商品企画管理システムの開発費用は、商品マスタと承認だけなら100万〜500万円程度、企画・原価・品質・基幹連携まで含めると1,000万〜3,000万円程度が計画上の目安です。
ただし、商品企画管理システムは、PIM(商品情報管理)だけを導入するのか、PDM・PLM・原価管理・ワークフローまで一体化するのかで、費用も期間も大きく変わります。この記事では、2026年時点で確認できる公開料金と業務システム開発の人月単価をもとに、費用の内訳、価格帯、変動要因、見積もりの比較方法、コストを抑える進め方を解説します。
▼全体ガイドの記事
・商品企画管理システム開発の完全ガイド
商品企画管理システムの費用を考える前に確認すべき範囲

費用相場を比較する前に、何を商品企画管理システムで管理するかを決める必要があります。商品情報を発売後に配信するPIMと、企画段階の承認や原価シミュレーションまで扱うシステムは、名前が似ていても必要な機能と構築工数が異なります。
PIMだけの導入と企画管理の開発は別物です
PIMは、商品名、型番、サイズ、カラー、画像、説明文など、販売チャネルへ渡す商品情報を一元管理する仕組みです。一方、商品企画管理システムでは、アイデアの受付、企画書、仕様、原材料・部材、原価、品質・法令チェック、部門承認、版管理、発売後の配信までを扱います。商品マスタを検索してCSVで出力するだけならSaaSや標準パッケージで始めやすいですが、企画書の内容によって次の承認者を変える場合や、配合・BOMから総原価を計算する場合は、設計とテストの工数が増えます。
日鉄ソリューションズも、PIM導入では入力負荷とデータ品質のバランスを考えた業務・データフロー設計や、将来の商品体系と供給先の変化を見据えたデータモデルが重要だと説明しています(出典: 日鉄ソリューションズ「PIMソリューション」、2026年確認)。料金だけでなく、どの範囲を標準機能で使い、どこを個別開発するかを先に分けることが、見積もりの出発点です。
費用を左右する管理対象は商品・SKU・版・原価です
最初に、商品とSKUの関係を整理します。たとえば「シャツ」が親商品で、色とサイズの組み合わせがSKUになる場合、共通属性と個別属性を分けて持たせます。そのうえで、商品仕様の版、原材料や部材、仕入先、販売チャネル、公開開始日・終了日、承認状態を紐づけます。このデータモデルが曖昧なまま画面を作ると、後から色・容量・包装形態などのバリエーションが増えたときに、項目追加やデータ移行が繰り返されます。
原価をどこまで含めるかも重要です。原材料費や部材費だけを表示するのか、労務費、加工費、配送費、保管費、容器・リサイクル費まで含めて総原価を算出するのかで、計算ロジックとマスタの種類が変わります。企画の段階で販売価格、利益額、利益率を比較するなら、仕入先や配合パターンを差し替えて試算できる機能まで要件に入れる必要があります。
商品企画管理システムの費用相場とコストの内訳

商品企画管理システムの初期費用は、SaaSの利用開始から全社向けの個別開発まで、数万円単位から1億円超まで広いレンジになります。ここでは公開料金、調査ノートにある2026年基準の人月単価、機能範囲から算出した計画用の目安を分けて示します。受託開発の金額は全国一律の定価ではなく、商品数、利用部門、データ状態、連携先、セキュリティ要件によって変わる推定レンジです。
SaaSやPIMの公開料金は月額数千円から始まります
小規模な商品情報管理から試す場合、公開料金のあるSaaSは初期費用を抑えやすい選択肢です。motolistの公式料金表では、30日間の無料トライアル、スタンダード月額3,828円(税込)、プレミアム月額6,578円(税込)が掲載されています。取引先アカウントはプランに応じて1件あたり月額330円または550円、容量拡張は1GBあたり月額1,100円(税込)とされています(出典: motolist公式料金表、2026年確認)。商品登録代行も1商品660円の掲載例がありますが、ページ内に税込・税抜きの注記が併記されているため、契約前に適用税区分と対象作業を確認する必要があります。
この価格帯は、商品情報、画像、資料をクラウド上で共有する入口としては有効です。ただし、企画受付、複雑な承認、原価シミュレーション、ERP・生産管理とのリアルタイム連携、個別の法令チェックまで標準で含むとは限りません。月額料金だけで商品企画管理全体の費用を判断せず、初期データの登録、権限設計、導入支援、連携、教育が別料金かを確認します。
