結論から言うと、採用管理システムの開発費は、応募者数だけでなく、選考フローの種類、外部連携、権限管理、データ移行で変わります。総額を比べる前に、自社の採用業務を同じ条件で見積もることが必要です。
初期費用と維持費の分け方を、社内向けの採用管理システムを例に説明します。以下の金額は工数・単価を仮定した計算例で、市場相場や特定企業の価格を示すものではありません。
見積もりの条件は何で決まるか

選考フローと利用者の範囲をそろえる
応募者一覧と進捗だけを扱う構成に、面接調整、評価、内定承認を加えると、操作と通知が増えます。新卒・中途・アルバイトで手順が違う場合も、設計範囲を分けます。
発注前に、費用へ影響する前提を記載します。
- 選考:職種別の面接回数、課題、承認、辞退の扱いを示します。
- 利用者:人事、部門責任者、面接官、紹介会社の操作を示します。
- 応募経路:媒体、自社サイト、紹介、社員推薦の取込方法を示します。
面接官が増える場合も、単なるアカウント数の問題ではありません。担当する応募だけを見せるのか、部門全体を見せるのかで、権限設計と試験が変わります。
既製サービスの導入と独自開発を分ける
既製サービスを設定する費用と、一から実装する費用は同じものではありません。標準機能で足りる部分を確認し、不足する連携や業務だけを開発する案も比較します。
利用料が安くても、手動転記が多ければ社内作業が残ります。逆に独自開発では、公開後の改修や保守を自社で手配する必要があるため、初期費用だけでは判断できません。
独自開発費をどう試算するか

社内向けの基本構成を計算する
応募のCSV取込、求人別進捗、面接評価、連絡履歴、権限管理を持つWebシステムを想定します。1人日8時間、税抜単価8万円を仮置きします。
仮の工数を三工程に分けると、計算の根拠を確認できます。
- 業務整理・設計:20人日×8万円で160万円。
- 画面・データ処理の実装:50人日×8万円で400万円。
- 試験・移行・操作説明:25人日×8万円で200万円。
合計は95人日、税抜760万円です。実際の開発会社の価格ではありません。必要な日程は、担当人数に加え、採用側の仕様確認や移行準備の時間も考慮して決めます。
対象外を明記して追加を判断する
この例では、応募経路をCSVで受け取り、面接日程は人が登録します。求人媒体のAPI連携、候補者向けマイページ、カレンダー自動調整、AIによる書類整理は含めません。
過去の履歴書を大量に移す場合や、別形式の評価を統一する場合も別作業です。既存データの確認前に、全件移行を定額で含めたと解釈しないようにします。
採用サイトの新規制作、求人原稿、紹介会社への費用も対象外です。採用活動そのものの費用と、管理システムの費用を混ぜずに予算化します。
どの機能で追加工数が生じるか
応募取込と重複処理
求人媒体ごとに項目や取得方法が異なるため、「媒体連携一式」では比較できません。対象媒体、取得項目、更新頻度、契約上の利用可否を確認します。
連携費用には、失敗したときの処理も含めます。
- 再取得:途中で止まった応募を、二重登録せず取り込めるか。
- 重複確認:同一人物の複数応募を、履歴を残して整理できるか。
- 変更対応:媒体側の項目や認証方式が変わった際の保守を含むか。
面接調整と評価の例外処理
候補者が提示枠を選ぶ方式と、複数面接官の空きを組み合わせる方式では難しさが違います。予定の取消、再調整、会議URLの発行までを対象にするか決めます。
評価票も、職種ごとに項目を変えられるか、評価の提出後に修正できるかで工数が変わります。過去の評価票を残す必要があるなら、版管理も見積もります。
厚生労働省の採用選考時の配慮事項を確認し、評価項目の見直しも行います。古い書式をそのまま画面化せず、必要な項目を選び直します。
維持費と削減できる範囲はどう考えるか

年間運用費を別に積み上げる
クラウド、メール配信、添付ファイル保存、監視、不具合対応を分けます。採用繁忙期の問い合わせ対応と、外部連携の変更対応も確認します。
予算項目は、支出が発生する理由で分類します。
- 利用量:応募書類の容量、送信量、保存期間による費用。
- 保守作業:更新、障害調査、バックアップ確認の費用。
- 業務変更:新職種の選考や、評価票の追加に必要な改修費。
月2.5人日の保守を同じ単価8万円で仮置きすると、月20万円、年240万円です。クラウドや追加機能は含めず、受付時間や対応範囲を決めたうえで再見積もりします。
削減は採用担当の負担も見て判断する
初期版の媒体連携をCSVにする場合、取込頻度と確認担当を決めれば作業を把握できます。未対応一覧や権限試験を削ると、連絡漏れや誤閲覧の問題が残ります。
費用比較では、必要な操作を保ちつつ対象媒体や職種を絞る案を検討します。社内の手動作業と保守費も含め、導入後一年間の総費用で比べてください。
費用相談を始めるために
選考フロー、応募経路、閲覧者、移行データをまとめて見積もりを依頼します。工数と除外項目が分かる提案を受け取り、初期開発から運用までの予算を組みましょう。
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
