水産物のトレーサビリティは、漁獲・養殖から加工・保管・販売までの来歴をロット単位で追えるかどうかで、開発会社を比べると違いが見えてきます。
- 自社の業務範囲と現場の運用の整理、そのうえでの必要な機能の比較
- 支援範囲と対象業務への適合性
- 候補サービスの機能と、現場での使いやすさ
- 既存設備・データとの連携方法
- 導入後の定着支援と運用条件
実在する6社は得意な工程がそれぞれ異なるため、工程ごとに比べると、自社に合う候補を絞りやすくなります。
▼全体ガイドの記事
・水産業向け水産物トレーサビリティシステム開発の完全ガイド
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水産業向け水産物トレーサビリティシステムのパートナー選びが重要な理由

水産物トレーサビリティの成否は、製品の機能数よりも、工程ごとのデータ設計をどこまで詰められるかで決まります。漁船、漁港、産地市場を経て加工場へ入り、その後、冷蔵庫、卸売会社、小売会社へと渡ります。漁船から小売までの各工程では、使う端末も記録する項目も異なるため、責任の範囲を先に決めておく必要があります。
来歴をさかのぼるには、商品番号に加えて、中身の記録が必要です。漁獲の段階では、漁船や養殖場、漁場、陸揚げ港を、魚種や漁獲日時とあわせて記録します。加工の段階では、重量や温度、加工歩留まり、ロットの分割・統合まで、現場の負担を抑えながら正確に残す必要があります。
パートナー選定が成否を分ける理由
水産物では、同じ原料ロットを複数の製品や出荷先へ分けることがあります。反対に、複数の漁獲ロットを加工工程で一つにまとめることもあります。分割・統合の履歴を残せないと、事故や問い合わせが起きたときに、どの商品を回収すべきかを絞り込めません。
重量が箱、ケース、キログラム、尾数へ変換される工程もあるため、在庫管理システムをそのまま流用できない場合があります。また、水産流通適正化法では、対象の水産物について、取引時の情報伝達や取引記録の作成・保存などが求められます。改正法は2024年6月26日に公布され、2026年4月1日に施行されました。
自社の対象魚種や取引形態が制度の対象かどうかは、水産庁の最新資料と、自社の法務・品質管理の担当者で確かめます。開発会社の説明は参考にとどめ、判断の根拠にはしないことが大切です(出典: 水産庁「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」、2026年施行情報)。
発注前の確認ポイント
発注前には、対象魚種、対象拠点、関係する取引先、記録するイベントを一枚の資料にまとめます。そのうえで、必須の帳票、保存期間、障害時の代替手順も書き添えておくと、提案の比較がしやすくなります。
たとえば「漁獲情報を登録する」という要件は、「漁船または生産者、魚種、漁獲日と漁場、陸揚げ港、重量、漁獲番号を、電波が不安定な港でも登録し、通信復旧後に同期する」と具体的に定めます。ここまで具体化すると、パッケージで対応できる範囲と、追加開発が必要な範囲を比べられます。
法令対応とブランド訴求は、分けて考えます。水産庁の漁獲情報等伝達サブシステムは、漁獲番号の伝達や取引記録の作成・保存に使える無償のWebシステムで、スマートフォン、タブレット、PCから利用できます(出典: 水産庁「漁獲情報等伝達サブシステムについて」)。一方で、複数拠点の加工管理や計量器連携、QR表示まで必要なら、専用システムや追加開発を検討します。
株式会社ripla|コンサルティングから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援を強みとしています。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaに相談する強みは、トレーサビリティを独立した記録画面として切り出さず、既存の業務全体から要件を整理できる点です。水産業では、販売管理、在庫、加工、生産計画、会計、取引先向けの帳票がすでに稼働していることが多く、そこへ別のシステムを足すと、同じ情報を二度入力する場面が生じます。
開発では、現場の業務を調べ、何をマスターとして管理するか、どのシステムからどの情報を受け渡すかを決めたうえで、クラウド、Web、モバイル、APIなどの構成を選びます。
また、最初から全拠点を対象にせず、1魚種・1工場・1〜2社の取引先でMVPを作る進め方が現実的です。入力時間、入力漏れ率、回収対象を特定する時間、紙伝票の削減枚数などのKPIを確かめてから、展開します。制度上の必須記録、現場の効率化、認証・輸出・消費者向け公開を段階に分けると、予算と運用負荷を抑えやすくなります。
得意領域・実績
営業・顧客・生産・販売管理などの基幹システムの経験を活かし、水産加工会社や市場、卸売会社が持つ既存データとの連携を含めて設計したい企業に適しています。ただし、水産専用パッケージをそのまま導入する会社というより、課題の整理からシステムの組み立てを相談する会社です。
たとえば、入荷ロットを加工ロットへ変換し、完成品ロットから出荷先を検索する機能、温度・検品・認証情報を履歴にひも付ける機能、取引先ごとに異なる帳票を出力する機能などを、業務要件に合わせて検討できます。
見積依頼時には、漁船や港でのオフライン入力、計量器・ラベルプリンター連携、API、ロット分割・統合を具体的に伝えてください。そのうえで、権限、監査ログ、保守窓口を含め、どこまで標準機能で対応するかを確認します。
アイエックス・ナレッジ株式会社|海から食卓までをつなぐOcean to Table

