店舗POS連携システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

店舗POS連携システムの発注は、発注形態を選び、要件とRFPを整え、契約形態と費用を見て、委託先を比べたうえで、テストを経て店舗へ展開する流れで進みます。対象データ、責任範囲、試験展開の順に定めておくと、店舗運用を保ちながら本部業務を改善できます。

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発注前に押さえたい店舗POS連携の全体像

POSデータがAPI・CSV・Webhookを通じて連携基盤に集まり、本部・EC・会計・在庫へ渡る流れを示す図解。
連携基盤を介して、POSデータを複数の業務システムへ渡す構成です。

店舗POS連携は、API、CSV、WebhookなどでPOSデータを連携基盤へ集め、そこから本部、EC、会計といった業務システムへ渡す仕組みです。

連携先には、ほかに在庫や受発注の業務システムも含まれます。CRMやBIも、連携先に入ります。

発注では、POS画面だけを対象と考えないことが大切です。データ変換、マスタ管理、エラー監視、現場展開、保守も、発注範囲に含まれる場合があります。

POS連携でつなぐデータの範囲

POSから受け取る情報は、基本的な取引データと、在庫・顧客に関するデータに分けて検討します。

  • 基本データ:売上、返品、取消、値引、税率、支払方法、店舗、商品、価格、在庫引当、店舗間移動。
  • 追加データ:棚卸、入荷、欠品アラート、会員、ポイント、クーポン、購買履歴をECやCRMへ連携。

どのシステムを正とするかを決めておかないと、二重登録や修正費用につながります。

また、通信断や返品訂正、イベントの再送にどう対応するかも、連携品質の一部として定めます。オフライン会計、復旧後の再送、重複防止、日次売上の突合、監査ログが対象です。

発注のゴールは開発完了ではなく、店舗で使い続けられる状態

POSデータの連携ができても、画面が動くだけで現場では使えない場合があります。そのため、稼働後の姿を受入基準に落とし込みます。

  • 店舗運用:スタッフが従来の会計を大きく変えずに使える。
  • 本部業務:必要な数字を決めた時間までに確認できる。
  • 受入基準:締め処理、返品、取消、通信断、再送、権限、照合、復旧担当を定めておく。

2025年2月にNECが公表したダイアナの事例では、POSやECなどのデータ基盤を構築し、店舗とオンラインを融合した顧客体験につなげています(出典:NEC「ダイアナとNEC、店舗とオンラインが融合した次世代の顧客体験を提供する施策を加速」、2025年)。

POS連携は、レジ交換にとどまりません。

店舗、EC、本部の業務をつなぐデータ基盤として、範囲を考えます。

店舗POS連携システムの発注形態の選び方

店舗POS連携の発注形態として、クラウドPOS、パッケージへの連携追加、個別開発・ハイブリッド方式を並べた図解。
標準機能を使う方式から独自要件を含む方式まで、選択肢を見渡せます。

発注形態は、クラウドPOS、パッケージへの連携追加、既存POSと周辺システムの個別開発の3つに分かれます。

店舗数や業務の独自性に加えて、POS本体を変えるか既存POSを残すかも分けて検討します。

クラウドPOSを導入し、標準APIでつなぐ方式

業務が一般的な小売・飲食の範囲に収まり、短期導入を目指す場合は、クラウドPOSと公式APIが候補になります。1店舗から試せる点も特徴です。

  • 導入条件:初期開発を抑え、月額利用料と連携開発費に分けられる。
  • 標準外の業務:独自価格、特殊返品、複雑な在庫引当、端末制御は追加開発や変更が必要。

たとえば、スマレジは、POSデータへのアクセス方法を公式プラットフォームAPIで公開しています。

公式プラットフォームAPIの仕様には、HTTPSとGET・POST・PUT・PATCH・DELETEがあり、Webhookとレート制限も公開されています(出典:スマレジ・プラットフォームAPI共通仕様、2026年8月確認)。