パッケージのライセンス費用と導入費用は分けて考えます
パッケージを導入する場合は、ソフトウェアのライセンス、サーバーやクラウドの利用料、設定・カスタマイズ、データ移行、連携、教育を分けて見積もります。2026年にeBASE株式会社が公開した「eB-PDM(原価計算)」のオンプレミス版では、eBASEserver 120万円、eBASEweb client(R/W)160万円、eB-workflow 80万円、eB-PDM(原価計算)80万円など、構成単位の価格が掲載されています。年間ライセンス・サポート費はパッケージソフトウェア費の20%、設置・導入・カスタマイズ費は別途見積もりです(出典: eBASE株式会社ニュースリリース、2026年6月)。
公開されているモジュール価格を合計しても、それが自社の導入総額になるわけではありません。既存の商品コードとの対応、原材料・部材マスタの整備、Excelからの移行、ERP・生産管理への接続、ユーザー教育が必要なら、プロジェクト費用が追加されます。クラウド版は企業規模や構成に応じた個別見積とされているため、オンプレミス版の公開価格と単純比較しないことが大切です。
個別開発は300万円から1億円超まで機能範囲で変わります
商品マスタ、カテゴリ、権限、申請・承認、CSV入出力を中心にした部門向け導入は、初期費用100万〜500万円程度が計画上の目安です。PIMに企画ワークフロー、版管理、画像・文書管理、数本のAPIまたはCSV連携を加える場合は、300万〜1,200万円程度になるケースが考えられます。これは4〜10人月程度の作業を、中小開発会社の80万〜120万円前後の人月単価で試算したレンジであり、公開された一律料金ではありません。
原価・配合・BOM、品質・法令情報、複数部門の承認、生産管理や購買との連携まで含めると、1,000万〜3,000万円程度が中規模案件の計画レンジになります。全社・多拠点・多言語で、ERP、PLM、PIM、DAM、ECなどを統合し、段階的に展開する場合は3,000万円〜1億円超になる可能性があります。これらの金額は商品数、ユーザー数、連携方式、移行難易度、非機能要件によって上下するため、予算申請ではレンジと前提条件をセットで示します。
費用の内訳は開発費だけでなくデータと運用まで確認します

見積書の総額だけでは、どこにお金がかかるのか分かりません。商品企画管理システムでは、画面やプログラムだけでなく、業務整理、マスタ設計、移行、連携、テスト、教育、保守が成否を左右します。各工程を分けて確認すると、安い見積もりの抜け漏れや、将来の追加費用を見つけやすくなります。
人件費は要件定義からテストまでの工数で決まります
受託開発の中心は、プロジェクトマネージャー、業務・データ設計を担うシステムエンジニア、画面や連携を実装するプログラマーの工数です。2026年基準の計画用目安として、PMは1人月90万〜150万円、SEは65万〜110万円、PGは50万〜90万円程度とされます(出典: NotebookLM Q&A「業務システム全般_18」、2026年)。大手SIerでは1人月150万〜200万円程度、中小開発会社では80万〜120万円程度という差もあります。
たとえば、要件定義2人月、設計3人月、実装5人月、テスト3人月、導入支援2人月の合計15人月であれば、単純な人件費だけでも会社の体制によって1,200万〜3,000万円近くまで幅が出ます。ここに管理費、クラウド・ライセンス、移行、脆弱性診断、出張、消費税などが加わります。人月単価だけでなく、何人月を見込んでいるか、成果物と検収条件が何かを確認することが重要です。
データ移行と外部連携は別工程として計上します
Excelや共有フォルダにある商品情報を移すときは、ファイルを取り込むだけでは終わりません。商品コードの重複、表記ゆれ、単位の不一致、廃番商品の扱い、画像のファイル名、版の欠落、原材料と仕入先の紐づきなどを確認し、正規化してから移行します。商品数が多いほど、クレンジングと移行リハーサルの工数が増えます。50商品程度の代表カテゴリを先に移して、項目定義を固める方法は、全件移行の手戻りを減らしやすいです。
連携では、ERPの商品マスタ、生産管理、購買、在庫、EC、Webカタログ、営業支援、DAMなどを洗い出します。API連携は即時性や自動化に向きますが、認証、エラー処理、再送、監視の設計が必要です。CSV連携は短期に始めやすい一方、出力項目、文字コード、更新日時、差分判定、取り込み失敗時の責任分界を決める必要があります。連携先1つごとに、設計、開発、接続テスト、障害時の運用を見積もります。
