Salesforce Platformのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

Salesforce Platformの開発費用は、標準設定で済むか、独自開発や外部連携をどこまで含むかによって、初期30万円から1,000万円以上まで変わります。

費用を左右するのは、標準設定と独自開発の境界、連携の範囲、要件の確かさです。全体像は、Salesforce Platformのシステム開発の完全ガイドもご覧ください。

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・Salesforce Platformのシステム開発の完全ガイド

Salesforce Platformのシステムの概要

Salesforce Platformのシステムは、Salesforceのクラウド基盤の上に構築する業務アプリです。顧客や案件・契約、申請、保守受付などを管理できます。

サーバーや認証基盤を一から用意せず、クラウドのデータモデル、権限、画面、API、運用基盤を活用します。そのうえで、業務固有の部分を設定や開発で補います。

CRMの導入と業務システム開発の違い

CRM導入と業務システム開発は、使う機能も構築の範囲も異なります。

  • 標準的なCRM導入:取引先、取引先責任者、リード、商談などの標準オブジェクトを使い、ユーザー、権限、画面、レポートを設定する導入。
  • 業務システム開発:カスタムオブジェクトで、部門固有の申請、承認、契約更新、保守受付などを管理するための構築。
  • 自動化・画面:自動処理はFlowで組み、標準機能で足りない部分はLightning Web Components(LWC)で作ります。
  • 複雑な処理・外部連携:Apex、REST API、Bulk API、Platform Events、MuleSoftなどで補う領域です。

必要な構築範囲は、業務要件に応じて決めます。

費用を左右する設定・開発の境界

費用を抑えるには、標準機能で対応する領域と独自開発する領域を先に分けておきます。標準オブジェクトや項目、レイアウト、権限、レポート、Flowで業務が回れば、構築期間もテストの範囲も小さくできます。

一方で、基幹システムとの双方向連携や複雑な料金計算を一度に実装すると、設計、テスト、保守の費用も増えます。独自帳票や大量データ処理、部門ごとの権限制御を加えた場合も、費用は増えます。

Platform上の「スクラッチ」は、インフラから作ることを指しません。既存の基盤の上に独自ロジックを作るものと捉えると、見積もりを比べやすくなります。

Salesforce Platformのシステム開発費用の相場

小規模・標準設定中心、中規模開発、複雑な大規模案件の初期費用帯を横棒で並べた図。
開発範囲が広がるにつれて、初期費用の目安も上がります。

標準設定中心なら初期30万〜100万円程度、中規模開発なら150万〜600万円程度です。複雑な案件では、1,000万円以上になる場合があります。

Salesforceは一律の導入価格を公開していません。そのため、見積もりは案件ごとの個別のものになり、金額は対象業務、ユーザー数、データ件数、連携先、独自コードの有無などによって決まります。権限設計や支援範囲も、金額に影響します。

ここで挙げる金額は、公定価格ではありません。リサーチノートと国内支援会社が公開する料金例から整理した目安です。

小規模・標準設定中心は30万〜100万円程度

5〜10ユーザー程度で、取引先や案件の管理を標準機能で組む場合が目安です。入力項目、画面、基本権限を設定し、レポートと簡単なFlowも加えます。少量のCSV移行を含めると、初期費用は30万〜100万円程度です。

公開例には、Salesforceの初期設定を10万円で提供するパッケージがあります。また、標準機能の設定・レポート・権限設定を含む、月額8万円以上の運用支援もあります。ただし、対象範囲や支援時間は限られています。

要件定義や複数部門の調整、データクレンジング、教育まで含めると、同じユーザー数でも費用は外部委託相場の50万〜300万円程度に近づく可能性があります。

中規模は150万〜600万円程度、大規模は1,000万円以上

費用帯の目安は、開発範囲ごとの公開事例と照らし合わせて読むとよいでしょう。

  • 中規模開発:複数部門の業務フロー、カスタムオブジェクト、承認経路、移行、帳票、外部連携を含み、150万〜600万円程度です。
  • 公開構築例:要件定義、基盤構築、フォーム連携、CSV出力、Flow設定、操作指導を含め、150万〜300万円です(国内支援会社の初期構築例)。
  • 複雑な大規模案件:双方向連携、独自画面・計算ロジック、複数組織、厳格な監査要件では、1,000万円以上になる可能性があります。
  • 初期支援の公開例:要件整理、環境設定、移行、教育、ドキュメント提供を含む2か月間の支援は450万円です(NTTドコモビジネス)。

