レンタル業向け貸出返却管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

レンタル業向け貸出返却管理システムの開発は、要件整理と製品選定から始まります。その後は、設計・開発からテストへ進み、稼働を経て定着へとつなぎます。

現在の業務を一件のレンタル取引として整理し、返却後の検品や修理などの例外まで含めてテストすると、在庫精度の向上につながります。

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・レンタル業向け貸出返却管理システム開発の完全ガイド

レンタル業向け貸出返却管理システムの全体像

予約・引当から返却後の検品や修理を経て再貸出可能になる資産の状態遷移図
返却後の確認を終えて、次の貸出へつなぐ流れです。

レンタル業向け貸出返却管理システムは、同じ商品や資産を繰り返し貸し出す業務システムです。商品を販売して取引が終わる販売管理システムとは、仕組みが異なります。

資産の状態は、予約や引当から、返却後の検品や修理を経て再貸出可能になるまで移ります。このシステムは、その状態を記録して、次にいつ使えるかを判断できるようにする仕組みです。記録する状態は9つです。予約・引当・出荷、貸出中、返却待ち、返却済み、検品中、修理中、再貸出可能の順に、状態が切り替わります。

販売管理との違いは、資産の状態遷移を管理する点

貸出できる在庫の数は、資産の状態と管理単位を分けて数えると正しく出せます。在庫の状態、管理情報、管理単位のそれぞれで、何を記録するかが違います。

  • 在庫状態:10台中、貸出中3台、検品中2台、修理中1台、別拠点移動中1台なら、出荷可能数は3台です。
  • 管理情報:貸出可能日、保管場所、個体番号、付属品、点検期限、返却後の状態を含みます。
  • 商品・セット単位:イベント用品など、数量やセット構成を重視する商品。
  • 個体単位:建機、測定機器、無線機、IT機器など、シリアル番号や履歴を追う資産。

要件定義で商品単位と個体単位を分けて決めておくと、後からデータ構造を作り直すリスクを抑えられます。

優先すべき機能は予約・在庫・返却後管理・料金計算

予約から請求までを一つの取引として扱うには、次の4つの機能を優先して連携させる必要があります。

  • マスタ管理:顧客、現場、商品、個体、拠点、料金表の登録。
  • 取引管理:見積から請求までを一つの取引としてつなぎます。延長や交換、分納、返却後の検品や修理、再貸出も含みます。
  • 現場照合:カレンダーやガントチャートで空き時期を確認し、出荷と返却はバーコードやQRコードで照合する。
  • 料金計算:期間掛率、最低利用期間、延長料、補償料を扱います。延滞料、運賃、搬入・搬出費、洗浄費、修理費、紛失費も含みます。

料金計算では、日額や月額の料金体系を確認します。あわせて、料金項目を組み合わせて計算するケースも洗い出します。返却日が予定日を超えたときに延滞料を自動で計算するのか、破損や付属品の不足は担当者の承認後に請求するのかも、決めておく必要があります。

会計、販売管理、EC、請求書サービスと連携する場合は、どのシステムを正とするかを決めておきます。

業種ごとに重い業務の特定

レンタル業では、商品や業態によって優先すべき業務が変わります。そのため、主な確認対象を業種別に整理しておきます。

  • イベント用品・映像機材:予約の重複、セット品、付属品の欠品。
  • 建機・仮設資材:拠点間移動、点検・修理、再レンタル、稼働率。
  • 無線機・IT機器:シリアル番号と利用者、返却時のデータ消去、故障履歴。
  • 店舗型レンタル:店頭受付、本人確認、ハンディ端末での返却処理。

機能一覧だけで製品を比べると、標準機能で扱えない例外が導入後に残りやすくなります。そのため、件数が最も多い取引と、損失が最も大きい例外の両方を選び、システムで再現できるかを確かめます。

