返品交換管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

返品交換管理システムの費用は、処理範囲、連携先、拠点数によって変わり、初期費用は0〜50万円程度から1,000万〜3,000万円以上までの幅があります。

費用の内訳や見積もりの比べ方は、2026年時点の公開料金とリサーチ情報をもとに説明します。

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返品交換管理システムの費用相場の目安

対象業務を絞れば数十万円から始められますが、EC、倉庫、決済、会計をまたぐ個別開発では数千万円規模になります。対象範囲で金額が大きく変わるため、申請から返金・在庫戻しまでのどこをシステム化するかを先に定めて、予算を考えます。

標準SaaSや既存EC機能の初期費用の目安(0〜50万円程度)

標準SaaSは、費用と運用の範囲の2点で見ると分かりやすいです。

  • 費用:初期0〜50万円程度、月額数千円〜数十万円程度
  • 対象:標準的な返品期限と返金処理で運用できる企業

初期設定、返品ルール、メールテンプレートの作成が、別料金になる場合があります。また、連携設定、運用テスト、ユーザー教育も、別料金になることがあります。なお、導入期間は数日〜2か月程度になりやすいです。

参考までに、Shopify Japanの年払い料金は、Basicが月額3,650円、Growが10,100円です(出典: Shopify Japan「料金プラン」、2026年8月に確認しています)。上位のAdvancedは月額44,000円、Plusは368,000円からです(出典: Shopify Japan「料金プラン」、2026年8月に確認しています)。

ただし、これはEC基盤の利用料なので、返品専用アプリ、決済手数料、外部倉庫との連携費用は含みません。

OMS・WMS連携や追加開発を含む場合の初期費用(300万〜1,000万円程度)

複数のECカートやモールから申請を集める構成では、OMS・WMSで入荷、検品、在庫振替を行います。決済と返金まで連携する場合は、初期費用300万〜1,000万円程度を想定します。

見積額は、受付画面から返金・交換処理までをどこまで作り込むかで変わります。

  • 受付・管理:申請・管理画面、ステータス管理、返品理由マスタ
  • 処理・連携:返送ラベル、在庫区分、返金・交換処理、API連携
  • 導入作業:テスト、データ移行

この金額は一律の定価ではなく、これらを含む場合の予算目安です。

LOGILESSの案内では、初期費用は0円、ライトは月額20,000円、スタンダードは月額25,000円です。含まれる出荷件数は、ライトが月間300件まで、スタンダードが500件までです。

なお、上限を超えると、出荷件数に応じた従量料金やオプション料金が加わります(出典: 株式会社ロジレス「EC事業者さまのご利用料金」、2026年8月に確認しています)。これは返品専用システムの開発費とは異なりますが、標準基盤の月額と従量課金を検討する材料になります。

複数拠点の個別開発の費用の目安(1,000万〜3,000万円以上)

複数ブランドや倉庫、店舗返品、海外販売を含む構成に、複数決済や会計・ERP連携を加えて一つの基盤に統合すると、1,000万〜3,000万円以上になる可能性があります。

費用を左右するのは、追加要件と既存基盤の改修規模です。

  • 個別要件:細かな返金ルール、監査ログ、権限分離
  • 返品業務のみ:費用が下限寄りになる場合がある
  • 基盤の大幅改修:中規模以上の基幹開発と同じ工数が必要

リサーチノートでは、在庫・受発注システムの中規模は500万〜8,000万円、大規模は5,000万〜3億円以上と整理しています。

返品機能だけであれば下限より小さくなる場合があります。一方で、ERPや複数倉庫も同時に改修するなら同等規模になり得るため、返品機能の画面数だけで予算を判断しないことが大切です。

ポイント

費用は対象範囲で大きく変わるため、申請から返金・在庫戻しまでのどこを扱うかを先に決め、標準SaaS、OMS・WMS連携、個別開発のどれに当たるかで判断します。

返品交換管理システムで管理する範囲

返品案件を申請、承認、返送、検品の順に追う流れ図
検品までを一つの案件として追跡できます。

返品交換管理システムは、一つの返品案件に注文・顧客・商品の情報と返品理由を紐付けます。さらに、返送、検品、在庫、返金、交換品の出荷までを同じ案件で追い、判断の履歴も残します。

