採用管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

採用管理システムの開発費は、社内向けの計算例で、初期開発が税抜760万円、年間の保守が240万円です。費用を左右するのは、選考フロー、外部連携、権限管理の範囲です。

そのため、総額は同じ条件で見積もって比べます。この金額は工数と単価を仮定した計算で、市場相場や特定企業の価格ではありません。

見積もりを左右する条件

採用管理システムの見積条件を、選考、利用者、応募経路の3カードに分けた図。
3つの範囲をそろえると、見積もりを比べやすくなります。

選考フローと利用者の範囲

応募者一覧と進捗だけの構成に、面接調整、評価、内定承認を加えると、操作と通知が増えます。さらに、新卒、中途、アルバイトで手順が違う場合は、設計の範囲を分けて考える必要があります。

発注前に、費用に影響する前提を書いておきます。

  • 選考:職種別の面接回数、課題、承認、辞退の扱い
  • 利用者:人事、部門責任者、面接官、紹介会社の操作
  • 応募経路:媒体、自社サイト、紹介、社員推薦からの取込方法

面接官が増える場合は、アカウント数だけでなく、見せる範囲も確認する必要があります。担当する応募だけを見せるのか、部門全体を見せるのかで、権限設計と試験の範囲が変わります。

既製サービスの導入と独自開発の比較

既製サービスを設定する費用と、一から実装する費用は、別々に見ておく必要があります。そのうえで、標準機能で足りる部分を確認し、不足する連携や業務だけを開発する案も比べます。

利用料が安くても、手動での転記が多ければ、社内の作業は残ります。一方で、独自開発では、公開後の改修や保守を自社で手配する必要があるため、初期費用だけで判断するのは難しくなります。

ポイント

条件が会社ごとに違うと、金額を単純には比べられません。選考フローや利用者、応募経路の範囲をそろえ、既製サービスと独自開発を分けて見るのが判断の目安です。

独自開発費の試算方法

社内向け採用管理システムの試算を、3工程の人日と費用、および合計で示した図。
実装工程に、試算上の人日と費用が最も多く配分されています。

社内向けの基本構成の試算例

想定するのは、応募のCSV取込、求人別の進捗、面接評価を扱うWebシステムです。連絡履歴と権限管理も備えるものとし、1人日8時間、税抜単価8万円を仮置きして計算します。

仮の工数を三工程に分けると、金額の根拠を一つずつ確かめられます。

  • 業務整理・設計:20人日×8万円で160万円。
  • 画面・データ処理の実装:50人日×8万円で400万円。
  • 試験・移行・操作説明:25人日×8万円で200万円。

三工程の合計は95人日、税抜760万円です。ただし、これは実際の開発会社の価格ではありません。必要な日程は、担当人数に加えて、採用側の仕様確認や移行準備の時間も見込んで決めます。

対象外の範囲と追加費用

この例では、応募経路の情報をCSVで受け取り、面接日程は人が登録する前提です。求人媒体のAPI連携や候補者向けマイページは含めていません。カレンダー自動調整とAIによる書類整理も、この見積もりには入りません。

過去の履歴書を大量に移す場合や、別形式の評価を統一する場合は、別の作業として見積もる必要があります。既存データを確認する前に、全件移行が定額に含まれていると受け取らないよう注意します。

採用サイトの新規制作、求人原稿、紹介会社への支払いも対象外です。特に、採用活動そのものの費用と管理システムの費用は、混ぜずに予算化します。

ポイント

工程ごとの工数に単価を掛けて試算すると、金額の根拠を確かめられます。対象外の範囲は、試算とは別に一覧にして確かめてください。

追加工数が生じやすい機能

追加工数が生じやすい機能として、媒体ごとの項目、再取得、重複確認、変更対応、面接調整と評価の例外処理を並べた図。
応募取込と選考時の例外処理に確認点が集まります。

応募取込と重複処理

求人媒体ごとに項目や取得方法が異なるため、「媒体連携一式」では比べられません。まず、対象媒体と取得項目、更新頻度を確かめます。さらに、契約上の利用可否も確認します。

連携の費用には、失敗したときの処理も含めて考えます。

  • 再取得:途中で止まった応募を、二重登録せずに取り込めるか。
  • 重複確認:同一人物の複数応募を、履歴を残して整理できるか。
  • 変更対応:媒体側の項目や認証方式が変わった際の保守が含まれるか。

面接調整と評価の例外処理

候補者が提示枠から選ぶ方式と、複数の面接官の空きを組み合わせる方式では、難しさが違います。そのうえで、予定の取消、再調整、会議URLの発行まで対象に含めるかを決めます。

評価票も、職種ごとに項目を変えられるか、提出後に修正できるかによって工数が変わります。加えて、過去の評価票を残す必要があるなら、版管理の工数も見積もります。

評価項目を見直す際は、厚生労働省の採用選考時の配慮事項を確認します。古い書式を画面にそのまま移さず、必要な項目を選び直します。

ポイント

媒体ごとの取込と、面接調整や評価の例外処理は、追加工数が膨らみやすい部分です。失敗時の処理や例外の扱いまで含むかを、機能ごとに確かめるのが目安です。

維持費と削減できる範囲

年間運用費の内訳

年間の運用費は、クラウド、メール配信、添付ファイル保存の費用を分けて積み上げます。監視や不具合対応も、別の項目として見ておきます。さらに、採用繁忙期の問い合わせ対応や外部連携の変更対応も確認します。

予算の項目は、支出が生じる理由ごとに分けます。

  • 利用量:応募書類の容量、送信量、保存期間による費用。
  • 保守作業:更新、障害調査、バックアップ確認の費用。
  • 業務変更:新職種の選考や、評価票の追加に必要な改修費。

保守を月2.5人日とし、同じ単価8万円で仮置きすると、月20万円、年240万円になります。ただし、クラウドや追加機能は含めていません。受付時間や対応範囲を決めたうえで、再見積もりします。

削減の判断と採用担当の負担

初期版の媒体連携をCSVにする場合は、取込の頻度と確認の担当を決めれば、作業を把握できます。一方で、未対応一覧や権限試験を削ると、連絡漏れや誤閲覧の問題が残ります。

費用を比べる際は、必要な操作を残したまま、対象の媒体や職種を絞る案も検討します。そのうえで、社内の手動作業と保守費も含め、導入後一年間の総費用で比べてください。

ポイント

初期費用だけでなく、年間の運用費まで含めて比べることが大切です。削減を検討するときは、採用担当の負担が増えないかも確かめてください。

費用相談の進め方

見積もりを依頼するときは、選考フローと応募経路を一覧にし、閲覧者や移行データも添えます。そのうえで、工数と除外項目が分かる提案を受け取り、初期開発から運用までの予算を組みます。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。