「APIがあるか」だけでなく、契約プラン、取得項目、更新通知、制限値、仕様変更の通知、障害時の再取得方法も確認します。

既存パッケージにカスタマイズと周辺連携を加える方式

既存パッケージで業務の大半をまかなえるなら、周辺連携を加える方式が候補になります。契約前に、標準機能で済む部分と改修範囲を分けておきます。

  • 連携対象:商品、在庫、会計、ECを加え、スクラッチより要件を絞りやすい。
  • 改修区分:標準機能、設定変更、個別開発、製品本体改修を分類する。
  • 製品例:BCPOSは小売向けPOS、販売管理、在庫、顧客、多店舗管理を組み合わせる。
  • 費用判断:端末、周辺機器、追加店舗、移行、API、サポート、契約期間を揃えて比べる。

改修が増えるほど、保守や更新は複雑になります。また、標準機能に合わせて業務を変えられるかも、開発費を左右します。

スクラッチまたはハイブリッド方式を選ぶケース

個別開発とハイブリッドは、独自要件や既存環境に応じて選びます。そのうえで、公開APIや認定CSVを使える範囲を先に調べ、発注範囲と選択肢をRFPに示します。

  • 個別開発の条件:独自価格・会員・ポイント・在庫、複数POSや決済端末の混在。
  • 既存環境:古い基幹に公式APIがない場合も個別開発が候補。
  • 開発範囲:端末、決済、レシート、オフライン会計まで作ると試験や保守も必要。
  • ハイブリッド:POS・決済はSaaS等を使い、独自基盤や本部画面を開発する。
  • 提案依頼:クラウド、パッケージ、ハイブリッドの3案を比較する。

ハイブリッドであれば、レジの安定性を保ちつつ、自社固有の価値に投資できます。

ポイント

POS本体を変えるか既存POSを残すかを先に分け、標準機能で業務をまかなえるか、独自要件が多いかで発注形態を絞ります。

発注前の要件整理とRFPの作成範囲

提案比較に使うRFPの記載項目として、現状、機能・非機能要件、反映・障害条件、評価基準・成果物を示す図解。
現状把握から各社の評価まで、見積もりの前提を揃える項目が並びます。

RFPは、複数社が同じ前提で提案と概算見積を出すための土台です。完成設計書の代わりとなるものではありません。

RFPには、現状、目的、範囲を記載します。そのほか、制約や希望時期、予算の考え方、評価基準も書きます。未確定の事項は質問の形で残し、画面仕様を先に固めるより、業務課題と成果指標を示すほうが、方式の提案を受けやすくなります。

現状のシステムとデータの流れの洗い出し

RFPの現状欄では、システム一覧に加えて、次の情報と対応関係をそろえます。

  • 規模と体制:店舗数、POSメーカー・端末台数、取引・商品・会員数、連携先、頻度、契約、担当部署。
  • 業務フロー:売上確定場所、商品マスタ変更者、在庫引当時点、会計への受渡形式。
  • コード対応:店舗、商品、税、価格、会員、取引の対応と、正規化・統一の方針。
  • 共有データ:サンプルCSV、API仕様、返品・取消データを、各社の見積前提をそろえるために渡す。

店舗や商品などのコードの前提が異なると、見積もりも変わります。さらに、サンプルデータを共有すると、提案の精度の向上につながります。

機能要件と非機能要件の書き分け

機能要件と非機能要件は、連携対象と運用条件を測れる形で記載します。

  • 機能要件:売上、返品、取消、値引、決済、商品、在庫、会員、ポイント、店舗間移動、レポート。
  • 非機能要件:更新時間、稼働、同時接続、復旧、ログ、権限、暗号化、バックアップ、監視、問い合わせ。
  • 反映条件:「会計確定から5分以内、遅延時は通知」のように数値で示す。
  • 障害条件:通信断時の会計、復旧後の送信時間、重複防止キー、日次差異の確認者。