公開例は特定企業の価格で、すべての案件に当てはまる定価ではありません。条件が違えば単純には比べられません。移行、教育、ドキュメントまで含むため、設定作業だけの場合より高くなる参考例です。

ポイント

費用の目安は、標準設定で済むか、独自開発や外部連携をどこまで含むかで判断します。同じユーザー数でも、要件定義や教育まで含めると金額は大きく変わるため、範囲をそろえて比べます。

ライセンス料金と初年度費用の考え方

初年度TCO(総保有コスト)は、月額ライセンス、初期構築、追加製品・ストレージ、導入後の保守を合算して考えます。

ライセンスだけで予算を組むと、データ移行や権限設計、教育、連携テストの費用が後から加わります。また、Salesforce公式の2026年料金ページも、プラン価格に加えて追加機能や契約条件を確認するよう案内しています。

2026年の公式料金を基準にしたライセンス試算

2026年版の公式料金は、ユーザーあたりの月額で税別です。プランごとの金額は、契約条件とあわせて見る必要があります。

  • Free Suite:最大2ユーザーまで0円です。
  • Starter Suite・Pro Suite・Enterprise:月額3,000円、12,000円、21,000円です。
  • Unlimited・Agentforce 1 Sales:月額42,000円、66,000円です。

Starter Suiteは、月払いと年払いのどちらかを選べます。Pro Suite以上は年間契約が基本です(出典:Salesforce公式「2026年版 Salesforceの料金プラン」、2026年7月更新)。

Free Suiteを除く5プランを10ユーザーで単純計算すると、年間ライセンス額は掲載順に36万円、144万円、252万円、504万円、792万円です。

実際の契約額は、製品構成や契約期間、割引によって変わります。加えて、追加ストレージ、AI・データ関連クレジット、サポートプランによっても変動します。計算額は請求額を示すものではなく、開発費と比べるための目安です。

初年度TCOに含める項目

初年度TCOは、次の費用を合わせて見積もります。

  • ユーザーライセンス:利用者ごとの契約費用
  • 要件定義・初期構築:業務の整理とシステム構築にかかる費用
  • データ移行:既存データの取り込みとクレンジングにかかる費用
  • 追加費用:外部連携やAppExchangeなどにかかる費用
  • 教育・保守・運用:利用者への説明や定着支援、導入後の継続支援

Premier Successなどを選ぶ場合は、公式案内でライセンス料の30%が目安とされています。たとえば、Enterpriseを10ユーザーで契約する場合は、月額63,000円、年間75.6万円相当が追加の目安になります。

実際の契約条件は、営業担当者に確認してください。また、公式導入ガイドも、ライセンス、初期構築、サポートの3層を合算するTCO試算を示しています(出典:Salesforce公式「2026年版 Salesforce導入ガイド」、2026年6月更新)。

社内管理者が設定や一次問い合わせを担えるかによって、外注費は変わります。そのため、自社で担当する作業と委託する作業を分けて見積もるとよいでしょう。

ポイント

予算は、ライセンス料だけでなく初年度TCO全体で組みます。プラン価格は契約条件で変わるため、初期構築、移行、教育、保守を合わせた額で各社の見積もりを比べます。

Salesforce Platformの費用内訳

見積書の費用を要件定義・設計、データ移行・外部連携、教育・保守・運用の3区分に分けた図。
作業ごとに分けておくと、見積もりの抜けを見つけやすくなります。

合計額だけでは、どの作業が費用を押し上げているかは分かりません。業務の整理やデータ品質の確認、権限設計に工数がかかることがあります。加えて、連携仕様の調整、テスト、利用定着も、工数を増やす要因になります。