費用を見積もるときは、この一連の流れに沿って対象範囲を分けて考えます。

申請から承認、返送、検品までの一案件管理

受付から検品までの案件管理では、入力する情報と進捗を次のように扱います。

  • 受付入力:注文番号、商品、数量、返品理由、写真、希望処理
  • 自動判定:購入日、到着日、返品期限、返品不可商品など
  • 進捗管理:申請、承認、返送待ち、入荷、検品中、返金待ち、交換品出荷、完了、却下、キャンセルを記録

返送品は、注文番号や納品書のバーコードで元の注文と紐付けます。そのうえで、数量不足、別商品、破損、付属品不足を記録します。

たとえば、ロジザードZEROは、納品書の出荷データに紐付くバーコードを返品受付に使えると案内しています(出典: ロジザードZERO「よくあるご質問」、2026年8月に確認しています)。特に、バーコードなど現場入力の負担を減らす機能は、費用対効果に直結します。

検品結果と在庫区分、返金・交換の連動

検品結果は、再販可能なA品、訳ありのB品、不良品、廃棄、メーカー返送などに区分します。A品は販売在庫へ、B品は別在庫へ戻し、不良品は隔離します。そうすれば、在庫反映漏れや不良品の再販を防げます。

返金額は、商品代、送料、返品送料、手数料を考慮します。さらに、クーポン、ポイント、決済手段も踏まえ、全額・一部返金や交換差額を計算します。

交換品を先に確保する場合は、返送前に在庫を引き当てます。また、申請がキャンセルされた時点で引当を解放するルールも必要です。

返品交換管理システムの初期費用とランニングコストの内訳

返品交換管理システムの費用を要件定義、画面・連携、移行・教育、月額・保守の4領域に分けた図
初期と運用の両方に関わる項目を見渡せます。

見積書では、画面開発のほかに業務整理とマスタ整備を分けて確認します。連携、テスト、移行、教育、保守も、別々の項目として見ます。

返品業務は例外処理が多いため、初期費用が安くても、運用後の手作業や追加改修に費用が移っていないか確かめます。

要件定義と業務設計の費用

返品期限や例外条件を先に定めると、追加画面や再テストによる予算超過を防ぎやすくなります。

  • 返品条件:返品期限、顧客都合・店舗都合・不良の扱い
  • 受付条件:送料負担、返品不可条件、検品基準
  • 処理基準:返金時期、交換差額、在庫戻しの時期
  • 高負荷ケース:高額商品、短期間の大量返品
  • 例外ケース:返送前キャンセル、返金失敗、部分返品、クーポン利用

要件定義の費用には、現状ヒアリング、業務フロー、画面・帳票一覧、データ項目の作成工数が含まれます。さらに、権限、連携図、受入テスト仕様の作成工数も入ります。

要件を削ると、開発の途中で例外が見つかり、追加画面や再テストが発生します。初期の段階でルールを言葉にしておくことは、予算超過を抑える投資になります。

画面、ワークフロー、API連携の費用

開発費の中心となる画面・処理と連携対象は、次のように分けて整理します。

  • 画面・処理:申請、案件一覧、承認、入荷・検品、返金・交換、ダッシュボード
  • 連携先:ECカート、モール、OMS、WMS、決済、会計、配送会社
  • 連携方式:API、Webhook、CSVに応じたデータ変換とエラー処理

連携先が停止したときに再送できるか、二重送信を防げるか、部分返品の明細を渡せるかを、事前に確かめておきます。連携の本数が増えるほど、異常系テストも増えます。

見積書には、連携本数だけでなく、対象データ、頻度、エラー時の対応、監視範囲を明記してもらいます。

データ移行、教育、切替支援の費用

移行対象の範囲と稼働後の支援体制が、データ移行と切替の費用を左右します。

  • データ移行:注文、顧客、商品、SKU、返品理由、倉庫、返金履歴を移し、表記揺れや重複を整理
  • 移行範囲:返品履歴をすべて移すか、直近分だけ移すかを決める
  • 過去履歴:直近分だけ移す場合は、古いデータを参照用に残す
  • 教育・支援:CS、倉庫、経理、EC担当、管理者への教育、マニュアル、操作説明、初日の立会い
  • 切替支援:旧システムとの並行稼働、問い合わせ窓口

