学校管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

学校管理システムの費用は、学校種別と導入方式によって変わります。データ移行や連携の範囲によって、初期費用は30万円〜1億円超、5年総額は150万円〜1億円超まで広がります。

費用を左右するのは、学校数や登録人数、移行量、既存サービスとの連携です。

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学校管理システムの全体像と費用の考え方

学校管理システムは、児童生徒・学生の基本情報や学籍を一元管理する仕組みです。また、出欠、成績、健康、進路、教職員、保護者連絡なども管理対象になります。

費用は、システム価格に加えて、学校数や登録人数、移行量、既存サービスとの連携によって変わります。さらに、帳票や評価制度の独自性も、見積もりに含めて考える必要があります。

公立・私立・大学で異なる必要機能

学校種別によって、標準機能で対応できる範囲と、追加が必要になる機能は変わります。

  • 公立校:複数校での運用と帳票の標準化が中心
  • 私立校:独自の制度や法人内の複数校管理が加わる
  • 大学・専門学校:学務機能とキャンパス別の権限が欠かせない

小中高校の校務支援では、学籍管理、出欠、成績、通知表、指導要録が中心になります。そこに、健康管理、時間割、保護者連絡も主な管理対象として加わります。

公立校や教育委員会では、複数校の権限管理と年度更新が重要になります。加えて、自治体の学齢簿との連携や帳票の標準化も求められます。

私立校では、コース制や中高一貫の進級、独自の評価項目が追加されがちです。入試や学費、学校法人内の複数校管理も、費用に影響します。特に、標準機能に収まるかどうかで、必要な費用は変わります。

誰が何を管理するかによる見積もり範囲

利用者ごとに、どの情報へアクセスできるかを決めておく必要があります。

  • 教職員:校務情報の入力と更新を受け持ちます。
  • 管理職・事務職員:承認や集計が主な役割です。
  • 保護者:欠席連絡と通知表の確認
  • 教育委員会:複数校にまたがる情報の集計

対象者は教員に限らず、校長、教頭、養護教諭、事務職員にも広がります。教育委員会や保護者が使う画面を加えると、設計の範囲も増えます。

保護者向けポータルを作る場合は、認証、通知、問い合わせ対応の設計が必要になります。また、個人情報をどこまで公開するかも、あらかじめ決めておく必要があります。

大学・専門学校では、履修登録、シラバス、成績、証明書を扱います。さらに、入試、学費・学納金、キャンパスや学部ごとの権限も加わります。そのため、小中高校向けの相場をそのまま当てはめられません。

5年TCOによる費用の比較

導入から契約終了までの費用を合計し、月額と並べて比べます。

  • 導入費:初期導入、設定、データ移行を含みます
  • 運用費:月額と保守、研修、連携の費用
  • 終了時費用:データ返却や将来の変更に関わる費用

契約終了時のデータ返却費や、追加校・追加ユーザーの単価も確認しておきます。また、法改正に伴う帳票改修や障害時の現地対応は、別料金になる場合もあります。なお、月額が低くても、必要なオプションを足すと総額の順位が逆転することがあります。

ポイント

費用は学校種別、利用者の範囲、移行と連携の量によって大きく変わります。金額を比べる前に対象範囲を先に決めておくと、判断の基準が定まります。

学校管理システム開発の進め方

学校管理システム開発は、まず現状業務を洗い出すことから始まります。その後は要件定義と設計へ進み、最後に段階導入へ移ります。

初期段階で機能を増やしすぎないことは、費用と納期を管理するうえで欠かせません。そのため、学籍・出欠・成績などの中核業務を基準に、優先順位を付けます。

  1. 現状業務の洗い出し。
  2. 要件と対象範囲の決定。
  3. 設計と初期設定。
  4. データ移行。
  5. 実業務に沿ったテスト。
  6. 利用者への研修。
  7. 段階的な導入。