ポイント

貸出できる在庫を状態ごとに数えられるか、商品単位と個体単位のどちらで管理するかを判断の目安にします。機能は、予約から請求までをつなげられるかで選びます。

レンタル業向け貸出返却管理システムの進め方

まずは、現在の業務を一件のレンタル取引として一覧にします。工程は、要件整理、製品選定、設計・開発の順に進み、その後はテスト、稼働、定着へと続きます。そのうえで、各フェーズの成果物と判断基準を置き、次へ進む条件を合意することで、要件の追加による納期と費用の膨張を抑えやすくなります。

フェーズ1:要件整理で現行業務と例外の洗い出し

要件整理では、営業、配車・物流、倉庫の担当者にヒアリングします。整備・メンテナンス、経理、管理者も対象です。

業務は、予約から出荷、延長、分割返却までを時系列に並べます。さらに、破損品の返却、未返却中の次予約、請求訂正も、同じ流れに含めます。

電話やFAX、Excelなどで補っている箇所は、業務ルールか単なる慣行かを分けて確認します。担当者の記憶で補っている箇所も、同じ基準で分けます。

要件整理で作る資料には、業務フロー、機能要件、権限を含めます。さらに、データ項目、移行対象、外部連携を入れ、非機能要件と優先度も書き加えます。

貸出可能の条件、初回リリースの範囲、移行データについては、次の4つの観点で整理します。

  • 貸出可能の条件:返却登録だけか、検品・洗浄・修理・充電後かを文章で定義する。
  • 初回範囲:要件をMust、Should、Couldに分け、初回リリースの対象を絞る。
  • データ確認:品名の表記揺れや重複商品、欠番の個体番号、未返却取引を調べる。
  • 料金・拠点データ:古い料金表と拠点コードの不一致の有無を確認する。

貸出可能の判定条件は在庫精度と業務フローに影響するため、関係者と合意しておきます。移行データを後回しにすると、テストで正しい在庫数を判定できなくなります。そのため、移行ルールと対象期間は早めに決めます。

フェーズ2:選定では同じシナリオをデモで比較

方式は、独自業務の多さと将来の変更頻度で判断します。標準業務が多く、短期間で始めたい場合は、既製パッケージやクラウドが有力な候補になります。

一方で、複雑な料金や複数拠点の引当、基幹連携が競争力に直結する場合は、アドオンや個別開発を組み合わせます。独自の修理・再レンタルが直結する場合も、この考え方が当てはまります。各社には、同じサンプルデータと5つのシナリオを渡します。

  • 予約:予約が重複したとき。
  • 分割返却:1件の注文を分けて返却したとき。
  • 破損:破損品を修理中にしたとき。
  • 延長:電話で延長を受けたとき。
  • 月末請求:延滞料や補償料を含めて請求するとき。

各社の実現方法は、標準機能で対応するのか、設定や追加開発で対応するのかを記録します。運用回避策で済ませるかどうかも、あわせて記録します。デモで操作できるかだけでなく、この対応方法も比べます。

クラウドでは、同時利用者数やモバイル対応、通信障害時の業務を確認します。さらに、バックアップと復旧目標を見ておき、データのエクスポートや終了時の返却条件も確かめます。

オンプレミスやハイブリッドでは、サーバーの更新と拠点間の接続を見積もります。また、バックアップ媒体と障害時の連絡体制も見積もりに入れます。

月額料金だけでなく、5年間の総保有コストと業務停止時の影響も比べます。

フェーズ3:設計・開発での状態と責任範囲の固定

設計では、画面より先にデータと状態遷移を固めます。予約済みや貸出中、修理中などの状態に加えて、延長申請中や洗浄中、廃棄、紛失も定義します。再貸出可能になるまでの流れも、その中に含めます。

誰がどの操作で状態を変えられるかは、権限表にまとめます。返却担当者と検品承認者を分けておくと、破損や欠品の責任を明らかにできます。

倉庫で必要な画面と端末の要件、開発の範囲は、次のように整理します。

  • 画面表示:入力項目を減らし、バーコードやQRコードの読取結果を大きく表示。
  • 出荷照合:商品、個体、付属品、数量を確認。
  • 返却照合:予定と実績の差をすぐに表示。
  • 端末・開発:現場環境で実機を確かめ、標準機能と追加開発を効果と緊急度で整理。