数値で条件を示しておくと、運用に耐えない安値の見積もりを見分けやすくなります。

提案依頼書の評価基準と成果物の明記

提案書の提出物、見積内訳、評価方法を指定して、各社を同じ基準で比べます。

  • 提案内容:方式理由、構成図、データ変換、体制、日程、試験・移行・店舗展開、保守、リスク、前提。
  • 費用内訳:要件定義、設計、開発、アダプター、テスト、移行、教育、現地対応、保守。
  • 評価軸:価格、POS等の経験、API・CSV、障害対応、同規模実績、管理力、拡張性。
  • 配点例:価格30点、技術・要件適合30点、体制20点、実績・提案品質20点。

初期費用と運用費も、提案に含めてもらいます。

比較の前に、社内で配点を合意しておきます。

ポイント

RFPは、各社が同じ前提で見積もれる水準まで書きます。未確定の事項は質問として残し、反映条件や障害条件は数値で示します。

契約形態の使い分け(請負と準委任)

調査や要件定義は準委任とし、要件が固まった開発は請負とする組み合わせが現実的です。アジャイル開発や運用改善も、準委任で進める対象になります。

契約名だけでは判断できないため、成果物、受入対象、仕様変更、外部API障害の責任を、契約書と個別仕様書で明らかにします。

要件定義の準委任と確定した開発の請負の分け方

POS仕様や業務例外が不明な段階で全工程を固定価格の請負にすると、無理な前提が生じます。そのため、工程に応じて契約を分けます。

  • 準委任で調査:現状調査、要件定義、API検証、PoCを行う。
  • 請負へ移行:成果物と受入基準が固まった連携機能を対象にする。
  • 請負の条件:完成、納期、検収、不具合、コード・設計書の引渡し、外部仕様変更。
  • 準委任の条件:会議、報告、課題管理、役割、月上限、追加作業承認を定める。

フェーズごとに契約を分けておくと、継続、見直し、中止を判断しやすくなります。さらに、契約書とRFPの用語もそろえます。

変更管理と責任分界の事前合意

POSや決済、ECなどの責任と変更時の手順は、契約や運用合意書に明記します。

  • 責任分界:API変更はPOS会社、変換は開発会社、返品判断は発注者が担う例。
  • 障害対応:連絡先、一次切り分け担当、復旧目標を決める。
  • 追加費用:店舗・POS・決済追加、API変更、コード不備、現地・休日作業、移行やり直し。
  • 変更管理:変更要求票、影響範囲、承認者、予算上限を定める。

追加費用は単価か再見積もりの条件として決め、「別途協議」だけで済ませないようにします。

個人情報・決済データ・再委託の取り扱いに関する契約

個人情報と決済情報の条件は、発注者側の監督と運用に反映させます。再委託とインボイス制度の条件は、契約書に含めて確かめます。

  • 個人情報:目的、権限、暗号化、ログ、保存・削除、事故報告、委託先管理。
  • 委託先監督:安全管理措置を確認し、取扱状況を把握して必要に応じ監査します(出典:個人情報保護委員会)。
  • 決済情報:自社保存か、トークン化・端末連携で保持範囲を減らすかを決める。
  • PCI DSS:方式や画面に応じ、対象環境・業務と証跡や自己評価の要否を確認。
  • インボイス:税率、登録番号、明細、保存先を確認(出典:国税庁「No.6498 適格請求書等保存方式」、令和7年4月1日現在法令等)。

資料は個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」です。発注者側の監督責任は、こうした資料の内容を運用に落とし込んで果たします。

インボイス制度では、適格請求書の記載事項と保存が仕入税額控除の要件です。

ポイント

要件が固まっていない段階は準委任、成果物と受入基準が固まった機能は請負とします。契約名だけで判断せず、責任の範囲を契約書で確かめます。

店舗POS連携システムの費用相場と見積もりの読み方

費用は、店舗数や連携先の数、データ量で変わります。そのほか、リアルタイム性や端末・決済、移行・教育・保守も金額を左右します。ここで示す金額は、公開情報を組み合わせた税別の初期費用の概算で、公的統計ではありません。