見積書では、次の費用項目が分かれて書かれているかを確認します。

要件定義・設計の費用

要件定義と設計では、次の情報を整理しておくと、仕様変更による追加費用を抑えられます。

  • 業務要件:As-Is、To-Be、KPI、データ所有者、入力ルール、承認者、例外処理の整理
  • システム設計:標準・カスタムオブジェクト、項目、レコードタイプ、権限、画面、Flow、API、移行対象の決定

要件定義を省くと、開発中に別の承認経路や外部保管の要望が判明し、当初見積もり外の改修が増えることがあります。

費用を抑えたい場合でも、要件定義は省かず、対象業務を一つに絞った短いワークショップで進めます。

利用者数、対象部門、管理オブジェクト、移行件数を整理し、連携先や希望日、社内管理者の有無も添えておくと、提案会社は前提をそろえて見積もれます。

データ移行・外部連携の費用

移行と連携の対象と方式を決めておくと、必要な作業と費用を見積もりやすくなります。

  • 移行データ:顧客、契約、案件、活動履歴、添付ファイルのうち、どこまでを移すかを決めます。
  • CSV以外の移行作業:Excelや既存CRMのデータは、単純な取込みに加えて、重複統合や表記ゆれの修正も必要です。
  • データ整備:必須項目の補完、旧コードと新コードの対応付け、移行後の件数照合も行います。
  • 連携条件:連携先、リアルタイムかバッチか、正とするデータ、再送担当、個人情報の保存先を決めます。
  • 連携方式:REST・Bulk APIで足りるか、イベント連携やMuleSoftなどの基盤が必要かを確認します。

件数が多い場合は、移行リハーサルと切戻し手順も必要になります。見積もりは「データ移行一式」とせず、作業ごとに分けてもらいます。

連携は後付けにせず、対象データと頻度を初回の見積もりに記載しておきます。

教育・保守・運用の費用

運用費は、支援内容と利用者の定着支援を分けて確認しておきます。

  • 運用作業:問い合わせ、ユーザー追加、権限変更、レポートやFlowの修正のほか、影響調査、障害対応、データ品質確認も発生します。
  • 公開料金例:国内支援例は月額7万〜10万円、月額8万〜60万円、月額10万〜50万円程度です。
  • 教育・定着:設定研修、業務別トレーニング、マニュアル、窓口、利用状況確認の費用区分を確かめます。

費用は、支援時間や範囲、専任担当者を置くか月数時間の相談窓口にするか、夜間対応やSLAの有無で変わります。そのうえで、自社の運用量に合わせて選びます。

操作説明会だけでは、入力品質や利用率が上がらないことがあります。教育は、初期費用と保守費用のどちらに含むかを確認します。

保守費用が安くても、設定変更がすべて別料金であれば、年間の実支出は高くなる可能性があります。

ポイント

見積書が作業ごとに分かれているかを見ると、費用の大きい箇所と抜けを比べやすくなります。要件定義、データ移行・連携、教育・保守の区分ごとに、内容を照らし合わせます。

見積金額が変動する要因

見積金額の周囲に、開発方法、データ量・権限・セキュリティ要件、要件の曖昧さと追加改修を配置した図。
開発方法と要件の具体性が、費用の見積もり幅に関わります。

設定中心の案件と独自アプリ開発では、必要な人員や品質保証の範囲が異なります。そのため、総額だけでなく、その差がどの作業に現れるかも確認します。

標準設定、Flow、Apex・LWCの違い

実現したい業務に合わせて、設定、自動化、コード開発のどれを使うかを選びます。

  • 標準設定:項目、レイアウト、権限、レポート、ダッシュボードを構成し、一般にコードより短い期間で進められます。
  • Flow:通知やレコード更新、承認前チェックを自動化します。分岐が増えると、テストが難しくなります。
  • Apex・LWC:複雑な計算、独自UI、大量データ、外部連携に使います。設計、テストコード、ガバナ制限の確認、保守が必要になります。

コストを抑えるには、まず標準機能で業務を回せるか、Flowで足りるかを検証します。標準機能に無理なカスタマイズを重ねると、使いにくさが残り、将来の保守費用にもつながります。

