SQLiteのシステム発注は、端末とデータの役割を決め、RFPとPoCで検証して本開発へ進めると、要件に合う委託先を選べます。
発注形態、要件、工程、契約と費用、委託先の順に、発注の各段階で決めることを説明します。全体像はSQLiteのシステム開発の完全ガイドもご覧ください。
▼全体ガイドの記事
・SQLiteのシステム開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
SQLiteのシステムを発注する前に知っておきたい全体像

SQLiteは、独立したDBサーバーを立てず、アプリケーションから通常のファイルを読み書きする組み込み型のデータベースです。DB全体を1ファイルで扱えるため、端末や機器に組み込みやすいという特徴があります。
一方で、ユーザー管理、API、監査ログ、クラウド同期は別途設計が必要です。発注時には、まずSQLiteをどこで使うかを決めておきます。
SQLiteの役割の分担(端末DB・キャッシュ・正系DB)
現場点検、棚卸し、訪問記録、オフライン受注、設備ログでは、SQLiteを端末DBとして使う価値があります。通信が回復してからAPIへデータを送る形にすれば、地下や倉庫でも業務を止めにくくなります。
複数のアプリケーションサーバーが同じデータへ頻繁に書き込む受発注では、SQLiteだけを正系DBにする構成を慎重に検討します。また、厳格な部門別権限が必要な基幹業務も、慎重に検討する対象です。
SQLiteに向くシステムと向かないシステムの発注前の切り分け
SQLiteに向く用途は、単一アプリケーションのローカルデータ、端末での高速検索、センサーや機器のログ収集です。
SQLite公式は、公開ドメインで使えること、サーバーレスでゼロコンフィギュレーションであること、ACIDトランザクションに対応することを示しています。最大のDBサイズは281TBとされています(出典:SQLite公式「About SQLite」、2026年8月確認)。
ただし、理論上の容量上限と、実際の運用に合うかどうかは別の話です。そのため発注時には、データ量に加えて同時書き込み数とオフライン時間を確認します。同期競合と復旧目標も、発注前に確認しておきます。
SQLiteのシステムの発注形態の選び方
業務フローやオフライン要件が複雑な場合は、要件整理から支援してくれる受託開発会社へ一括で委託するのが適しています。検証の段階では、小規模なPoCを専門会社へ依頼する方法もあります。
社内に開発体制があれば、自社で設計し、SQLiteの実装やアプリ開発だけをラボ型で外注する方法もあります。このとき責任範囲を明確にしておくと、同期仕様や保守費用が膨らむのを防ぎやすくなります。
独自業務とオフライン運用に向くスクラッチ開発
既存パッケージでは表しにくい入力手順、機器連携、独自の承認ルールを組み込みたい場合は、スクラッチ開発が向いています。また、SQLiteを端末に置き、API経由でクラウドの正系DBへ同期する構成も設計できます。
同期キュー、再送、重複登録は個別仕様になります。競合解決や端末交換、データ移行も、個別に作り込むことになります。そのため初期費用と保守責任が大きくなり、通信断や同じレコードの同時編集に対応できるかを確かめる必要があります。
標準業務に合わせられるパッケージ・SaaS
顧客管理や在庫管理のように、業務を標準機能へ寄せられる場合は、パッケージやSaaSを先に比較します。SQLiteを直接選べないサービスでも、端末アプリやオフライン入力を別のモジュールで補えることがあります。
初期費用を抑えやすい一方で、確認したいのは、データ所有権、API利用範囲、エクスポート形式です。解約後の返却や追加開発単価も、あわせて見ておきます。標準機能に無理なカスタマイズを重ねると、スクラッチ開発より高くなることもあります。
実端末と実データを使った小さなPoC
SQLiteの採用に迷う場合は、代表的な1業務でPoCを実施します。たとえば、点検入力、写真の一時保存、通信回復後の同期、管理画面での確認を対象にします。