正式な予算は、要件定義の後に取得します。公開されている複数の目安は、機能の重複や前提を確かめながら読みます。

連携範囲別の初期費用の目安

公開されている初期費用と期間の目安を、構成別に比べます。あわせて、機能の重複や共通基盤も確認します。

  • CSV集計:既存POSの売上を本部で集計する構成は約50万〜100万円、1〜3か月。
  • API連携:自動レポートを加える場合は約50万〜200万円。
  • 在庫・画面:一元管理と本部ダッシュボードは各約100万〜400万円(出典:GXO「多店舗・多拠点管理システム開発の費用相場」、2026年8月確認)。
  • データ統合:売上・在庫・顧客・マーケティングは約300万〜1,200万円、4〜12か月。

POS本体開発の目安は、株式会社ripla「POSシステムの見積相場や費用/コスト/値段について」に掲載されています。単店舗・簡易機能は約100万〜500万円、多店舗・多機能は約500万〜2,000万円です(出典:株式会社ripla、2026年8月確認)。

チェーンと基幹連携を含む大規模案件では、2,000万円以上が目安です(出典:株式会社ripla、2026年8月確認)。

統合機能の金額は、単純に足し合わせず、共通基盤やマスタ機能を確認します。

既存POSとの連携だけで済むか、レジ画面や端末制御まで新規開発するかによっても、金額は変わります。

開発費を要件定義・連携・テスト・導入に分けた比較

見積もりは工程別に分けて、試験や展開の対象が含まれているかを確認します。

  • 公開例の配分:要件定義・設計10〜20%、開発50〜60%、テスト15〜20%、導入・定着支援10〜15%。
  • 連携・運用:POSメーカー別アダプター、EC・会計・WMSなど連携先の開発、コード変換、再処理、監視を分ける。
  • 導入作業:移行、マスタ登録、端末設定、設置、教育、切替を分ける。
  • 追加費用:「API連携一式」などの対象件数・作業範囲と店舗追加単価を確認する。

参考記事は株式会社ripla「POSシステムの見積相場や費用/コスト/値段について」です。

内訳の割合は固定のルールではありません。

設計やテストの費用が極端に少ない場合は、実機検証や通信断試験が別料金かどうかを確かめます。

初期費用だけでなく3〜5年のTCOによる比較

TCOは、3〜5年の運用費を含めた総額です。

  • クラウドPOS:店舗数に応じた月額、API上位プラン、決済手数料、端末、プリンター、自動釣銭機、通信費。
  • 個別開発:店舗追加費を抑えられる場合があります。
  • TCO項目:初期開発、利用料、決済、端末更新、通信、保守、展開、教育、移行、追加POS、データ返却。
  • 比較条件:公開例は市場統計ではないので、店舗数、期間、保守時間をそろえて総額を比べる。

自社で保守担当者やサーバー、監視、セキュリティ更新、法改正対応を持つ場合は、開発後の費用が膨らむ可能性があります。

GXOの公開例は、店舗数に応じたサーバーと保守の月額レンジも示しています。

委託先の選定と見積比較の確認事項

委託先は、知名度や総額だけでなく、POS、決済、店舗運用の経験で選びます。また、既存POS連携とPOS本体開発では、必要な知識が異なります。

同業態、同規模、同じ連携先に近い事例を示してもらい、担当者が実装と運用のどこに関わったかを確かめます。

実績の担当範囲と実施体制の確認

会社名だけでなく、実績の担当範囲と契約後の実施体制を確かめます。

  • 技術範囲:POS、端末、決済、EC、会計、WMSとAPI・CSV・Webhookの担当。
  • 導入実績:店舗数、期間、通信断・返品試験、切替後の問い合わせや保守。
  • 提案体制:実装担当者やPMの同席、要件定義から本番切替までの体制図。
  • 支援条件:再委託、担当者の稼働率、繁忙期・休日の支援体制。

許可を得られる場合は、運用担当者にも話を聞きます。営業担当だけが仕様を説明し、契約後に別のチームへ引き継がれると、共有した業務背景が失われることがあります。そのため、契約後も業務背景が引き継がれる体制かどうかを見極めます。

