自治体向け住民情報管理システムの開発会社は、業務やデータに合うか、導入後まで支えてくれるかで選ぶのが基本です。
- 自社の業務範囲と現場の運用を整理し、必要な機能を比べる
- 支援範囲と対象業務への適合性
- 候補サービスの機能と、現場での使いやすさ
- 既存設備・データとの連携方法
- 導入後の定着支援と運用条件の取り決め
住民記録は名簿にとどまらず、税や福祉など多くの行政サービスにつながる基幹データです。株式会社riplaを最初に、ほか5社を含む計6社を、標準化とガバメントクラウド移行を前提に比べます。
▼全体ガイドの記事
・自治体向け住民情報管理システム開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
自治体向け住民情報管理システムのパートナー選びが重要な理由

自治体の住民情報管理システムは、導入時の機能だけでなく、制度改正や標準仕様の改版、障害時の業務継続まで見据えて選ぶ必要があります。さらに、職員の異動を前提にした運用まで考えておくことが欠かせません。
特に標準化では、現行画面をそのまま再現するよりも、標準データや標準文字に合わせて業務と連携を見直す判断が求められます。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
住民記録の誤りは、窓口での証明書発行だけでなく、課税、給付、保険、福祉の判定に波及します。住所異動や世帯分離、氏名変更の履歴が正しく残らないと、後から原因を追跡することが難しくなります。死亡や職権処理、訂正・取消の履歴が抜けた場合も、原因の追跡は難しくなります。
そのため、業務知識のある会社と、連携・移行・インフラを設計できる会社の両方に目を向けることが大切です。また、2025年度を大きな節目として進められた自治体基幹業務システムの標準化は、2026年時点で、移行後の運用、経費の適正化、標準仕様の改版への追従が焦点になっています。
デジタル庁は、標準化の対象として20業務を示しており、住民記録と印鑑登録はその中核です(出典: デジタル庁「地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化」、2026年閲覧)。開発会社を選ぶときは、「標準対応済み」と聞くだけでなく、どの版に対応するか、いつ改版の内容をシステムに反映するか、追加費用を誰が負担するのかまで確かめます。
発注前に確認すべきポイント
発注前には、対象業務を住民記録だけに限るのか、税・保険・福祉まで含めるのかを決めておきます。戸籍・選挙・コンビニ交付・総合窓口を含めるかも、あわせて決めておきます。さらに、標準化対象外業務をどの製品で残すのか、現行ベンダーから何を抽出できるのか、外字や行政事務標準文字をどう扱うのかを整理します。
デモは、一般的な検索画面ではなく、実際の業務シナリオを使って行ってもらいます。たとえば、転入と世帯合併を同日に処理するケース、外国人住民の氏名表記、世帯主変更、DV等による閲覧・発行抑止、証明書の訂正、繁忙期の一括処理を確認します。
提案書では、要件定義から保守、クラウド利用料まで、工程ごとの費用と内容を分けて書いてもらいます。なかでも移行、連携改修、研修は、分けて書かれているかで比べやすさが変わります。
株式会社ripla|コンサルティングから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
自治体向け住民情報管理システムの周辺には、住民向けの申請や職員向けの窓口支援、既存業務とのデータ連携があります。さらに、帳票管理や集計・分析なども含め、業務要件は自治体ごとに異なります。
riplaは、最初から製品機能を当てはめるのではなく、現場の業務フローや管理項目を整理して、必要な範囲を段階的に設計する進め方に適しています。自治体の中核システム本体を独自開発するのではなく、標準製品を生かしながら、要件定義から運用設計まで周辺を補うパートナーとして検討します。
特に、標準準拠パッケージの導入だけでは解決しにくい周辺機能や、複数システムにまたがる業務を洗い出す場面では、コンサルティングと開発を分けずに相談できる点がメリットです。
