テスト自動化ツール開発の見積相場や費用/コスト/値段について

テスト自動化ツールの導入費用は、対象範囲や保守体制によって50万〜2,000万円以上まで変わります。

金額を左右するのは、テストの対象範囲、設計や環境構築などの工程、システムの複雑さ、保守の体制です。ツールの定価だけでは比べられないため、同じ前提条件で見積もりを比べます。

▼全体ガイドの記事
・テスト自動化ツール開発の完全ガイド

テスト自動化ツールの費用相場

初期費用の目安は、PoCが50万〜150万円、小規模導入が100万〜300万円です。

中規模は300万〜800万円、大規模な基幹・ERP・モバイル連携は800万〜2,000万円以上になります。

この推定レンジには、設計、実装、環境構築が含まれます。さらに、データ準備、レポート、引き継ぎも含みます。ツール単体の定価ではないため、ライセンス料だけで予算を立てると見積もりとずれます。

規模別の初期費用と開発期間

規模ごとの対象範囲、費用、期間を並べると、見積もりの前提を比べられます。

  • PoC:1画面または1APIの5〜15ケース。50万〜150万円、2〜4週間が目安。
  • 小規模:Web回帰20〜50ケース、CI連携、基本レポート。100万〜300万円、1〜2か月。
  • 中規模:画面・API100〜300ケース、複数ブラウザ、データ生成、失敗時の証跡。300万〜800万円、2〜4か月。
  • 大規模:ERP・基幹、モバイル実機、外部連携、複数権限、性能・監査設計。800万〜2,000万円以上、4〜9か月程度になる場合があります。

PoCでは成功系・異常系・権限違いを試し、ツールの適性と保守性を確かめます。費用と期間は、ケース数や環境数で上下します。そのため、上限額をそのまま予算に組まず、まずは実測してから金額を決めます。

ツール料金だけで判断できない理由

費用を比べる際は、ライセンス料と運用作業、SaaSの利用条件を分けて見ます。

  • OSS:Selenium、Playwright、Cypressはライセンス料0円。
  • 運用作業:設計、コード、環境、更新、失敗調査、仕様変更対応が別途必要。
  • SaaSの確認項目:人数、実行回数・並列数、ブラウザ・実機、証跡、サポート、保管先。

OSSでも、社内エンジニアの工数は原価に含めて考える必要があります。計算しないと導入費が安く見えますが、保守担当者の時間は使われ続けます。

mabl公式Pricing(2026年)では、ローカル・CI実行機能を提供し、クラウドテストは月500クレジットを起点に利用量で消費すると説明されています。

mablの大規模向けのように要件別見積もりの場合は、月額だけでなく年間の実行量を試算して比べます。

ポイント

金額を比べるときは、まずPoCから大規模までのどの規模かを決めます。ツール料金だけでなく、設計や運用を含む費用で比べると、見積もりの前提がそろいます。

テスト自動化ツールの費用内訳

現状分析・テスト設計から監査・顧客報告まで、テスト自動化の費用工程を4枚のカードで示した図
実装以外にも設計や実行環境などの工程が並びます。

見積書は「自動化スクリプト作成費」だけでなく、導入前の分析から運用移管まで工程別に分けて出してもらいます。工程別になっていれば、設計・データ・保守にどれだけ費用が回っているかが見え、契約外の作業も見つけられます。

現状分析・テスト設計にかかる費用

分析・設計では、まず対象の現状と自動化の実現性を確かめます。

  • 棚卸し:リリース頻度、手動時間、障害業務を一覧にします。ブラウザ、連携、データ、認証方式も含めます。
  • 対象選定:ケースの優先順位と、成功・失敗の条件、自動化範囲を決めます。
  • 実現性確認:SHIFTは、難易度・工数・期待効果を見て範囲を決める流れを示しています。