移行件数だけでなく、データの品質と変換ルールも見積もりに含めます。切替の条件として、返品1件を最後まで処理できる状態にしておきます。

月額、従量課金、保守、端末の費用

運用後は、クラウド利用料、ユーザーや拠点の追加、返品・出荷件数に応じた従量料金、返送ラベル、メール・SMSの費用が発生します。バーコード端末やハンディターミナルに加え、監視、バックアップ、保守、問い合わせ対応も必要です。

月々の負担は利用量や保守契約で変わるため、通常月と繁忙期の両方で確認します。

  • 従量課金:返品件数が繁忙期に増える場合、通常月だけでなくピーク月も確認
  • 保守費用:初期開発費の年10〜20%程度を見込む方法もあるが、契約で変わる参考値
  • 保守範囲:障害、機能改善、法改正・脆弱性、OS・ブラウザ、24時間監視、現地対応

ポイント

初期費用が安くても、運用後の手作業や追加改修に費用が移っていないかで判断します。要件定義、連携、移行、保守の費用は、それぞれ分けて比べます。

返品交換管理システムの費用が変動する要因

販売チャネル、処理量、返品ルール、個人情報と権限管理が返品システムの費用に影響するハブ図
見積もり前に条件をそろえると金額差の理由を追いやすくなります。

同じ返品件数でも、販売チャネル、商品単価、返品理由、倉庫数、返金ルール、現場端末の有無で費用は変わります。そのため、見積もりの前提と、条件が変わったときに増える費用を確認しておくことが大切です。

EC・モール・店舗と返品件数の多さ

販売先や返品件数が増えるほど、扱うデータや連携対象が増え、設計費にも影響します。

  • 販売チャネル:自社ECなら一つのAPIと注文データで対応
  • データ形式:モール・店舗・卸・海外ECで注文番号、顧客ID、SKU、税、決済、返品期限の表現が異なる
  • 処理量:月間返品数、セール後のピーク、同時アクセス数がインフラ・テスト費用に影響
  • 拠点数:複数倉庫では返送先、在庫移動、交換品の出荷拠点、店舗在庫との引当を設計
  • 店舗返品:倉庫と店舗のどちらへ戻すか未決定だと、連携や権限の追加が必要

返品ルールと返金・交換の複雑さ

返品条件が違えば、必要な機能と費用も変わります。

  • 標準化しやすい条件:返品期限が一律で、未使用品だけを受け付ける
  • 個別ルールが必要な条件:商品カテゴリ、キャンペーン、会員ランク、購入チャネル・日、返品理由で条件を変える

条件を変える場合は、ルールエンジンや承認フローが必要になります。また、不良品と顧客都合で送料負担や返金額が異なる場合は、その条件を画面とデータに落とし込む費用が発生します。

通信販売では、返品の可否や期間、費用負担などを示す返品特約を表示する必要があります。なお、返品特約が表示されていない場合は、申込み撤回・解除を商品を受け取った日から8日以内に行えるというルールがあり、消費者庁も案内しています(出典: 消費者庁「通信販売|特定商取引法ガイド」、2026年8月に確認しています)。

販売ページと最終確認画面の表示を運用ルールに連動させる場合は、法務確認と画面改修を見積もりに含めます。

個人情報、権限、監査ログなどの非機能要件

返品管理で扱う情報とアクセス権は、次のように整理します。

  • 個人情報:氏名、住所、注文・配送・返金情報を扱う場合がある
  • 写真情報:不良箇所の写真を扱う場合がある
  • 権限分離:CSは申請・顧客情報を確認し、返金確定は経理だけに許可

このほか、操作履歴、二重返金防止、バックアップ、障害時の復旧、暗号化、MFAも要件になります。

個人情報保護委員会のガイドラインでは、従業者への適切な監督や、不正アクセス・不正ソフトウェアから個人データを守る仕組みなどが、安全管理措置として示されています(出典: 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」、2026年8月に確認しています)。