スマートフォンやハンディ端末は、実機で操作できるかを確かめます。確認したいのは、手袋をした状態や屋外での操作です。通信が不安定な場所や、照明の弱い倉庫でも使えるかを見ておきます。

全拠点や全商品、全連携を一度に作らず、1拠点か1商品群で予約から請求までをつなぐ方法もあります。ただし、将来の拠点追加や個体番号の採番、会計連携を妨げない設計が必要です。

フェーズ4:テストでの通常処理より例外処理の重視

画面ごとの単体確認だけでは、予約から請求までの途中で起きる例外を見落としやすくなります。例外が起きやすいのは、取引の変更、返却後の状態、拠点と請求の場面です。

  • 取引変更:重複予約、分割返却、延長、交換。
  • 返却後の状態:破損、紛失、付属品不足、修理。
  • 拠点・請求:拠点間移動、請求訂正。

各シナリオでは、在庫数や貸出可能日が期待どおりに変わるかを確認します。個体の状態や料金、操作履歴も、同じ観点で見ます。受入テストは、システム部門だけでなく、現場の担当者も行います。

担当者ごとの確認範囲は、営業が予約と延長、倉庫が出荷と返却、整備担当が検品と修理、経理が請求と会計連携です。

合否は、画面が表示されるかどうかより、業務結果で決めます。たとえば、「検品完了まで5分以内」や「破損品が貸出可能在庫に戻らない」といった基準を置きます。

本番前には移行リハーサルを行います。テスト環境には、商品や個体、顧客を取り込みます。料金や未返却取引も入れ、移行前後の件数と金額を照合します。

欠落や重複を確認し、差分の修正を誰が担当するかを決めます。見つかった課題は、稼働前に直すもの、暫定運用で対応するもの、次期開発へ送るものに分けて、現場へ共有します。

フェーズ5:稼働での並行運用と切替条件の決定

本稼働日は、繁忙期や月末を避け、出荷や返却が少ない期間に設定します。切替前には、商品や個体、顧客を確認します。さらに、料金や予約中・貸出中・未返却の取引も確かめます。

旧システムやExcelを参照専用にする時刻も、はっきり決めておきます。問い合わせ窓口や障害時の紙伝票、復旧後の再入力ルールまで準備しておくと、業務を止めずに済みます。

並行運用では、対象範囲と終了基準を定めたうえで、旧運用を終える時期を判断します。

  • 対象業務:予約、返却、請求などに絞る。
  • 運用期間:一定期間に区切る。
  • 日次照合:在庫数や未返却・検品待ちの件数、請求金額を毎日確認する。
  • 終了条件:差異が許容範囲内になったら旧運用を終える。

二重入力を無期限に続けると負荷が高まるため、上の対象と期間を前もって決めておきます。

2026年1月に株式会社レンタルのニッケンが公表した「オンラインレンタルサービス」の発表では、登録ユーザー数が8万人、導入現場数が5万箇所を突破したとされています(出典:株式会社レンタルのニッケン「オンラインレンタルサービス」発表、2026年)。

この事例から分かるように、現場や取引先が使う機能では、操作性とサポートが大切です。自社でも、利用者が迷わず処理できることを切替条件に加えます。

フェーズ6:定着でのKPIと改善会議の運用

定着フェーズでは、導入したかどうかより、業務が改善したかを確かめます。現場のKPIには、在庫精度や返却処理時間、未返却件数があります。

延滞率や請求漏れも指標になります。さらに、修理滞留日数や貸出可能在庫の確認時間も見ます。

経営層には、商品別の稼働率や粗利を報告します。また、資産回転率や拠点別の滞留も共有し、営業や倉庫の改善につなげます。導入後は、1か月、3か月、6か月の時点で利用状況と課題を振り返ります。

導入後は、改善と情報管理のために次の運用を続けます。

  • 入力の改善:未入力項目の必要性、画面の使いやすさ、教育不足を切り分ける。
  • 変更管理:料金ルール、商品、拠点、会計連携の変更を、手順どおりにリリースする。
  • 情報管理:個人情報、契約情報、本人確認書類、決済に関わるデータを扱う場合の管理。