実行頻度が低いケースや、毎週仕様が変わる画面は、作成後も修正が続くため費用対効果が下がります。

出典はSHIFT「テスト自動化サービス」(2026年)です。

設計費を削って実装を急ぐと、後からケースを作り直す手間が増えます。

フレームワークとテストコードの費用

テストコードの見積もりでは、共通化する仕組みとケースごとの条件を確認します。

  • 共通部品:Page Object、認証、待機、データ投入・後片付け、再実行。
  • 証跡と失敗対応:画像・動画の保存と、失敗の分類も設計に含めます。
  • 見積条件:ケース数、データパターン、権限数、外部サービスのモック有無。

共通化の品質が低いと、ボタン名の変更だけで多くのケースを直すことになります。また、APIやバッチを先に自動化できれば、ブラウザ操作だけの場合より安定することがあります。

画面差分、実機、ファイル出力、複雑な権限切り替えが加わると、データ準備と環境制御の工数が増えます。

CI/CD・実行環境・レポートの費用

実行頻度や証跡の要件に合わせ、CI連携、環境、レポートを設計します。

  • 実行タイミング:Pull Requestごと、夜間、リリース前など。
  • CI連携先:GitHub Actions、Jenkins、GitLab CI、Azure DevOpsなど。
  • レポート:合否に加え、ビルド、環境、データ、証跡を追跡します。

並列実行を増やすと、CIの計算時間やクラウドブラウザ、実機の利用料が増えます。ログや動画の容量も増えます。

自社で端末を持つ場合は、OS更新や端末交換が続きます。ネットワーク環境や環境予約も、運用費として見込みます。

監査・顧客報告では、証跡の保存期間、権限、個人情報のマスキングを要件に含めます。後から追加すると、保存基盤や権限設計をやり直す費用が発生します。

ポイント

見積もりが工程別に分かれているかを、まず確かめます。設計、データ、保守の費用が抜けていれば、後から追加の請求が出る前提で予算を組みます。

規模別に見た費用相場と開発期間

PoC、小規模、中規模、大規模の順に初期費用と開発期間を並べた図
対象範囲の拡大に沿って費用と期間も大きくなります。

対象が数ケースか、業務システム全体の回帰網羅かで費用は変わります。

ここで示す金額は、ノートに整理した業務システム開発費、人月単価、作業範囲をもとにした計画用の推定値です。特定企業が提示する定価ではありません。

PoC・フィージビリティスタディは50万〜150万円

PoCでは少数の代表ケースを動かし、導入規模を判断する材料をそろえます。

  • 検証範囲:画面・API・権限・異常系から5〜15ケース。
  • 確認指標:ケースごとの難易度、1回の実行時間、失敗率、修正時間、推奨ツール。
  • 費用・期間:50万〜150万円、2〜4週間が目安です。

成果物には、動くサンプルと量産時の見積条件も含めます。

PoCの目的は、網羅率の高さよりも、手動実行と自動化後の保守時間を比べて投資判断の材料を得ることです。

ログイン、テストデータ、CI実行まで試すと、デモ画面だけの場合より現実に近い判断ができます。

小規模導入は100万〜300万円

小規模導入は、重要なWeb回帰テストを中心に環境と連携を整えます。

  • 対象:20〜50ケース、1種類から数種類のブラウザ、基本CI、結果レポート。
  • 目安:初期費用100万〜300万円、期間1〜2か月です。

仕様書が整理され、環境とテストデータも安定していれば、費用は下限に寄りやすくなります。一方、ケースが紙や記憶にしか残っていない場合は、仕様確認から始めるため設計工数が増えます。

画面の識別子が安定していない場合や、外部連携先を毎回呼ぶ場合、個人情報のデータしかない場合も、費用は上がります。

中規模・大規模は300万〜2,000万円以上

中規模と大規模では、対象範囲に加えて運用・契約条件も費用に影響します。

  • 中規模:画面・API・バッチ100〜300ケース、複数ブラウザ、データ生成、トレース、CI/CD、運用ルール。300万〜800万円、2〜4か月です。
  • 大規模:ERP・基幹、モバイル実機、外部連携、複雑な権限、性能・アクセシビリティ、監査証跡。800万〜2,000万円以上、4〜9か月程度を見込みます。

