6社を比べるときは、データの根拠、運用体制、既存システムとの連携範囲の3つを見ると、自社に合う候補を絞り込めます。
6社は得意な範囲が違うため、順位ではなく、自社の目的に合うかで比べます。全体像は、サステナビリティ管理システム開発の完全ガイドもご覧ください。
▼全体ガイドの記事
・サステナビリティ管理システム開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
サステナビリティ管理システムのパートナー選びで重視する点

パートナー選びでは、算定機能の有無だけでなく、正しいデータを毎月集めて説明できる運用力を重く見ます。環境部門に加え、経理や購買、工場など多くの部門や取引先も関わるためです。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
データの正確さと説明可能性は、入力から算定根拠の保管まで通して確かめます。
- 入力品質:Excelや拠点別ファイルの入力漏れ、単位・係数版、組織境界の変更の把握
- Scope 3:購買金額による推計値とサプライヤーの一次データの区別
- 算定根拠:拠点・日時・証憑・計算式の追跡と、根拠の継続的な保管
特にScope 3では、同じ数字でも出どころが違えば、削減効果や開示の信頼性を説明するときに根拠を示しにくくなります。
2026年度からは、前年度までの直近3年度平均でCO2の直接排出量が10万トン以上の事業者を対象に、排出量取引制度が本格的に稼働します。このため、対象になる企業は排出実績量や排出枠を管理する必要があり、算定根拠を継続して保管する仕組みが欠かせません(出典: 経済産業省「排出量取引制度」、2026年)。
発注前に確認すべきポイント
まず、対象に含める業務範囲を決めます。範囲がそろっていないと、各社の見積もりを同じ条件で比べられないからです。
そのうえで、データの取り込み方も決めておきます。ファイルで始めるのか、既存システムと連携するのかで、進め方が変わるためです。
- 管理範囲:Scope 1・2・3、子会社、海外拠点、製品別CFP
- 対象指標:ESG・人権指標、開示帳票
- データ連携:CSV・請求書、会計・購買・ERP、計測機器とのAPI
見積書では、初期設定や組織・拠点マスタ、排出係数の扱いを確認します。過年度データ移行と入力代行が含まれるかも、あわせて見ておきます。サプライヤー依頼支援や教育は対象に入るかを確かめます。さらに、保守や法制度更新、追加連携費も含まれるかを確認します。確認項目をそろえておくと、見積もりの条件を比べやすくなります。
月額料金だけでなく、導入後の別費用も含めて、3年間の総保有コストで比べます。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫の支援
riplaは、コンサルティングから開発までを一貫して支援します。IT事業会社として社内DXを推進した経験を活かし、業務成果とシステムの定着まで支えます。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があります。また、業務要件に応じて柔軟に対応できる体制です。
特徴と強み
ツールを導入する前に、現場が保有するデータと業務フローを整理する必要があります。
riplaへの相談では、部門の枠を越えた業務要件を、既存システムとの関係も含めて形にします。
- 部門横断:経理請求、購買先、拠点活動量、経営KPIを業務要件にまとめる
- 段階連携:既存システムを残しながら、CSV・API、入力画面、承認フローを整える
- 個別基盤:開示方針と削減施策に合わせて、MUSTとWANTを分け、予算を組む
たとえば、主要拠点のScope 1・2と証憑管理から始め、次の段階でScope 3やサプライヤーアンケートを加える進め方もあります。
得意領域・実績
依頼前に、riplaの得意領域と自社の条件が合うかを確かめておきます。
- 得意領域:複数部門のデータを扱う基幹業務システム
- 一貫支援:要件定義から画面・権限設計、データ連携、テスト、利用部門への引き継ぎまで相談できます
- 比較対象:特定のSaaS契約だけで短期間に算定する場合は、専用クラウドと比べます
- 相談時の共有事項:拠点数、Scope、既存システム、開示先、証憑の保管方法を伝えると、個別開発と標準サービスの境界が明らかになります