短期の開発費だけでなく、3年程度の保守負担も含めて判断します。

データ量・権限・セキュリティ要件

ユーザー数やデータ量、扱う情報に応じて、権限と移行の要件を見積もります。

  • ユーザー権限:部門・役職・地域・取引先単位の共有、代理ログイン、監査ログ、APIユーザーの扱い
  • 機密情報:最小権限、項目アクセス制御、暗号化、接続アプリ制限、イベント監視、保持・削除方針の決定
  • 大量データ:移行ツールやBulk API、処理時間、エラー再実行、バックアップ、照合レポートを見積もります。
  • ファイル:添付データを大量に扱う場合は、ストレージ費用も検討します。

Lightning Web Securityは、コンポーネント間の分離などを提供します。ただし、共有設定やAPI権限の設計まで自動で完了するわけではありません。

ユーザー数とデータ量は早い段階で伝え、「導入一式」ではなく、ライセンス、移行、権限、監査を個別に見積もってもらいます。

要件の曖昧さと追加改修

「営業管理を改善する」「申請を電子化する」といった要件だけでは、開発会社が工数を多めに見込むか、後から追加の見積もりを出すことがあります。

対象ユーザー、画面、入力項目、承認条件、例外処理を決めるほど、価格の幅は小さくなります。帳票、連携、移行範囲、受け入れ条件についても、同じことがいえます。現場ヒアリングを省くと、スコープクリープで予算と納期が膨らむおそれがあります。

初回リリースに含めるものと、将来フェーズに回すものを分けます。そのうえで、変更時の単価、再見積もりの条件、納期への影響、承認者を契約書や計画に書いておくと、予算と優先順位を管理しやすくなります。

ポイント

見積額が振れる主な原因は、標準設定で足りるか独自開発が要るかと、要件がどこまで具体的かです。前者は開発方法を先に切り分け、後者は契約前に曖昧な点を減らして、見積もりの幅を狭めます。

開発期間と工程別の費用配分

標準SFA・CRM中心なら2〜3か月、中規模で移行・連携を含むなら3〜6か月が目安です。複数部門、複数システム、独自コード、監査要件を含む場合は、6〜12か月以上を見込みます。

期間を詰めすぎると、テストや移行リハーサルが削られ、リリース後の障害対応や追加改修で費用が増えることがあります。そこで、工程ごとの成果物を先に定めておきます。

要件定義・企画フェーズ

企画段階では、現状を整理し、初回開発の範囲と要件について合意します。

  • 現状と目的:目的、KPI、As-IsのExcel、既存CRM、台帳、承認ルール、連携先を洗い出します。
  • 開発範囲:最小リリース、標準機能と独自開発の境界、将来対応に回す範囲を合意します。
  • 成果物:業務フロー、データ項目、権限、連携、移行対象、非機能要件、受け入れ条件をまとめます。

要件定義を短くしても、必ず費用が下がるとは限りません。曖昧なまま進めると、仕様変更やテスト不合格が増えます。

小規模案件でも、代表ユーザーと業務の例外を確認し、最低限の要件書を残しておけば、追加費用を防げます。

設計・構築フェーズ

構築はSandboxを使って進め、変更管理と納品物を確認します。

  • 実装対象:オブジェクト、項目、レイアウト、権限、Flow、レポート、画面、API連携の構築
  • 管理・納品物:変更履歴、データ辞書、権限設計書、メタデータ、テスト仕様書、運用手順書を確認します。
  • 費用条件:環境数、レビュー、コードレビュー、セキュリティ確認、外部調整で費用が変わります。

初期費用が安くても、設計書やテストが対象外であれば、社内作業や保守の引き継ぎ費用が発生します。そこで、初期費用を比べるときは、成果物と責任範囲をそろえておきます。

テスト・移行・リリースフェーズ

リリース前後の品質を保つため、テスト、移行、利用者支援を進めます。

  • テスト:設定単位、結合、権限別操作、外部連携エラー、ユーザー受け入れを確認します。
  • 移行:クレンジングとリハーサルを行い、件数・金額・関連付けを照合します。切替時間と切戻し条件も決めます。
  • 利用者支援:問い合わせ集中を避けるため、マニュアルと現場向け説明会を用意します。