複数チームで共通フレームワークを使うなら、共通部品とレビュー基準を先に設計しておく必要があります。

請負で受託側が仕様変更のリスクを負う場合、準委任より1.3〜1.5倍程度高くなる傾向があります。契約前には、変更管理と追加費用の条件を確認します。

ポイント

規模を選ぶときは、ケース数と対象範囲を先に決め、初期費用の目安と開発期間を照らし合わせます。PoCで実測した結果をもとに本番の規模を決めると、予算のずれを抑えられます。

費用を抑えながら導入する進め方

実行頻度、合否判定の明確さ、仕様の安定性、失敗時の影響度を並べた自動化対象の選定基準図
4つの観点を揃えると候補を比較しやすくなります。

費用を下げるには、安いツールを選ぶより、作り直しが少ない順序で導入することが大切です。対象を選ばず全件をコード化すると、仕様変更に伴う保守費が増え、手動テストより高くなることがあります。

各段階の成果物を確認しながら、少しずつ導入範囲を広げます。

自動化対象の費用対効果による選定

候補は、実行頻度と合否判定の明確さで絞り込みます。さらに、仕様の安定性と失敗時の影響度で確かめます。

  • 定期業務:毎週の受注登録や請求書出力
  • 権限確認:権限ごとのログイン
  • API確認:主要なエラー応答

探索的テスト、ユーザー体験の評価、仕様変更が多い画面は、人の判断を残します。

手動テスト時間は「1回あたりの工数×実施回数」で計算し、自動化の初期費用と保守費用を差し引きます。

SHIFT「テスト自動化サービス」(2026年)は、繰り返し実施して初期構築費を回収する目安を約10回と説明しています。ただし、この数字は全案件に保証されるものではありません。自社の手動時間、実施頻度、保守時間で再計算します。

PoCから標準化までの段階的な拡大

PoCの結果を確認しながら、共通化とケース追加を段階的に進めます。

  1. 小さく検証:成功系と異常系、権限違いを試し、データの後片付けも確かめます。
  2. 共通化:画面部品、認証、待機を共通部品にまとめます。API、データ生成、ログ出力も同じ仕組みに載せます。
  3. ケースを拡張:共通部品を整えてから、自動化ケースを増やす順番。

先に共通化を設計しておくと、量産後の修正範囲を小さく保てます。

各段階では、実行時間、成功率、誤検知率を測ります。あわせて、1ケースの保守時間と失敗原因も測ります。特に、失敗時にアプリの不具合、テストコードの不安定さ、環境障害を切り分けられないと、ログ調査と運用費用が増えます。

CI/CDと運用移管の初期設計

継続運用に必要な実行設定と引き継ぎ条件を、初期段階で決めます。

  • CI/CD設定:起動条件、並列数、リトライ、タイムアウト、失敗通知、成果物の保存期間。
  • 実行タイミング:Pull Requestや夜間に短いテストを実行し、早く不具合を見つけます。
  • 運用移管:所有権、アカウント、CIを引き継ぎます。データ手順、更新対応、月次保守、障害切り分けも移します。

実行タイミングを早めに決めておくと、リリース直前の手戻りを抑えやすくなります。

担当者の異動後も実行できるよう、教育と引き継ぎを初期費用に含めると、長期的なコスト削減につながります。

テスト自動化の費用が変動する主な要因

金額の差は、ツールの機能数よりも、対象システムとテスト方法によって大きく変わります。実行環境と運用体制も、金額に反映されます。見積もりを比べるときは、どの条件が金額に反映されているかを確かめてください。

システムの複雑さと対象範囲

費用は対象システムの複雑さと、どのテスト層に範囲を置くかで変わります。

  • 対象の広さ:画面、API、バッチ、外部サービスを対象にします。ブラウザ、OS、実機、権限、言語、データ量も範囲に入ります。
  • テスト層:単体・コンポーネントは短時間で多数実行しやすく、E2Eは環境・データの影響を受けます。

業務システムの画面表示には、認証とマスターデータが必要です。さらに、在庫・権限の前提と外部連携の応答もそろえる必要があります。条件を一件ずつ再現するため、画面数だけでは工数を判断できません。

