日程調整ツールは、クラウド型を前提に、調整パターン、利用シーン、料金・契約条件を比べて選ぶと、自社に合う候補を絞り込めます。主要6製品を同じ観点で並べると、判断の材料がそろいます。各テーマの詳細は、関連記事でも確認できます。
▼全体ガイドの記事
・日程調整ツール開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
パッケージ型とクラウド型日程調整ツールの違い

日程調整ツールは、自社サーバーへ個別構築するパッケージ型より、クラウド型が市場の中心です。具体的な製品を比べやすいことから、本記事もクラウド型を対象にします。
パッケージ型の個別構築と自社運用
パッケージ型は、自社サーバーへ個別に構築する従来型です。外部カレンダーとの連携仕様や画面デザインを、自由に設計できる可能性があります。
ただし、GoogleカレンダーやMicrosoft Graphの仕様が変わるたびに、自社で継続して追従する体制が必要です。二重予約を防ぐ排他制御や、タイムゾーンをまたぐ表示の正確さも、自社の責任範囲になります。
パッケージ型では、導入時の自由度だけでなく、継続的な改修の体制と費用も見込んでおく必要があります。
クラウド型の短期導入とAPI追従の速さ
クラウド型は、サーバーを調達せずに使い始められます。さらに、外部カレンダーAPIの仕様変更やWeb会議サービスとの連携強化も、ベンダーが継続して更新します。
社外とのやり取りが日常的な営業や採用では、運用を止めずに機能改善を受けられる点から、クラウド型が第一候補になりやすい傾向があります。
製品を比較するときの共通の観点
製品が自社の利用シーンに合うかは、機能一覧を見て判断するのが難しい場面があります。そこで、同じ条件で候補を比べられるように、確認する観点をそろえておきます。
対応できる調整パターンの比較
まず、自社で実際に発生している調整の種類を一覧にし、各製品がどこまで標準で対応するかを比べます。
- 個人調整:1対1の日程調整に対応するか
- グループ調整:複数人が参加する調整に対応するか
- 業務フロー連携:採用面談や営業商談と連携できるか
「グループ調整に対応」と書かれていても、全員の予定を自動で照合できるのか、担当者が候補を手動で絞るのかで、使い勝手は異なります。このため、自社で実際に使う調整パターンを示してデモを依頼すると、機能の違いを判断しやすくなります。
連携・セキュリティ・ゲスト側画面の確認
相手が使う予約画面も含めて比べると、確認する範囲は予約画面から社内の管理まで広がります。
- ゲスト側の操作:スマートフォン対応、通知、変更・キャンセルの案内
- 外部連携:Web会議、CRM、採用管理システムとの連携
- アカウント管理:部署別の権限設定、退職・異動時の無効化
管理画面が使いやすくても、予約画面が分かりにくければ問い合わせが増え、定着しにくくなります。
Zoom・Microsoft Teams・Google Meetのうち、どれと連携できるかも比べる項目に入れます。詳しい評価手順は、日程調整ツールの選定ポイント・選び方・種類で整理しています。
日程調整ツールの主要クラウド製品6選
2026年7月時点で公式ページと料金・機能情報を確認できた6製品を紹介します。掲載順は優劣を示すものではありません。製品ごとに得意な調整と料金体系が異なるため、その違いを見て比べると役立ちます。
TimeRex(タイムレックス)
TimeRexはミクステンド株式会社が提供する、外部との調整に強いカレンダー連携型ツールです。営業から採用まで幅広い業務で使えます。
- カレンダー連携:GoogleカレンダーやOutlook予定表とリアルタイム連携
- 会議連携:Zoom・Microsoft Teams・Google Meetに対応
- 調整機能:複数人同席、会議室確保、設問項目のカスタマイズに対応
2026年7月時点の公式サイトでは、「フリー」は無料です。「ベーシック」は年払い換算で月額750円、「プレミアム」は月額1,250円です。月払いの場合は金額が異なるため、契約時に最新料金を確認します。
調整さんビジネス
調整さんビジネスは、月間600万人以上が利用する「調整さん」の法人向け有料版です。TimeRexと同じく、ミクステンド株式会社が提供しています。