画面モックだけで判断せず、実端末と想定データ量を使って、ネットワーク断、アプリ強制終了、端末交換も検証します。PoCの成果物には採用可否と想定アーキテクチャを残し、残課題と量産開発の見積条件も記録します。
発注前の要件整理とRFPの記載項目

RFPは、開発会社へ同じ条件で提案と見積もりを依頼するための資料です。「データベースはSQLite」と指定するだけでは、十分な条件を伝えたことになりません。
利用者や拠点、業務フローを書き、データの正しさを保つルールなども記載すると、各社の見積条件をそろえられます。将来の拡張、納品物、保守範囲も同じ資料に書いておくと、比べやすくなります。
業務要件の書き出し(利用者・データ・例外処理)
業務要件では、利用者、マスタ、非機能条件を整理します。あわせて、例外が起きたときの動きも明らかにしておきます。
- 利用者と承認:誰がいつどの端末で入力し、誰が承認するか。
- 同期の例外:圏外での入力、管理者による後修正、複数人の同時編集。
- マスタ項目:識別子、必須項目、更新者・日時、削除方法を決める。
- 非機能条件:同時利用者数、1日あたりの登録件数、応答時間、保存・復旧目標。
対象になるマスタは、顧客、商品、設備、案件などです。紙やExcelの表記揺れを直す「アナログ改善」は、同期時の重複や入力ミスを減らすための準備になります。
非機能要件では、オフライン保持期間やデータ保存期間、バックアップ頻度、復旧時間と復旧時点の目標も、数字で示しておきます。
「同時アクセスが多い」だけでは各社の見積を比較できないため、端末100台が1時間に何件送信するか、同じレコードを何人が更新するかまで数値にします。
RFPに加えるSQLite固有の要件
SQLiteの構成から同期の決まりまで、開発会社の見積もりの前提になる項目は、RFPに分けて書いておきます。
- SQLiteの構成:バージョン、言語・ライブラリ、スキーマ、移行方針。
- DBの仕様:インデックス、トランザクション、WALを使うかどうか。
- 同期の規則:同期方向、再送、重複時の優先順位、手動による差分解消の進め方を定める。
- 成果物と引き継ぎ:納品物と、別の会社へ渡す情報の明記。
端末SQLiteとクラウド正系DBに分ける場合は、どちらが正しいデータを持つかを先に決めておきます。「同期対応」と書かれているかだけでなく、異常系のシーケンス図やテスト項目があるかも比べます。
納品物は、要件定義書、画面仕様書、ER図を候補にします。SQLiteのDDLやAPI仕様書、同期仕様、テスト仕様書も、対象に含めます。さらに、バックアップ・復旧手順と運用手順、ソースコード、ビルド手順も指定しておきます。
別の会社へ引き継ぐ可能性がある場合は、納品対象にリポジトリや秘密情報の管理方法を含めます。アカウントや第三者ライブラリの一覧も、納品対象に入れておきます。
提案依頼の質問の統一と相見積もりの条件
複数社へ同じRFPを渡すときは、回答期限、提案書の項目、見積の粒度、質疑応答の方法をそろえます。質問には、通信断、複数端末での同時更新、端末紛失時の消去を含めます。
たとえば、通信断が8時間続いた場合のデータ保持や、同じ顧客を2台で更新したときの解決画面について尋ねます。SQLiteを3.50.2以上へ更新する担当についても尋ねます。抽象的な回答だった場合は、提案の前提条件を追加で確かめます。
SQLiteのシステム開発を外注する進め方
発注後は、次の順に進めます。
- 要件定義
- 設計
- 実装
- テスト
- 移行
- 運用開始
ネットワーク断、電源断、アプリ強制終了、同期失敗、同時更新、DBファイル破損を想定しておきます。同期の難しさが後半で分かると、納期と費用に影響します。
要件定義での採用理由と不採用条件の合意
SQLiteを採用する理由は、オフライン対応、省リソース、ローカル検索、組み込みやすさなど、業務目的と結び付けて書きます。あわせて、採用しない条件も決めておきます。
同じデータへ多数のサーバーが継続して書き込む場合や、サーバー単位の権限管理・高可用性が必須の場合は、クラウド側のPostgreSQLなどを正系DBにします。