画面、API、バッチを分担させると、E2Eだけですべてを確かめるより安定しやすくなります。

保守性・仕様変更・チーム体制

保守費の目安と担当体制を合わせて考え、仕様変更に応じた時間を確保します。

  • 予算の仮置き:初期構築費の年20〜40%程度です。
  • 自社運用:外部費用を抑えやすい一方、スキル習得と継続時間が必要です。
  • 委託運用:月の対応時間、対象ケース、修正納期、緊急対応、仕様変更を決めます。

この比率は、ブラウザ・画面・データ更新、失敗調査、レポート、教育を含む場合の計画目安です。全国共通の定価ではありません。

仕様変更が多いシステムやリリース頻度が高いチームは、保守時間を多めに確保します。また、委託条件が曖昧だと、月額外の追加費用が発生します。

テストデータとセキュリティ要件

データ管理とセキュリティ確認は、機能テストとは別に要件として定めます。

  • データ保護:マスキング、匿名化、合成データ、削除、権限、ログ保管。
  • クラウド確認:国外を含む保存場所、暗号化、保持期間、委託先の監査情報。
  • セキュリティ検証:認証・認可、入力値、セッション、ログ、依存部品を別要件にします。

本番データをそのまま使うと、個人情報や認証情報が漏れるリスクがあります。

データ保護策を設計すると、環境や開発、運用の費用が加わります。また、通常の機能テストは脆弱性診断の代わりにはなりません。

必要な場合は、専門診断を費用に計上します。

NIST SSDFやOWASP ASVSを使うなら、自動化する項目と専門家が確認する項目を、見積もりに分けて書きます。

出典はNIST SSDFおよびOWASP ASVS 5.0.0(2025〜2026年)です。

ポイント

費用が大きく変わるのは、対象システムの複雑さ、保守の担い手、テストデータとセキュリティの条件です。見積もりに差が出たら、どの条件が金額に入っているかを比べます。

OSS・SaaS・クラウド実行基盤の料金体系

料金体系は、ライセンス料不要のOSS、自動化の作成・実行を提供するSaaS、ブラウザ・実機を借りるクラウド基盤に分かれます。

開発スキルや環境管理の体制を踏まえ、月額だけでなく3年間の総保有コストで比べます。実行頻度とデータの扱いも、判断の材料になります。

Selenium・Playwright・CypressなどのOSS

OSSはライセンス料を抑えられ、コードを自社リポジトリで管理しやすい選択肢です。

  • Playwright:複数ブラウザ、トレース、並列実行、CI連携を組み合わせやすい。
  • Selenium:対応実績と周辺資産が広い。
  • Cypress:開発者が画面テストを始めやすい。

選定時は、言語とチーム経験を確かめます。対象ブラウザ、ネットワーク制約、保守担当者も確認します。

ライセンス料以外にも、フレームワーク設計やCI環境の費用がかかります。更新、障害調査、教育の費用も別に見込みます。

自社で運用できる企業に適しています。担当者が一人の場合や、短期間で実機や多数のブラウザを揃える場合は、クラウド基盤や導入支援を含めると総額を予測しやすくなります。

mablなどのSaaS

複数のテスト対象と実行環境を自社で維持しにくい場合は、SaaSを検討する価値があります。

  • 対象機能:ブラウザ・モバイル・API・アクセシビリティ・性能テスト。
  • mabl:ローカルは無料、クラウドは月500クレジットから。14日間の無料試用があります。
  • Playwright Test Agents:plannerは計画、generatorはテスト生成、healerは失敗テストの修復を支援します。