アイエックス・ナレッジ株式会社は、Ocean to Table(オーシャン・トゥー・テーブル)の代表機関・システム開発側として、水産物のトレーサビリティサービスを展開する会社です。
同社の公式サービス説明では、ブロックチェーン技術を活用し、漁業者・養殖業者、流通加工業者、小売店や飲食店などの情報を海から食卓までつなぐ仕組みとされています。
特徴と強み
強みは、法令対応にとどまらず、産地や漁獲者、サステナビリティ、商品のこだわりを消費者に伝えるところまで視野に入れている点です。水産物の履歴は、社内の監査に使うほか、店頭やECで「いつ、どこで、誰が獲ったか」を説明するブランド情報にもなります。
複数の会社が参加する場合は、各社の入力範囲と閲覧範囲を設計し、許可されたデータを共有する仕組みが必要です。ブロックチェーンは、登録後の履歴を参加者間で共有しやすくする技術ですが、入力された情報が正しいことまでは自動的に保証しません。
漁獲時点の入力責任者、訂正ルール、計量値の確定タイミング、誤入力時の承認フローは、先に決めておくことが大切です。そのうえで、技術名よりも、現場データの品質管理まで提案できるかを見ます。
得意領域・実績
船橋産スズキを扱ったOcean to Tableの実証では、漁獲から販売までの情報をつなぎ、QRコードから消費者へ情報を公開する考え方が示されています。また、公式ページでは、Ocean to Table Councilが2020年10月に設立され、現在11社が参加していると説明されています(出典: アイエックス・ナレッジ「水産トレーサビリティサービス」、2026年確認)。
漁獲者、加工会社、販売会社、IT会社をまたぐプロジェクトの経験を重視する企業に適しています。自社だけで完結しない産地連携や、認証水産物の価値を販売に結び付けたい場合にも候補になります。
相談時は、消費者向けの表示を必須にするのか、まずは事業者間の記録に限定するのかを分けて伝えます。前者ならQR画面の更新や個人情報の扱い、後者なら取引記録の保存期間や検索性能を詰めることになります。
日本アイ・ビー・エム株式会社|複数事業者で共有するクラウド基盤の構築

日本アイ・ビー・エム株式会社は、Ocean to Tableプロジェクトに参画したクラウド・システム側の候補です。水産庁の「水産分野におけるデジタル化等に取り組む事業者一覧」でも、Ocean to Tableプロジェクトの支援事業者として掲載されています。
IBMには、食品サプライチェーンのデータを許可された参加者間で共有するFood Trustや、トレーサビリティを含むサプライチェーン基盤の知見があります。
特徴と強み
複数の企業が同じデータ基盤を利用する場合、アクセス権限、データの公開範囲、API、監査ログを設計する必要があります。さらに、暗号化、バックアップ、障害復旧もまとめて検討します。
大手小売や輸出を含むサプライチェーンでは、企業ごとに異なる既存システムを接続するため、システム間連携の標準化やセキュリティレビューを重視できる会社が適しています。一方で、1工場だけの記録を低予算で始めたい場合は、クラウド基盤の設計が過剰になる可能性があります。
データを共有する参加者が何社いるのか、誰がどの情報を登録するのか、将来どの国や取引先へ広げるのかを整理してから相談します。IBMの食品向けサービスを採用する場合は、対象製品の提供範囲、契約形態、国内の導入支援体制、既存システムとの接続費用を個別に確認してください。
得意領域・実績
IBMは、漁獲情報を集める現場アプリを単独で選ぶというより、許可された参加者がサプライチェーン全体の情報を共有する基盤を検討したい企業に合います。たとえば、産地市場、加工会社、物流会社、小売会社がそれぞれの工程データを持ち、出荷ロットをキーに連携する構成になります。
海外取引や取引先監査を見据える場合は、データ項目の英語化、帳票出力、利用者の本人確認なども要件に入れます。
水産庁の一覧に掲載されていることは、特定の法令対応や個別製品の品質を保証するものではありません。そのため、提案依頼では、過去の水産案件での担当範囲、現在も利用できるサービスか、国内の保守体制、障害時の復旧目標、データを自社へ戻す方法を尋ねます。
株式会社ライトハウス|漁労IoT「ISANA」による上流の漁獲情報の整備