要件定義・企画での業務と対象範囲

業務をシナリオ単位で洗い出すと、必要な機能が見えてきます。

  • 業務シナリオ:担当者から出力帳票までの流れ
  • 対応方法:標準、設定変更、追加開発の区分
  • 制度要件:法定要件と慣習の切り分け

学籍や出欠、成績を業務ごとに洗い出し、保健や進路、帳票も同じ要領で整理します。あわせて、保護者連絡、入試、徴収金も業務シナリオに含めます。

担当者や入力元、承認者を整理します。出力帳票と年度更新の時期も、あわせて書き出します。また、二重入力が起きている業務も確認しておくと、要件が明確になります。

標準機能、設定変更、追加開発のどれで対応するかを、業務ごとに分けます。また、独自帳票や評価ルールも、制度上必要なものと慣習とを切り分けます。慣習で続いている仕様を見直すことは、費用を抑えることにもつながります。

設計・開発で先に決める権限と連携

設計では、画面や帳票に加えて、データの扱い方まで決めます。

  • 権限:職務ごとの最小権限
  • 業務処理:年度更新と転校処理の設計
  • 連携方式:APIやCSVによる受け渡し

データ項目や権限、承認経路を決め、年度更新の方法も設計の段階で確定させます。転校、退学、卒業の処理も、同じ段階で確認します。

担任は学級の出欠を入力し、養護教諭は健康情報を扱えるように設定します。また、教育委員会は複数校の集計を見られるようにします。

学齢簿、学習支援サービス、認証基盤とも連携できます。加えて、保護者連絡や会計・徴収金との連携も対象に含めます。

APIが使えるか、CSVで受け渡すか、連携の頻度はどうかを確認します。さらに、エラー時の再送方法まで決めておくと、運用時の対応が明確になります。

連携先が一つ増えるたびに、接続、認証、データ変換の工数が発生します。また、テストや運用監視の工数も、連携先の数に応じて増えます。

テスト・移行・研修を含む稼働計画

稼働前の検証では、実際の業務シナリオを使うことが欠かせません。

  • 業務テスト:出欠や成績の処理の確認
  • データ移行:欠損や重複の修正
  • 研修:職種ごとの操作演習

出欠訂正や転入・転出をテストします。学年更新と成績確定も、テストの対象に含めます。あわせて、通知表の出力、指導要録の保存、健康情報の閲覧も確認します。

同時アクセスが増える時期には、本番に近いデータ量で性能を確かめます。移行では、Excelや旧システムの項目を新システムの項目へ対応付けます。そのうえで、移行データの欠損、重複、表記揺れも直します。

研修は、管理職、一般の教職員、事務・保健担当に分けて行います。マニュアルに加えて、操作演習と問い合わせ窓口も用意します。

学校管理システムの費用相場とコストの内訳

クラウドSaaSとフルスクラッチの初期費用を比べる図。
導入方式によって初期費用の幅が異なります。

費用は、クラウドSaaS、パッケージ導入、カスタマイズの順に大きくなりやすいです。フルスクラッチや複数校の共同利用では、さらに高額になります。

ここに示すのは、2026年時点の公開価格と一般的な見積もりの進め方を組み合わせた、編集部の試算です。全国共通の公定価格ではなく、学校規模や利用者数によって上下します。加えて、移行量、連携数、セキュリティ要件によっても金額は変わります。

クラウドSaaS・標準利用の初期費用(30万〜100万円が目安)

標準的なクラウド型では、初期費用30万〜100万円が目安になります。

  • 小中学校:月額2万〜10万円程度が目安
  • 公開価格:小中学校は月額21,000円
  • 5年総額:条件次第で150万〜297万円

株式会社システムディのSchool Engineは、2026年8月時点で価格が確認されています。デジタル庁の教育DXサービスマップでも、小中学校の月額は21,000円となっています。

一方で、高等学校の月額は44,000円で、初期導入費用は330,000円です。小中学校の5年総額は、初期費用の33万円に月額2.1万円の60か月分を加えた159万円です。高校の5年総額は、同じ33万円に月額4.4万円の60か月分を加えた297万円です。

出典は、デジタル庁「教育DXサービスマップ」、2026年閲覧です。

サポートや初期データ設定が、別料金の場合があります。研修や保護者向け機能も、別料金になることがあります。そのため、移行作業も含めて、見積もりの段階で確認しておきます。

パッケージ導入の初期費用(100万〜300万円程度から)