個人データの利用目的や権限の分離、暗号化を要件に含めます。操作ログや保存期間、削除方法も、要件として定めます。個人データの正確性や安全管理、委託先管理は、個人情報保護委員会の通則ガイドラインが示す考え方を踏まえて進めます。

本人確認書類や現場担当者の連絡先を扱う場合は、閲覧範囲を部門ごとに分けます。対象は、営業、倉庫、整備、経理です。

セキュリティの要件は、RFPの初期段階から記載します。さらに、復旧訓練と権限の見直しも、定期運用に含めます。

IPAは2026年3月、中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版を公開しました。情報セキュリティ6か条には、バックアップが追加されています(出典:IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版」、2026年)。

ポイント

迷ったときは、要件整理で決めた貸出可能の条件と例外が、選定やテストまで引き継がれているかを確かめます。各フェーズで次へ進む条件を合意しておくと、要件の追加による納期と費用の膨張を抑えられます。

レンタル業向け貸出返却管理システムの費用相場とコストの内訳

要件定義、設計、開発、テスト、移行の初期費用配分比率を示す横棒図
開発の比率が大きく、要件定義とテストにも配分があります。

費用は、商品点数や拠点数、同時利用者数で変わります。個体管理の範囲によっても左右されます。

さらに、端末や料金計算、連携の範囲も関係します。データ移行や教育・保守の扱いも、費用に影響します。専用システムの公開価格から、業界の平均を示す統計は確認できません。

以下の金額は、公式価格の実例と機能範囲から作った概算です。予算は、同じ要件書を複数社へ渡して確かめます。

導入方式別の費用レンジ

標準機能の導入から多拠点の統合まで、方式ごとの費用と期間を比べます。

  • 既製パッケージ:単拠点・標準機能中心なら初期費用90万〜180万円程度、導入期間1〜3か月が一つの目安です。
  • 機能追加:帳票、API、料金計算、会計連携、ハンディ端末を加える場合、初期費用150万〜500万円程度、期間3〜6か月程度を見込みます。
  • クラウド・ローコード:小規模に始める場合、初期費用30万〜300万円程度、月額はユーザー課金または全体で数万円から、期間1〜4か月程度が目安です。
  • 中規模の個別開発:500万〜1,500万円程度、6〜12か月程度を想定することがあります。
  • 大規模統合:多拠点・資産ライフサイクル統合は1,500万〜3,000万円超、12〜18か月以上を想定することがあります。

クラウドの価格例として、株式会社アットリンクの2025年6月公開資料では、kintoneスタンダードが1ユーザー月額1,800円、最低10ユーザーとされています。また、足場資材レンタル管理クラウドパックは、初期費用が30万円から、月額が4万7,000円からです(出典:株式会社アットリンク「足場資材レンタル管理クラウドパック」資料、2025年)。

内訳や税区分、別サービスの料金は、見積もりの時点で確認します。また、複雑な料金や拠点間移動、個体履歴が、見積額を左右します。さらに、会計・物流連携やデータ移行、例外処理の量も関わります。

開発費・移行費・端末費・保守費の切り分け

見積書は、要件定義から保守まで、工程ごとに費用を分けて見ます。工程別の初期費用配分は、次の比率を検討の軸にできます。

  • 要件定義:10〜15%。
  • 設計:15〜20%。
  • 開発:30〜40%。
  • テスト:15〜20%。
  • 移行:5〜10%。

この比率は、費用の配分を考える目安にすぎず、レンタル業の実際の工数を保証するものではありません。返却後の状態や料金計算が複雑な場合は、要件整理やテストの比率が高くなることもあります。

株式会社DACKSの「貸出管理システム製品価格表」(2024年11月)には、RENTAL ASSISTの価格が掲載されています。Standard版は税抜89万8,000円、Enterprise版は420万円です(出典:株式会社DACKS「貸出管理システム製品価格表」、2024年11月)。

これは特定製品の公開価格であり、個別開発の平均価格ではありません。この価格に、導入支援やサーバー、端末がどこまで含まれるかを確認します。追加帳票や連携、移行、保守の扱いも、見積もりで確かめます。

