ストレスチェックシステム開発は、要件整理から職場改善の定着まで、6つのフェーズを順に進めます。
要件整理で法定機能と職場改善機能を分け、方式を選んでから権限・データ・画面を設計します。テストと段階的な稼働を経て、集団分析を職場改善につなげます。
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ストレスチェックシステムの全体像

ストレスチェックシステムは、労働者の心理的な負担を確認し、本人への結果通知とセルフケアを支えます。高ストレス者への面接指導や、職場単位の集団分析も担います。
法定業務と職場改善の両方を安全に実現する設計が必要です。一般的なアンケートフォームと同じ作りでは、その両方を満たせません。
法定実施と職場改善の分け方
システムの要件は、法定実施に必要な機能と職場改善に使う機能に分けて整理します。
- 質問票・受検:厚生労働省に準拠した質問票、受検者登録、受検期間の管理
- 結果・面接:個人結果通知、高ストレス者の選定、面接指導の案内
- 保存・改善:結果保存と労基署報告データ、集団分析・セルフケア情報・研修・相談窓口・翌年比較
法定機能を最低限の要件として記載し、職場改善機能を加えておくと、単年度の事務作業から継続的なメンタルヘルス施策へ広げられます。
2025年5月公布の改正労働安全衛生法により、これまで努力義務だった労働者数50人未満の事業場にも実施義務が広がります。厚生労働省の案内では、施行は2028年4月1日とされています(出典: 厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」、2026年)。
そのため、現在50人未満の事業場を持つ企業も、将来の対象拡大を前提に設計します。たとえば、事業場単位の権限や集計を後から追加できる構造にしておくと、手戻りを抑えられます。
個人結果を守る権限設計
従業員は、回答や個人結果が評価や配置に使われることを不安に感じやすいものです。そこで、発注側と開発会社は、閲覧範囲を要件定義の段階で明文化します。
- 閲覧者の区分:受検者、医師・保健師などの実施者、実施事務従事者、事業者、所属長
- 個人結果:一般的には本人と実施者に閲覧を限定
- 会社への共有:個人を特定しにくい集団分析を基本とする
厚生労働省は、健康情報の取扱規程に利用目的、取扱者と権限、本人同意、管理方法を定める必要があると説明しています。
規程には、開示・訂正・消去、第三者提供、苦情処理なども含めるよう、厚生労働省は説明しています。出典は、厚生労働省「健康診断やストレスチェックの情報管理は大丈夫?」です(2026年確認)。
設計の範囲は、システム画面だけでなく、規程、契約、委託先の運用まで含めて考えます。
ストレスチェックシステム開発の進め方|6フェーズの流れ

開発は、誰がどの情報を何の目的で扱うかを決めるところから始めます。そのうえで、標準サービスで足りない部分だけを開発します。
6つのフェーズは、年1回の実施スケジュールに合わせて組むと、受検開始直前の仕様変更や権限漏れを防ぎやすくなります。
フェーズ1:要件整理とMUST・WANTの分類
発注側は、対象事業場、従業員数、雇用区分、拠点、受検方法を一覧にします。また、実施者や産業医の体制、既存の人事・給与・勤怠・健康診断システムも整理します。
特に、メールアドレスのない従業員、共有端末、紙とWebを併用する拠点、外国籍従業員の有無も確認します。この確認を省くと、現場だけ受検できない、一部の名簿だけ手作業になるといった問題が起きます。
MUSTには、57項目などの標準質問票、独自設問の有無、名簿の一括登録などを置きます。MUSTの機能は、受検の流れに沿って4つの領域にまとめられます。
- 受検管理:受検期間の管理、未受検者へのリマインド、個人結果の通知
- 面接指導:高ストレス者の選定、面接指導の案内と希望の取得
- 権限・分析:実施者だけが個人結果を見られる権限、集団分析
- 保存・出力:実施結果の保存、労働基準監督署への報告に必要な出力