既製パッケージの初期費用は、100万〜300万円程度が一つの目安になります。

  • 標準導入:既製機能を設定して導入
  • 追加対応:移行、帳票、連携の追加
  • 保守:初期費用の10〜20%程度という例もあります

標準機能が成熟していれば、ゼロから作るより短い期間で導入できます。ただし、データ移行や権限設定を足すと費用が増えます。帳票変更、外部連携、操作研修も、加えるほど費用はかさみます。

追加対応を含めた場合、5年総額は300万〜700万円程度になるケースもあります。また、問い合わせ対応や法改正対応が契約に含まれるかも確認しておきます。

カスタマイズ・スクラッチの費用(500万〜3,000万円以上)

独自の評価制度や学校法人特有の承認があると、カスタマイズの量が増えます。

  • 大規模カスタマイズ:初期300万〜1,000万円以上
  • フルスクラッチ:500万〜3,000万円程度
  • 複数校共同利用:2,000万〜1億円超が目安

複雑な学費計算や複数キャンパス、特殊な帳票も、費用を押し上げる要因になります。

大規模なAPI連携を組み込む場合も、初期費用が上がることがあります。また、大学・専門学校の基幹学務システムは、2,000万〜8,000万円程度です。

大規模法人では、1億円超の試算になることもあります。ここに挙げた金額は、要件を限定しない場合の推定レンジであり、正式な見積もりではありません。

見積書で分けて確認する費用項目

費用項目を分けておくと、初期費用と運用費を比べやすくなります。

  • 初期導入・環境設定:利用環境の準備
  • 要件定義・設計:業務と仕様の整理
  • 画面・帳票開発:必要な画面や帳票の作成
  • データ移行・外部連携:旧データと他サービスの取り扱い
  • テスト・研修・保守:検収から継続利用までの確認

テスト・検収の範囲、研修・導入支援の内容、保守・クラウド利用料の扱いも、あわせて見ておきます。特に、初期導入が安くても、移行費が一式表記になっている場合があります。

連携費がオプションになっていたり、研修に回数の上限があったりすることもあります。

移行費には、項目変換、欠損確認、重複除去が含まれるかを確かめます。さらに、過年度データの保存、移行リハーサル、移行後の照合も対象に含めて考えます。

バックアップ、災害対策、障害時の復旧目標も、5年TCOに含めて考えます。加えて、データ返却費も、契約終了時の費用として確認します。

ポイント

初期費用はクラウドSaaSから大規模なカスタマイズまで幅があります。ここに挙げた金額は目安なので、比べるときは5年総額まで含めて見ます。

学校管理システムの費用が変動する要因

費用を中心に、学校規模、移行データ、外部連携、帳票、セキュリティ・可用性・サポート要件を配置した図。
対象範囲と運用要件が見積もりの幅をつくります。

1校だけの標準利用と、自治体全体の共同利用では前提が異なります。そのため、価格は機能数に加えて、対象範囲と運用の難しさから比べます。

学校数・児童生徒数・教職員数による料金差

料金体系によって、学校数や利用者数が料金に与える影響は変わります。

  • 学校ライセンス型:学校数が料金に影響
  • ユーザー課金型:児童生徒数などで変わる
  • 共同利用:標準化の範囲で左右される

1校から10校へ広げる場合は、追加校ごとの初期設定費がかかります。加えて、データ分離、自治体全体の権限、ヘルプデスクの増員も必要になります。

共同利用で学校ごとの帳票や運用を残すほど、標準化の効果は薄れます。その分、設定、研修、問い合わせ対応の費用も増えます。そこで、複数校では、全校共通にする項目と学校ごとの項目を先に分けておきます。

