案してもらいます。
株式会社NTTデータ|大規模ERP・グローバル経営管理に対応
株式会社NTTデータは、SAPと自社ERP「Biz∫」を中核に、構想の策定から導入、保守まで支援するSIerです。公式サイトでは、SAPの有識者が53以上の国・地域に16,000名を超えて在籍していると説明されています。複数拠点や海外法人を含む基幹システムの統合を検討する企業にとって、有力な候補になります。
予算・損益・実績をERPと連携させる経営管理基盤として、ポートフォリオ管理を相談する形になります。
特徴と強み
NTTデータは、業界テンプレートやSAPの導入方法論を使って、標準機能を生かした業務整理を進めやすい企業です。国や部門をまたぐ案件コードや、事業・製品別の予算・実績・損益を整えて経営層が比べたい、という要件に向いています。
また、AI-OCRやRPA、データ活用サービスとの連携によって、入力や集計の自動化まで構想できる点も特徴です。
得意領域・実績
グループ経営や製造、流通、金融などで、会計・販売・購買・人事を含む大規模な統合を検討する場合に候補となります。海外拠点がある場合は、国ごとの制度の違い、データの標準化、権限、運用保守の体制も確認します。
公開されている価格は個別見積もりが中心です。そのため、初期開発費だけでなく、ライセンス・移行・教育の費用も分けて比べます。海外展開や稼働後の運用費も、同じように分けて見ます。
SCSK株式会社|建設・案件採算とERP連携を重視
SCSK株式会社は、ERP「PROACTIVE」をはじめ、業務システムの導入・開発・運用を幅広く支援する企業です。
2026年5月には、「PROACTIVE Construction」にJV管理機能を追加したと発表しました。この機能では、共同企業体の出資比率や資金、工事原価に加え、売上配分や構成会社間の精算もまとめて管理できます。複数の案件を横断して採算とリスクを見るポートフォリオ管理と、接点がはっきりしている候補です。
特徴と強み
案件ごとの原価・売上・資金・進捗を集め、採算の変化を早く把握したい企業に適しています。建設業のJVのように、複数の会社や案件の関係を管理する場合は、案件一覧だけでは配賦や精算を表せません。
会計や工事管理のデータをどの時点で取り込むか、差異を確認して是正する担当者は誰かまで設計します。
得意領域・実績
建設・製造・商社など、案件単位で売上と原価を追う企業に向いています。2026年に発表されたJV管理は、件数だけでなく、出資比率や精算といった金額面も扱う際の判断材料になります。
建設業以外でも、配賦や共同事業、案件採算を扱う場合は、PROACTIVEの標準機能と追加開発の境界を問い合わせておく必要があります。
TISI株式会社(旧TIS株式会社)|予算・KPI・SAP連携を重視
TISI株式会社は、TIS株式会社と株式会社インテックの合併によって、2026年7月1日から新しい商号で事業を展開しています。旧TISの名前で探す場合も、2026年時点の公式情報ではTISI株式会社として確認します。
2026年7月には、SAP Analytics Cloud for PlanningとSAP S/4HANAを連携する「予算管理テンプレート」を発表しました。予算計画、経営指標、グループ予算を一つの仕組みで扱う方向性とされています。
特徴と強み
TISIは、案件情報に予算・実績・経営指標を組み合わせ、SAPのデータ基盤で計画を見直す仕組みを構築できます。
公式発表では、事業別のPL・BS予算計画、ROA・ROE・ROICなどのKPIダッシュボード、シミュレーション機能を標準で備えるとされています。投資案件の優先順位や事業別の資本効率を、経営会議で比べたい企業に適しています。
得意領域・実績
SAP S/4HANAを使って、予算編成やグループ管理を高度化したい企業が候補になります。TISIは、Fit-to-Templateで個別開発を抑え、導入リスクと品質のばらつきを減らす方針だと説明しています。
価格は要件に応じた個別見積もりです。そのため、ライセンス・テンプレート適用・移行・追加開発・教育・SAP運用費を分けて、標準機能に合わせる範囲を確認します。
株式会社野村総合研究所(NRI)|金融・投資ポートフォリオの業務知識
株式会社野村総合研究所(NRI)は、コンサルティングと、システム開発・運用などのソリューション機能を組み合わせている企業です。金融ITでは、証券・資産運用・銀行・保険向けの受託開発や、金融ビジネス基盤を提供しています。金融商品や資産運用のポートフォリオを扱う場合は、業務ルールやデータ統制についても相談できる候補です。
特徴と強み
NRIの強みは、制度・市場・業務プロセスを踏まえて、管理項目と判断基準を設計しやすい点です。
金融・投資では、評価額、リスク、収益性が要件になります。さらに、取引制限、監査証跡、顧客・ファンド単位の権限も求められます。機密情報・可用性・障害時の復旧・制度変更への対応も、初期要件に入ります。
得意領域・実績
管理対象がNRIの得意領域と合うかを、次の2つの観点で確認します。
- 金融業務:証券、資産運用、銀行、保険などのポートフォリオ
- IT案件:金融向けの標準機能から、必要な部分だけを採用できるか
NRIの公式情報では、投資信託の販売や資産管理を支える複数の金融プラットフォームが紹介されています。また、2025年3月時点で「THE STAR」83社、「T-STAR」83社などの利用社数も掲載されています。