株式会社ライトハウスは、漁船・船団側の情報をデジタル化するサービスを持つ会社です。公式サイトのISANAは、まき網・ひき網漁で船団内の魚群探知機、ソナー、マップなどのデータをタブレットに集約して一覧できるサービスと説明されています。
漁獲時点の情報を後工程へ渡したい場合に、上流側のデータ整備を相談できる候補になります。
特徴と強み
トレーサビリティの精度は、加工場に届いてからの入力よりも、最初の漁獲情報がどれだけ欠けずに記録されるかで左右されます。船上や港では、通信環境、端末の耐水性、入力者の習熟度、複数船の情報をまとめる運用が課題になります。
漁船ごとに異なる機器や作業手順を把握している会社なら、漁獲番号、魚種、漁場、漁獲日時、船名、数量などを、後工程で使える形にそろえやすくなります。ただし、ISANAのような漁労IoTは、加工場のロット変換や出荷先管理をすべて代替するものではありません。
上流データをどのAPIやCSVで市場・加工システムへ渡すのか、電波がない場合に何を端末へ保持し、いつ同期するのか、誤った魚種や重量を誰が訂正するのかを要件にします。役割を分けて複数の会社を組み合わせる場合は、全体の責任者を一社に決めておくことが欠かせません。
得意領域・実績
漁獲情報連携を優先したい漁協、漁船団、産地市場、鮮魚販売会社に適しています。水産庁の事業者一覧では、ISANAとWaaFが支援内容として掲載され、Ocean to Tableの参加企業としても公式ページに記載されています。
生産者から販売までのストーリーをつなぎたい場合も、最初に漁獲データの取得方法を固めておくと、後からQR表示や認証情報を加える際の前提になります。漁労支援とトレーサビリティを一つのシステムにまとめる場合でも、現場での入力責任とデータの確定タイミングは分けて設計することが安全です。
相談時は、利用する漁船数、対象となる漁法、船内で使う端末、通信圏外の時間、機器から取得できるデータ項目を示してください。そのうえで、加工場側のロット番号や計量値とどのキーで結び付けるかを確認します。
株式会社内田洋行|食品工場の入荷から出荷までを標準機能で管理

株式会社内田洋行は、食品製造業向けの食品トレーサビリティシステム「Trace eye FOOD-Pro」を扱う会社です。原材料の入荷から製造、製品出荷まで、工場内のモノの動きを管理し、現場端末やバーコード、計量器などを組み合わせて記録できます。
漁獲現場よりも、水産加工場で原材料の受け入れ、配合、加工、包装、出荷を確実にしたい企業に合います。
特徴と強み
食品工場では、原料ロットが複数の製品へ分かれたり、配合・加工によって新しいロットへ変換されたりします。Trace eye FOOD-Proのような食品製造向け製品を使うと、原材料の入荷、計量、投入、製造、出荷を同じ流れで管理しやすくなります。
現場作業をバーコードやタブレット中心に整理できれば、紙の記録を後から転記する負担や、手入力による誤りを減らせます。一方で、パッケージ導入では、標準機能に業務を合わせられる範囲を見極めることが大切です。
独自の配合、少量多品種、アレルゲン表示、賞味期限、先入れ先出し、既存の生産・販売管理との連携がある場合は、標準機能、設定、追加開発を分けて見積もります。食品衛生管理やHACCPの記録とは関係しますが、目的と責任者が異なるため、両者の役割を提案書で分けて示してもらいます。
得意領域・実績
内田洋行の公式導入事例では、水産加工食品メーカーのマルトモがTrace eye FOOD-Proを導入しています。マルトモは愛媛県に5工場、宮城県に2工場を構え、1,000アイテム以上を扱うと紹介されています。
紙の記録を使っていた同社では、取引先からのトレース依頼への対応に、最低でも2〜3時間かかっていました。導入後は、パソコンで原材料リストを数分で確認できるようになったとされています(出典: 内田洋行「水産加工食品メーカー×食品トレーサビリティシステム 導入事例」)。
この事例は、水産物の産地から消費者までを一つの基盤でつなぐ場合だけでなく、まず加工場内のトレース精度を高める段階導入にも参考になります。内田洋行へ相談する際は、原料の受け入れ単位、加工後の製品ロット、計量機器、ラベル発行、出荷先検索、基幹システム連携を工場ごとに整理し、モデル工場で試してから横展開する計画を立てます。
テクノブレイブ株式会社|水産物流通管理の業務システムを開発・運用