Playwright Test Agentsの出典はPlaywright公式Release notes(2025〜2026年)です。

mablの大規模向けは要件別の見積もりになります。人数に加えて、クラウド実行量と追加サポートを確認します。

AIによる生成や失敗の要約は、作成時間を短くする可能性があります。ただし、期待結果と権限は人がレビューし、データや個人情報の扱いも確かめます。

AI機能の利用料に加え、レビューとガバナンスも見積もる必要があります。

BrowserStackなどのクラウド実行基盤

自社でPlaywrightやSeleniumのコードを持ち、ブラウザや実機だけを外部化する場合の候補になります。

  • 公開料金:BrowserStack AutomateのChrome Desktopは年払い月額59ドル、Large team表示は99ドルです。
  • 単純換算:1ドル150円なら月額約9,000〜15,000円です。
  • Carousell事例:BrowserStack公式Customer Storyで、回帰テストの時間短縮が公表されています。

BrowserStackの公表値では、Carousellの事例で回帰テストの実行時間が1日から1時間、自動化実行が13倍とされています。また、手動回帰の工数は約35時間から約5時間に短縮されたとされています。

出典はBrowserStack公式Pricing(2026年)です。公開額は契約期間や並列数で変わり、実機、企業契約、為替でも変わります。そのため、公開額を確定予算にはしません。

端末調達・更新の負担を減らし、並列実行でフィードバックを早めるのがクラウド基盤の利点です。

ただし、事例の効果が自社でも同じように出るとは限りません。現在の工数と比べて、ROIを試算します。

テスト自動化ツールのコストを最適化するポイント

コストを最適化するには、実行するたびに価値が積み上がるテストへ投資し、壊れやすいテストや使われない機能を減らします。初期費用を一律に削るより、この進め方を優先します。

繰り返し頻度と影響度が高いケースの優先

繰り返し実行するテストの効果を測り、優先順位と対象を定期的に見直します。

  • 着手候補:毎回の回帰、再発しやすい障害、時間のかかるデータ検証。
  • 効果測定:手動・自動の時間、保守時間、不具合検出、リリース遅延。
  • 定期見直し:四半期ごとに低頻度・低重要度のケースを統合または廃止。

一度きりの移行確認よりも、毎週の受注・請求・権限テストの方が、初期費用を回収しやすくなります。

ケース数や自動化率だけをKPIにすると、壊れたテストを増やしかねません。

API・コンポーネント・UIの役割分担

テスト層ごとに役割と実行頻度を分けると、実行時間と保守範囲を調整できます。

  • 単体・コンポーネント:計算や業務ルールの確認
  • API:サービス間の連携の確認
  • UI:主要な利用シナリオの確認

すべてをブラウザのE2Eで確認すると、実行が遅く、環境の影響も受けます。失敗原因の切り分けにも時間がかかります。

画面の見た目は重要なページだけを比べます。また、性能やセキュリティの検証は、通常の回帰と同じ頻度で回す必要はありません。

目的、頻度、合否基準ごとに分けて必要なときに実行すると、クラウド実行料やCI時間を抑えられます。

壊れにくいテスト設計とデータ管理

セレクタ、待機、テストデータを安定させると、誤検知や修正の工数を抑えられます。

  • 識別子:画面上の位置ではなく、テスト用のID、role、nameを使います。
  • 待機:固定時間ではなく、画面やAPIの状態を待ちます。
  • データ:ケースごとに作成・利用・削除し、合成データを使います。

開発時から識別子を設けておくと、後のテストコードの修正費を減らせます。

共有データは、実行順や他のテストの影響で不安定になり、失敗調査を増やします。一方、個人情報を含まず再現できる合成データは、リスクと手動の準備工数を抑えます。

見積もりを取る際の確認ポイント

複数社を比べるときは、同じ前提条件で依頼します。総額だけで判断せず、中身を見て比べます。

依頼では、対象ケース数やブラウザ、API・バッチ、CI/CDを明記します。データ、レポート、保守、教育も含め、含む作業と含まない作業を分けてもらいます。

見積依頼書に書くべき項目

依頼書では、対象範囲、実行環境、成果物を同じ条件で比較できるよう明記します。

  • 前提条件:システム、環境、ケース、月間リリース数、実行予定、ブラウザ・OS・実機。
  • 連携・管理:認証・権限、外部連携、個人情報、CI/CD、保存証跡。
  • 成果物:方針書、選定理由、フレームワーク、コード、共通部品、データ・CI手順、レポート、マニュアル、教育記録、保守手順。