WANTには、80項目の質問票や独自のエンゲージメント設問を置けます。認証や連携では、SSOとAPI連携を対象にできます。通知では、Teamsやメール通知も対象にできます。さらに、多言語やBI連携、職場改善の施策管理も対象にできます。
WANT機能は、予算と期限に応じて段階導入し、初期にすべて実装する前提にはしません。
要件整理では、業務フロー図、権限一覧、データ項目一覧、年間実施カレンダーを作ります。そのうえで、法定要件と追加要望の優先順位も決めます。
受検者名簿を誰がいつ作るか、人事データを何から取り込むかは、書面に残します。退職・異動・休職者の扱いや、集団分析を何人以上で公開するかも決めておきます。
フェーズ2:SaaS・連携開発・スクラッチの選定
導入形態は、実施頻度や既存システムとの関係を踏まえて選びます。
- SaaS・パッケージ:法定実施を早く安定して始めたい企業向け
- SaaSと連携開発:既存の人事マスタや健康管理基盤と一体化したい場合
- 専用開発・スクラッチ:独自の仕組みが競争力になる場合
SaaSやパッケージの利点は、法改正、質問票、保存、運用サポートを自社で抱えにくいことです。また、既存基盤との連携には、CSV・API・SSOがあり、必要な部分だけを追加開発できます。
複数法人をまたぐ独自の産業保健サービスや、健診機関向けの大量処理、独自ブランドの受検画面が競争力になる場合は、専用のクラウド開発やスクラッチを検討します。
質問票の妥当性、実施者の責任分界、個人結果の閲覧制御、監査ログ、バックアップ、保存後の消去は、自社の継続責任です。
比較では、法定業務を含むシステムとして各社を見ます。具体的には、法定質問票、実施者の手配、紙とWebの併用を確認します。さらに、共有端末、多言語、最小集団単位、個人結果の閲覧権限も確認します。
5年間の保存、契約終了時のデータ返却、障害時の復旧、50人未満事業場への対応、サポート窓口も確認します。その際は、同じRFPを複数社に渡します。
各社の機能に加えて、誰がどの作業を担うかも並べて見ます。作業分担をそろえると、サービスごとの運用差を把握できます。
フェーズ3:権限・データ・画面の設計と開発
設計対象は、利用者権限、管理データ、受検画面と操作フローに分けて整理します。
- 権限:受検者、実施者、事務従事者、事業者、部署管理者を区分
- データ:従業員ID、事業場、所属、職種、雇用区分、受検状態
- 記録:回答、個人結果、面接指導希望、集団分析単位、通知・同意履歴
- 画面・操作:端末やメール環境を踏まえ、受検から申請までを設計
画面ごとに、閲覧・登録・出力・削除の権限を定めます。たとえば、部署管理者には自部署の集団分析だけを見せ、個人結果や回答内容は見せません。
実施者の個人結果と、事業者へ返す集団分析データは、データベース上でも分けます。また、操作ログを残しておくと、説明責任を果たす材料になります。
人事システムから取り込むIDが毎年変わると、前年との比較や異動者の処理が難しくなります。そのため、マスタの正本をどこに置くかも、あらかじめ決めておきます。
CSVの文字コードや必須項目、API停止時の代替手段は、先に定めておきます。独自設問を加える場合は、法定質問票との集計、同意、利用目的を確認します。
受検画面は、スマートフォン、PC、共有端末、メールアドレスなしの利用を想定して設計します。さらに、実施期間の延長や未受検者への再通知も組み込みます。
また、回答途中の再開、結果の再表示、面接指導の申請は、実際の操作順に沿わせます。独自設問で現場の回答負担を増やしすぎないよう、回答画面の操作と質問数を合わせて確認します。
フェーズ4:機能・権限・実施シナリオのテスト
本番前に、通常の実施フロー、異常時の処理、個人情報保護、利用者を含むパイロットを確認します。
- 通常フロー:名簿登録→案内→受検→通知→面接希望→集団分析→報告出力
- 異常系:重複ID・所属変更・退職・未回答・メール不達・連続受検・権限外アクセス
- 安全性:権限、CSV、脆弱性診断、暗号化、復元、障害連絡の確認
- パイロット:代表事業場で環境の異なる利用者に試してもらう
通常フローは、画面の表示だけでなく一連の操作として確かめます。異常系は、同じ端末で続けて受検する場合や、権限のないURLへ直接アクセスした場合も試します。