得意領域と依頼前の確認事項
riplaに相談する場合は、住民記録の標準準拠製品そのものの調達先を決めたあと、または並行して、周辺業務の要件整理と開発を依頼する形が現実的です。
依頼前には、既存ベンダーとの間でどこまでを誰が受け持つかを最初に確認します。あわせて、APIやファイル連携の仕様と、個人情報を含むデータの保管場所を確かめます。運用担当者と障害時の連絡経路も確認します。
比較の際には、「住民情報管理システムを丸ごと任せられるか」だけでなく、「自治体固有の業務を標準化の考え方に沿って整理できるか」を評価します。業務側の言葉をシステム要件に落とし込み、導入後に職員が使い続けられる状態まで支援してほしい自治体や、複数の基幹システムを横断した改善を進めたい自治体に向いています。
日本電気株式会社(NEC)|大規模自治体の住民情報と窓口DXを総合支援

日本電気株式会社(NEC)は、自治体向けの住民情報総合パッケージ「住民情報システム」を提供しています。住民記録を中心に、収滞納、コンビニ交付、窓口サービスなどを組み合わせて評価できる大手SI企業です。
公式製品情報では、オンライン処理だけでなく大量データを扱うバッチ処理、国の標準仕様への準拠、文字要件への対応を掲げています。
特徴と強み
NECの強みは、住民情報を単体で見るのではなく、自治体業務全体と窓口のデジタル化を一体で検討できる点です。公式情報では、収滞納やコンビニ交付との連携に加え、NECスマート行政窓口ソリューションとの連携も示されています。
住民票などの証明書発行を効率化したい場合や、窓口で複数手続きをまとめて受け付けたい場合には、周辺機能まで含めた構成を組み立てられます。
住民情報の標準化では、行政事務標準文字との対応が重要です。NECは製品情報で、IPAmj明朝を改変したNMJ明朝フォントを採用していると説明しています。ただし、文字の表示だけでなく、旧字体・異体字・外字の変換、印刷帳票、他システム連携の突合まで、自治体のデータで検証する必要があります。
向いている自治体と確認すべき質問
大規模自治体や、複数の基幹業務を統合的に見直したい自治体に向いています。窓口DXや大量処理まで含め、大手のプロジェクト管理を求める自治体にも合います。
RFPでは、住民記録以外の税・福祉・保険・戸籍との連携方式を確認します。あわせて、標準仕様の対応版と、標準化対象外業務の扱い、移行ツールの標準範囲も見ます。さらに、「自治体の規模が小さくても同じ体制で支援されるか」「データ抽出と返却はどの形式か」「稼働後の制度改正費用は保守料に含まれるか」も聞いておきたい点です。
製品名だけで判断せず、同規模かつ同じ対象業務の自治体で、窓口ピーク時の性能と障害時の復旧実績を聞いておきます。
富士通Japan株式会社|MICJETで住民情報からスマート窓口まで対応

富士通Japan株式会社は、自治体向けの「MICJET」シリーズを展開しています。住民記録や印鑑登録、税務情報のほか、国民健康保険や戸籍などの業務も扱います。さらに、スマート窓口や申請受付など、住民サービスを組み合わせて検討できる点が特徴です。
大都市自治体向けの住民情報運用や、共同調達・クラウド移行の知見を重視する場合に候補となります。
特徴と強み
富士通Japanは、住民情報システムだけでなく、申請から窓口処理までの一連の体験を改善したい自治体に適しています。現在の提案では、ガバメントクラウド利用料や回線、移行を分けて確認します。あわせて、運用監視と標準化対象外の連携も別々に見ます。
2023年の公式発表では、倉敷市と松山市において、標準仕様に対応した住民情報システムをガバメントクラウド上で全国に先駆けて稼働させた事例が紹介されています(出典: 富士通Japan「自治体システム標準仕様対応の住民情報システムがガバメントクラウド上で全国初稼働」、2023年)。
過去のMICJET23のクラウド事例では、世田谷区と豊島区のICT運用コストを約10〜15%削減したと公表されています。ただし、これは2014年の特定サービス・特定自治体における事例で、2026年の見積金額やすべての自治体に当てはまる削減率ではありません。
