予測分析システムのパッケージ/クラウド製品一覧

予測分析システムは、自社のPCやサーバーに導入するソフトウェア型と、ベンダーが運用するクラウド型に大きく分かれます。製品ごとに得意な予測領域も異なるため、提供形態と製品の特徴を分けて見ると、自社の予測対象に合う製品を選びやすくなります。各テーマの詳細は、関連記事もご覧ください。

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・予測分析システム開発の完全ガイド

パッケージ型とクラウド型予測分析システムの違い

導入形態を判断するデータの置き場所や運用の手間などの確認点を示した図
運用を担う側を先に定めると、確認項目を整理できます。

導入形態は、自社導入のソフトウェア型と、ベンダー運用のクラウド/SaaS型に分かれます。比較の対象になりやすい製品は、クラウド型やクラウド・オンプレミス両対応のプラットフォーム型が中心です。なお、ここで取り上げるのは、確認できた製品に限ります。

製品名や画面の見た目だけで判断せず、自社とベンダーのどちらがどこまで運用を担うのかを把握すると、比較の軸を定めやすくなります。

ソフトウェア導入型における自社運用と個別要件への対応

ソフトウェア導入型には、ノーコードで予測モデルを構築できる製品もあります。自社のPCやサーバーに導入して使うため、データの置き場所や運用の手間が、導入の判断を左右します。

  • 社内データを守る:データを外部に出さずに分析したい企業に向いています。
  • 環境へ組み込む:自社の分析環境に製品を組み込みたい場合の選択肢です。
  • 自社で運用する:サーバーの用意、ソフトウェアの更新、社内の運用体制を担う範囲が大きくなります。

クラウド・プラットフォーム型における短期導入と継続的な機能更新

クラウド型は、サーバーを用意しなくても使い始めやすい点が特徴です。ベンダーがモデルやアルゴリズムを継続して更新するため、その改善を受けられます。

自社データは外部のクラウド環境に預けることになるため、導入前の確認が欠かせません。

  • 保管場所と権限:データの置き場所と、アクセスできる人の範囲。
  • 契約終了時:契約を終えるときに、データを返却してもらえる条件。
  • 機密データ:暗号化方式とデータセンターの所在地。

特に、個人情報や機密性の高い業務データを扱う場合は、社内審査への説明材料になるため、早い段階で確かめておくと準備がスムーズに進みます。

ポイント

社内データを外部に置けないなら自社導入型、運用の手間を減らしたいならクラウド型を候補にするのが目安です。迷う場合は、データの置き場所と運用の担い手を先に決めてください。

製品を比較するときの共通軸

製品比較の共通観点として予測手法、データ連携、説明可能性を並べた図
同じ観点を各製品に当てはめると、適合性を見比べやすくなります。

自社の予測対象に製品が合うかを見極めるには、機能一覧を並べるだけでなく、同じ質問を全製品に当てはめることが役立ちます。そこで、予測手法、データ連携、説明可能性を共通の質問として取り上げます。

対応する予測手法とデータ連携の比較

まず、自社に必要な予測手法を標準機能で扱えるかを確かめます。対象となる手法には、時系列予測、分類、回帰、異常検知などがあります。また、用意されたアルゴリズムから選ぶ方式なのか、独自モデルを組み込める方式なのかによって、対応できる業務の幅が変わります。

  • アルゴリズム:既成の方式から選ぶか、独自モデルを組み込めるか。
  • データ連携:基幹システムやIoT機器との対応形式と連携頻度。
  • データ前処理:製品が担う範囲と、欠損値や外れ値の調整方法。

前処理は、実際のデータを渡して確かめておくと、導入後の手戻りを防ぎやすくなります。

説明可能性と導入支援の手厚さ

予測値をどう説明できるか、導入時から継続運用までどこまで支援を受けられるかを確かめます。

  • 予測値の説明:理由を担当者が理解できる形で示せるかどうか。現場への定着を左右します。
  • 導入時の支援:モデル構築時に受けられる技術支援の範囲。
  • 継続運用:専任者がいなくても、運用を続けられるかどうか。

選定時の評価手順は、予測分析システムの選定ポイント・選び方・種類で詳しく扱っています。

ポイント

機能数より、自社の予測対象に使える手法とデータ連携を優先して比べるのが目安です。説明可能性は現場への定着に関わるため、担当者が理解できるかも基準に含めてください。

予測分析システムの主要製品5選

取り上げるのは、2026年7月時点で公式サイトの記載を確認できた5製品です。掲載順は、評価の順位ではありません。製品ごとに用途や提供形態が異なるため、自社の予測対象と運用体制をそろえて比べてください。