ランニングコストには、ユーザー・拠点・端末ごとの月額利用料と年間保守が含まれます。さらに、クラウドの通信やバックアップ、端末の更新も対象です。サポートや追加開発も、費用に入ります。

年間保守は、初期開発費の15〜20%程度を検討の目安にできます。保守の範囲では、法改正対応と24時間監視を確かめます。障害復旧や問い合わせ回数も含めて、初期費用だけでなく3年または5年の総額で比べます。

ポイント

費用は、導入方式と規模、個体管理や連携の範囲で大きく変わります。初期費用だけで比べず、保守や月額利用料を含めた3年または5年の総額で判断します。

レンタル業向け貸出返却管理システムの見積もりを取る際のポイント

見積もりとデモで確認する対象データ、費用範囲、追加開発、契約・セキュリティ・将来変更の4項目
4領域をそろえると、会社ごとの提案を比べやすくなります。

見積もりの精度は、依頼の時点で業務条件をどこまで具体的に示せるかで決まります。たとえば「レンタル管理をデジタル化したい」という依頼では、各社の想定範囲がそろわず、比較が難しくなります。

拠点数や商品点数、個体数を、同じ形式で示します。月間の予約・貸出・返却件数や、利用者、端末も書き添えます。連携先や帳票、運用時間を伝え、移行データも示します。

RFPに記載する現場の判断基準と例外シナリオ

RFPには、現行の課題と導入の目的を書きます。対象範囲と優先順位も記載します。

業務フロー、データ項目、権限を盛り込み、外部連携や非機能要件も加えます。そのうえで、希望時期や予算レンジ、保守体制まで示します。

機能一覧に加え、予約品を別拠点から移動して引き当てる、一部返却分だけ検品済みにする、修理中の個体を交換する、延長分だけ追加請求するといったシナリオを添えます。

データ移行の対象範囲と履歴の扱いは、次のように定めます。

  • 対象データ:商品、個体、顧客、契約、料金です。予約、貸出中、未返却、修理履歴も含みます。
  • 移行準備:基準日と、表記揺れの修正担当を決める。
  • 過去履歴:現場参照期間と法令・監査上必要な期間を分ける。
  • 費用・保管:履歴の移行費用と保管方法を比べる。

複数社の同条件での比較と、デモと見積の差の確認

3社程度に同じ資料を渡し、要件を満たす方法を比べます。各社の方法が、標準機能か、設定や追加開発か、外部製品や運用変更かを確認します。

見積もりとデモでは、次の4項目をそろえて確認します。

  • 費用範囲:移行、端末、帳票、連携、教育、稼働支援が別料金か。
  • 追加開発:標準外の要件、納期、検収条件、料金変更時の設定担当。
  • 運用・保守:API・CSVでのデータ出力、障害時に何時間で一次回答するか、担当者交代後も保守できるか。
  • デモ条件:自社の品名揺れ、セット品、返却遅延、破損品で操作する。

安い見積もりでも、別料金があれば総額は増えます。逆に、高い見積もりには、不要なカスタマイズや過剰なインフラが含まれる可能性もあります。

契約・セキュリティ・将来変更のリスクの見積もりへの反映

契約前には、納品物と検収方法を確認します。さらに、仕様変更や瑕疵対応、保守の範囲も確かめます。データ返却や解約時の移行支援に加えて、再委託先と障害時の連絡体制も押さえます。

クラウドでは、通信や認証基盤の障害にも備えるとともに、個人データの管理要件も定めます。

  • 障害時の業務:出荷・返却停止に備え、オフライン受付、後からの同期、紙伝票を準備。
  • 個人データ:正確性、安全管理、委託先管理を踏まえて扱う。

個人データの要件には、権限と暗号化を含めます。また、ログやバックアップ、保存・削除も盛り込みます。

本人確認書類や現場担当者の連絡先を扱うときは、閲覧できる範囲を、営業や倉庫、整備、経理ごとに分けます。セキュリティの要件は、RFPの初期段階から記載します。

将来の変更では、料金改定や税率、請求制度の変更を想定します。加えて、拠点や商品の追加、モバイル端末の変更、APIの廃止や仕様変更にも備えます。

開発会社に依頼する項目と、自社の管理者が設定できる項目を分けておくと、導入後の費用とスピードを予測しやすくなります。

ポイント

見積もりの比較は、同じ業務条件を各社に示したうえで、費用範囲、追加開発、運用・保守、デモ条件の4点をそろえて行います。総額で比べるには、別料金の有無と含まれる範囲を先に確かめます。