セキュリティは後から追加すると改修費が高額になりやすいため、権限、ログ、バックアップ、委託先管理を要件定義の段階で決めておきます。

ポイント

同じ返品件数でも、チャネル数、返品ルール、拠点数、個人情報や権限の扱いで金額が変わります。見積もりの前提をそろえてから比べると、金額差の理由を追いやすくなります。

返品交換管理システムの開発・導入の進め方

主要な返品処理をまず小さく通し、そのあとで拡張すると、リスクを抑えられます。要件定義から本番稼働までは、対象チャネル、データ、例外処理、現場の操作性を順に確かめます。

現状把握と要件定義

現状把握と要件定義では、次の順で業務とルールを整理します。

  • 件数・受付:月間注文・返品数、返品率、受付経路、ピーク日
  • 処理実績:返金日数、CS対応・検品時間、再販率、滞留在庫額
  • 業務の流れ:メール、電話、Excel、ECカート、倉庫、決済、会計を一覧にし、重複入力の箇所を洗い出す
  • 申請・処理ルール:申請項目、承認条件、返品理由、検品結果、在庫区分
  • 管理ルール:返金方法、交換品引当、通知、権限、データ保持期間

返品業務の責任者を社内に置き、CS、倉庫、経理、EC、情報システムでルールを合意しておくと、後戻りを防げます。

標準機能の選定と設計・開発・連携

方式選定と開発範囲は、次の観点で整理します。

  • 方式を比較:標準SaaS、OMS・WMS、パッケージ、個別開発から選ぶ
  • 標準機能:受付、承認、ステータス、返品理由、通知から始める
  • 追加開発:特殊な返金計算や基幹連携に絞る

標準機能を優先すると、初期費用と将来の保守費用を抑えやすいです。

注文ID、明細ID、SKU、顧客ID、返品案件IDは、共通キーとして揃えます。また、API・Webhookに加えて、CSV取込、再送、重複防止、エラー時の担当者通知も決めます。

クラウドサービスでは、解約時のデータ出力、API制限、料金の増え方、停止時の代替手順を確かめておきます。

業務シナリオでのテストと段階的なリリース

正常な返品だけでなく例外処理も通して、在庫と返金の状態が一致するかを確かめます。

  • 返品・交換:正常返品、部分返品、交換品の欠品
  • 受付の例外:返送前キャンセル、期限超過、二重申請
  • 検品の例外:数量不足、別商品混入、不良品
  • 返金の例外:返金失敗、クーポン利用
  • 状態確認:在庫反映、検品後の在庫区分、返金と交換出荷の状態一致

開発期間の目安は、標準SaaSなら数日〜2か月、OMS・WMS連携を含む導入なら1〜3か月です。中規模構築は4〜8か月、複数拠点のスクラッチ開発は8〜18か月以上です。

要件定義、データ移行、連携先の仕様確認、受入テスト、教育、並行稼働を期間に含めるかで、日程は変わります。また、一つのECチャネルと倉庫から始めると、業務停止や予算超過のリスクを抑えられます。

ポイント

いきなり全体を作らず、一つのチャネルと倉庫で主要な返品処理を通してから広げると、後戻りや予算超過を抑えやすくなります。

返品交換管理システムの見積もりを取る際のポイント

複数社の価格を比べるには、各社に同じ要件を示すことが欠かせません。返品件数、チャネル数、返金・交換ルールを文書にまとめ、同じ条件で初期費用と運用費用を比べます。そのほか、倉庫の操作、連携先、移行・保守範囲も書き添えます。

見積依頼書に記載する返品件数と例外条件

見積依頼書に次の条件を書き込むと、各社の提案を同じ前提で読み比べられます。

  • 件数・商品:月間注文・返品数、繁忙期の最大件数、返品率、商品点数、SKU数
  • チャネル・連携:チャネル・倉庫数、利用中のEC・OMS・WMS・決済・会計
  • 返品条件:交換の種類、返品送料の負担、返金方法、必要な通知
  • 作業時間:CS対応・倉庫検品の現行値と目標値を添え、効果算定に使う
  • 現場・統制:写真、返送ラベル、バーコード検品、A品・B品・不良品の在庫区分、監査ログ、権限分離、データ保持期間、APIの利用可否