採用の理由と不採用の条件を文書に残しておくと、機能を追加するときにも、構成がぶれにくくなります。
画面と同じ優先度で扱う同期・復旧・データ移行
端末内とクラウド側のテーブルに加えて、同期キュー、送信済みフラグ、競合記録も定義します。作成・更新日時だけでなく、変更者と端末も追えるようにします。
バックアップでは、WALを使う場合の整合性、取得中の書き込み、復元後の再同期を確かめます。DBファイルを定期的にコピーするだけでは復元できない場合があるため、方式と復元テストを納品物に含めます。
テストとリリースでの現場の異常系の再現
テストでは、データ連携の流れを端から端まで確かめ、あわせて現場で起きる異常系も再現します。
- データ連携:端末での登録から、API、クラウド正系、別端末への反映まで追う。
- 通信・アプリ異常:通信断中の登録や、通信中のアプリ終了、二重送信の試験。
- 端末条件:時刻のずれ、ストレージ不足、古いアプリからの同期まで確かめます。
株式会社コンピュータマインドは、iOS/iPadOS、センサー制御、サーバーやNASとの連携、SQLiteを組み合わせた事例を、3か月・3人規模の案件として公開しています(出典:同社「Development Stories」、2025年公開)。
類似事例を見るときは、機能の数だけでなく、端末、通信、データ連携の条件を照らし合わせます。
SQLiteのシステム外注で選ぶ契約形態と管理方法
契約形態は、完成範囲と仕様変更の可能性を見て選びます。契約書と個別仕様書には、成果物、検収基準、変更管理、知的財産権を記載します。第三者ライブラリや再委託、保守、脆弱性対応も、あわせて記載します。
SQLiteの技術判断を含む案件では、開発会社の提案力と、実装の責任がどこにあるかをはっきりさせておきます。
請負契約の完成条件と検収基準
請負契約は、合意した成果物を完成させて検収する案件に向いています。検収基準には、通信断からの復帰、競合解決、復元時間、対応端末、性能、セキュリティ試験の合格条件を含めます。
仕様変更があったときの見積方法、納期、追加作業の承認者も決めておきます。完成の定義が曖昧なまま金額を固定すると、受託側がリスクを上乗せし、追加費用が生じやすくなります。
要件を段階的に検証する準委任・ラボ型の契約
準委任やラボ型開発は、要件を検証しながら人員を確保したい場合に向いています。PoC、技術調査、同期方式の比較、既存データ移行の検証など、作業内容が変わり得る段階で使いやすい方法です。
この契約は時間や人員を確保するもので、特定の業務成果を保証するとは限りません。そのため、作業報告や成果物、稼働時間、担当者、レビュー方法、終了条件を、月単位またはフェーズ単位で合意します。
契約に入れるソースコード・設計書・データの権利
自社で運用するなら、ソースコード、SQLiteスキーマ、API仕様、ビルド環境、テストデータ、バックアップ手順を受け取れるようにしておきます。
著作権や利用許諾、OSSのライセンス表示、第三者サービスの契約主体も確かめます。
コードを受け取っても、ビルドできなければ引き継げません。そのため、リポジトリへのアクセス、環境変数の分離、秘密鍵の引き渡し、再現可能なビルド手順まで合意しておきます。
SQLiteのシステム発注費用・外注費用の相場
SQLite本体は公開ドメインで利用できるため、一般的なライセンス購入費は開発費の中心になりません。費用を決めるのは、要件定義、画面、API、認証、同期といった開発の作業です。端末対応や移行、テスト、保守も、費用の内訳を左右します。
この金額は、SQLite専用の公的な価格表ではありません。リサーチノートと2026年の公開相場、類似するモバイル・業務システム開発から組み立てた、発注予算の推定レンジです。
実際の見積もりは、機能数だけでなく、端末数、拠点数、連携数、データ移行量によっても変わります。
要件別の初期費用の幅(50万円台から数億円まで)
初期費用の推定レンジは、規模や含める機能によって変わります。
- PoC・単一端末:小規模なPoCやローカル業務アプリは、50万〜150万円程度です。