レンタル業向け貸出返却管理システムについてよくある質問

導入前によくある質問を、方式、期間、データ移行の順に並べます。自社の業種や商品によって最適解は変わりますが、判断の起点になります。

パッケージとクラウドはどちらを選べばよいですか?

複数拠点や外出先から使い、バックアップや更新を任せたい場合は、クラウドが選びやすくなります。

倉庫のネットワークや既存設備との接続、大量データ処理、社内統制を重視する場合は、オンプレミスやハイブリッドも候補になります。

判断は方式だけでなく、通信障害時の処理やデータの取り出し方まで含めて比べます。5年間の総額とサポート体制も、同じ比較に入れます。

開発期間はどのくらいかかりますか?

標準機能中心のパッケージ導入は1〜3か月程度、帳票や連携を含む導入は3〜6か月程度、個別開発は6〜12か月程度が目安です。

期間は、拠点数や移行データの整備によって前後します。料金計算の複雑さや受入テストの体制も、影響します。初回範囲を絞り、標準機能での運用を決めたうえで、現場が早期にサンプルデータを確認すると、期間の短縮につながります。

Excelのデータはすべて移行したほうがよいですか?

稼働初日に必要なデータに絞れば、すべてを移行しなくても進められます。対象になるのは、貸出中や未返却の取引、利用中の商品・個体、顧客・料金です。監査や問い合わせで参照する過去履歴は、別に分けて扱います。

品名の揺れや重複、個体番号の欠落を直してから移行し、件数と金額を照合します。古い履歴は、検索できる保管データとして別に管理する方法もあります。

小規模な会社でも段階導入できますか?

段階的に導入できます。まずは1拠点と主要な商品に絞り、予約・貸出・返却・検品から始めて、在庫精度と返却処理時間を改善します。その後、請求連携や修理管理、他拠点へ広げていきます。

商品・個体・拠点のコード、権限、APIやCSVの出口は、後から拡張できるよう初期設計に含めます。小さく始めることと、使い捨ての設計にすることは別です。

まとめ

開発で大切なのは、機能数よりも、予約から返却後の検品・修理・再貸出、請求まで状態が正しくつながることです。要件整理では、貸出可能在庫と実在庫を分けておきます。さらに、商品・個体単位の違いや延長、分納を文章で明らかにし、破損と紛失の扱いも書き出します。

導入前に確認するチェックポイント

導入前には、業務と在庫の定義から稼働後の体制まで、5つの段階を順に確かめます。

  • 業務・在庫:現行業務と例外を整理し、貸出可能になる条件を定義したか。
  • 比較:同じシナリオで複数社を比較したか。
  • 見積もり:移行・端末・連携・教育・保守を含めたか。
  • テスト:現場を含む受入テストを行うか。
  • 稼働後:障害時の暫定運用、KPI、改善担当を決めたか。

これらがそろっていれば、パッケージやクラウド、ローコード、個別開発のどの方式でも、自社の優先順位に沿って選べます。

1件のレンタル取引を題材にした要件の作成

まずは代表的な商品と取引を一つ選び、全社の業務を一度にシステム化しない形で始めます。その取引について、予約から引当、出荷までの流れを現場と確かめます。続けて、貸出から返却、検品、請求までを、現場の担当者と一緒に見ていきます。

例外と必要データをRFPに記載し、同じ条件でデモと見積もりを比べることは、納期超過や追加費用を防ぐ第一歩になります。稼働後は、在庫精度や返却処理時間を継続して確認します。さらに、未返却や延滞、請求漏れも見て、仕組みを改善します。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。