調整さんビジネスでは、全ページの広告を非表示にできるほか、IPアドレスによるアクセス制限、パスワードポリシー、SAML認証によるシングルサインオンを備えます。
2026年7月時点の公式料金は、1ユーザーあたり月額100円(税抜)からです。ただし、最少契約人数は100ユーザーで、無料プランの案内は確認できません。そのため、契約条件は個別に問い合わせます。
eeasy(イージー)
eeasyは株式会社E4が提供する、営業担当者向けの日程調整ツールです。調整用URLによる調整のほか、複数人向けの「予約受付ページ」と「カスタム調整」があります。
ダブルブッキング防止、担当者の自動割り振り、会議室の自動確保にも対応します。料金面では、2026年7月時点で個人向けは無料ですが、月間調整が6回以上のユーザーには月額850円が発生します。
複数人向けの予約受付ページはオプションで、料金は月額9,800円から48,800円まで、プランにより異なります。そこで、利用規模に合わせて見積もりを確認します。
Jicoo(ジクー)
Jicooはジクー株式会社が提供し、カレンダー連携による調整に加えて、会議の自動録音・文字起こし・議事録生成を行う「ミーティングAI」を備えます。
条件分岐に対応したWebフォームや、Slack・Salesforce・Google Meetとの連携もあります。無料登録で利用を始められ、14日間の無料トライアルも用意されています。
2026年7月時点で有料プランの案内ページは確認できましたが、具体的な金額は表示されていませんでした。そのため、料金は個別に見積もりを取得します。
Spir(スピア)
Spirは株式会社Spirが提供するカレンダープラットフォームです。
- 提供元:株式会社Spir
- 連携:Google MeetやZoomの日程調整からカレンダー登録まで、一つの流れにまとめられる
公式サイトでは、リモートワーク下のチーム運用や採用業務での利用を訴求しています。また、2025年9月には料金プランの改定とFreeプランの機能制限変更が実施されたことを、ヘルプページで確認しています。
記事執筆時点では公式ページ本文に個別料金を確認できませんでした。具体額は記載せず、契約時に最新プランを公式サイトで確認します。
Calendly(カレンドリー)
Calendlyは米国Calendly社が提供し、日本国内でも営業や採用での利用実績が複数の国内メディアに紹介されています。イベントタイプの作成、カレンダー連携、リマインド、他社ツール連携に対応します。
2026年7月時点の公式料金は4段階です。「Free」は常時無料で、「Standard」は年払い換算で1ユーザーあたり月額10米ドル、「Teams」は16米ドルです。
「Enterprise」は年額15,000米ドルからです。為替や請求通貨の扱いは、契約時に確認します。
自社の利用シーン別に候補を絞る方法
6製品の細部を一度に比べるより、最も重視する利用シーンを決め、その用途に強い製品から検討すると効率的です。
営業商談の効率化を重視する場合
名刺交換の直後に調整用URLをすぐ渡し、Web会議室の自動発行やCRM連携で商談履歴を残したい場合は、eeasyやTimeRexなどが候補になります。とくに社外との調整を重視するなら、カレンダー連携型のTimeRexから比べると進めやすくなります。
調整回数が多い担当者は、回数や機能単位で課金体系がどう変わるかを確認します。そのうえで、想定人数と件数を各社に具体的に伝えると、見積もりを同じ条件で比べられます。
採用面談の効率化や法人セキュリティを重視する場合
複数面接官の予定を照合する場合は、業務フロー連携を意識したJicooや、チーム運用機能を持つSpirが候補になります。大人数で使う場合や、シングルサインオン・アクセス制限を重視する場合は、調整さんビジネスのような法人プランに強い製品を優先して比べます。
料金・契約前の確認事項

利用人数の増加や外部連携の追加で、想定外の費用が発生することがあります。そこで、料金表の月額費用だけでなく、導入準備、教育、日常運用も含めて判断します。さらに、将来の解約やデータ移行まで含めて検討します。
課金単位の確認
クラウド型の課金単位は、利用者数、月間調整回数、Web会議連携などのオプションによって、製品ごとに異なります。