まだ決まっていない要件は、「標準機能で提案」「追加開発で提案」「対象外」に分けて回答してもらうと、各社の前提の違いを把握しやすくなります。

初期費用と対応範囲による複数社の比較

各方式が返品工程のどこを担うかを確かめ、契約上の責任範囲とあわせて比べます。

  • 返品専用SaaS:CS自動化と顧客向け画面に強い傾向
  • OMS・WMS:受注、出荷、在庫、倉庫現場に強い傾向
  • 個別開発会社:既存基幹システムや独自ルールをまとめられる
  • 契約確認:要件定義と保守の責任範囲を明確にする

価格だけでなく、返品工程のうち標準で対応する範囲を比べます。デモでは、申請から倉庫検品、経理の返金確定、交換品の出荷までを通して確かめます。

高額商品や不良品の承認、部分返品、在庫欠品、API停止時の再処理を説明できるか、開発担当者や現場責任者と話が通じるかも、判断材料になります。

3年総額と追加費用の条件

総額は、初期費用、月額、従量課金、決済手数料、返送ラベル、端末の費用を合わせて見ます。さらに、移行、教育、保守、機能追加の費用も含め、3年程度の総額で比べます。

初期費用が安くても、返品件数に応じた従量料金、ユーザー追加、APIオプション、倉庫追加で繁忙期の運用費が膨らむ場合があります。

見積書では、利用前提と提案範囲を明記してもらいます。

  • 利用条件:返品件数、ユーザー数、拠点数、データ容量、API回数
  • 追加費用:保守・障害対応時間、追加開発単価
  • 個別対応:Recustomerは利用サービスと課題に応じて提案(出典: Recustomer「料金について」、2026年8月に確認しています)

標準設定、運用テスト、テクニカルサポートを含む提案かも確認します。

ポイント

各社の価格は、同じ要件と同じ条件でそろえて比べます。初期費用だけでなく3年総額と対応範囲まで見て、提案の差を読み取ります。

返品交換管理システムのコストを抑えるポイント

コストを抑える取り組みは、機能を減らすことにとどまらず、CS、倉庫、経理の工数を減らし、再販率や交換転換率を高め、返金漏れや二重返金を防ぐ効果まで含めて投資を判断します。

標準機能の優先と独自開発の絞り込み

申請、承認、通知、返品理由、ステータス、基本的な返金は、標準機能の範囲で組み立てます。独自開発は、特殊な交換差額計算、基幹連携、倉庫固有の検品、独自の会計処理などに絞ります。

標準機能を業務に合わせるか、業務を標準に合わせるかは、機能ごとに判断します。返品理由、ステータス、通知文、権限を先に整理すると、画面やマスタの作り込みが減ります。

返品理由を商品やサイズ表の改善に使うなら、自由記述だけにせず、分析できる選択肢と補足入力に分けておくことも、将来の集計費用を抑える方法です。

一つのチャネルと倉庫からの段階導入

全チャネル、全倉庫、全商品を一度に対象にすると、例外や連携が増え、費用と期間が膨らみます。そこで、まずは返品件数が多い一つのECチャネルと一つの倉庫で、申請、承認、入荷、検品、在庫戻し、返金まで通します。

稼働後にKPIを測ったうえで、交換提案、自動承認、他チャネルへと広げていきます。案件ID、商品ID、注文ID、在庫区分は、将来の拡張を見越して設計します。

初期機能を減らしても、データ構造と連携の境界を明確にしておけば、追加機能を見積もりやすくなり、不要な作り直しを防げます。

返品率だけでなく工数と在庫のKPI

工数と在庫の改善も評価できるよう、導入の前後で処理実績を測ります。

  • 対応時間:返品1件あたりのCS対応時間と倉庫の検品時間
  • 処理状況:申請から返金までの日数、返金漏れ件数
  • 在庫・販売:再販率、交換転換率、在庫滞留額