ランニングコストは利用料・保守・改善に分かれます
運用開始後は、SaaSやクラウドの月額利用料、ユーザー・容量・APIの追加料金、パッケージの年間サポート費、監視・バックアップ、問い合わせ対応、データ登録代行、機能改善の費用が発生します。NotebookLM Q&Aでは、保守運用費を初期開発費の年15〜25%程度とする一般的な目安が整理されていますが、SLA、対応時間、障害の重大度、改修を含むかで契約額は変わります(出典: NotebookLM Q&A「業務システム全般_18」、2026年)。
料金を比較するときは、5年間の総保有コストで考えます。初期費用が安くても、利用者追加、容量追加、データ登録、連携改修、バージョンアップ、問い合わせの従量課金が大きい場合があります。反対に、初期費用が高くても、標準機能と運用支援が含まれ、手作業の転記や確認時間を減らせるなら、業務コストを含めた総額で有利になることがあります。
商品企画管理システムの費用が変動する主な要因

同じ商品企画管理システムでも、企業によって見積もりが大きく違うのは、画面数だけでは費用が決まらないためです。業務の複雑さ、データの品質、接続先、利用規模、セキュリティや法令の要求が組み合わさって、必要な設計・開発・テストの量が決まります。
承認・版管理・監査ログの複雑さが工数を増やします
企画、設計、品質、法務・表示、購買、営業、経営がそれぞれ承認する場合、単純な一段階承認よりもワークフローの設計が複雑になります。部門ごとの差戻し、並列承認、代理承認、期限超過の通知、承認済みデータだけを公開する制御が必要です。さらに、仕様変更や原材料変更の履歴を残し、いつ誰が何を変えたかを追跡するには、版、ステータス、コメント、承認日時、公開期間をデータとして持たせます。
食品では原材料、アレルゲン、栄養成分、賞味期限、保存方法、表示文言、規格書を管理する場合があります。化学品ではSDSや含有化学物質、安全規格、適合証明を扱うことがあります。項目数が増えるだけでなく、根拠資料の添付、閲覧権限、変更時の再承認、監査証跡が必要になるため、業界固有の要件を後から追加すると手戻りが大きくなります。
連携先・商品数・拠点数が増えるほど費用は上がります
1部門で数百商品を管理する場合と、複数法人・複数拠点で数万SKUを扱う場合では、同じ機能名でも要件が変わります。ユーザー数が増えれば権限ロールや同時利用の検証が必要になり、拠点や国が増えれば言語、通貨、税、公開期間、データ保持の設計が加わります。商品画像や動画、図面、マニュアルを蓄積する場合は、ストレージ容量、配信速度、バックアップ世代数も費用に影響します。
連携先が3つなら、商品情報をどのシステムが正本として持つかを決めてデータを流せば済む場合があります。しかし、ERP、販売管理、生産管理、購買、EC、Webカタログ、SFA、取引先ポータルまで増えると、項目変換とエラー処理の組み合わせが増えます。各連携の更新頻度と障害時の復旧責任を決め、リアルタイム連携が本当に必要かを見極めることがコスト抑制にもつながります。
未公開商品・原価・知財を守るセキュリティ要件も費用になります
商品企画管理システムは、発売前の商品、仕入先との契約、原価、知財、顧客調査データ、担当者情報を扱うことがあります。個人情報が少ないシステムでも、未公開情報の漏えいは競争力や取引関係に影響します。SSOや多要素認証、最小権限、通信・保存時の暗号化、バックアップ、脆弱性対応、操作・承認ログ、委託先と再委託先の監査を要件に入れると、認証・監視・診断・運用設計の費用が発生します。
IPAは2026年にIT製品の調達におけるセキュリティ要件リスト第2.1版を公開しています(出典: IPA「IT製品の調達におけるセキュリティ要件リスト」、2026年)。RFPでは「安全対策一式」と書かず、認証方式、権限の単位、ログの保存期間、バックアップの復旧目標、障害通知時間、脆弱性修正の期限を具体化します。要求を明確にすると、会社ごとの見積条件をそろえやすくなります。
開発期間と方式は費用対効果を見ながら決めます

導入期間は、標準機能中心の小規模SaaSなら即日から1か月、パッケージ設定なら1〜3か月、企画ワークフローと数本の連携なら3〜6か月、原価・品質・BOM・基幹連携まで含む中規模開発なら6〜12か月程度が目安です。全社展開や多拠点移行では9〜18か月以上を見込みます。期間は開発会社の作業時間だけでなく、社内の意思決定、データ整理、受入テスト、教育に左右されます。
