店舗管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

店舗管理システムの開発は、業種・店舗数・運営形態に合わせて必要な機能と連携要件を整理することが成功の鍵です。そのうえで、要件定義から設計・開発、テスト・移行、本番稼働へと進みます。

まず全体像と種類を見てから、開発工程、重要ポイント、開発手法の選び方へと進みます。

このテーマの全体ガイドは、以下の記事をご覧ください。

全体ガイド

店舗管理システムの全体像と種類

店舗管理システムの在庫・売上管理、スタッフや顧客の管理、POSレジ連携を3枚のカードで示した図。
日々の店舗業務を支える機能が3つの領域に分かれています。

店舗管理システムの代表的な機能

店舗管理システムの主な機能は、在庫や売上の管理、スタッフ・シフトや顧客の管理、POSレジ連携です。なかでもPOSレジ連携では、キャッシュレス決済(クレジット・IC・コード決済)との統合や、領収書・レシートの発行に対応します。

単店舗 vs 多店舗チェーン向けシステムの違い

単店舗向けのシステムは、シンプルな機能を低コストで導入することが優先されます。このため、クラウド型の既製品(Square・Airレジ・スマレジ等)を活用し、カスタム開発よりも設定やカスタマイズで対応するのが一般的です。

一方、多店舗チェーン(10店舗以上)では、本部での一元管理(全店舗の売上・在庫・スタッフのリアルタイム把握)や、店舗間の在庫融通といった高度な機能が求められます。さらに、フランチャイズ本部と加盟店の権限分離設計や、本部会計システムとの連携も必要になります。そのため、スクラッチ開発かパッケージの大規模カスタマイズが必要になるケースが多くなります。

ポイント

店舗数と運営形態によって必要な機能の水準は大きく変わります。単店舗なら既製品の設定で足りるか、多店舗なら本部の一元管理まで求めるかが、検討の出発点になります。

店舗管理システム開発の工程と流れ

要件定義から設計・開発、テスト・移行、本番稼働へ進み、移行時に1〜3店舗のパイロット店舗を使う工程図。
先行店舗で問題を直してから全店舗へ広げる段階があります。

要件定義フェーズの成否を分ける要因

店舗管理システムの要件定義では、業種・業態ごとの特殊な運用ルールを正確に把握することが、何より優先されます。

たとえば飲食業では、テーブル管理やオーダーエントリー、キッチンディスプレイとの連携が必要になります。小売業では、商品マスタの管理粒度(サイズ・カラー別のSKU管理)や、バーコード体系(JAN・QR・独自コード)の設計を詰めておく必要があります。

現場スタッフへのヒアリングも、要件定義では欠かせません。実際の業務を熟知した現場の声を拾わないまま開発を進めると、使われないシステムが生まれるおそれがあります。

設計・開発フェーズのポイント

設計フェーズでは、データベース、画面、APIを設計します。データベースでは、商品マスタ・顧客マスタ・売上トランザクション等のER図を作り、画面ではPOS画面や在庫管理画面、管理画面のワイヤーフレームを描きます。API設計では、POSレジや決済端末、EC連携などとの接続仕様を定めます。

特に重要なのがPOS連携の設計です。既存のPOSレジとのAPI連携仕様は機種によって異なるため、事前に調べたうえで、その違いを吸収するレイヤーを用意しておく必要があります。

開発フェーズでは、タブレットやスマートフォンに対応するレスポンシブデザインやPWA設計を採用します。これにより、現場での使いやすさが高まります。

テスト・移行・本番稼働

テストフェーズでは、単体テストから結合テスト(POS・決済連携含む)、システムテストを経て、ユーザー受入テスト(UAT)まで実施します。

飲食・小売業のシステムは営業時間中に止められないため、移行は閉店後や休業日を利用して行います。また、多店舗チェーンでは、パイロット店舗(1〜3店舗)で先行稼働し、問題点を修正してから全店舗へ展開する段階的なロールアウトが推奨されます。