移行・API連携・帳票の数による工数の増え方

既存データや外部サービスが増えるほど、設計と検証の工数も膨らみます。

  • 移行データ:年数や項目数で作業量が変わる
  • 外部連携:認証とエラー対応の確認
  • 帳票:様式の違いによる個別調整

旧システムやExcelから移行する場合は、データの年数と項目数を確認します。文字コードや、画像・添付ファイルの有無も、作業量に影響します。

外部連携では、認証方式、API仕様、連携頻度を確認します。さらに、エラー通知や相手側の改修費も、見積もりの対象になります。

通知表や指導要録、健康診断票などのほか、出願書類も帳票の例です。自治体や学校法人ごとに様式が違うと、そのぶん個別の調整が必要になります。

見積もりの前に、帳票の現物、サンプルデータ、連携先の一覧を、発注側から渡しておきます。事前に情報をそろえておけば、後からの追加請求を減らせます。

セキュリティ・可用性・サポート要件の費用への影響

個人情報の重要度と、業務が止まったときの影響をもとに、要件を決めます。

  • 情報保護:権限と暗号化の整備
  • 可用性:バックアップと復旧方法の決定
  • 支援体制:監視や休日対応の確認

氏名や生年月日、健康情報は、個人情報に当たる可能性があります。出欠や評点も、個人情報になり得ます。そのため、アクセス権限、通信・保存データの暗号化、操作ログが必要になります。

さらに、バックアップ、障害復旧、委託先管理も要件に含めます。文部科学省は、2025年3月のガイドラインで情報資産の管理を示しています。その内容には、クラウド活用を踏まえた分類・管理や、強固なアクセス制御の見直しが含まれます。

出典は、文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」です。

また、多要素認証、監査ログの長期保管、冗長化、災害対策も費用に影響します。24時間監視や休日の障害対応まで求めるほど、月額や構築費は上がります。必要な水準を先に決めておくと、過剰な構成を避けられます。

ポイント

費用は機能数より、対象範囲と運用の難しさで決まります。学校数や移行データ、外部連携の量を先に確認しておくと、見積もりの幅が読めます。

学校管理システムの見積もりを取る際のポイント

複数社へ同じ条件のRFPを渡し、金額と前提条件をそろえて比べます。移行や運用にかかる費用まで比べるには、機能一覧とは別に見積もりの中身を並べる必要があります。

学校現場の担当者が業務シナリオを示し、各社に同じ操作をデモしてもらいます。

RFPに書く対象範囲・前提・納品物

RFPの条件をそろえておくと、各社の見積もりを同じ基準で比べられます。

  • 対象範囲:学校や人数、業務、データの記載
  • 運用条件:連携や帳票、研修、支援の提示
  • 検収条件:実業務での合格基準

対象校数や児童生徒・学生数、教職員数を書きます。利用者区分も明記します。対象業務や既存システム、データ量、移行対象年度も、あわせて書いておきます。

連携先や帳票、希望稼働時期を示します。研修回数とサポート時間も示したうえで、SLA、契約期間、データ返却条件もRFPに含めます。

要件は「必須」「できれば必要」「将来検討」に分けておきます。また、第一段階の対象を絞っておくと、各社の見積もりを同じ条件で比べられます。

検収条件は、画面が表示されるかどうかにとどめません。出欠訂正や年度更新、成績確定、帳票出力まで具体化します。さらに、権限設定や連携エラー処理ができることも、検収条件に含めます。

価格・適合性・支援体制で見る複数社の比較

価格に加えて、業務への適合性と導入後の支援を確認します。

  • 価格:初期費用から5年総額までの比較
  • 適合性:標準機能と業務の相性
  • 支援体制:研修と障害復旧の方法

候補会社には、同じRFPと同じデータ条件を渡します。そのうえで、初期費用と月額、保守は分けて示してもらいます。移行、連携、研修も、別の項目として提示してもらいます。

追加開発と5年総額は、それぞれ別の欄で示してもらいます。また、標準機能の範囲や、学校種別ごとの導入実績も確認します。

年度更新や転校処理の使いやすさも、評価の対象になります。そのうえで、現場研修、導入後のヘルプデスク、担当者交代時の引き継ぎを確認します。障害時の復旧体制も、契約の前に確認しておきます。

機能が多くても、現場で入力が二重になると費用対効果は下がります。実際の教職員にデモを操作してもらい、日常業務の時間が短くなるかを確かめます。

追加費用とベンダーロックインを防ぐ契約条件

見積もりの曖昧な項目と、契約終了時の条件は、先に確認しておきます。

  • 追加費用:「一式」や「別途協議」の表記
  • 契約条件:権利や復旧時間の明記
  • データ移行:標準形式で返却できるか

法改正対応、帳票の軽微な修正、ユーザー追加は、費用差が出やすい項目です。学校の追加やデータ修正のほか、休日対応と障害復旧も確認します。さらに、契約終了時のデータ出力が別料金かどうかも確かめます。