ポートフォリオ管理システムのパートナー選びのポイント

6社は得意領域が異なるため、知名度や価格だけでなく、自社の管理対象と導入後の意思決定に照らして評価します。候補会社には同じRFPを渡し、要件定義から保守まで対応範囲をそろえて比べます。
業務の近さで見る実績
実績を確認するときは、次の4つの観点で尋ねます。
- 管理対象:案件・投資・製品・資産のうち、どれを扱ったか
- 運用規模:利用者数とデータ量はどれほどか
- 運用実績:移行前後の件数や、利用開始後の改善内容
- 支援体制:運用保守をどう担うか
同じ業界でも、入力責任者や承認基準が違えば、同じように成功するとは限りません。そのため、可能であれば匿名化した画面も見せてもらいます。
見積もりに含める連携・移行・セキュリティ
費用が膨らみやすいのは、画面の開発より、既存データの整理や外部連携が追加されたときです。また、複雑な権限やテスト、教育が加わる場合も、費用は増えやすくなります。
費用は、次の3つの費目に分けて確認します。
- 構築費:要件定義、設計・開発、テスト
- 導入費:ライセンス・クラウド利用料・API連携・データ移行・教育
- 運用費:保守、機能追加
ポートフォリオの基本機能だけであれば、MVPは300万〜600万円、標準的な業務システムは800万〜1,500万円が参考値です。複数部門と基幹連携を含む場合は、1,500万〜4,000万円程度が目安です(出典:BOSS DESIGN「ポートフォリオ管理システムの開発事例と費用相場」、2026年)。ただし、個別案件の確定価格ではありません。
機密データを扱う場合は、多要素認証や最小権限、職務分掌、暗号化を要件に入れます。さらに、監査ログやバックアップ、復旧テスト、API認証も要件に含めます。
電子取引データや会計情報では、訂正や削除の履歴、日付・金額・取引先による検索のしやすさを確認します。加えて、画面表示とダウンロードの可否も見ておきます。
段階導入と保守体制の確認
最初から全社・全案件を登録するより、まず1部門で登録・検索・承認・主要KPIを使い、入力率や会議での利用状況を測る進め方もあります。
保守・メンテナンスの参考値は月額5万〜25万円、機能改善は月額10万〜50万円です(出典:BOSS DESIGN「ポートフォリオ管理システムの開発事例と費用相場」、2026年)。
実際の費用は、監視・バックアップ・ユーザー数・SLA・追加改修といった契約条件で変わります。契約が終わったあとにベンダーを変える場合や、内製化する場合にも備えて、次の4点を確認します。
- 障害対応:受付時間と復旧目標
- 保守範囲:脆弱性・法改正への対応
- データ保全:バックアップの保存期間
- 引き継ぎ・返却:担当が変わったときの進め方と、終了後のデータ・API仕様・設計書・テスト仕様書の返却
よくある質問(FAQ)
導入の検討では、管理対象の意味や費用、導入方式について質問が寄せられます。会社を選ぶ前に整理しておきたい疑問に、ここで答えます。
ポートフォリオ管理システムは金融資産の管理専用ですか?
金融資産のほか、IT投資・開発案件・製品・施工実績・不動産なども対象になります。なお、この記事では、ERP・経営管理の案件や投資を中心に見ています。
複数の対象を横断して、予算・進捗・収益・リスクを比べて管理するため、導入時には管理対象を定義しておきます。
ポートフォリオ管理システムの開発費用はいくらですか?
小規模なMVPは300万〜600万円、標準的な業務システムは800万〜1,500万円が参考の目安です。
ERP・会計・人事・工数との連携を含む場合は、1,500万〜4,000万円程度です(出典:BOSS DESIGN「ポートフォリオ管理システムの開発事例と費用相場」、2026年)。
費用は、利用者数・権限・データ量・連携先・移行範囲・セキュリティ要件によって変わります。このため、複数社から同じ要件で見積もりを取ります。
パッケージとフルスクラッチはどちらが向いていますか?
標準業務に合わせて短期間で始めたい企業には、SaaSやパッケージが向いています。独自の評価基準・複雑な権限・既存基幹システムとの深い連携・将来拡張が重要な場合は、専用開発や段階的なカスタマイズを検討します。
最初から方式を決めつけず、実際のデータを使ったPoCで標準機能と業務の差分を確認すると、過剰な開発を抑えやすくなります。
まとめ
得意領域で見る6社の比較
ポートフォリオ管理システムは、案件・投資・実績を登録し、予算配分・進捗・リスク・予実評価を次の意思決定につなげる仕組みです。
今回紹介した6社は、株式会社ripla・NEC・NTTデータ・SCSK・TISI・NRIです。それぞれ得意な対象と導入規模が異なります。
導入後の状態まで比べるRFP
候補会社に同じ条件を伝えるため、次の順番でRFPを準備します。
- 管理するポートフォリオの種類・利用者・入力頻度・既存システム・必要なKPIを洗い出す
- 要件定義・移行・連携・教育・保守を含めたRFPを作り、候補会社に同じ質問をする
機能の多さだけでなく、入力が続き、データが正しく更新され、経営会議で使われる状態まで伴走できるかを見て会社を選びます。
▼全体ガイドの記事
・ポートフォリオ管理システム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