Alkano

Alkanoは、株式会社NTTデータ数理システムのノーコード型データ分析プラットフォームです。

  • 分析機能:マウス中心の画面で、データ加工や予測モデル構築を扱えます。異常検知や深層学習にも対応します。
  • 製品の経緯:同社は「Visual Mining Studio」の開発を終了し、その機能をAlkanoへ統合しました。
  • 分析のノウハウ:長年の統計解析・データマイニングのノウハウを引き継いでいます。
  • 無料体験:2026年7月時点の公式サイトには、1か月間の無料トライアルと無料コンサルティングがあります。
  • 料金:問い合わせ制のため、利用規模を伝えたうえで見積もりを確かめます。

DataRobot

DataRobotは、DataRobot, Inc.が提供するAI/機械学習プラットフォームです。

  • モデル構築:AutoMLでモデルを構築し、評価・比較できます。
  • 運用管理:モデルの運用管理まで、一つの基盤で扱えます。
  • 対象領域:需要予測、解約予測、与信スコアリングなどを扱います。
  • 利用候補:複数のテーマを将来扱う企業も、検討の対象になります。モデル管理やガバナンスの標準搭載範囲を確かめます。

具体的な料金は公式サイトに載っていないため、デモや問い合わせを通じて個別見積もりを確かめることになります。

SAS Viya

SAS Viyaは、SAS Institute Inc.が提供するAI/アナリティクスプラットフォームです。

  • ライフサイクル支援:データ管理からモデル開発・デプロイ、監視までを支援します。
  • 強み:高度な統計解析や大量データの処理が得意分野です。
  • 利用候補:統計解析基盤を持つ金融・製造などの企業が、既存資産を活かす場合に検討できます。
  • 料金確認:公式サイトに具体的な記載はなく、無償のプライベート試用環境や見積もり請求で確かめます。

Prediction One

Prediction Oneは、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社のAI予測分析ツールです。ソニー社内のAI教育にも使われたノウハウをもとにしています。

  • 予測手法:専門知識がなくても数クリックで、二値分類・多値分類と数値予測・時系列予測を行えます。専任者がいない企業も、始める候補になります。
  • 法人向け料金:環境構築費用とレクチャーを含む初期費用、ライセンス料とカスタマーサクセスサービスを含む基本料金で構成されます。
  • 個人向け料金:クレジットカード払いに対応したプランがあります。
  • 無料体験と見積もり:法人向け・個人向けとも14日間の無料体験があります。料金は利用人数や用途を伝えて、見積もりで確かめます。

具体的な金額は、公式サイトに明記されていません。

Alteryx

Alteryxは、Alteryxが提供するデータ分析プラットフォームです。「Alteryx One」は、データ準備から予測分析、機械学習、生成AIを使うワークフローまでを統合します。

料金は公式サイトの料金ページから問い合わせる形式で、具体額は公開されていません。データの収集や加工が複雑な企業や、データ活用のワークフロー全体を一つの基盤で管理したい企業に向いています。

自社の課題別に候補を絞る方法

候補製品の絞り込みに使う専任者、予測領域、既存分析基盤、部門間の運用条件を示した図
社内の要件を並べると、比較を始める順序が見えてきます。

5製品をすべて細部まで比べるのは手間がかかるため、まず主となる予測テーマを一つ決め、必須要件で候補を減らしていくと効率的です。また、適した製品タイプは、社内に専任者がいるか、既存の基盤があるか、必要な予測手法がどれだけ広いかによって変わります。

専任のデータサイエンティストがいない場合

専任者がおらず、需要予測や簡単な数値予測から始めるのであれば、ノーコードで使えるPrediction OneやAlkanoが候補になります。さらに、操作のしやすさだけでなく、導入時の技術支援やトレーニングの範囲も比べておくと、自社だけで運用を続けられるかを判断しやすくなります。

複数の予測領域を横断的に扱いたい場合

複数の領域を扱う場合は、予測テーマや既存基盤に加えて、部門どうしの運用条件も確認しておきます。DataRobotは、AutoMLやモデル管理に強く、運用管理まで一つの基盤で扱えます。Alteryxは、データ準備から予測分析、機械学習、生成AIを使うワークフローまでを統合します。

  • 複数テーマの候補:需要予測、解約予測、与信スコアリングを扱うならDataRobot、ワークフロー全体を一つの基盤で管理するならAlteryxが有力です。
  • 既存基盤の活用:統計解析基盤を活かしたい企業は、SAS Viyaも比較対象に入ります。
  • 部門別の運用:担当部署が分かれる場合に、権限や結果の共有を部署単位で設定できるかを確認し、運用開始後の混乱を防ぎます。

ポイント

専任者がいない場合は、ノーコードの操作性と導入支援の範囲を軸にします。複数の予測領域を扱うなら、部門ごとの権限や結果共有の設定も比較の早い段階で確かめてください。