まず、現在の人数だけでなく、1年後の想定人数と調整件数も各社へ伝えます。そのうえで、無料プランの範囲と有料プランへ移る条件を、同じ基準で見積もります。
料金を公開していない製品や、個別見積もりの製品もあります。そのため、確認できない具体額は推測で比較表に入れないようにします。
データ保持・セキュリティ・解約条件の確認
日程調整ツールでは、相手の氏名や連絡先、確定した打ち合わせの内容を扱います。そこで、権限管理と操作ログ、通信・保存時の保護を確かめておく必要があります。障害時の復旧やデータ保管場所も、あわせて確認します。
解約時に、データをどの形式で受け取れるかも確かめます。法人プランでは、必要なシングルサインオンやアクセス制限が標準で付くか、追加契約が要るかを、自社の方針に照らして整理します。
デモ・トライアルによる最終候補の絞り込み

資料比較で2〜3製品まで絞ったら、利用シーンに近いデモかトライアルを行います。担当者に加えて、相手役として操作するメンバーにも参加してもらうと、導入後の行き違いを減らせます。
1件の調整を通したテスト
実際に近い案件で、調整用URLの発行から候補日の選択までを、相手役と一緒に試します。そのうえで、確定後のWeb会議室の発行と、双方のカレンダー登録も確かめます。
複数人が同時にアクセスした場合の動きも試しておきます。候補日の変更やキャンセル時の案内、リマインド通知のタイミングも確認すると、実運用に近い評価ができます。
導入効果の実測と社内稟議への活用
トライアル前に、候補日調整の往復回数と確定までの日数を記録し、利用後と比べます。他社の削減事例は、そのまま当てはめないようにします。自社の件数と担当者の人件費をもとに、削減見込みを算出します。
無料プランでも、アカウント管理や問い合わせ対応の手間は残ります。そのため、その工数も差し引いて投資効果を判断します。
日程調整ツールの製品比較で押さえる点
無料の範囲やおすすめの順位だけでなく、自社の利用シーンと規模をそろえて比べます。判断が分かれやすい点を下にまとめました。
自社サーバーへの個別構築が必要な場合の対応
現在は、具体的な機能や料金を確認しやすいクラウド型が中心です。一方で、独自のセキュリティ基準や基幹システムとの深い連携が必須で、クラウド型では対応できない場合は、別の構成も比較します。
別の構成としては、個別開発や、クラウドサービスと基幹システムを組み合わせるハイブリッド構成があります。
おすすめの製品の決め方
全企業に共通する一位はありません。営業商談、採用面談、法人セキュリティなど、重視する利用シーンによって適した製品が変わるためです。
必須要件で2〜3製品に絞り、同じシナリオのデモやトライアルで比べます。
料金の比較基準
まず、同じ利用人数、想定の調整件数、必要な外部連携を各社に提示します。そのうえで、初期費用や月額費用に加えて、教育、社内運用、解約時のデータ出力にかかる費用も含めた総保有コストで比べます。
まとめ
自社サーバーに個別構築する製品より、継続して更新されるクラウド型を、利用シーンと規模に合わせて比べるのが現実的です。6製品にも、営業特化、法人向けセキュリティ重視、業務フロー統合といった違いがあります。
利用シーンの特定から2〜3製品への絞り込み
まず、営業商談、採用面談、法人セキュリティのうち、最も優先する利用シーンを決めます。そのうえで、対応する調整、ゲスト側の操作性、外部連携を同じ質問で比べれば、知名度や広告の訴求に左右されず候補を絞れます。セキュリティと料金も、同じ形式で並べて確かめます。
実際の調整シナリオでの確認
資料に並ぶ機能の数よりも、自社の日程調整を一気通貫で処理できるかを見ます。
- 一連の調整を試す:自社の日程調整を、最初から最後まで処理できるか
- 例外処理を確かめる:相手役を含む関係者による、例外時の動きの確認
- 効果を測る:削減時間と残る運用工数を見てから決める
既製のクラウド製品で独自の予約ルールや基幹システムとの深い連携に対応できない場合は、個別開発やハイブリッド構成も検討します。
riplaはフルスクラッチ開発の立場から、製品比較で見えた不足機能の整理や、自社業務に合わせたシステム構築を支援しています。
▼全体ガイドの記事
・日程調整ツール開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