テクノブレイブ株式会社は、水産庁のデジタル化事業者一覧で、水産物流通管理システムの開発・運用を支援内容として掲載されている会社です。産地市場、卸売、加工、販売などの業務をまたぐシステムを、企業固有の取引手順に合わせて構築したい場合の候補になります。
既存の販売管理や市場システムを残しつつ、トレーサビリティ機能を追加したい場合にも相談先として適しています。
特徴と強み
魚の現物が動く順番と、取引情報が確定する順番がずれることがあります。セリや入札、荷割り、返品、再加工など、標準的な製造ラインとは違う例外処理が起きるためです。
業務システムの開発経験を持つ会社へ依頼する場合は、画面の見た目よりも、状態遷移、ロットの親子関係、重量換算、訂正履歴、締め処理を確認します。また、開発後の運用が長く続く前提で、利用者の追加、権限変更、マスター更新、障害時の問い合わせ、データ修正の承認を誰が担うかを決めておきます。
水産庁の一覧掲載は、有力な候補を探す手がかりにはなりますが、案件ごとの担当範囲や実績を証明するものではありません。そこで、デモでは、原料ロットを二つに分け、一方を別商品へ加工し、出荷先から原料へ戻る操作を実演してもらうと、実装力を判断しやすくなります。
得意領域・実績
産地市場や卸売会社を中心に、販売管理、入札、在庫、加工、出荷を業務に合わせて連携したい企業に合います。特に、既製品の機能ではセリや荷口のルールを表現しにくい場合や、既存システムを全面刷新せずに段階的に改修したい場合に、受託開発の提案を受けやすい候補です。
依頼時は、業務フロー図とサンプル帳票を渡しておきます。そのうえで、取引先への番号伝達、検索・回収、取引記録の保存、既存システムとの連携、データ移行、保守費を分けた見積もりを求めます。
完成後に現場が使わなければ意味がないため、港や市場の担当者を交えた操作テスト、教育、リリース後の問い合わせ体制まで、契約範囲に含めておくことが欠かせません。
水産業向け水産物トレーサビリティシステムのパートナー選びのポイント

6社は、漁獲データの取得、複数社のクラウド共有、食品工場の記録、水産物流通の業務開発、全体の要件整理と、それぞれ役割が異なります。同じ製品の順位として見るより、役割の違いで捉えると選びやすくなります。
自社の最も大きなボトルネックを先に特定し、必要な会社を2〜3社に絞って提案を比較する方法が現実的です。
実績と経験の確認方法
実績は、「水産業に対応できます」といった説明よりも、対象工程、対象魚種、拠点数、利用者数、担当範囲、稼働時期まで確かめます。担当範囲によって得意分野は異なり、漁獲から販売まで担当したのか、食品工場の入荷・出荷だけを担当したのか、クラウド基盤だけを提供したのかで、見るべき点が変わります。
可能であれば、同規模の漁協・市場・加工場で稼働している画面を見せてもらい、匿名化された範囲で運用上の課題と解決方法を聞きます。確認したいのは、「ロットを分割・統合した場合にどの画面で追跡できますか」「重量や歩留まりの変換をどう記録しますか」といった点です。
さらに「通信が切れた港や船上で使えますか」「記録の訂正履歴を誰が閲覧できますか」「法改正時のアップデート費用は誰が負担しますか」も聞いておきます。これらにデモと資料で答えられる会社は、機能の一覧だけでなく、業務を理解している可能性が高いといえます。
技術力と専門性の評価
技術面では、QRコードやバーコード、計量器、ラベルプリンター、温度センサーと、スマートフォンやタブレット、ハンディターミナルなどの端末との接続可否を確かめます。港や船上でのオフライン入力、後同期、二重登録の防止、API、アクセス権限、監査ログも必須の確認項目です。個人情報や取引先情報を消費者向け画面へ出す場合は、公開項目を分離する設計が必要です。
水産業専用の公開定価は少ないため、費用は同じ条件をそろえて比べる必要があります。国の無償システムと運用設計で始めれば初期費用は抑えられますが、加工・在庫・販売管理との連携や端末導入は別途必要です。標準パッケージは数百万円から、複数拠点・市場連携のMVPは500万〜1,500万円程度、IoT・消費者公開・輸出連携を含むフルスクラッチは1,000万〜5,000万円以上が目安です。
ただし、この目安は、公開された食品トレーサビリティ事例と生産・製造業務システムの相場からの推定で、正式な見積もりではありません。加えて、バックアップや脆弱性対応も確認しておきます。
プロジェクト管理体制の確認
水産案件では、開発会社のほかにも、漁協や漁船、産地市場、加工会社、卸売会社など、多くの関係者が関わります。要件定義の会議に現場の担当者が加わるか、意思決定者は誰か、データ項目を誰が承認するかを、先に決めておかないと、開発の途中で仕様が揺れてしまいます。
現場観察、業務フロー作成、PoC、受け入れテスト、教育、段階リリースについて、それぞれの責任者を提案書に書いてもらいます。導入後の現場を変えるには、入力項目を増やしすぎず、紙との二重管理期間を短くし、回収訓練で検索の実用性を確かめることが大切です。
農林水産省の食品トレーサビリティ資料では、記録の整理・保存に手間がかかることや、具体的な取り組み方が分からないことが、普及の課題とされています。また、保守契約では、問い合わせ時間、障害復旧目標、バックアップ、法改正対応、機器交換、データエクスポートの条件まで確認してください(出典: 農林水産省「トレーサビリティ関係」、2026年6月更新)。
よくある質問