権限テストでは、受検者に他人の結果が表示されないことを確かめます。部署管理者が少人数集団から個人を推測できないかも確認します。
CSVに不要な回答データが含まれないことや、実施者の操作ログが残ることも確認します。機能と安全性の確認は、一体で進めます。
本番前には代表的な事業場を選んでパイロットを行い、オフィス勤務者以外に、店舗、工場、医療・介護、現場作業の従業員も含めます。
外国籍従業員など、受検環境が異なる人にも参加してもらいます。実際の利用者を含めると、現場特有の問題を見つけられます。
産業医や実施者には個人結果と面接フローを確認してもらいます。人事担当者は名簿と集計を、現場責任者は集団分析の見え方を確認します。
役割ごとに確認すれば、担当業務に応じた抜け漏れを発見できます。そのうえで、本番前に修正と再確認を済ませます。
フェーズ5:段階的な稼働と実施期間の管理
稼働前の準備、実施中の進捗管理、高ストレス者への案内を整えてから、受検を始めます。
- 稼働準備:管理者、名簿、権限、テストデータ、通知文面、問い合わせ先の確認
- 進捗管理:受検状況とメール、問い合わせ、紙回収、面接希望の定期確認
- 個別案内:本人だけに届く導線で、申込方法、相談先、期限、共有範囲を伝える
初日は、対象者を限定したソフトローンチにします。ログイン、メール、結果表示、集計に問題がないことを確かめてから、対象範囲を広げると安全です。
全体の受検率だけでは、特定拠点の未受検を見落とします。そのため、進捗は事業場、雇用区分、勤務形態、言語ごとに表示し、日次または数日単位で確認します。
実施期間中は、メール到達率と未受検者数、問い合わせ件数、紙受検の回収状況を追います。面接指導希望者への連絡状況も、あわせて確かめます。
高ストレス者への案内は、結果通知と同じメールに書くだけでは足りません。システムが面接希望を把握しても、医師・保健師へつながらなければ、制度の目的は達成できません。そのため、システム外の連携手順も運用手順書に含めます。
フェーズ6:分析から職場改善への定着
受検後は集団分析を職場改善に結びつけ、KPIと引き継ぎ手順を整えて翌年につなげます。
定着の状況は、職場ごとの改善策から翌年の引き継ぎまで、一連の流れとして追います。
- 施策づくり:職場ごとに改善策を一つか二つ決め、担当・期限・対象・確認方法を設定
- KPI:受検率、結果通知率、面接指導の案内率と実施率
- 改善状況:集団分析を行った部署の割合、施策実行率、翌年のストレス要因の変化
- 運用の引き継ぎ:名簿、連絡先、カレンダー、問い合わせ、障害、保存・削除の手順を記録
分析では、長時間労働、業務量、裁量、人間関係を仮説に置きます。さらに、上司の支援、ハラスメント、在宅勤務の孤立なども仮説にします。
数値が悪い部署を責めず、個人が特定されない範囲で管理職と課題を共有します。そのうえで、勤務設計、会議、相談導線の見直しに分析結果を使います。
担当者が迷わないよう、法改正や質問票更新時に契約先が対応する範囲と追加費用も記録します。引き継ぎ資料には、名簿テンプレートや実施者の連絡先などを残し、翌年の実施前にはリハーサルを行います。
ストレスチェックシステム開発の費用相場とコストの内訳

費用は、年1回の実施に使うSaaS料金と、企業専用システムの開発費に分けて考えます。公開料金には、1人あたり数百円のプランや、50人未満向けの一律料金があります。
専用開発費の公開例は少ないため、人事・労務システムの工数とエンジニア単価を、ストレスチェックの機能範囲に置き換えて推定しています。
実施費用の内訳(1人単価と基本料金・支援範囲)
公開料金を比較するときは、質問票の種類、基本料金、対象人数、追加支援の範囲を合わせて確認します。
- 基本費用:基本料金と対象者単価を、自社に近い人数で計算
- 実施支援:実施者代行、医師・保健師の面談、労基署報告支援
- 追加機能:集団分析、紙受検、データ統合、多言語、問い合わせ対応
- 保存:データ保管期間と契約条件