MVPは企画受付・承認・商品マスタから始めます
最初から全社の業務を一つのシステムに移すと、要件が膨らみ、データ移行と教育も難しくなります。初期段階では、企画受付、企画書の入力、承認、商品・SKUの基本情報、承認済みデータのCSV出力に絞り、代表カテゴリで運用します。原価シミュレーションや品質項目は、業務上の優先度とデータ整備の状況を見て第2段階に分ける方法が現実的です。
PoCやMVPでは、50〜500商品程度を対象に、企画申請から承認、商品マスタ出力までを実測します。承認にかかる日数、入力不備、Excel転記の回数、原価計算の時間、チャネル反映までの時間を導入前後で測ると、次の投資判断がしやすくなります。機能を増やす前に、利用部門が実際に使えることと、データの責任者が決まっていることを確認します。
SaaS・パッケージ・スクラッチを使い分けます
SaaSは初期費用とインフラ運用を抑えやすく、標準化した業務を短期間で始めたい企業に向きます。コムチュアのPIM導入支援では、標準機能であれば1か月で利用開始可能と案内されています(出典: コムチュア株式会社「商品情報管理(PIM)導入支援」、2026年確認)。ただし、独自の原価計算、複雑な承認、特殊な権限、既存基幹との深い連携が制約になる場合があります。
パッケージは、商品情報、文書、ワークフロー、PDM、DAMなどを組み合わせやすい反面、標準機能から外れるほどアドオン費用が増えます。スクラッチやクラウド上の個別開発は、自社固有の企画・原価・品質プロセスを表現しやすい一方、認証、ログ、バックアップ、アップデート、脆弱性対応を長期で負担します。実務では、PIMやERPは標準製品を使い、独自性の高い企画・原価部分だけを拡張するハイブリッド方式が費用と柔軟性のバランスを取りやすいです。
データ移行と受入テストを期間の中心に置きます
商品企画管理システムでは、画面が完成しても、実データを使ったときに入力項目の不足、コードの重複、承認者の誤り、画像の参照切れ、連携先での文字化けが発生することがあります。要件定義の段階で移行対象のサンプルを提出し、設計・開発・総合テスト・受入テストの各段階で同じ業務シナリオを繰り返すことが必要です。
受入テストでは、正常に登録できるかだけでなく、差戻し、版戻し、承認者の交代、入力漏れ、権限外の参照、連携エラー、公開終了日の到来も検証します。テストケースを開発会社だけで作ると、実際の例外業務が抜けやすいため、企画、品質、購買、営業、情報システムの担当者が代表シナリオを持ち寄ります。早い段階で実データと担当者を確保すると、納期直前の追加費用を抑えやすくなります。
見積もりを取る際に比較すべきポイント

見積もりを依頼するときは、「商品企画管理システムを作りたい」だけでなく、業務、データ、利用者、連携、非機能、導入時期を同じ資料にまとめます。会社ごとに前提が違うまま金額だけを比較すると、安い見積もりに移行や教育が含まれていないことがあります。RFPでは、必須機能と将来機能を分け、金額と納期の前提を明示します。
RFPには商品・業務・連携の具体的な条件を書きます
RFPには、対象商品のカテゴリ数、商品数とSKU数、年間の新商品・改廃件数、利用部門と利用者数、承認ルート、管理する項目、画像・文書の容量、既存ファイルの種類、移行対象件数、連携先、更新頻度を記載します。原価を扱う場合は、材料費、部材費、加工費、物流費、保管費、販売価格、利益率の計算単位と、過去版を参照する必要があるかを明示します。
さらに、SSO・多要素認証、権限の粒度、監査ログの保存期間、バックアップ、障害復旧目標、サポート時間、データの保管場所、再委託の可否を記載します。候補会社には、初期費用、月額または年額、追加ユーザー、容量、連携、移行、教育、保守、機能追加を別項目で提示してもらいます。これにより、見積もりの抜け漏れと将来の追加請求を比較できます。
3社以上で機能・費用・導入後支援を比較します
候補会社は、SaaS提供会社、パッケージ導入会社、個別開発会社を含めて3社以上にすると、価格と方式の違いが見えやすくなります。商品企画段階のワークフローに強い会社、原価・配合・BOMに強い会社、PIM・DAM・チャネル配信に強い会社では、同じ商品情報管理でも提案の重点が違います。自社の優先課題に近い導入事例を持つかを確認します。