リサーチノートの業務システム案件の参考比率は、要件定義10〜12%、設計・環境構築22〜24%、実装48〜50%、テスト15〜17%です。

これはSalesforce固有の公定比率ではありません。実装だけに費用を寄せず、テストと移行に15%前後以上を確保する考え方の目安として使えます。

ポイント

期間は、要件の確かさと移行・連携の有無で変わります。詰めすぎるとテストや移行リハーサルが削られるため、工程ごとの成果物を先に決め、工程別の費用配分の目安と照らし合わせます。

Salesforce Platformのコストの抑え方

コストを抑えるには、価値の高い業務から始め、将来の変更に耐えるデータモデルと権限を作ることが欠かせません。安いライセンスや開発会社を選ぶことは、その一部にすぎません。また、不要なカスタマイズや未使用ライセンスを増やさないことも大切です。

判断は、初期費用と月額費用に加えて、追加改修、保守、社内運用の負荷まで合わせて行います。

標準機能を優先し、独自開発を絞る

Fit to Standardの考え方で、業務を標準機能に合わせられるか検討します。

標準オブジェクトやFlow、AppExchangeなどで対応できれば、コード開発の初期費用と保守負担を抑えられます。

一方、競争力に直結する独自業務まで無理に標準化すると、現場では回避策が生まれ、Excelへの逆戻りも起こります。そのため、標準化する領域と独自性を残す領域を、経営・現場・ITで合意しておきます。

MVPと段階リリースで追加開発を抑える

最初のリリースは、対象部門と業務を絞って、KPIを測れる最小構成にします。全社の契約、請求、保守を一度に作る進め方とは、分けて考えます。

まず顧客・案件・申請の基礎データをそろえ、入力率や処理時間を確認してから、帳票や高度な連携を追加します。また、実データに近いPoCを先に行えば、現場が使わない機能に開発費を使うリスクを減らせます。

ライセンスと内製・保守体制を見直す

ライセンスの機能と社内外の運用分担を合わせて見直します。

  • ライセンス:入力・承認・参照だけの人に上位版を一律に付与しないこと。ただし、機能が足りず別製品や手作業が増えていないかを確認します。
  • 必要機能:価格だけでなく、API、カスタムオブジェクト、Sandbox、AppExchange、AI、サポートの要否で選びます。
  • 内製と外注:軽微な項目・レポート変更は自社で行い、大幅な権限変更、Apex・LWC、基幹連携、障害調査は専門会社へ委託するなど、境界を決めます。

社内管理者を育てると、外注費を抑えやすくなります。また、メタデータや設定書、データ辞書、運用手順を引き継いでおくと、長期的にコストを下げることにもつながります。

見積もりを取る際のポイント

見積もり依頼の前に、目的や対象範囲、ユーザー数、対象データを整理しておきます。また、連携先や希望時期、予算上限、社内担当者も、あわせてまとめておきます。

要件が固まっていなくても、前提条件と未確定事項を分けて伝えると、各社の提案を比べやすくなります。さらに、金額だけでなく、何が含まれ、何が別料金かも確認します。

RFP・RFIに入れる項目

見積もり条件をそろえるため、依頼書には次の内容を記載します。

  • 業務と対象範囲:現状の業務や課題、導入目的、対象ユーザーと権限、画面、承認、帳票を記載します。
  • データと品質:データ項目と件数、移行、セキュリティ、非機能要件を記載します。
  • 開発後の対応:テスト、教育、保守、納品物を明記します。
  • 外部連携:対象システム、方向・頻度、データ項目、エラー時の扱いを示します。単に有無だけを書くのは避けます。
  • 移行条件:件数、期間、添付ファイルの有無、クレンジングの担当を明確にします。

複数社を同じ条件で比較する

複数社に、ライセンスから保守までを作業ごとに分けた見積もりを出してもらい、同じ前提で比べます。

認定資格や同業種の事例に加えて確認したいのは、標準機能を優先する設計力や、移行・テストの責任範囲です。さらに、再委託先、リリース後の体制、追加開発単価も見ておきます。