たとえば、中央労働災害防止協会の2026年公開料金では、50人以上の場合、標準57項目のWeb受検は1人300円です。80項目は1人400円、総合90項目は1人450円です。
Webの基本料金24,000円は別途必要です。100人の場合は標準57項目のWebで約54,000円、1,000人なら約324,000円という計算になります(出典: 中央労働災害防止協会「ストレスチェックサービス」、2026年)。
集団分析の単位や多言語、紙とWebのデータ統合などは、別料金になり得ます。条件によって総額が変わるため、追加料金の扱いを確認します。
公開例では、ストレスチェック・ラボが、100人未満を1事業場・年25,000円としています。100人を超える場合は1人・年250円で、初期費用と月額費用はかからず、5年間のデータ保管を含みます。
ストレスチェッカーは、Web代行57項目を1人250円、200人以下を一律55,000円と案内しています。また、実施者代行は1人100円、医師面接は1人1回50,000円です。
各社の公開料金例は、契約条件や対象人数によって変わります(出典:各社公式料金ページ、2026年確認)。
1人単価が安くても、集団分析や実施者が別料金なら、総額は増えます。そのため、100人・1,000人など自社に近い人数で総額を再計算します。
労基署報告支援や5年間の保管も、確認対象です。比較では、単価と、含まれる支援範囲を合わせて見ます。
専用開発費の機能範囲ごとの推定レンジ
開発規模ごとの推定費用と期間を、機能範囲や追加条件と照らし合わせて見ます。
- SaaS連携:100万〜500万円程度、1〜3か月
- 専用WebのMVP:800万〜1,500万円程度、4〜8か月
- 複数法人・多数拠点向け:1,500万〜4,000万円以上、8〜15か月程度
SaaS連携の範囲は、初期設定、CSV連携、SSO、簡易的な権限追加です。標準機能を使い、データ形式や認証方式を合わせる案件を想定しています。
複数法人、複雑な人事マスタ、リアルタイムAPI、セキュリティ審査が加わると、SaaS連携費は上振れします。
MVPには、受検、結果通知、管理画面、基本集団分析、権限管理、保存を想定します。さらに、医療・法務レビュー、脆弱性診断、受入テスト、5年間の保存設計まで含めると、単なるフォーム開発より下限を割りにくくなります。
複数法人・多数拠点向けには、人事・勤怠・健診連携、多言語、SSO、紙併用を想定します。面接・改善ワークフローやBIも一体で構築するケースです。
保守・運用費は、初期開発費の年5〜15%程度を置くことがあります。一方、クラウド利用料、監視、バックアップ、法改正対応、問い合わせは別建てです。
産業医・実施者の委託費も、別建てで確認します。運用総額は、保守費だけでなく、この委託費も含めて判断します。
ここに示す金額は、確定した価格や、ストレスチェック専用サービスの公開料金ではありません。人事・労務システムの小規模刷新をもとにした推定で、リサーチノートにあるエンジニア月額80万〜120万円と、要件定義・設計・開発・テストの配分から算出しています。
見積もりでは、機能別工数と前提条件を分けて見て、推定レンジを予算の上限と決めつけないようにします。
ストレスチェックシステムの見積もりを取る際のポイント
見積もりの差は、開発会社の単価に加えて、前提に含まれる作業の違いから生まれます。そこで、RFPに条件を明記し、各社が同じ内容で見積もれるようにします。
RFPには、受検人数や事業場数に加えて、制度対応、業務フロー、情報の機微性、連携方式を記載します。運用支援、テスト、保守の内容も書き込みます。
RFPに書く対象者・データ・業務フロー
見積もり条件をそろえるため、RFPには次の内容を書きます。
- 対象者・環境:事業場数、人数、雇用区分、拠点環境、紙とWebの比率、外国語
- 制度・体制:実施者・産業医、質問票・独自設問、保存期間、集団分析、利用者ロール
- データ連携:既存システム、認証方式、マスタ連携の項目・時期・方向
- 画面:受検者、実施者、管理者の各画面と帳票・設定・監査ログ
- 段階導入:初年度、2年目以降、SaaS標準、50人未満事業場への対応
