テスト自動化ツールのパートナーは、自動化の対象、技術と保守性、導入後の責任範囲の3つの観点で比べると、自社に合う支援先を選びやすくなります。
6社は得意とする範囲がそれぞれ異なるため、この観点で並べて見ると違いが見えてきます。
▼全体ガイドの記事
・テスト自動化ツール開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
テスト自動化ツールの導入でパートナー選びが重要な理由

導入の成否は、開発会社が自動化対象の選定からテストデータの準備、フレームワーク設計、CI/CD連携までを設計できるかで決まります。さらに、失敗が起きたときに原因を切り分けられるかも問われます。
操作を記録しただけの仕組みだと、仕様変更やブラウザ更新のたびに保守工数が膨らみます。そのため、導入時の開発力と、導入後もテストを使い続けられる運用力を切り離さずに確認する必要があります。
自動化する対象を先に決める理由
対象を決めないまま広げると、仕様変更やブラウザ更新のたびに直す範囲が増えてしまいます。そこで、発注側と開発会社が、実行頻度と合否判定の明確さ、仕様の安定性をもとに自動化する範囲を選びます。
- 自動化候補:ログイン、受注登録、権限ごとの検索、請求データ連携、主要画面の回帰確認。
- 手動での確認候補:探索的テスト、使いやすさの評価、仕様変更が続く画面。
発注側は、すべてのテストケースを自動化するのではなく、手動で残す範囲も含めて優先順位をつけられる会社を選びます。
発注前に確認すべき保守・データ・成果物
発注前には、見積もりに含まれる範囲と、納品後の責任分担を項目ごとに確かめておく必要があります。
- 見積もり範囲:テストコード、テストデータ、個人情報のマスキング、実行環境、並列数、CI/CD、レポート、失敗時の一次切り分け、ブラウザ更新対応。
- 成果物と引き継ぎ:テストコードと設計書の所有権、納品形式、内製化に向けた引き継ぎ。
- 保守と連絡:保守時間、障害時の連絡方法。
条件があいまいなままだと、導入後に「動かないテストを誰が直すのか」が決まらないまま残ります。
株式会社ripla|コンサルティングから開発までの一気通貫支援
riplaは、コンサルティングから開発までを一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネス成果の創出とシステムの定着を支援します。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があります。また、業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制です。
特徴と強み
業務フローとシステム全体を理解したうえで、どの工程の自動化が業務成果につながるかを整理できます。画面上の登録確認だけでなく、登録後のAPI連携やデータ反映まで、業務シナリオとして設計できます。権限差分や帳票出力も対象になります。
既存システムに十分なテスト環境がない場合は、開発や業務改善と同時に、テスト環境・データ・運用の整備を検討できます。
得意領域・実績
業務知識はあるものの、テスト設計や自動化を担う担当者が社内に不足している企業に向いています。
また、基幹システムの刷新と品質保証をまとめて進めたい企業にも適しています。複数部門をまたぐシステムでは、品質は業務プロセス全体で決まります。そのため、刷新と品質保証を別々に考えない進め方が合います。
相談時は、対象業務と現在の手動テスト時間、リリース頻度を共有します。障害が起きやすい連携や将来の内製化方針も伝えると、優先順位を検討しやすくなります。
株式会社SHIFT|テスト計画から自動化・運用までの品質保証支援
株式会社SHIFTは、ソフトウェアテストと品質保証を専門とする会社です。計画からフレームワーク導入、環境構築、運用まで支援します。
公式サービスでは、自動操作や自動検証、自動報告を整理しています。テスト実行管理や実行環境準備についても整理しています。また、テストのレベルやタイプに合うツール選定も支援すると説明しています。
特徴と強み
SHIFTは、最初からテストコードを量産せず、フィージビリティスタディで自動化する箇所と手動で残す箇所を切り分けます。テストの層によって自動化の効果と保守の負荷は異なり、コンポーネントテスト、結合テスト、UIテストで差が出ます。