向いている自治体と確認すべき質問
人口規模が大きい自治体、特別区や中核市など複数業務・大量処理が必要な自治体、既存の富士通製品群との連携を重視する自治体に向いています。候補にする場合は、MICJETのどの製品・バージョンが対象か、標準化対象20業務のうちどこまで一括提案できるか、スマート窓口を導入したときのデータ連携責任を確認します。
共同利用や広域連携を行う場合は、自治体ごとの条例・帳票・運用の差を、標準機能でどこまで吸収するのかを確かめる必要があります。共同調達の実績があっても、導入する自治体の外字や宛名番号、バッチ締め時間、繁忙期の窓口数まで同じとは限りません。
提案時には、導入する自治体の実データを使った移行リハーサルの回数と、切替失敗時の切戻し条件を聞きます。
株式会社日立システムズ|ADWORLDで標準化と自治体業務全体を支援

株式会社日立システムズは、自治体ソリューション「ADWORLD」を展開しています。住民記録や印鑑登録、戸籍、住登外・宛名、団体内統合宛名のほか、税や福祉、保険・医療まで幅広く扱い、自治体業務全体の標準化を支えるベンダーです。
住民情報を起点に、周辺の基幹業務や内部事務まで段階的に見直したい自治体に適しています。
特徴と強み
ADWORLDは、住民基本の機能に加えて、総合窓口や税、福祉の製品を持ちます。保険・医療、料金徴収、内部事務まで、ラインアップがそろっている点が特徴です。
公式サイトでは、標準化への対応とガバメントクラウドへの移行に加えて、API連携やモダナイゼーションを進める方針が説明されています。現行システムを単純にクラウドへ移すのではなく、標準仕様に合わせて業務とデータの流れを再設計する提案を受けやすい会社です。
標準化切替では、2026年3月31日時点で、標準化対象のADWORLD製品を導入している477自治体の切替が完了したと、公式サイトで公表されています(出典: 日立システムズ「日立 自治体ソリューション ADWORLD」、2026年4月更新)。数字は対象製品・対象団体の定義に基づくため、提案評価では、導入する自治体と同じ業務範囲、人口規模、クラウド方式の実績に絞って確認します。
向いている自治体と確認すべき質問
複数の基幹業務をまとめて調達したい自治体、既存のADWORLD製品を使っていて移行の連続性を重視する自治体、標準化後に分析・窓口・内部事務へ拡張したい自治体に向いています。
RFPでは、住民記録の移行と税・福祉の移行を同一工程で行うのか、連携基盤の責任範囲、クラウドリフトとシフトの違いを確認します。特に聞きたいのは、異動履歴・宛名番号・外字をどの単位で検証するか、標準化対象外の戸籍や独自給付をどう接続するか、職員の操作研修を何回実施するかです。
477自治体という公表実績だけで判断せず、導入する自治体の切替時期に必要な担当者数、同時稼働期間、障害時の復旧目標を提案書に明記してもらいます。
株式会社RKKCS|自治体パッケージと地域運用を重視する総合行政ベンダー

株式会社RKKCSは、自治体向けの総合行政システムを展開するベンダーです。公式の採用サイトでは、1966年の創業以来、全国300以上の地方自治体と50以上の金融機関に自社開発システムを提供してきたと説明しています。
住民や自治体の情報を扱う基幹システムに加え、導入、操作説明、運用サポートまで一連の体制を持つ点が特徴です。
特徴と強み
RKKCSの公式情報では、標準仕様に完全準拠したクラウドネイティブアプリを開発し、標準化業務にとどまらず他社システムとの連携を含めて自治体業務を支援する方針が示されています。
地域の自治体で長く使われるパッケージを前提に、現場の運用を理解した導入支援や操作説明を受けたい場合には、比較対象になります。自治体パッケージでは、標準機能を活用して過度なカスタマイズを避けることが、将来の制度改正費用と保守負担を抑えるうえで欠かせません。
RKKCSを検討するときも、標準仕様の適合状況だけでなく、自治体独自の帳票や福祉・税との連携をどの方式で実装するか、標準化対象外業務をどこに配置するかを具体化します。
向いている自治体と確認すべき質問