導入事例では、会社名や製品名だけでなく、導入前にどのExcel作業、転記、承認滞留、情報不一致を解決したかを尋ねます。DNPのフジッコ事例では、2023年5月にプロジェクトが始まり、2024年1月にカットオーバーし、商品企画・開発のプロセスごとに承認を設けるPIMを構築しています(出典: DNP「フジッコ株式会社のPIM導入事例」、2024年7月時点の掲載情報)。自社でも同じ期間や効果が再現できるかは、商品数や部門数を照らして判断します。
安さだけでなく追加費用と契約条件を確認します
初期費用が最も安い会社を選ぶと、データ移行、連携、教育、運用設計、セキュリティ対応が別見積もりになり、総額が逆転することがあります。要件定義の範囲、仕様変更の扱い、追加開発の単価、遅延時の責任、受入条件、保証期間、保守の対応時間、データ返却、解約時の移行支援を契約前に確認します。
特にクラウドサービスでは、データの所有権、保存場所、バックアップ、障害時の復旧、サービス終了時のエクスポート形式を確認します。スクラッチ開発では、ソースコード、設計書、テスト仕様書、外部ライブラリのライセンス、再委託先、保守を引き継ぐ条件を確認します。安いことではなく、5年間に必要な費用と自社で担う作業が明確であることが、適正価格の条件です。
商品企画管理システムのコストを最適化するポイント

費用を下げるには、単純に機能を削るのではなく、利用価値の高い範囲から導入し、不要な複雑さを増やさないことが大切です。企画のスピード、原価の精度、承認の統制、チャネルへの正確な配信のうち、自社で最も損失が大きい工程を特定します。その工程を改善できる最小構成を作り、効果を確認してから拡張します。
標準機能に業務を合わせてカスタマイズを絞ります
パッケージやSaaSを選ぶ場合は、既存のExcel帳票をそのまま画面に再現しないことが重要です。Excelの列を一つずつ画面項目にすると、不要な入力や重複項目までシステムに持ち込むことになります。企画、承認、商品マスタ、配信に本当に必要な情報を整理し、標準機能で運用できる業務は製品に合わせます。独自性が収益や法令対応に直結する原価計算や品質審査にだけ、拡張費用を使います。
標準機能を使うと、初期の開発工数だけでなく、将来のバージョンアップ、テスト、保守の費用も抑えやすくなります。カスタマイズを依頼するときは、その機能が導入初日から必要か、CSVや運用ルールで代替できるか、将来の製品更新で維持できるかを確認します。標準機能と個別開発の判断基準をRFPに書くと、提案会社の比較もしやすくなります。
データクレンジングを先に行い移行の手戻りを減らします
システムを選定してからデータを整理すると、取り込めない項目や重複が見つかり、追加費用が出やすくなります。候補会社への相談前に、代表カテゴリのExcel、商品画像、仕様書、原価表、承認記録を集め、商品コード、SKU、単位、カテゴリ、版、公開状態、原材料・部材、仕入先の関係を確認します。欠損や表記ゆれの件数を把握するだけでも、移行費用の精度が上がります。
登録ルールとデータの責任者も決めます。企画部が入力する項目、品質保証が承認する項目、購買が更新する原材料情報、営業が参照する公開情報を分け、誰がいつ正本を更新するかを明確にします。データ品質が高まると、移行作業だけでなく、稼働後の問い合わせ、修正、チャネル別の確認作業も減らせます。
段階導入で投資効果を測定してから拡張します
第1段階は1部門・1カテゴリ・少数のチャネルに限定し、企画受付から承認、商品マスタ配信までをつなぎます。第2段階で原価・品質・法令情報を加え、第3段階でERP、生産管理、EC、営業支援、取引先ポータルへ連携するように分けると、各段階の成果と課題を確認できます。全社分のライセンスや連携を初日に購入せず、利用規模に応じて拡張できる契約にすると、未使用機能への先行投資を抑えられます。
KPIは、企画から承認までの日数、承認の滞留件数、入力不備率、原価計算にかかる時間、商品情報を各チャネルへ反映する時間、誤った情報の公開件数、問い合わせ件数などにします。たとえば、月間の新商品数、1商品あたりの転記時間、担当者の確認時間から削減可能な工数を算出し、初期費用と保守費を何年で回収するかを試算します。効果を測れないまま機能を追加することが、最も避けたいコスト増です。
商品企画管理システムの費用に関するよくある質問

商品企画管理システムの費用は、PIMの利用だけか、企画・原価・品質・連携まで含むかで変わります。ここでは、導入前によく寄せられる質問に、金額の考え方と具体的な確認方法を回答します。
商品企画管理システムの開発費用はいくらですか?