- モバイル現場アプリ:認証、写真、API、オフライン同期を含めると、200万〜800万円程度です。
- 業務管理システム:小〜中規模の場合は、300万〜1,000万円程度です。
- 移行・複数拠点:Excelや別DBの移行、監査ログ、外部連携を含めると、800万〜2,000万円程度です。
- 基幹連携・高可用性:要件によって、1,000万円台から数億円規模まで広がります。
2026年の公開相場では、業務システムが300万〜1,500万円、スマートフォンアプリが80万〜300万円、CRMが200万〜800万円の目安とされています(出典:モカモコ株式会社「システム開発の費用相場完全ガイド 2026年版」、2026年確認)。
ただし、この公開相場をSQLite案件にそのまま当てはめることはできません。端末SQLite、同期API、クラウド正系DB、管理画面、運用が含まれるかを確かめます。
見積書の内訳:開発費・同期費・移行費・保守費
見積書は、初期開発、工程別の割合、運用と保守の費用に分けて読みます。
- 初期開発:要件定義・設計、アプリ/API、クラウド、同期・競合解決、移行、テスト、導入教育の費用を分けて示す。
- 工程別割合:工程ごとの費用割合も見ておく。
- ランニングコスト:クラウド、ログ監視、MDM、ストア・証明書の管理費用が含まれます。バックアップ、問い合わせ、脆弱性・OS・SQLite更新への対応も含みます。
- 保守費:初期開発費の年15〜20%程度が汎用的な推定です。24時間監視や現場支援は別額になります。
公開された2026年の工程別の目安は、要件定義・設計が15〜20%、開発が50〜60%、テストが15〜20%、環境構築・リリースが10〜15%です(出典:モカモコ株式会社「システム開発の費用相場完全ガイド 2026年版」、2026年確認)。
月額保守に含まれる対応時間、障害時の連絡方法、復旧目標、軽微な改修の範囲は、契約前に決めておきます。また、同期設計や復旧試験が、通常の開発費の中に隠れていないかも確かめます。
SQLiteの委託先・開発会社を選ぶポイント
委託先は、同じ基準で比べて選びます。比べる中心は、公開情報や類似案件、担当者の経験です。同期と移行の設計力、セキュリティ、リリース後の保守も、同じ基準に含めます。SQLiteという語が掲載されているだけで決めることはしません。
SQLiteに詳しくても、業務フローを整理できなければ発注は前へ進みません。また、業務システムに強くても、オフライン同期の経験がなければ、別途の検証が必要になります。
公開情報と成果物によるSQLiteの実績の確認
実績は、SQLiteを使った業務アプリ、iOS・Android、組み込み、センサー、API連携、データ移行を、どう組み合わせているかで見ます。
公開された紹介が見つからない場合は、匿名化した設計書やテスト項目、障害対応の例、担当者の役割を確認します。
海外の会社を含める場合は、日本語での要件定義、国内法務、時差、再委託、知的財産、個人情報の取り扱いも評価します。
技術面での同期・復旧・セキュリティの質問
SQLiteの同時書き込み、WALを使う場合のチェックポイントとバックアップ、通信回復後の冪等な再送について質問します。失敗したときに、データがどうなるかの説明も求めます。
端末紛失時の遠隔消去と保存時の暗号化、鍵の保管を確かめます。ログの匿名化、権限分離、脆弱性情報の収集と更新手順も見ます。ライブラリ名だけで答える会社には、特に注意が必要です。
運用保守の担当範囲とSLAの比較
保守範囲とSLAでは、障害対応、更新、脆弱性対応などについて、担当と条件を比べます。
- 運用上の担当:アプリ不具合、SQLite・OS更新、クラウド障害、バックアップ失敗への対応者。
- 復旧作業:同期滞留、端末交換、データ復旧の担当。
- SLAの条件:脆弱性対応の初動、修正版の提供、緊急リリース、休日対応、月次報告を比べる。
2025年に公開されたCVE-2025-6965は、SQLite 3.50.2未満に影響するメモリ破壊の問題です。NVDは、3.50.2以上への更新を推奨しています(出典:NIST NVD「CVE-2025-6965」、2026年6月更新)。