大手SI、Salesforce専門会社、少人数の支援会社では、得意な規模と価格構造が異なります。そのため、自社の案件に合う体制を選びます。

契約と追加費用のリスクを確認する

契約で決めておかないと、導入後に追加費用が膨らんだり、別の会社へ引き継ぎにくくなったりします。見積もりと契約書の段階で、条件や資料、費用の発生条件がどこまで書かれているかを確かめておきます。

  • 契約条件:成果物、検収、著作権・利用権、コード・メタデータ、変更履歴、個人情報、再委託、障害責任、保守SLA、終了時のデータ返却を確認します。
  • 引き継ぎ資料:権限設計書、データ辞書、連携仕様、運用手順がないと、別会社への引き継ぎが難しくなります。
  • 追加費用:ユーザー追加、再移行、仕様変更、Sandbox追加、ストレージ超過、AppExchange、API・AI利用量、休日対応の発生条件を確かめます。

月額保守の作業時間、超過時の単価、定例会の回数、緊急対応を明記すると、導入後の予算を管理できます。

よくある質問(FAQ)

Salesforce Platformの費用について、検討の初期に寄せられやすい質問をまとめています。

ライセンス料金と開発費は分けて考えます。公開価格は更新されることがあるため、契約前に公式ページと提案会社の見積もりを確認してください。

Salesforce Platformはライセンス料金だけで使えますか?

ライセンス契約後すぐに利用は始められます。ただし、独自の業務システムとして定着させるには、初期設定、権限設計、データ移行、教育、保守などが発生する可能性があります。

標準機能を自社で設定できれば、外注費を抑えられます。ただし、要件整理やデータ品質確認を省くと、後から追加改修が必要になることがあります。

Salesforce PlatformとSales Cloudの費用は同じですか?

同じではありません。Sales CloudやAgentforce Salesは、営業業務向けの製品・エディションです。

Platform上の業務システムは、標準機能に加えて独自オブジェクトやFlowを組み合わせます。さらに、Apex、LWC、外部連携などを加えることもあります。

契約製品や必要機能、ユーザー数、開発範囲が異なるため、営業支援のライセンス価格だけで、Platform開発の総額を判断しないようにします。

費用を抑えるために最初にやることは何ですか?

目的と対象業務を絞り、標準機能と独自開発の範囲を決めます。次に、ユーザー数、移行範囲、連携先、初回リリースの必須機能を整理します。

複数社から同じ条件の見積もりを取り、初期費用に加えて3年程度のライセンス、保守、追加改修、社内運用負荷を試算します。そうすれば、安さだけで選ぶリスクを減らせます。

Salesforce Platformの開発期間はどれくらいですか?

標準SFA・CRM中心なら2〜3か月、中規模で移行・連携を含むなら3〜6か月、複数部門や独自コードを含むなら6〜12か月以上が目安です。

期間は、要件が確定する速さや意思決定者の参加、データ整理で変わります。外部システム側の調整や受け入れテストの体制も影響します。短納期なら、初回リリースの範囲を小さくして品質を守ります。

まとめ

費用相場を判断する基準

標準設定中心なら初期30万〜100万円程度、中規模業務アプリなら150万〜600万円程度です。外部連携、Apex・LWC、複数部門、監査要件を含むと、1,000万円以上が目安です。

これらは公定価格ではなく、公開相場や事例から整理したレンジです。金額は、ライセンス、要件定義、移行、連携、教育、保守のどこまでを含むかによって変わります。

見積もり前に決めること

ライセンスと開発・運用費を分けて、初年度TCOを試算します。そのうえで、標準機能と独自開発の境界や初回リリースの範囲を明確にし、移行や権限設計、テスト、教育、保守の責任範囲も決めておきます。

複数社から同条件の見積もりを取り、将来の追加改修、内製化、引き継ぎも含めて比較します。価格だけでなく、Salesforce Platformを長く使ううえでのコストを抑えることにもつながります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。