本番稼働の直後は、開発チームがオンサイトかリモートでサポートに当たります。あわせて現場スタッフへの操作研修を行うことが、定着率を高めるうえでのカギになります。

ポイント

要件定義で業種ごとの運用ルールと現場の声を拾えているかどうかが、その後の設計や開発の進み方を左右します。判断に迷う項目は、要件定義の段階で現場に確かめるとよいでしょう。

店舗管理システム開発の重要ポイント

POSで発生した売上による在庫更新を中心に、本部の管理画面とEC在庫を結び付けて示した図。
店舗とECの在庫をつなぐには、同期の設計が要になります。

リアルタイム在庫連携とデータ一元管理

多店舗チェーンの店舗管理システムで欠かせないのが、全店舗の在庫・売上データをリアルタイムに一元管理することです。各店舗のPOSで売上が発生した瞬間に在庫が更新され、本部の管理画面ですぐに把握できる設計が求められます。

ECサイトとの在庫連携(オムニチャネル対応)では、実店舗とEC在庫の同期不整合が起きやすいため、在庫管理の設計が全体の品質に直結します。また、データ集計の遅延やエラーは現場判断の誤りにつながるため、高い信頼性と応答速度が求められます。

マルチデバイス(タブレット・スマホ・ハンディ)対応

店舗のバックヤード業務は、PCだけでなくタブレットやスマートフォン、ハンディターミナルから操作する場面が多くあります。このため、発注作業や棚卸をモバイル端末で行えると、現場作業の効率が大幅に上がります。在庫確認やシフト管理も、モバイル端末から扱えます。

開発時はレスポンシブWebデザインを採用し、画面サイズに応じた最適なUIを提供します。ネット接続が不安定な倉庫やバックヤード等に対応するため、オフラインキャッシュ機能(Service Worker等)の実装も検討しておく必要があります。

ポイント

ECとの在庫連携も含めて、在庫や売上を本部でリアルタイムに把握できるか、現場の端末で作業できるかを、判断の目安にします。

開発手法の選び方

パッケージ活用 vs スクラッチ開発

スマレジ、AirレジPOS、STORES、Shopify POSなどのクラウド型POSパッケージを活用すると、単店舗から中規模チェーンまでは、低コスト・短期間での導入が可能です。

ただし、自社固有の商品マスタ体系や独自のポイント制度、本部専用の分析機能など、パッケージの標準機能で対応できない要件が多い場合は、スクラッチ開発が優位です。さらに、大規模な多店舗チェーン(50店舗以上)では、パッケージをベースにした大規模カスタマイズか、スクラッチ開発のどちらかを選ぶことが多くなります。

クラウド型 vs オンプレミス型の比較

クラウド型は、インターネット経由でサービスを利用するため、初期費用を抑えてスモールスタートでき、複数店舗のデータを本部で一元管理しやすいメリットがあります。さらに、オートスケーリングにより、繁忙期やキャンペーン時などピーク時の負荷増大にも柔軟に対応できます。

一方、オンプレミス型はインターネット環境に依存しないため、店舗の通信障害時でも業務を続けられる点が強みです。ただし、初期設備費用が高く、バージョンアップやセキュリティ対応を自社で管理する必要があります。現在は「クラウドファースト」の潮流の中で、多くの店舗管理システムがクラウド型で構築されています。

店舗管理システムの開発は、顧客体験と店舗オペレーション効率の両方に直結する大切な投資です。株式会社riplaでは、小売・飲食・サービス業向けの店舗管理システム開発をコンサルティングから一気通貫でサポートしています。ご相談はお気軽にお問い合わせください。

ポイント

標準機能で要件を満たせるかが、パッケージとスクラッチのどちらを選ぶかの目安になります。店舗数が増えるほど、大規模なカスタマイズやスクラッチ開発を検討する場面が増えます。

▼全体ガイドの記事
・店舗管理システム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。