実行頻度や判定の明確さで優先順位をつけるため、業務システムの回帰テストを段階的に自動化したい企業にとって、相談しやすい候補です。
得意領域・実績
公式サイトでは、開発計画からテスト、運用保守までの自動化ニーズに対応するとしています。専門知識を持つエンジニアの供給や、テストコードを量産する体制も支援します。
自動化を繰り返して初期構築コストを回収する目安は約10回と説明されています(出典:株式会社SHIFT公式「テスト自動化サービス」、2026年確認)。ただし、この回数は案件ごとの手動工数、実行頻度、保守量で変わるため、自社の回帰テスト回数で再計算する必要があります。
株式会社NTTデータ先端技術|複数ツールと大規模システムへの対応
株式会社NTTデータ先端技術は、NTT DATAグループの技術会社として、エンタープライズシステムの開発・運用を支援します。公式ページでは、UFT系の商用ツールやSelenium、SahiなどのOSSを使い、幅広いツールで自動化すると案内しています。
特徴と強み
特定の製品に合わせるのではなく、既存の開発標準やシステム構成に合わせてツールを組み合わせたい企業に向いています。その際は、チームのスキルやライセンス条件も踏まえます。
Selenium資産を継続するか、商用ツールへ移行するか、APIやバッチをどの層で検証するかを比べたうえで、導入方針を作れます。
大規模環境では、テスト実行の権限管理や結果の保管先も欠かせない確認事項です。そのため、非機能要件まで含めて確認します。
得意領域・実績
既存資産を生かして自動化する場合は、利用環境と必要な支援範囲を伝えると、対応内容を具体化できます。
- 対象環境:基幹系・業務系や、複数の外部システムが連携する環境。
- 問い合わせ時の共有事項:利用中のツール、ブラウザとOS、夜間バッチ、テストデータの作成方法、JenkinsやGitHub ActionsなどのCI/CD環境。
- 見積もり範囲:製品名だけでなく、導入後のフレームワーク保守と教育も含めて見積もる。
株式会社NTTデータ|AIテストと大規模SIの組み合わせ
株式会社NTTデータは、金融、公共、法人、通信などの領域で、システム開発・運用を手がける大規模SI企業です。テスト自動化の領域では、AIテストプラットフォーム「Bimac」や、テスト自動化フレームワーク「CinnamonPlus」を公開しています。また、ビジュアルテストソリューションとの連携についても、公式サイトで情報を出しています。
特徴と強み
大規模な開発プロジェクトで品質保証と自動化を同時に設計したい企業は、SI全体との接続についても相談できます。
AIでテストケースや結果分析を効率化できても、期待結果やテストデータ、権限は人が確認する必要があります。さらに、画面変更の影響も人が見ます。そのため、AI導入そのものを目的にせず、品質基準を既存のプロセスに組み込めるかを確かめます。
得意領域・実績
NTT DATA公式記事は、CinnamonPlusで多数のテストシナリオを効率的に実装した海外事例を紹介しています。
また、多様な環境のビジュアルテストにApplitoolsのUltrafast Gridを使った事例もあります。出典は、NTT DATA公式「最新のAIテストソリューションでテスト効率向上!」(2024年)です。
- 効果の扱い:公表事例の効果が、すべての案件で再現される保証はありません。
- 確認対象:金融・公共・ERPなど、監査やセキュリティ要件が重い企業。
- 導入前の確認事項:対象範囲、データ保管、AI利用時の情報管理、受入基準。
SCSK株式会社|AI駆動型開発基盤とテスト自動化の一体検討
SCSK株式会社は、システム開発や運用、ITインフラ、ERPなどを幅広く支援する総合ITサービス企業です。AI駆動型開発基盤「DevCond.AI」では、開発標準や案件の特性に応じて、コード生成、テスト自動化、CI/CD、プロジェクト管理などの必要な機能を選べます。なお、SCSKは2026年5月に導入開始を公表しました。
特徴と強み
仕様書、ソースコード、開発標準、CI/CDをつなぎ、開発ライフサイクル全体を改善したい企業に適しています。
AI生成のコードやテストは、仕様との対応、認可境界、異常系、個人情報の扱いを人が確認する必要があります。