中小規模から中堅規模の自治体、地域の運用に沿った導入支援を重視する自治体、標準機能を中心に業務を整理したい自治体に向いています。公式に示されている導入自治体数は会社全体の公表値なので、導入する自治体の近隣地域や同規模自治体での住民記録・印鑑登録の稼働実績を、別途確認します。
質問の例は、「データ抽出・取込ツールは標準提供か」「行政事務標準文字への変換結果を誰が確認するか」です。さらに、「他社の税・福祉・戸籍製品と接続した実績があるか」「自治体職員の異動後にどのような教育を続けるか」も聞きます。
地域サポートの拠点、障害受付の時間帯、現地対応の条件も、価格と並ぶ比較材料です。
株式会社ジーシーシー(GCC)|標準化対象外業務まで含むオールインワン型

株式会社ジーシーシー(GCC)は、自治体ERPパッケージ「e-SUITE」を提供しています。住民基本台帳などの標準化対象業務だけでなく、対象外業務や大量印刷も含めて構成できます。ネットワークやマルチCSP連携まで組み合わせられる点が特徴です。
標準準拠システムと周辺の業務基盤をできるだけ一体で運用したい自治体に向く候補です。
特徴と強み
GCCの公式製品ページでは、e-SUITEを完全自社開発のパッケージと位置付け、住民情報を一元管理する自治体ERPを目指していると説明しています。2024年7月には、標準仕様に準拠した「e-SUITE v2 for Government Cloud」が富岡市で本稼働したと公表されました。
さらに、2026年1月には対象自治体で標準化とガバメントクラウドへの移行を計画どおり完了したと発表しています(出典: GCC公式ニュースリリース、2026年2月)。同社は、標準化対象外業務を含むオールインワン型や、マルチCSP連携、大量印刷への対応を掲げています。住民情報の移行と帳票・周辺運用を一緒に見直したい自治体には、検討する価値があります。
一方で、一体型にするほど契約範囲と、どこまでを誰が受け持つかが複雑になりやすいです。そのため、製品費、移行費、印刷費を分けて確認します。クラウド費と保守費も、別々に見ておく必要があります。
向いている自治体と確認すべき質問
住民記録、税、福祉など複数業務をまとめたい自治体、標準化対象外業務や大量印刷も含めて運用を簡素化したい自治体、ガバメントクラウドのCSP選択肢を比較したい自治体に向いています。
自治体の業務範囲によっては、標準準拠部分と対象外部分の移行時期が異なります。そのため、全体スケジュールを一枚にまとめてもらうのが大切です。「対象自治体」とはどの範囲を指すのか、標準化が完了した業務と今後移行する業務を分けて確認します。
加えて、他社製品からの移行時に、住民・世帯・宛名・履歴のどこまで自動変換できるか、外字の確認を誰が担当するか、切替後の帳票変更をどう周知するかを質問します。
自治体向け住民情報管理システムのパートナー選びのポイント

6社は、すべて同じ条件で順位を付けるものではありません。重視する観点によって、適した会社が変わります。
たとえば、大手SIの総合力や周辺システムの柔軟な開発、自治体パッケージの導入・運用、標準化対象外業務の一体性などが挙げられます。見積金額だけでなく、5年から10年の総保有コストと職員の運用負荷を比較します。
実績と経験の確認方法
実績は、導入自治体数の大きさだけでなく、導入する自治体と近い条件で確認します。人口や対象業務、CSP、既存ベンダーが近い事例を優先し、移行データ量や稼働時期、職員数も見ます。
事例紹介では、導入効果の数字だけでなく、移行時の課題や並行稼働の期間、稼働後の問い合わせ件数まで質問します。会社が公表する「標準化対応済み」「適合試験合格」「移行完了」という表現も、対象製品・対象業務・対象自治体の定義を確認します。
たとえば、製品の適合確認と自治体の全データ移行は別の工程です。連携試験や住民向け帳票の確認も、それぞれ別に扱います。RFPでは、工程ごとに納める内容と受入基準を分けて記載します。
技術力と専門性の評価
技術面では、標準仕様の対応版や行政事務標準文字、データ要件、API、ファイル連携を評価します。認証や権限、操作ログ、バックアップ、障害復旧についても確かめます。