商品マスタ、権限、承認、CSV出力を中心にするなら100万〜500万円程度、企画ワークフローと複数連携を含めるなら300万〜1,200万円程度、原価・品質・BOM・基幹連携まで含めるなら1,000万〜3,000万円程度が計画上の目安です。SaaSの月額料金やパッケージのライセンス費は別の価格体系なので、初期費用、移行、連携、教育、保守を加えた総額で比較します。
SaaSとスクラッチ開発はどちらが安いですか?
短期の初期費用だけなら、標準機能を使えるSaaSの方が安くなりやすいです。ただし、独自の原価計算、複雑な承認、特殊な権限、既存システムとの深い連携が必要なら、SaaSの追加開発や運用回避策が高くなることがあります。5年間の利用料、導入支援、データ移行、連携、保守、社内作業を合計し、自社の差別化要件に合う方式を選びます。
見積もりの金額が会社ごとに違うのはなぜですか?
見積もりの対象範囲、標準機能の前提、商品数・SKU数、データの状態、連携先、権限やセキュリティ、社内作業の分担が異なるためです。要件定義、設計、開発、テスト、移行、教育、保守を工程別に分け、各社に同じRFPとサンプルデータを渡すと比較しやすくなります。特に「一式」「別途相談」の項目は、含まれる成果物、上限、追加単価、納期への影響を質問します。
商品企画管理システムの費用を抑えるにはどうすればよいですか?
標準機能を優先し、データクレンジングを先に行い、企画受付・承認・商品マスタのMVPから始めます。連携は本当に必要なものから追加し、APIとCSVを使い分けます。複数社の提案を5年間の総保有コストで比較し、社内の入力・承認・テスト担当者を早めに決めると、追加開発や手戻りを抑えやすくなります。
まとめ

商品企画管理システムの費用は、PIMの商品情報管理だけなら月額数千円から利用できる公開例があり、部門向けパッケージ設定は100万〜500万円程度、企画・承認・連携を含む開発は300万〜1,200万円程度、原価・品質・BOM・基幹連携まで含む中規模開発は1,000万〜3,000万円程度が計画上の目安です。全社・多拠点・多言語の統合では3,000万円〜1億円超になる可能性があります。
費用は機能・データ・連携・運用の総額で判断します
金額を決めるのは、画面の数だけではありません。企画段階の承認、版管理、原価・品質情報、商品コード、データ移行、ERPやECとの連携、セキュリティ、教育、保守が費用を変動させます。公開料金のあるSaaSやパッケージは初期費用の入口として確認し、受託開発は前提条件付きのレンジとして扱います。見積書では、開発費と運用費、含まれる作業と別料金の作業を分けて確認します。
まず代表カテゴリのRFPとサンプルデータを用意します
最初の一歩は、企画受付から承認、商品マスタ出力までの業務フローを描き、代表カテゴリの商品・SKU・原価・仕様書をサンプルとして整理することです。必須機能と将来機能を分け、3社以上から同じ条件で提案を受け、初期費用だけでなく5年間の総保有コストと導入効果を比較します。商品企画管理システムは、情報をためるだけでなく、根拠のある原価と承認済みの商品情報を速く正確に届けるための基盤として設計することが大切です。
▼全体ガイドの記事
・商品企画管理システム開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