「人事システムと連携する」とだけ書くと、条件が足りません。そこで、従業員マスタの項目、連携時期、データの方向まで決めて書きます。
画面一覧には、受検者トップ、質問回答、結果表示、面接指導申請、管理者ダッシュボードを記載します。名簿取込、リマインド、実施者画面、集団分析も含めます。
帳票出力や設定も、画面一覧に加えます。各画面に閲覧者、編集者、出力データ、エラー表示、通知先を添えると、工数を見積もりやすくなります。
法定のMUST機能と改善施策のWANT機能を分け、初年度に必要な範囲、2年目以降の追加範囲、SaaS標準で代替できる範囲を記載します。
50人未満事業場への対応は、初期実装にするか、事業場管理を拡張できるデータ構造を先に整備するかを決めます。
複数社の同条件での比較と責任分界の確認
候補先の種類、運用体制、費用・機能、導入実績を、同じ条件で比べます。
- 候補先:専用SaaS、連携に強い開発会社、産業保健支援会社
- 責任分界:実施者、事務従事者、事業者、開発会社、クラウド事業者
- 費用・機能:初期・年額・従量・追加開発費、実施者代行・医師面接・保存・返却
- 運用・安全性:障害対応・セキュリティ認証・脆弱性診断・監査ログ・サポート時間・法改正対応
- 実績:同規模・業種・拠点数、英語・紙対応、集団分析後の改善支援
SaaSは実施を早く始めやすく、受託開発は独自業務に合わせやすいという特徴があります。ただし、法改正や運用を誰が継続して担うかは、方式によって異なります。
契約前に、各社の責任分担を図にまとめます。役割を決めておくと、障害や変更時の連絡先が明確になります。
営業資料に載る導入社数より、同じ規模・業種・拠点数の事例を確認します。英語や紙の対応実績も照合します。
自社が必要とする機能や、集団分析後の改善支援が、運用体制と一致するかを確かめます。
2025年に公表された事例では、アドバンテッジリスクマネジメントがオリンパスおよびグループ企業の約11,000人を対象にサービスを提供しました。
また、600以上のコラム、他社比較ができる集団分析、英語版の調査票が評価されています(出典: 株式会社アドバンテッジリスクマネジメント、2025年)。
大規模事例は、人数の多さよりも、自社の機能と運用体制に合うかで見ます。
契約前のリスクと保守費用の確認
契約前には、各社の条件を同じ基準でそろえて確かめます。
- 権限・受入:閲覧範囲、集団分析の最小人数、テスト環境、受入基準
- 障害・安全性:対応時間・復旧目標、暗号化・ログ、再委託、事故報告
- データ管理:保管期間、閲覧権限、返却形式、消去証明
- 契約:変更、請負・準委任、成果物、知的財産・第三者料金、法改正対応
- 保守総額:質問票改訂、OS・ブラウザ更新、診断、問い合わせを含む5年程度の費用
受検開始後に、個人結果の閲覧範囲や集団分析の最小人数を変えられない事態を避けるため、テスト環境と受入基準も確認します。
公開例では、ストレスチェック・ラボが、5年間保管し5年経過後に消去する運用を料金に含めると案内しています。一方、ストレスチェッカーは、AWS、WAF、アクセス監視などの対策を公開しています。
ストレスチェッカーは、20年間のデータ保管も掲げています。ただし、長期保存であること自体で優劣をつけず、自社規程と法的な保存要件に合うかを確認します。
解約時は、データの返却形式と消去証明を確かめ、データの受け取り方と削除の確認方法を決めます。
開発契約には、要件変更、請負と準委任の範囲、成果物、知的財産権、第三者サービス料金を明記します。さらに、法改正時の追加対応も定めます。
法定業務に関わる部分は、開発会社の判断だけで変えられないようにします。そのために、実施者や産業医を含む承認フローを設けます。
障害の重大度ごとの対応時間、バックアップからの復旧目標、データ暗号化、アクセスログも確認します。委託先の再委託や事故時の報告も、対象に含めます。
よくある質問(FAQ)
導入では、費用だけでなく、法定実施、個人情報、実施者、既存システム連携も問われます。よくある疑問への答えを、次にまとめます。
ストレスチェックシステムはSaaSとスクラッチ開発のどちらがよいですか?