株式会社ゼロボード|国内クラウドによる排出量算定から削減・開示までの支援
ゼロボードは、GHG排出量の算定と可視化を中心に、削減、ESGデータ管理、開示を支援する国内企業です。
主力サービスのzeroboardは、Scope 1・2・3を管理し、脱炭素経営を支援するクラウド型サービスです。
国内で複数拠点やグループ会社を抱え、排出量管理の標準手順を整えたい企業に向いています。
特徴と強み
算定だけでなく、削減目標や施策、開示に向けたデータ整理までを一つの流れで検討できます。国内の排出係数や開示実務を重視する企業は、比較候補に入れられます。
導入前には、対象Scopeと組織境界を確かめます。子会社や海外拠点の扱い、CSV・APIで取り込めるデータ形式も、あわせて確認します。
得意領域・実績
公式事例では、インフロニア・ホールディングスがzeroboardを活用し、SBT取得やCDPスコアの向上につなげた取り組みが紹介されています(出典:株式会社ゼロボード「インフロニアのSBT認定・CDP向上導入事例」、2025年)。
事例を見るときは、活用目的と既存システムの改修範囲を分けて確認します。
- 活用目的:算定後に目標設定や開示へ進みたい企業に参考となる事例
- 改修範囲:会計・購買・生産管理の改修は、製品とSI・コンサルの見積範囲を分けて考える
- 導入支援:グループ統合や証跡要件が重い場合、役割・追加連携費・窓口を契約前に確認する
アスエネ株式会社|AIを活用した算定・削減・報告の統合プラットフォーム
アスエネは、CO2排出量の可視化・削減・報告を扱うAIサステナビリティ統合プラットフォームを提供します。
Scope 1・2・3に加えて、サプライチェーン、ESG評価、再生可能エネルギー調達まで一貫して検討したい企業に向いています。
特徴と強み
公式サイトでは、2026年7月調査時点で契約済みのグループ導入企業が22,000社以上と案内されています。
ただし、これは契約済みグループ導入企業の数で、機能や導入範囲が各社で同じという意味ではありません(出典: アスエネ公式サイト、2026年7月)。
選ぶときは、契約範囲とAIの確認手順を照らし合わせます。
- 契約範囲:全社展開か、取引先を含む管理かを確認する
- AIの検証:推定・一次データ、ロジック、手動修正、係数履歴を確認し、担当者が承認して報告に反映する
得意領域・実績
取引先から排出量データを回収し、環境情報を経営指標として把握したい企業に適しています。
導入時は、依頼文面や回答期限、未回答先へのリマインド、回答データの品質ランクを設計しておきます。取引先の回答が集まらなければ、操作性が高くてもScope 3のデータ品質は上がりません。
導入範囲が広い場合は、ESG指標や再エネ調達を含めた費用と、どこまでを誰が受け持つかを確認します。標準機能、個別設定、コンサルティングの範囲を分けておくと、導入後の予算超過を抑えられます。
株式会社invox|公開価格で小さく始めやすい炭素会計システム
invoxは、請求データなどからScope 1・2・3のCO2排出量を算定するクラウド型炭素会計システムです。
会計や請求のデータを、Scopeやカテゴリ、活動内容に振り分けます。そのうえで、目標設定、削減、開示へとつなげます。
主要拠点の排出量を把握したい企業や、価格の透明性を重視する企業に向いています。
特徴と強み
公開プランは初期費用0円で、対象Scopeと拠点数に応じて選べます。
- ミニマム:Scope 1・2、1拠点から。月額1,980円
- ベーシック:Scope 1〜3、5拠点まで。月額9,800円
- プロフェッショナル:Scope 1〜3、拠点数無制限。月額29,800円
各プランはユーザー数無制限です。一方で、追加オプションや導入支援の費用は別途確認が必要です(出典: 株式会社invox「invox炭素会計」料金ページ、2026年確認)。
請求データを使えば入力の負担を減らせます。ただし、組織固有の排出係数や製造工程、海外拠点、サプライヤーの一次データを扱えるかは、導入前に確かめます。
得意領域・実績
会計データを使える会社であれば、Excelへの転記を減らせる可能性があります。
- 1〜数拠点のScope 1・2から始め、次にScope 3へ広げる進め方。
- 数か月分の請求データをPoCに取り込み、科目・係数・修正履歴・承認を確かめる作業。
- 小規模導入か、開示保証まで見据えた統合基盤かという切り分け。