住民情報は複数業務の共通データになるため、住民番号や宛名番号の管理、異動履歴の整合性、更新順序、再処理の方法を押さえておく必要があります。
クラウドは「クラウドだから安い」と決めつけず、利用料や回線、監視、バックアップを分けて見ます。さらに、端末、印刷、データ抽出、制度改正対応も、費用の範囲を一つずつ確かめます。標準化後に別のベンダーへ移行できるよう、データ返却形式やAPI仕様、ログの保存期間、移行支援の条件も契約前に確認します。
プロジェクト管理体制の確認
大規模移行では、製品会社の営業担当者だけでなく、業務責任者や移行責任者、連携担当、インフラ担当、研修担当が必要です。提案時には、体制図と役割分担、意思決定のルートを提出してもらいます。課題管理の方法や定例会の頻度、自治体側に必要な作業量も、あわせて示してもらいます。
標準的な開発・移行期間は、住民記録中心のパッケージ導入で9〜18か月、複数業務の標準化とガバメントクラウド移行で18〜36か月が目安です。スクラッチ開発や大規模な再構築は24〜48か月になる可能性がありますが、これは一律の相場ではなく、要件、データ品質、連携数、移行期限から算定する推定値です。
提案書では、総合試験と切替リハーサルの時間を削らない計画になっているか確認します。
自治体向け住民情報管理システムの費用相場と開発期間

自治体向け住民情報管理システムの費用に、全国一律の定価はありません。費用は、人口や対象業務数、現行データの品質、移行期限で大きく変わります。さらに、帳票や端末、ネットワーク、標準化対象外業務、ガバメントクラウド利用料の含有範囲によっても差が出ます。
ここで挙げる金額は、2024〜2026年に公開された契約額や提案上限額をもとにした目安で、個別自治体の見積の代わりにはなりません。
公開契約額から見る初期・移行費
住民記録・印鑑登録などを中心にした標準化移行は、初期構築と移行対応でおおむね5,000万円〜1.5億円が一つの目安です。みよし市の住民記録・印鑑登録等システム標準化移行対応業務では、ダウンリカバリー経費を含む契約上限額が1億1,757万9,000円と公表されています。
春日井市の基幹系住民情報システム標準化対応業務の契約額は8,969万4,000円です(出典: 各自治体の公開調達資料、2024〜2025年)。保険・福祉・戸籍など複数業務を含む中規模案件は、初期・移行対応で1億〜4億円程度になる場合があります。さらに、大規模自治体の複数基幹業務をまとめた案件では、倉吉市の提案上限額が8億8,089万6,000円でした。
習志野市の2025年度契約状況では、住民情報の標準化・ガバメントクラウド移行業務が3億662万5,000円、統合滞納管理が1億1,852万5,000円と公表されています。対象範囲が異なるため、全国相場として単純に合算しないことが大切です(出典: 習志野市・倉吉市の公開資料、2025年)。
運用費と期間を含むTCOでの比較
初期費用が安く見えても、毎月のクラウド利用料やアプリ利用料、監視、バックアップが別料金なら、長期的な負担は大きくなります。さらに、回線や端末、帳票・大量印刷は、別料金かどうかを確かめる必要があります。問い合わせ対応や法改正、データ抽出の費用も、あわせて確かめます。
墨田区の公開資料では、住民記録管理システムのガバメントクラウド版の使用契約額が1億3,077万9,000円と示されていますが、契約期間と含まれる作業範囲を確認して初めて比較に使える数字になります。期間は、標準パッケージの導入・データ移行・研修で9〜18か月、複数業務の標準化とガバメントクラウド移行で18〜36か月を想定します。
要件定義やデータクレンジング、外字・コード変換の期間を短くすると、稼働後に住民票発行や税連携へ影響するリスクが高まります。連携試験や総合試験、並行稼働、切替リハーサルを削る場合も、同じリスクが生じます。見積書では、工程ごとの費用と期間を対応させて見ます。
自治体向け住民情報管理システムに関するよくある質問

自治体の調達では、会社名だけでなく、導入する自治体の業務やデータ、移行期限に合うかを確かめることが欠かせません。
標準準拠システムなら、自治体ごとの要件定義は不要ですか?