契約書には、納品物の権利、データの所有権、再委託先を書いておきます。そのうえで、秘密保持、事故発生時の報告、復旧時間も明記します。サービス停止時の通知と、データ返却の形式・費用も定めます。

CSVや標準形式でデータを取り出せるかは、事前に確認しておくとよいでしょう。こうしておくと、将来のベンダー変更や他システムとの連携について、選択肢を残せます。

ポイント

見積もりは、同じRFPと同じ条件で複数社から取り、5年総額と追加費用まで比べます。デモで実業務の流れを確かめる手順も、あわせて行います。

学校管理システムのコストを最適化するポイント

標準機能の優先、段階導入、データ移行と研修を示す3枚のチェックカード。
費用を抑える対応と、稼働後を支える準備を並べています。

コストを抑えるには、単価以外の部分も含めて見直します。使わない機能や重複する運用にかかる費用を減らし、その分を重要な領域に振り向けます。

そのうえで、データ移行、セキュリティ、定着支援に予算を回すことが大切です。最初から全機能を開発せず、効果を測りながら段階的に広げます。

標準機能の優先と、業務・帳票の整理

追加費用を抑えるには、次の3つの観点で見直します。

  • 標準機能:業務を合わせられる範囲の確認
  • 帳票整理:法定帳票と内部帳票の区別
  • 学校間標準化:研修や問い合わせの効率化

Excelの集計や、担当者だけが分かる独自帳票を再現すると、費用が増えます。カスタマイズは将来の保守費用も増やします。そのため、必要性を見直します。

内部帳票は、標準レポートやCSV出力で代えられないかを検討します。法定や自治体指定の帳票は、この検討とは別に扱います。

学校側がシステムに合わせられる業務を見極めると、追加費用を抑えられます。また、問い合わせ対応も、学校間で標準化したほうが効率的です。

中核機能からの段階導入と効果測定

利用頻度が高く、二重管理が起きやすい業務から導入します。

  • 第一段階:学籍、出欠、成績に絞る
  • 第二段階:連絡や健康情報の追加
  • 検証:パイロット校での効果測定

なお、第一段階には通知表も対象に含めます。第二段階では、保護者連絡と健康情報に加えて、進路と徴収金を追加します。Web出願も、導入効果と現場の負荷を見ながら加えます。

パイロット校や一部学年で検証すると、全校展開後の手戻りを避けられます。一方で、旧システムとの並行稼働が長引くと、二重入力が続きます。

段階導入では、終了条件と切り替え日を先に決めておきます。

データ移行と研修の確保による運用コストの抑制

移行作業や研修を削ると、稼働後に見えにくいコストが増えます。

  • 移行前整理:不要な過年度データの整理
  • 再利用できる研修:動画や手順の整備
  • 権限管理:異動時の変更を管理者が行う

そうなると、教職員が個別にデータを直したり、問い合わせが集中したりします。

研修は、全員に同じ内容を一度だけ行う形にしません。校内の管理者を育て、短い動画や操作手順を再利用します。異動や新任者への教育費用も抑えられます。

アカウントの発行・停止・権限変更を管理者が行える設計にしておくことも大切です。

ポイント

コストを抑えるには、単価だけでなく、標準機能の活用と段階導入、移行や研修、セキュリティを削らないことを組み合わせて考えます。

よくある質問(FAQ)

学校管理システムの費用を検討するときに、担当者からよく寄せられる質問をまとめます。判断の際は、価格だけでなく、対象範囲と将来の運用まで含めて考えることが欠かせません。

学校管理システムの開発費用は最低いくらですか?

標準的なクラウドSaaSの費用は、次の3つの区分で見ると分かりやすいです。

  • 初期費用:30万〜100万円程度から
  • 5年総額:1校では150万〜600万円程度
  • 追加開発:要件に応じた別見積もり

5年総額には、月額利用料や保守のほか、初期データ設定や移行、研修、連携も含めて考えます。なお、独自業務を追加開発する場合は、要件に応じた別見積もりになります。

クラウドとフルスクラッチはどちらが安いですか?