採用時のバージョンだけでなく、今後も継続して更新できる委託先かどうかを確認します。
SQLiteの見積書を比較するときのチェックポイント
総額の比較では、安い提案が本当に安いのか見えにくくなります。そこで、同じRFPを各社に渡し、まず工程、担当人数、工数、前提条件を記載してもらいます。続けて、対象外作業、追加単価、納期、保守費も、同じ順に書いてもらいます。
SQLite案件では、画面開発費に同期、移行、復旧試験、端末検証が含まれるかどうかで、金額の意味が変わります。
見積の前提条件と対象外
見積書には、対応OS、端末機種、利用者数、拠点数が書かれているかを確認します。データ件数、API数、既存データ形式、通信条件も、あわせて確認します。「標準機能」「簡易対応」「別途見積もり」の範囲も尋ねます。
写真添付であっても、圏外での保存、圧縮、再送、クラウド保存料の有無によって、作業は変わります。機能名だけでなく、動作条件も確認します。
安い見積もりに抜けやすいリスク
安い見積もりでは、要件定義、テスト、データ移行、教育、保守が対象外になっていないかを確かめます。一方で、高い見積もりでも、クラウド費、端末費、ライセンス、ストア申請、脆弱性診断が別料金なら、総額は増えます。
工程別の成果物とレビュー回数を見て、発注後も予算と品質を管理しやすい見積もりを選びます。
段階発注による不確実性と追加費用の抑制
全機能を初回に固定せず、要件定義とPoC、基本機能、追加機能、運用改善に分けて発注すると、SQLiteの採用リスクを早い段階で確かめられます。
第1段階では、代表業務の入力、端末保存、同期、復旧を検証します。第2段階では、権限、帳票、他システムとの連携を追加します。
各段階の終了条件と、次の段階へ進む判断基準を契約に入れておくと、期待と実装のずれを早く修正できます。
SQLiteのシステム発注で確認するセキュリティと運用

SQLiteはファイルとして扱いやすい一方で、端末内のファイルが自動的に安全になるわけではありません。
個人情報や営業情報を保存する場合は、認証、端末アクセス制御、保存時暗号化、鍵の保管を設計します。加えて、ログ、遠隔消去、バックアップ保護も設計に含めます。
個人情報保護委員会のガイドラインに照らして、委託先の安全管理措置、アクセス権限、再委託、事故時の報告も確認します。
SQLインジェクションと権限の実装仕様への組み込み
SQLiteであっても、APIや管理画面でSQLを組み立てる実装には、SQLインジェクションのリスクがあります。
IPAは、プレースホルダの利用、最小限のDB権限、SQL情報をエラー表示しない対策を示しています(出典:IPA「安全なウェブサイトの作り方 1.1 SQLインジェクション」、2026年8月確認)。
発注時には、これらの対策を受け入れ条件に含めておきます。入力検証や認証・認可、エラー処理、脆弱性試験も、そこに入れます。
実データを使ったバックアップと復元の試験
バックアップは、取得できることより、復元できることのほうが大切です。そのうえで、WALの関連ファイル、取得中の書き込み、暗号化キー、世代管理、遠隔地保管、復元後の整合性を確かめます。
端末SQLiteをクラウドへ同期する構成では、端末が故障したときの最終同期時点と、未同期データの回収方法を決めておきます。復旧手順書に加えて、実際に復元した記録も受け取ります。
脆弱性対応とバージョン更新の担当
SQLiteだけでなく、OS、アプリ、フレームワーク、暗号化ライブラリも一覧にして洗い出します。脆弱性情報の確認、影響の判定、修正版の試験と配布、利用者への告知を、誰が行うかを運用手順に記載します。
更新でDBのマイグレーションが必要になる場合に備えて、旧版からの移行試験とロールバック方法を用意します。問い合わせ対応だけでなく、更新作業が保守契約に含まれるかも確認します。
よくある質問(FAQ)
SQLiteのシステム発注では、技術的に可能かどうかだけでなく、費用、規模、契約、バックアップ、将来の移行まで含めて判断します。
SQLiteは無料なのに、なぜシステム開発費がかかるのですか?