要件定義は欠かせません。標準仕様に含まれる機能でも、現行データの品質や帳票、連携先は自治体ごとに異なります。職員権限や運用ルール、標準化対象外業務との接続も、やはり自治体によって違います。
標準機能に合わせて業務を変える部分と、連携や周辺開発で補う部分を、Fit & Gapで整理します。
住民情報管理システムはスクラッチ開発できますか?
技術的には可能ですが、住民記録の中核をフルスクラッチで開発する合理性は慎重に検討する必要があります。
法改正や標準仕様の改版に継続して追従する負担が大きいためです。行政事務標準文字や個人番号連携、監査ログ、帳票、他業務との整合も、維持し続ける必要があります。
中核は標準準拠パッケージを採用し、独自の窓口UX、申請、データ分析、周辺業務を柔軟な開発で補う構成が一般的です。
費用を比較するときに最も注意することは何ですか?
費用は、初期費用だけで決めずに、5年や10年の総保有コストで比べることが大切です。
導入やデータ移行、連携改修、保守、制度改正などを分けて書いてもらいます。さらに、端末や回線、クラウド、監視も分けてもらい、バックアップや帳票、研修、稼働後の支援も同じように書いてもらいます。含まれない費用も明示してもらいます。
特に、標準化対象外業務とデータ返却・再移行の費用は、将来の選択肢に関わるため、必ず確認します。
データ移行で必ず確認すべき項目は何ですか?
住民・世帯・住所・宛名番号・異動履歴のほか、文字コードや証明書、連携先の件数と内容を確認します。代表的な異動10ケースを用意し、旧システムと新システムで処理結果、帳票、税・福祉への連携結果を突合します。
外字や氏名の字形だけでなく、訂正・取消、閲覧抑止、相続人・送付先などの例外データも、移行リハーサルに含めます。
まとめ

自治体向け住民情報管理システムの会社選びでは、知名度や初期見積の安さだけでなく、標準仕様とガバメントクラウドへの対応を確かめることが欠かせません。さらに、住民・世帯・文字・履歴の移行力を見ます。税・福祉・戸籍などとの連携、稼働後の保守と研修も、総合的に評価します。
6社を比較するときの考え方
株式会社riplaは、標準製品を生かした要件整理や周辺開発、業務定着まで一気通貫で相談したい場合の候補です。
大規模な総合SIの体制を求めるなら、NEC、富士通Japan、日立システムズが候補になります。自治体パッケージと地域運用を重んじるなら、RKKCSと電算が候補です。対象外業務や大量印刷も含めた一体型を望むなら、GCCが挙げられます。
実績や製品の方向性を、導入する自治体の条件に照らして比較します。
選定を前に進める次のアクション
まず現行業務とデータ連携を洗い出し、標準化対象業務と対象外業務を分けたRFI・RFPを作成します。
そのうえで、異動や証明書、外字、連携、バッチ、障害復旧の実業務シナリオを使ってデモと移行計画を評価します。最終判断は、初期費用ではなく5〜10年のTCOと職員負荷で行います。
住民サービスを止めないために、契約前からデータ返却、切戻し、研修、制度改正対応の条件まで合意しておくことが大切です。
▼全体ガイドの記事
・自治体向け住民情報管理システム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