法定実施を早く安定して始めたい場合は、実績のあるSaaSやパッケージが適しています。既存の人事・健診基盤と独自業務を一体化したい場合は、SaaSを基盤に連携開発を加える方法を優先します。
スクラッチ開発は、独自サービスそのものが競争力になる企業に絞って検討すると判断しやすいです。法定対応や運用の継続責任も考慮します。
ストレスチェックシステムの開発費用はいくらですか?
費用は、開発規模や提供形態によって目安が異なるため、主な価格帯を比べます。
- SaaS連携:100万〜500万円程度
- 専用WebのMVP:800万〜1,500万円程度
- 複数法人向け:1,500万〜4,000万円以上
- 実施サービス:1人250〜450円程度、または50人未満向け一律2万5,000〜5万円前後の例
いずれも、推定レンジや公開価格の例です。実施者、面談、分析、保存、連携の料金が含まれるかで総額は変わるため、開発費と実施サービスは分けて見積もります。
会社は従業員のストレスチェック結果を見られますか?
個人結果の閲覧者は、制度上の役割と本人同意を踏まえて限定します。そのうえで、実施者と事務担当者、事業者、所属長の権限を分けます。
会社へは、個人を特定しにくい集団分析を返す構成が基本です。また、回答データや個人結果、面接指導希望、集団分析、CSV出力について、閲覧者を確認します。
閲覧権限は、健康情報の取扱規程にも反映します。契約前に、システムの権限と社内規程を照合します。
ストレスチェックのデータは何年保存しますか?
保存期間は、自社規程、法令、委託契約、実施者の管理方法を確認して決めます。公開サービスには、5年間の保存を料金に含む例があります。
別のサービスには、20年間の保管を掲げる例もあります。長期保存を選ぶ場合は、利用目的、閲覧権限、バックアップを確かめます。
退職者や契約終了時の消去と消去証明も確認します。保存そのものを目的にしないことが大切です。
まとめ|6フェーズによる安全な導入と職場改善への接続
システム開発では、受検画面の使いやすさに加えて、法定実施と職場改善を分け、個人結果を守る権限とデータフローを定めることが欠かせません。
実施者・人事・現場を含むテストを行い、受検後の集団分析と改善施策まで運用することが重要です。要件から定着までを、一続きで考えます。
発注前に確認するチェック項目
発注前は、対象事業場と人数、受検方法、質問票、実施者、個人結果の閲覧者を要件表にまとめます。集団分析の最小単位や名簿連携、面接指導も記載します。
保存と削除の方法は先に決め、紙での受検、多言語対応、共有端末の扱いも同じように整理します。セキュリティ、障害対応、契約終了時のデータ返却も、あわせて整理します。これにより、見積もりの条件を具体化できます。
費用は、SaaSの実施費用と追加連携、専用開発に分けて比べます。運用保守、産業医・実施者、改善支援も、別々に確かめます。初期費用以外の継続費用も見ます。
最初の一歩:現状業務と将来対象の洗い出し
準備は、現状業務の洗い出しから発注先への相談まで、次の順に進めます。
- 名簿作成から保存までの実施手順と、役割・情報の流れを一覧にする。
- 50人未満事業場の追加可能性、既存システム連携、安心して回答できる権限を整理する。
- 同じRFPを用意し、複数の候補先に相談する。
現在の実施手順には、案内から受検、結果通知、面接指導、集団分析を経て、改善と保存までを含めます。
法令対応だけで終わらせず、翌年に改善を確認できるシステムと運用を選ぶと、長期的な導入効果につながります。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