同じ前提で揃えた見積書の差分の読み解き

各社の見積もりと技術提案は、次の項目をそろえて比較します。

  • 共通の前提:同じRFP、サンプルデータ、店舗数、対象期間を各社へ渡す。
  • 見積項目:要件定義、開発、連携先単価、テスト、移行、教育、現地対応、保守、月額、変更単価を比べる。
  • 金額差:金額が低い会社ほど、対象外、前提、手作業、別途費用、保守対象外を確認する。
  • 技術提案:共通データモデル、冪等キー、重複排除、失敗データの再処理、日次突合を質問し、POSメーカー追加時にアダプターだけで対応できるかも確認する。
  • API利用条件:認証情報の保管、レート制限、Webhook再送、仕様変更、サンドボックスと本番の差を見る。

不明な点は、見積もりの前に質問しておきます。

候補会社への質問による運用力の確認

候補会社には、障害時の処理と引渡し後の運用について具体的に質問します。

  • 障害時:通信断中の取引、返品・取消イベント、障害の切り分け。
  • 照合と例外:日次差異の確認画面、商品コード不一致の扱い。
  • 運用説明:画面、ログ、担当者、時間、費用まで説明できるか。
  • 引渡し物:マニュアル、項目定義、障害・リリース手順、監視、バックアップ、テストデータ、コード・設定。

外注先を変える場合に備えて、特定の会社でしか分からない仕様や、解約後に取り出せないデータがないかを、契約前に確かめます。

ポイント

候補は、知名度や総額よりも、同じ業態や規模での担当範囲と、障害時の運用を説明できるかで絞り込みます。見積もりは、同じ前提で揃えたものだけを比べます。

発注後のテストと店舗展開の進め方

開発会社の環境で成功しても、実店舗の通信や端末、締め処理、操作で問題が出ることがあります。そのため、1店舗または少数店舗で、売上・商品・在庫の最小連携を試します。実機や実データに近い条件と障害時の切替を確認してから、全店へ展開します。

正常系に加えて返品・通信断・再送のテスト

正常な売上だけを試しても、返品や通信断、再送で起きる不具合は見つかりません。そのため、実店舗では4種類のケースを確かめます。

  • 販売処理:通常売上、複数税率、値引、クーポン、現金・カード・QR決済。
  • 訂正処理:返品、取消、部分返品、締め処理、日次集計。
  • 障害処理:通信断、再送、通知重複、APIタイムアウト、時刻ずれ。
  • データ・権限:未登録商品、在庫不足、権限外操作。

期待する結果は、連携できることだけではありません。POS、本部、EC、会計の画面と帳票の数値が一致することです。

本番の前に日次突合の手順を作り、POS締めデータ、受信件数、登録件数、会計・在庫の反映件数を照合します。

差異は取引IDで追跡します。

失敗理由を記録し、再処理と担当者への通知ができるようにします。

再処理の後も二重計上を防ぐ設計になっているかを確認します。

パイロット店舗からの段階的な全店展開

パイロットから全店展開へ移るときは、対象店舗の選定、切替準備、段階導入を一連の計画としてまとめます。

  • 店舗選定:売上規模に加え、通信、商品構成、返品数、習熟度が異なる店舗。
  • 切替準備:並行稼働、切戻し、在庫・売上の基準日時、告知、窓口、関係各社の連絡先。
  • 展開管理:端末設定、マスタ差異、回線、営業時間、教育日程を管理する。
  • 段階導入:数店舗ずつ展開し、エラー、突合差異、問い合わせ、締め時間を見直す。

一斉切替は障害の影響範囲が大きくなります。そのため、結果を踏まえて手順を改善しながら展開すると、店舗業務を守りやすくなります。

稼働後の監視と改善を含む契約

稼働後の監視項目と、保守・追加開発の契約条件を定めておきます。

  • 監視:API応答、Webhook、CSV取込、未処理・再送件数、突合差異、遅延。
  • 保守契約:対応日、緊急対応、一次回答・復旧目標、月次報告、定例会、仕様変更調査、POSメーカー連絡。
  • 追加機能:優先度を下げた在庫、会員、分析連携を後から加える場合もある。
  • 拡張性:追加開発前にデータモデル、権限、監査ログ、エラー処理を評価する。
  • 契約方式:改善枠は準委任、まとまった機能は請負にすると継続外注に適する。