SQLite本体は公開ドメインで利用でき、一般的なライセンス料は発生しにくいものです。一方で、業務システムの開発費は別にかかります。
費用の中心になるのは、要件定義、画面、API、認証、同期です。テスト、移行、クラウド、保守も費用の中心です。
利用料が無料でも、通信断や復旧を含む業務要件を実装する工数は、無料にはなりません。
SQLiteは大規模な業務システムにも使えますか?
使えますが、システム全体をSQLiteだけで構成できるとは限りません。端末や単一アプリのローカルDBとして使い、クラウド正系DBへ同期する形なら、利用者や拠点が多い業務でも検討できます。
多数のサーバーから同じDBへ同時に書き込む場合は、PostgreSQL、MySQL、SQL Serverなどを正系DBにする案と比べます。サーバー単位の権限やレプリケーションが必要な場合にも、この比較が欠かせません。
SQLiteの.dbファイルをコピーすればバックアップできますか?
単純なファイルコピーだけで十分とは限らず、WALの状態や書き込み中かどうか、関連ファイル、暗号化キー、復元後の整合性を確認して判断します。
取得方法、保管の世代、暗号化、復元手順、復元テストの頻度は、仕様書に記載します。端末故障や未同期データが生じた場合の回収方法も決めておきます。
将来SQLiteから別のデータベースへ移行できますか?
移行はできますが、当初から移行を見越した設計が必要です。そのために、SQLite固有のSQL、型、日時、ロック、トランザクション、ファイル依存の処理を、アプリ全体に分散させず、データアクセス層へまとめます。
DDL、ER図、データ変換仕様、移行スクリプト、件数照合、差分確認の手順は、納品対象に含めます。発注時には、移行可能な設計を伝えます。
開発会社へ相談するときに何を準備すればよいですか?
業務の目的、利用者、作業手順、画面や帳票の例、データ項目を準備します。端末、通信環境、既存のExcelやDB、希望時期、予算上限も、あわせて伝えます。なお、要件定義書がなくても、現場の流れと困りごとを伝えれば相談できます。
SQLiteについては、オフライン時間、同時更新、バックアップ、将来の拠点数を伝えたうえで、構成案とPoCの範囲を提案してもらいます。
まとめ
SQLiteのシステム発注では、利用料の比較より先に、業務を動かす端末と正系DBの役割を決めることが大切です。
現場のオフライン入力やローカル検索には適していますが、同期と競合解決の設計は欠かせません。バックアップと復旧、権限と保守についても、要件定義と品質管理が必要です。
発注前に決めるべきポイント
発注前には、端末SQLiteとクラウド正系DBの役割、利用者数と同時更新、オフライン時間をRFPに書いておきます。移行量、RTO・RPO、納品物、保守範囲も、同じRFPに盛り込みます。
推定レンジは、PoCが50万〜150万円程度、業務アプリが300万〜1,000万円程度、連携や移行を含む案件が800万〜2,000万円程度です。定価ではなく、要件によって変わる予算の目安として扱います。
各社の前提条件と工程別の内訳は、同じ項目で見比べます。
小さなPoCと同条件の相見積もりから始める進め方
委託先を選ぶときは、SQLiteの実績だけでなく、オフライン同期、データ移行、復旧を確認します。あわせて、セキュリティ、設計書とコードの納品、継続保守も見ておきます。
代表業務のPoCで異常系を検証し、成果物と終了条件を合意してから本開発へ進めば、手戻りを抑えられます。また、RFPの記載を見直し、同じ質問への技術的な回答と見積もりの透明性を比べます。
▼全体ガイドの記事
・SQLiteのシステム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