ケース数が決まっていない場合は、PoCの5〜15件や小規模の20〜50件など、複数の案で見積もってもらいます。

ソースコードの権利関係も確かめておきます。実行できるツールだけを納品されると、別の担当者が直せず、再委託費が発生することがあります。

価格だけでなく保守と所有権の比較

初期価格だけでなく、契約後の運用費と将来の移行条件まで比べます。

  • 費用・契約:初期費、ツール、クラウド実行、保守、追加作業、請負・準委任。
  • 運用条件:変更時の追加費、月の保守時間、障害の一次切り分け担当。
  • 所有・移行:コード等の所有権、契約終了時のテストコード・データ返却と証跡削除、他社移行。

保守が別料金で、修正費も高い場合は、初期提案が安くても3年間の総額が逆転する可能性があります。

自社のCIやリポジトリで管理できる構成なら、ベンダーの変更や内製化の選択肢を残せます。価格の根拠と将来の自由度をあわせて評価すると、発注先を選びやすくなります。

ポイント

総額だけで決めず、同じ前提条件の見積もりを並べ、保守費と所有権の条件まで比べます。後からの追加費用や移行の負担を見通すためです。

よくある質問(FAQ)

導入前の疑問には、ツール料金、導入費、保守費を分けて考えると、予算と確認事項を整理できます。

テスト自動化ツールの導入費用はいくらですか?

PoCは50万〜150万円、小規模は100万〜300万円、中規模は300万〜800万円、大規模は800万〜2,000万円以上が目安です。

ケース数やブラウザ・実機で差が出るほか、データ、CI/CD、セキュリティ、保守の条件でも変わります。そのため、同じ前提条件で見積もります。

無料のテスト自動化ツールだけで導入できますか?

Selenium、Playwright、Cypressなどはライセンス料0円です。ただし、設計と実装のほか、CI、ブラウザ環境、保守の人件費が必要になります。

技術者と運用時間があればOSSが有力です。実機や多数ブラウザを短期で使う場合は、SaaS・クラウド基盤込みで総額を判断します。

導入後の保守費用はどのくらい見ておくべきですか?

計画段階では、初期構築費の年20〜40%程度を保守費として仮置きします。その額は、ブラウザ更新や仕様変更、データ更新などの範囲で変わります。

契約には、月の対応時間や対象ケースを明記します。修正期限と追加料金の条件も入れます。

テストをすべて自動化すれば費用対効果は上がりますか?

すべてを自動化する必要はありません。頻度が高く、判定が明確で、仕様が安定した回帰テストから始めます。

一方で、探索的テスト、UX評価、変更の多い画面は手動に残し、API・コンポーネント・UIの役割を分けます。

実行時間と保守工数を測定すると、費用対効果を高めやすくなります。

まとめ

費用相場の要点

ライセンス料金は無料から月額数万円程度ですが、業務システムで使う初期費用は50万〜2,000万円以上です。

まず、PoC・小規模・中規模・大規模のどこに当たるかを決めます。そのうえで、ケース数や環境、データを分けて見積もり、CI/CDと保守の費用も別に見ます。

導入判断の要点

費用と品質を両立するには、対象範囲、運用体制、投資効果を一緒に判断します。

  • 着手範囲:頻度と影響度が高い回帰テストを優先し、全件を一度に自動化しない。
  • 効果検証:PoCで実行時間、失敗率、保守時間、手動工数との差を測り、テスト層の分担を決めます。
  • 総額と引き継ぎ:3年間の人件費と運用費、コードや設計書、CI設定、データ、保守SLA、所有権、終了時の返却。

OSS、SaaS、クラウド基盤は、料金表だけでなく3年間の人件費と運用負担を含めて比べます。

自社のリリース頻度と手動工数を基準に、必要な範囲から進めることで、品質とコストの両方を改善できます。

担当者が変わっても運用できるよう、教育と引き継ぎを初期費用に含めます。

▼全体ガイドの記事
・テスト自動化ツール開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。