判断にあたっては、デモだけでなく、生成物のレビュー、ログの保存、学習に利用するデータの範囲を確かめます。さらに、誤生成が起きた場合にどこまでを誰が受け持つかも確認します。
得意領域・実績
既存の開発標準や社内ルールの枠内で、生成AIやテスト自動化を段階的に広げたい企業が相談しやすい候補です。
- 基盤費用:複数案件で共通プロセスを使う場合は、個別のテスト作成費に加えて、共通の土台にかかる費用も確認します。
- 費用に含める項目:テンプレート、共通部品、権限、監査ログ、教育。
- 提供状況:新しい取り組みとして公表されたばかりのため、自社に近い適用実績と提供開始範囲を商談時に確かめる。
BrowserStack|ブラウザ・実機環境をクラウドで提供するテスト基盤ベンダー
BrowserStackは、デスクトップブラウザやモバイル実機をクラウドで使えるテスト基盤を提供するベンダーです。開発会社ではない点も、発注先の候補として押さえておきます。
Playwright、Selenium、Appiumなどのテストコードは自社で管理し、端末の調達や環境の保守を外部に任せたい企業が比較できます。
特徴と強み
社内に端末ラボを持たなくても、多数のブラウザ、OS、実機を組み合わせたクロスブラウザ・モバイルテストを実行できます。
公式価格ページの年払い表示例では、Desktopが月額99ドル、Desktop+Mobileが月額175ドルです(出典:BrowserStack公式Pricing、2026年確認)。
ただし、実際の料金はプラン、並列実行数、対象機能、契約条件で変わります。為替の影響に加えて、CI/CDの実行回数やデータ保存条件も含めて見積もる必要があります。
得意領域・実績
BrowserStackのCarousell事例では、自動化の実行規模を13倍に拡大し、回帰テストを1日から1時間に短縮したとしています(出典:BrowserStack公式Carousell事例、2026年確認)。
ベンダーが公表した導入事例であり、自社で同じ数字が得られる保証はありません。
- 実機利用の条件:対象範囲、アプリのアップロード方法、ネットワーク接続、個人情報を含むデータを扱えるか。
- サポート:障害時の対応内容を、採用前に確かめておく。
テスト自動化ツールのパートナー選びで確認すべきポイント

6社を比べるときは、知名度やツール名だけでなく、自社の課題にどこまで責任を持つかを確かめます。
候補には、受託開発会社、品質保証会社、SI会社があります。AI開発基盤やクラウド実行環境を提供する会社もあり、得意範囲と費用の出方は会社の種類によって異なります。
同じ質問票で候補会社を比べると、見積もりの抜け漏れを減らせます。
自社に近い条件での実績と経験
実績は、Web業務システムやAPI、バッチといった自社に近い対象で確認します。ERPやモバイル、外部SaaSなども候補になります。
可能であれば、導入前の手動工数や自動化ケース数、実行頻度を、匿名化した範囲で示してもらいます。あわせて、失敗率や保守時間、運用移管後の体制も聞いておくと比べやすくなります。
公表事例の効果は参考になりますが、データ量やリリース頻度が違えば結果も変わります。そのため、PoCで自社の数字を測っておく必要があります。
技術力と専門性、保守性の評価
候補技術は、対応できるかどうかに加えて、設計や運用を続けやすいかで比べます。
- 候補技術:Playwright、Selenium、Cypress、Appium、ローコード製品。
- 設計・運用:セレクタ、共通部品、テストデータ生成、認証、リトライ、スクリーンショットやトレース、レポート。
2026年時点のPlaywrightには、planner、generator、healerというTest Agentsがあります(出典:Playwright公式リリースノート・公式ドキュメント、2026年確認)。plannerはテスト計画を作り、generatorはそれをテストコードへ変換します。healerは、失敗したテストを修復する機能です。
ただし、AIで作成速度を上げても、期待結果や権限境界は人が検証する運用が必要です。
プロジェクト管理と契約範囲の明確化
費用は対象範囲によって変わる推定値で、全国一律の料金ではありません。保守費は、初期構築費の年20〜40%程度を仮置きしておきます。