初期費用だけで比べるなら、一般的にはクラウドSaaSが安くなりやすいです。

  • クラウドSaaS:初期費用を抑えやすい
  • フルスクラッチ:独自業務に合わせやすい
  • 比較方法:5年TCOと適合性の確認

クラウドSaaSは、サーバー構築やバージョンアップの負担も抑えられます。ただし、独自の評価制度や複雑な学費計算を合わせられない場合は、追加対応が必要です。

その場合、カスタマイズや別運用が必要になることもあります。将来の変更費用も含めて比べることが大切です。

学校管理システムの費用を抑えるには何を削ればよいですか?

利用頻度の低い機能や、慣習で続けている帳票から見直すと、費用を抑えやすくなります。

  • 削減候補:低頻度の機能や独自帳票
  • 残す領域:個人情報保護や移行検証
  • 進め方:標準機能と段階導入の活用

重複している連携や、全校同時に導入しなくてもよい業務も、削減候補になります。

一方、個人情報の保護、バックアップ、移行検証は、削らないことが大切です。受入テストや現場研修を削ると、事故や手戻りの費用が増えかねません。

安全なのは、標準機能を使う範囲を広げ、段階導入で効果を確かめる方法です。

2026年の学校管理システム選定で何を確認すべきですか?

クラウド利用とアクセス制御、データ連携、ロケーションフリーな校務を確認します。

  • 安全性:アクセス制御と障害復旧の確認
  • 継続性:契約終了時のデータ返却
  • 業務効果:時間を減らせるかの評価

文部科学省は、2029年度までに次世代校務システムの導入割合を100%とする方向を示しています。あわせて、ロケーションフリーで校務処理を行う自治体の割合も、100%を目標としています。

出典は、文部科学省「令和7年度以降の学校におけるICT環境の整備方針」、2025年です。

2026年度に実施される校務DX等加速化事業では、5年間で時間外在校等時間を約3割縮減します。また、2029年度までに、平均の時間外在校等時間を月30時間程度にすることを目標としています。

出典は、文部科学省「校務DX等加速化事業」、2026年です。

機能の多さよりも、業務時間を減らし、安全に使い続けられるかを評価することが大切です。

まとめ

学校管理システムの費用は、標準的なクラウドから大規模な構築まで幅があります。標準クラウドは、初期費用30万〜100万円、月額2万〜10万円程度が目安です。

一方で、パッケージやカスタマイズは初期費用が100万〜1,000万円以上になります。また、フルスクラッチや複数校の共同利用は、数千万円から1億円超まで広がります。

移行と連携、帳票の費用を含めて比べます。さらに、研修や保守、セキュリティ、データ返却も比較の対象にします。導入時の価格に加えて、5年TCOで判断することが重要です。

見積もりでの5年総額と追加費用の確認

見積もりの前に、対象校や利用者、業務を整理します。データや帳票も、あわせて整理します。

  • 比較条件:連携先とセキュリティ要件のそろえ方
  • 実業務確認:デモでの処理の流れの検証
  • 削らない領域:移行、テスト、研修

発注側は、連携先とセキュリティ要件も整理し、複数社へ同じ条件で依頼します。

出欠訂正や年度更新、成績確定、権限変更を、実業務の流れで確認します。さらに、データ出力まで確かめ、導入後の運用を具体化します。

費用を抑えたい場合も、標準化できる業務を増やします。そして、中核機能から段階導入することを優先します。

個人情報の保護や移行検証は削りません。テストや研修、障害対応も残します。これらを残すことが、結果として費用を抑えることにつながります。

現状業務の洗い出しとRFP作成の着手

最初に行うのは、現状業務の洗い出しとRFP作成です。この段階で、導入範囲と将来の運用条件を整理します。

  1. 学籍・出欠・成績・保健・保護者連絡などを一覧にし、二重入力と年度更新の課題を洗い出します。
  2. 必須要件と将来要件を分け、移行対象と連携先を整理します。
  3. 5年TCOの計算条件をRFPにまとめます。
  4. 導入時の価格に加えて、安全な運用と教職員の負担軽減まで確認し、選びます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。