平日の対応だけで足りるか、営業時間中や繁忙期の緊急対応が必要かも確認します。

ポイント

通信断や返品などの障害ケースを少数店舗の実機で試し、その結果を踏まえてから全店展開へ進むかを判断します。切戻しの手順も、あらかじめ確かめておきます。

店舗POS連携システムの発注でよくある質問

費用や期間は案件の前提によって変わります。そのため、回答のレンジを予算確定に使わず、RFPとサンプルデータをもとに個別見積もりを取ります。

既存POSを残したまま連携システムだけ外注できますか?

外注できます。公式API、Webhook、認定CSVなどが使える場合は、既存POSを残して連携基盤や本部画面だけを開発できます。

ただし、POSのデータベースへ直接接続すると、製品更新や保守の責任が不明確になりやすいです。そのため、公式方式、取得項目、利用条件を提供会社へ確認します。

店舗POS連携の費用は50万円で収まりますか?

単一POSの売上CSVを取り込み、簡単に集計する最小構成なら、公開情報で約50万〜100万円が目安です。

API自動連携、在庫、ECを加えると、別途見積もりになります。ほかに次の項目も、同じく別途見積もりの対象です。

  • 会計連携:会計システムへのデータの受け渡し
  • 会員:会員やポイントの情報を扱う場合
  • 複数店舗:店舗を増やして展開する場合
  • 実機テスト:端末や通信を含めた実機での確認
  • 移行・教育:移行作業と、スタッフへの教育

対象範囲、除外項目、月額、保守、店舗追加単価も、合わせて比べます。

RFPを作れない状態でも開発会社へ相談できますか?

RFPがなくても相談はできます。店舗数、POS、困っている作業が分かれば、初回相談に進めます。

ほかに次の情報も、初回相談の材料になります。

  • 連携先:つなぐ先の業務システム
  • 希望時期:稼働させたい時期
  • 概算予算:おおよその予算の目安
  • 売上・返品・在庫の流れ:数字がどの順に動くか

要件定義やPoCを先に行う案や、標準機能、パッケージ、ハイブリッドといった選択肢を求めます。

相談段階の成果物と費用も明確にしておきます。

発注先は何社に見積もりを依頼すればよいですか?

同じ要件で2〜3社以上に依頼すると比較しやすいです。

大規模チェーンや決済・個人情報を含む案件では、得意領域の異なる会社も含めます。

クラウドPOS/API、POS・店舗機器、SI・基幹統合などの経験を比べます。そのうえで、質問への回答、提案、体制、保守条件を評価できる社数に絞ります。

まとめ

発注では、POS刷新か既存POS連携かを分けたうえで、クラウド、パッケージ、スクラッチ、ハイブリッドを比べます。

売上、返品、商品、在庫、会員の正となるシステムも定めます。

発注前のRFPとデータの正の整理

発注前にそろえておきたいのは、RFPに書く内容と見積もりの分け方です。各社が同じ前提で金額を比べられるよう、どの項目を書き、費用をどこで分けるかを先に決めておきます。

  • RFP:現状、連携先、対象データに加えて、業務フロー、要件、時期、評価基準。
  • 見積もりの工程:要件定義、連携、試験を、工程ごとに分けて示す。
  • 導入と運用の費用:移行と教育、保守と月額、追加店舗を、別の項目として扱う。
  • 比較の期間:3〜5年のTCOで比べる。

公開情報の金額は概算にとどまるため、正式な予算は、自社の条件を織り込んだ提案で確認します。

委託先の比較とパイロットからの段階展開

委託先は、店舗実績やAPI・CSV設計、再処理と日次突合の仕組みで選びます。保守と再委託の管理も含めて確認します。調査や要件定義は準委任、基準が固まった開発は請負に分けて契約する方法もあります。

少数店舗で実機と障害ケースを試し、切戻しの手順を整えてから段階的に展開します。検証結果を手順に反映して、全店へ広げます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。