- PoC:代表的な5〜15ケースを試す場合、50万〜150万円。
- 小規模導入:Web回帰20〜50ケースとCI連携を含め、100万〜300万円。
- 中規模導入:100〜300ケースで300万〜800万円程度。
- 広い対象範囲:業務システム、ERP、モバイル実機、外部連携、性能や権限まで含めると、800万〜2,000万円以上になる場合もある。
- 保守の範囲:ブラウザ更新、仕様変更、テストデータ更新、失敗原因の調査。
セキュリティテストは、通常の機能テストとは別に考える必要があります。NISTのSSDFは2026年4月に更新され、セキュリティ要件やリリース部品の来歴を扱います。
SSDFはリスクや設計判断の追跡なども扱います(出典:NIST Secure Software Development Framework、2026年更新)。また、WebアプリではOWASP ASVS 5.0.0も、調達・検証要件の基準にできます(出典:OWASP ASVS、2025年5月公開)。
脆弱性診断は、自動機能テストで代替しない旨を、提案書と契約書に明記します。
テスト自動化ツールに関するよくある質問
選定時は、ツールの価格だけでなく、対象ケースや運用担当者を確認します。データの扱いや保守の責任の分け方も、あわせて見ておく必要があります。
テスト自動化ツールは何を基準に選べばよいですか?
まず、対象がWebかモバイルか、APIやバッチも含むかで絞り込みます。そのうえで、チームが扱える言語や対応ブラウザを確かめ、CI/CDやテストデータ、保守体制まで見ます。
無料で始められるOSSでも、設計や実装、保守の工数には人件費がかかります。そのため、ライセンス料だけで比べると、総額を見誤りかねません。
テスト自動化ツールの導入費用はいくらですか?
推定の目安として、小規模なPoCは50万〜150万円、Web回帰とCI連携を含む導入は100万〜300万円、中規模は300万〜800万円程度です。
金額は、対象ケース数や画面・API・バッチの範囲で大きく変わります。さらに、実機やテストデータ、保守の有無でも差が出ます。見積もりには、初期構築費と年間保守費を分けて記載してもらいます。
自動テストが壊れたときは誰が保守しますか?
契約時には、テストコードの所有者と、失敗時の一次切り分けを担当する会社を明確にしておきます。失敗の原因には、画面変更による不整合や製品不具合があり、テスト環境障害やデータ不備も含まれます。そのうえで、対応時間や月間保守枠を確認します。
ブラウザ更新への対応、設計書の納品、社内教育の有無も確認します。保守を内製化する場合は、共通部品とテストデータの作り方も含めて引き継ぎます。
まとめ
テスト自動化ツールは、繰り返す価値の高いテストを安定して実行する仕組みです。手動テストをすべて置き換えるものではありません。
riplaは業務要件の整理から開発・導入まで支援し、SHIFTは品質保証と自動化の導入・運用を支援します。NTTデータ先端技術は複数ツールと大規模システム、NTTデータはAIテストと大規模SIに強みがあります。SCSKはAI駆動型開発基盤、BrowserStackはブラウザ・実機のクラウド環境が特徴です。
最初の10〜20ケースによるPoCと効果測定
まずは、成功系・異常系・権限違いから代表的な10〜20ケースを選び、全機能を一度に自動化しない進め方をとります。
実行時間や失敗率、修正時間を測定し、手動テストとの差を比べます。その結果をもとに、画面だけにとどめるか、APIやバッチまで広げるかを決めます。さらに、クラウド実行環境を使うかも検討しておくと、導入効果を社内に説明しやすくなります。
作業範囲と保守責任を分けた見積もりの確認
候補会社には、作業範囲と保守責任を同じ条件で示してもらい、見積もりを比べます。
- 作業条件:対象業務、ケース数、対応ブラウザ・実機、テストデータ、CI/CD、レポート、セキュリティ要件。
- 契約条件:納品物、保守SLA、導入後にテストを直す担当者、品質を判断する担当者。
責任範囲を明確にしておけば、テスト自動化を継続的な開発資産として使い続けられます。
▼全体ガイドの記事
・テスト自動化ツール開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