返品率が変わらなくても、処理時間と滞留在庫が減れば、投資効果が出る場合があります。

返品理由を商品、サイズ、色、販売チャネル、倉庫別に分析すると、改善点を見つけやすくなります。その結果、商品ページ、サイズ表、梱包、検品、仕入れを改善できます。

システム費用は、業務効率だけでなく、交換や再購入による売上の維持、再販できない在庫の削減も含めて評価します。

返品交換管理システムに関するよくある質問

導入方式が自社に合うか、開発期間をどの程度見るか、既存システムを残せるかは、費用とあわせてよく問われます。見積もり前によくある質問に答えます。

返品交換管理システムは500万円以内で開発できますか?

一つのECチャネルと倉庫に絞り、申請、承認、検品、在庫振替、返金を標準機能中心で作るなら、500万円以内に収まる可能性があります。

複数モール、複雑な交換差額、会計・決済・WMSとの多連携、大量の過去データ移行を含む場合は、中規模でも上限寄りになることがあり、その場合は500万円を超える可能性もあります。中規模の目安は300万〜1,000万円程度です。

SaaSとスクラッチ開発はどちらを選ぶべきですか?

方式を選ぶときは、業務ルールと独自要件を基準に考えます。

  • 標準ルール:返品ルールが標準的で、CS・倉庫の手作業を減らすならSaaSやOMS・WMSの標準機能
  • 独自要件:返金・会計・在庫・権限が複数基幹にまたがり、競争力や内部統制に直結するなら追加開発や個別開発

初期費用に加え、3年総額、連携のしやすさ、データの持ち出し、サポート、業務変更の頻度を比べます。ただし、SaaSでもAPIや追加設定費が発生し得ます。

スクラッチ開発でも、クラウド、保守、セキュリティ対応は必要になるため、総額で判断します。

返品交換管理システムの開発期間はどのくらいですか?

開発期間は方式や連携範囲で異なるため、設定・連携・個別開発に分けて見積もります。

  • 標準SaaS:初期設定は数日〜2か月
  • OMS・WMS:導入連携は1〜3か月
  • 中規模開発:追加開発は4〜8か月
  • 個別開発:複数拠点では8〜18か月以上

要件定義、データ移行、連携仕様確認、受入テスト、教育、並行稼働を期間に含めるかで、日程は変わります。

短期間で始めるなら、一つのチャネルで申請から返金までを運用し、倉庫の検品と在庫戻しを次の段階で追加します。

将来の拡張に備えて、案件IDやマスタを設計し、切替時のデータ連携と権限を先に決めておきます。

まとめ

標準SaaSは初期0〜50万円程度、OMS・WMS連携を含む中規模構築は300万〜1,000万円程度が目安です。複数拠点や基幹統合の場合は、1,000万〜3,000万円以上が目安になります。

申請だけでなく、返送、検品、在庫区分、返金、交換品出荷、会計まで対象にすると、必要な工数と費用が増えます。

初期額ではなく3年総額での見積もり

総額は、初期費用、月額、従量課金の3つを軸に合算します。API・オプション、決済・配送費、端末の費用も加えます。移行・教育の費用や、保守・追加開発の費用も含め、3年程度の総額で比べます。

費用は、チャネル数、返品件数、倉庫数、返金ルールで変わります。さらに、連携本数、セキュリティ要件、データ品質も影響します。見積書には、前提条件と対象外を明記してもらいます。

返品1件あたりの工数と返金までの日数の測定

導入の前に現状の負担を測り、最初に運用する範囲を決めておくと、効果を比べられます。

  • 現状指標:CS対応・倉庫検品の時間、返金までの日数、再販率、交換転換率、在庫滞留額
  • 初期範囲:一つのECチャネルと倉庫で、標準機能を使って導入

効果を確かめてから、複数チャネル、複数拠点、分析、自動承認へ広げると、費用と定着のバランスを取りやすくなります。

返品は、コストを処理するだけの場ではなく、交換や再購入につなげて、顧客体験と粗利を改善する接点でもあります。返品ルールと既存システムを踏まえ、標準化する業務と独自開発する業務を分けて、見積もりを比べます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。