開発会社へ相談する前によく寄せられる疑問には、法令上の最低限と、業務改善・ブランド化のために追加する機能を分けて考えると答えやすくなります。
国の無償システムだけで水産物トレーサビリティに対応できますか?
対象魚種の漁獲番号などの伝達や取引記録の作成・保存に目的が限られるなら、水産庁の漁獲情報等伝達サブシステムを使える可能性があります。
ただし、在庫・生産・販売管理との自動連携や加工ロットの分割・統合まで一体化したい場合は、専用システムや追加開発を検討します。計量器・ラベル連携、現場のオフライン入力、消費者向けQR表示が必要な場合も、同じく検討します。
水産業向け水産物トレーサビリティシステムの費用はいくらですか?
小規模な法令対応や既存サービスの利用なら、初期費用を抑えて始められます。
標準パッケージ導入は300万〜900万円程度、複数拠点・市場連携のMVPは500万〜1,500万円程度が目安です。IoTや消費者向け公開を含むフルスクラッチは1,000万〜5,000万円以上で、いずれも公開事例をもとにした概算です。
対象拠点数や魚種数、取引先数をそろえておきます。そのうえで、端末、センサー、API、データ移行、教育、保守まで、同じ条件で見積もってもらいます。
開発会社には最初に何を伝えればよいですか?
まず、対象魚種、漁獲・養殖から販売までの工程、拠点と取引先を伝えます。さらに、現在使っている紙・Excel・システム、記録したい項目、法令や取引先から求められている保存期間、利用する端末、予算と希望時期も伝えます。
特に、ロットの分割・統合、重量換算、通信が切れたときの入力、事故時にどこまで遡って検索したいかを具体例で示すと、提案を比べやすくなります。
まとめ

水産業向けのトレーサビリティシステムの開発会社は、企業規模や知名度よりも、どの工程のデータを整えたいかで選ぶと判断しやすくなります。
業務全体の要件整理なら株式会社ripla、海から食卓までの実証ならアイエックス・ナレッジ、複数事業者のクラウド共有なら日本アイ・ビー・エムが候補です。漁獲情報の取得なら株式会社ライトハウス、食品工場の記録なら株式会社内田洋行、水産物流通の個別開発ならテクノブレイブが候補になります。
1魚種・1拠点のMVPから始める進め方
最初から漁船、全市場、全工場、全販売先を一つのシステムへ移すと、要件と運用が複雑になりがちです。そのため、まずは対象魚種と1拠点を決め、番号発行、入荷、加工、出荷、検索、回収訓練までの一連の流れを成り立たせます。
その後は、入力時間や漏れ、紙の削減、回収対象の特定時間を測り、改善を確かめてから、拠点や取引先を広げるのが安全です。
運用込みで比べる見積もり
提案を比べるときは、システム本体に加えて、現場調査、データ移行、端末・ラベル・計量器、既存システム連携を含めて見ます。さらに、教育、保守、法改正対応、障害時の復旧まで、同じ条件で並べて確認します。
実在の水産案件や食品工場の導入事例を確認し、自社の工程でロットを分割・統合するデモを依頼してください。法令対応、現場効率化、ブランド・輸出対応の優先順位を整理してから相談すると、必要な投資に絞り込めます。
▼全体ガイドの記事
・水産業向け水産物トレーサビリティシステム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