大規模グループで複雑な権限やERP連携が必要なら、月額以外の費用も含めて比べます。CSV・API連携やデータ移行、サポートに加え、追加拠点料金も含めたTCOを算出します。
SAPジャパン株式会社|ERPとつながるグローバルなサステナビリティ基盤
SAPジャパンは、SAP Sustainability Control Towerを提供します。加えて、Sustainability Footprint Managementなども提供しています。これらは、SAPの業務データと接続しやすい製品群です。
ERPの購買・生産・物流・財務データを活用し、排出量算定から製品、サプライチェーン、経営指標へ広げたい企業に向きます。
特徴と強み
SAP製品を選ぶ際は、既存環境との適合性とグローバル要件を確認します。
- 既存SAP:別ファイルへの移行より、基幹データと整合しやすい可能性がある
- 海外・開示:複数法人、製品別CFP、CSRD等に標準データ構造と権限管理を検討する
費用は、導入規模や既存契約、対象機能によって変わり、パートナーの支援内容でも差が出ます。そのため、ライセンスのほか、マスタ統合や組織境界、データ移行を含む提案を依頼します。国別要件や教育、運用設計も、あわせて含めてもらいます。
標準機能と追加開発を分けておくと、見積もりを同じ基準で比べられます。
得意領域・実績
SAP公式事例では、Tyrolit GroupがSAP Sustainability Control TowerでCSRD対応を進めています(出典:SAP「Sustainabilityソリューション導入事例」、2026年確認)。
導入環境ごとに、連携設計と関係部門の参加範囲を見ておきます。
海外グループの報告データを整える事例は、自社の組織構造や規制対象と照らし合わせて読む必要があります。
- 他社ERP:SAP以外も導入を検討できるが、連携設計とデータモデルの整理が必要
- 基盤刷新:ERP・経営管理基盤を再設計する場合、環境・情報システム・経理・購買・海外子会社の責任者を初期段階から加える
日本アイ・ビー・エム株式会社|監査可能なESGデータ管理のグローバル展開
日本アイ・ビー・エムは、IBM Envizi ESG SuiteでESGデータの収集・管理・分析・報告を支援します。
公共料金の請求、エネルギー、GHG排出量をまとめ、複数拠点のデータをダッシュボードや報告に活用できます。
特徴と強み
公式事例では、世界中の6,500件超の公共料金請求を毎年収集し、手作業の計算時間を減らした例があります。また、300超の拠点のGHG排出量を一つのダッシュボードで追跡した例もあります(出典: IBM「Envizi ESG Suite Case Studies」、2026年確認)。
導入の可否は、請求業務の量や監査要件、自社のPoC条件に照らして判断します。
- 請求・報告:請求書が多い場合、手入力を減らしデータを集約・報告できるか
- 監査・連携:取り込み方法、証跡、権限、変更履歴、レポート承認者を確認する
- PoC:公開値は環境に依存するため、自社の請求書数・拠点数・担当者で条件を定める
得意領域・実績
複数国・複数法人のESGデータを集約し、開示や保証に備えたい企業に向いています。IBMのクラウドやデータ分析、業務システムと組み合わせる場合は、自社データを取り込んだ業務シナリオで評価します。
費用は、対象指標やユーザー、拠点の数で変わります。データ量や連携、導入支援の内容によっても変わるため、個別見積もりになりやすい領域です。
グローバル展開では、RFPに各国のデータ収集責任者を記載します。翻訳・多言語対応や現地法人の権限、第三者保証向けの証憑提出も、あわせて盛り込みます。
サステナビリティ管理システムのパートナー選びのポイント

6社に順位はつけず、自社の成熟度と目的に合わせて比べます。目的が可視化なのか、国内グループ管理や取引先データの回収なのかで必要な製品が変わり、ERP統合やグローバル開示では支援体制も異なります。
実績と経験の確認方法
導入事例を見るときは、会社名だけでなく、導入前の課題や対象Scope、拠点数を確認します。さらに、データの取得方法、利用部門、導入後の運用も見ておきます。
導入社数が多くても、自社と同じ業種・規模・組織境界で使えるとは限りません。
翌月のデータ締めを誰が行い、未入力や異常値を誰が承認するのかを、担当者に説明してもらいます。