料金・契約前の確認事項

紹介した5製品は、いずれも公式サイトに具体的な料金を公開しておらず、問い合わせや見積もりで確かめることになります。料金が非公開でも、高額とは限りません。

発注側は、利用規模を明確にしたうえで、同じ条件で複数社に見積もりを依頼することが重要です。

課金の対象と単位

課金単位は製品によって異なり、ユーザー数、データ量、モデル数、API呼び出し回数などがあります。

見積もりでは、現在の規模だけでなく、1年後や3年後に予測対象を広げた場合の想定規模も伝えておきます。

次に、初期費用や最低利用期間を確かめ、追加のユーザーやデータ量に応じた従量課金の境界も見積もってもらいます。

無料体験と導入支援の範囲

Prediction OneやAlkanoには、無料体験や無料コンサルティングがあります。一方で、デモや個別商談でしか製品を確認できないものもあります。

無料体験で試せる機能と、本番導入時に受けられる技術支援を確かめておきます。支援が有償か無償かを押さえておくと、想定外の追加費用を避けやすくなります。

ポイント

料金が非公開の製品は、同じ利用規模と予測対象を揃えて複数社に見積もりを依頼するのが目安です。初期費用と従量課金の境界を並べると、将来の費用増を見通しやすくなります。

デモとPoCによる最終候補の絞り込み

資料で比べて2〜3製品に絞ったら、自社の実データを使ってデモまたはPoCを行います。

その際は、担当者に加えて、実際にデータを扱う現場部門も参加させると、導入後の行き違いを減らせます。

自社の実データによる予測精度の確認

サンプルデータよりも、自社の過去データを使ってモデルを構築し、予測精度を確かめます。あわせて、前処理にかかる工数と操作の分かりやすさも見ておきます。

ベンダーに任せきりにせず、自社の担当者も操作します。予測値の算出までを担当者自身が試すと、本番導入時の負荷や習熟にかかる期間を把握できます。

導入効果の実測と稟議への活用

まず、PoC前に現状を記録しておき、PoC後の結果と比べます。たとえば、需要予測なら欠品や過剰在庫、異常検知なら設備トラブルの発生頻度などが、測る対象になります。

効果は、他社の事例を参考にしつつ、自社のデータと業務条件で検証します。ただし、測定方法を導入前に決めておかないと、稟議資料を作り直すことにもなりかねません。

ポイント

候補は2〜3製品まで絞り、同じ自社データでデモまたはPoCを行うのが目安です。予測精度に加えて前処理の工数と操作の分かりやすさも見ると、導入後の負荷を把握しやすくなります。

予測分析システムの製品比較で押さえておきたいポイント

知名度やおすすめ順位より、自社の予測対象と運用体制を同じ条件で比べることを優先します。選定時に判断が分かれやすい点も、あわせて確認します。

予測対象と社内体制によるおすすめ製品の違い

おすすめ製品は、企業ごとの事情によって変わり、全企業に共通する1位の製品は決まっていません。専任者の有無や予測領域の広さ、既存分析基盤の有無が、適した製品を左右します。

まず必須要件で2〜3製品に絞り、同じデータを使ったデモまたはPoCで比べます。

料金非公開の製品での複数社見積もりの取り方

紹介した5製品は、いずれも公式サイトに具体的な価格を公開していません。そのため、同じ利用規模、予測対象、連携条件を各社に提示し、見積もりを比べます。

比べる際は、初期費用や月額費用に加えて、データ移行や導入支援の費用も含めて見てください。

自社データを外部に出せない場合の提供形態

分析データを外部クラウドに置けない場合は、自社環境に導入できる製品や、保管場所を選べるプランを探します。なお、同じ製品でも、クラウド版とオンプレミス版では対応範囲が異なることがあります。

まとめ

予測分析システムには、ノーコードツール、複数領域を扱うAIプラットフォーム、統計解析の実績を持つ商用製品があります。

紹介した5製品も、対応する手法や想定する利用者層がそれぞれ異なります。

予測対象と社内体制からの2〜3製品への絞り込み

専任者の有無、予測領域の広さ、既存分析基盤の有無から優先事項を決めておくと、知名度に左右されずに候補を絞れます。そのうえで、対応手法やデータ連携を軸に、同じ質問で各製品を比べてください。

最後は自社の実データによるPoCでの確認と個別開発の検討

既製のクラウド製品やノーコードツールで、自社独自の業務ロジックや基幹システムとの連携を吸収できない場合は、個別開発やハイブリッド構成も検討対象になります。

  • 予測精度:機能数よりも、自社データで実際にどの程度の精度が出るかを確かめます。
  • 業務への組み込み:予測結果を、自社の業務プロセスに取り込めるかどうか。

riplaはフルスクラッチ開発の立場から、不足機能の整理や業務プロセスに合わせた予測分析システムの構築を支援しています。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。