技術力と専門性の評価
技術要件はRFPに記載し、各社の回答を同じ条件で比べます。確認項目は、算定、証跡、セキュリティ、AIに分けて見ます。
- 算定:Scope 1・2・3、排出係数の版管理、一次データと推定値の区別
- 証跡:組織境界の変更、証憑ファイル、入力・承認・修正ログ
- セキュリティ:SSO・多要素認証、バックアップ、脆弱性対応
- AI:推定値の根拠、モデル更新、手動修正、データの学習利用
公開価格のある小規模なSaaSでは、初期0〜10万円、月額数千円〜3万円程度が入口の目安です。
複数拠点やScope 3を含み、承認や連携も必要な中堅向けは、初期100万〜500万円、月額10万〜50万円が目安です。
大企業のグループや海外展開では、初期500万〜2,000万円、月額50万〜200万円超が目安です。いずれも、公開価格と一般的な導入構成から整理した目安で、個別見積もりを保証するものではありません。
プロジェクト管理体制の確認
運用を続けられるかを確かめるため、社内外の担当とPoC条件を先に決めておきます。
- 社内担当:データオーナー、拠点入力、環境レビュー、経理承認、情報システム管理を割り当てる
- ベンダー担当:プロジェクトマネージャー、業務設計、データ移行、連携開発、運用支援の役割と窓口を明示する
- PoC範囲:全社・全Scopeを一度に整えず、主要拠点のScope 1・2と証跡で試す
- 合格条件:算定、入力漏れ・異常値、係数更新、修正理由、承認、レポート出力を確認する
よくある質問
費用や機能に加えて、自社のデータ運用と開示方針に合うかを確かめます。導入前によく寄せられる質問に、順に答えます。
サステナビリティ管理システムの費用相場はいくらですか?
小規模なクラウド導入は、初期0〜50万円、月額0.3万〜10万円程度が入口の目安です。
複数拠点やScope 3を含み、連携や承認、サプライヤー対応も必要な場合は、初期100万〜500万円、月額10万〜50万円程度を見込むケースがあります。
データ移行やコンサルティングが別料金かを確認し、3年間の総額で比べます。
Excel管理からすぐに移行する必要がありますか?
すぐに全データを移す必要はありません。まずは、主要拠点のScope 1・2、請求書や電力データ、排出係数、承認者を対象にPoCを行います。
入力と締めの手順が定着してから、Scope 3や子会社へ広げると、失敗を抑えられます。
過年度データを移行する場合は、欠損や推定値を明示し、確定値と混在しないように管理します。
開発会社とSaaSベンダーはどちらを選ぶべきですか?
標準的なScope 1・2の可視化を短期間で始めるなら、SaaSベンダーを比べやすいです。
複雑なERP連携や独自CFP、複数部門の承認、経営管理との統合が必要な場合は、開発会社やSIerの支援が向いています。会計、購買、DWHとの連携も、この検討に含めます。
riplaのような開発会社と専用SaaSを組み合わせる構成も含めて、役割分担と追加費用を提案書で確かめます。
まとめ
6社の比較から分かる選び分け
riplaは業務要件に沿った個別設計に、ゼロボードとアスエネは国内の排出量管理と削減・開示に、invoxは公開価格で始める炭素会計に向いています。
SAPとIBMは、既存基盤やグローバル運用と統合したい場合の候補です。「まず算定」「取引先から回収」「開示・保証」「経営管理との統合」のどこを目指すかで、候補が変わります。
導入前に決める次のアクション
導入の準備は、前提の整理、PoC、提案依頼の順に進めます。
- 対象拠点、Scope、開示先、データ責任者、既存システム、予算上限を整理する
- 活動量、排出係数、証憑、承認、削減施策、取引先情報、開示・保証の管理範囲を決め、RFPには、Scope、拠点・法人、一次データ、連携、運用体制も記載
- 主要拠点のScope 1・2と証跡でPoCを行い、翌月も同じ手順で締められるか確かめる
- 次にScope 3、サプライヤー、製品別CFP、海外拠点へ広げる
- 初期費用、月額、連携費、運用支援を含む3年間の見積条件をそろえ、複数社へ提案を依頼する
- 2026年の制度・開示準備に向け、標準サービスと個別開発を分けて見積もる
▼全体ガイドの記事
・サステナビリティ管理システム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
