繊維製造業向け織布工程管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

織布工程管理システムの導入は、要件整理・選定・設計開発・テスト・稼働・定着の順に進めます。各段階で現場と判断基準をそろえてから次へ進むと、現場の不安と手戻りを抑えられます。

システムの全体像については、完全ガイドの記事もご覧ください。

▼全体ガイドの記事
・繊維製造業向け織布工程管理システム開発の完全ガイド

繊維製造業向け織布工程管理システムの全体像

織布工程管理の対象を原糸・設計、準備・織布、反物・出荷、品質履歴の4パネルで示す図。
工程の前後をまたいで、品質履歴をたどれる構成です。

織布工程管理システムは、製造現場の予定と実績を記録するほか、受注を生産計画に反映して、必要な糸やビームの準備まで支えます。

目的は、織機の進捗や停止から検反結果、出荷実績までを追跡できるようにすることです。管理対象とデータのつながりを先に決めておくと、必要な機能と導入範囲を判断しやすくなります。

工程と情報をつなぐ識別子の単位

工程の情報は、次の単位で識別子を使ってつなぎます。

  • 原糸・設計:契約・入荷、保管場所、ロット、投入量、織物設計、経糸・緯糸規格
  • 準備・織布:整経、サイジング、ビーミング、ビームの仕掛、織機への配台、織布の管理
  • 反物・出荷:一反ごとの反番を、検反、欠点・補修・保留、仕上げ、出荷まで追跡します。
  • 関連連携:販売・購買・会計・外注先で、受注番号、品番、納期、単位、原価を共通の識別子とします。
  • 品質履歴:原糸ロット、織機、製造時刻、検反結果を追い、原因調査と影響範囲の特定に役立てます。

コスモサミットの公式情報では、バーコード対応の織上カード、一反ごとの管理、整経・サイジング・ビーミング条件の管理、検反入力が示されています。織布では識別単位の設計が中心になるため、ここを先に決めておくと、工程ごとのデータを同じ単位で追えます。

パッケージ・クラウド・個別開発の使い分け

方式を選ぶときは、業務を標準機能に寄せられる範囲と、専門機能が必要かどうかを比べます。

  • 繊維向けパッケージ:標準機能を使い、短期間で始めたい場合の方式です。
  • セミオーダー・ローコード:原糸・反番・検反を残し、既存システムへ段階的に加えていく進め方です。
  • 個別開発・MES・IoT連携:織機の自動実績、特殊な配台、複数工場の計画を効率よく組むことを重視する場合に適します。

クラウドは、複数拠点の状況を一覧で見られるほか、バックアップや遠隔保守も進めやすい方式です。ただし、通信断や設備側の遅延に備えて、織機の近くでデータを一時保存するゲートウェイが必要になる場合があります。

オンプレミスは、既存設備や閉域ネットワークとつなぎやすい方式です。一方で、サーバー更新、バックアップ、脆弱性対応は自社か保守会社が担います。そのため、現場が止まったときの復旧方法と、将来の更新責任を比べて選びます。

ポイント

工程と情報をつなぐ識別子の単位を先に決め、そのうえで標準機能に寄せる範囲と専門機能の必要性から方式を比べると、導入範囲の判断が迷いにくくなります。

繊維製造業向け織布工程管理システムの進め方

織布工程管理システムの導入を、要件整理・選定、設計開発、テスト、稼働・定着の順に並べたタイムライン。
次の段階へ移る前に、現場と判断基準をそろえます。

導入は、要件整理、選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6フェーズで進めます。各フェーズで残す成果物と判断基準をあらかじめ決め、次へ進む条件を明確にしておきます。

全工場を一度に切り替えるのではなく、代表的な織機、品番、原糸倉庫、検反業務を組み合わせて、小さく検証します。こうすると、現場の不安と手戻りを抑えられます。

フェーズ1:要件整理で洗い出す現場の流れと例外

要件整理では現場を実際に歩き、情報がどこで生まれ、誰が変え、どこへ転記されるかを確かめます。通常作業と例外処理の両方を業務フローに記録しておくと、後の設計で食い違いが起きにくくなります。

  • 通常工程:原糸の受入・保管・払出から、準備、配台、織機、検反、仕上げ、出荷まで
  • 情報源:紙帳票、Excel、ホワイトボード、電話、FAX、設備画面の使い分け
  • 例外処理:納期変更、糸不足、織機停止、品番変更、欠点保留、格下げ、外注戻りまで含めます。

マスタは、品番・組織・糸種を中心に一覧にします。残りの項目も、糸の属性から織機と反、数量と工程へと、現場の流れに沿って並べます。

  • 織物と糸:番手、色
  • 織機と反:織機、ビーム、反番、ロット
  • 数量と工程:単位、欠点、工程

そのうえで、kg・mや反・ydの換算を決めます。ロットの分割・合算や、反番を採番する時点も決めます。

要件整理の成果として残すのは、業務フロー・課題一覧・データ項目一覧・権限案、優先順位付きの機能要件・非機能要件です。要望を「必須」「できれば」「将来」の3つに分けて、初期に入れる範囲を絞ります。

フェーズ2:選定での織布専用度と設備接続の比較

候補会社には、同じRFPとサンプルデータを渡します。会社サイトに「対応可能」と書かれているだけでは採用実績とは言えないため、似た規模や設備の事例を確かめます。

  • 繊維業務:導入実績、整経・サイジング・ビーミング・配台・検反への対応、反番と糸ロットの追跡を比べます。
  • 接続と連携:織機・センサー、在庫・原価・販売との接続実績の有無
  • 導入支援:標準機能と追加開発の境界、移行・教育・保守の体制

設備接続は、代表的な織機を数台選んでPoCで試します。確認するのは、回転数・停止・準備状態・停止理由・稼働時間を取得できるかどうかです。

古い設備にセンサーやPLCを追加できるか、通信が切れたあとに再送できるかも調べます。K2アドバンストは、織機の回転数と停止情報を自動で集め、生産状況をリアルタイムで把握する仕組みを公式に紹介しています。その機能を自社の機種で再現できるかは、画面デモよりも実機データで判断します。

フェーズ3:設計開発で先に決めるデータと責任範囲

設計では、何をいつ記録し、誰が確定し、後からどう訂正するかを決めておきます。そのうえで、現場のルールと連携先との間で、どこまでを誰が受け持つかを文書にします。

  • 実績と訂正:自動実績と停止理由が一致しない場合の優先順位、反番分割、検反修正の権限
  • 在庫と外注:在庫の引当時点と外注工程の受け渡しを定めます。
  • 監査記録:修正者・修正日時・変更前後の値を残す監査ログの設計

連携先は、販売・購買・会計を中心に考えます。そのほかの連携先は、社内の業務、外部の取引先、現場の設備に分けて整理します。

  • 社内の業務:ERP、倉庫
  • 外部の取引先:EDI、外注先
  • 現場の設備:設備データ

方式は、APIかCSVかを決めます。そのうえで、同期頻度や、重複時の扱い・障害時の再送も定めます。

データ移行では、移行の対象期間と、旧システムを参照できる期間も定めます。

現場の端末は、バーコード、タブレット、ハンディターミナルから作業場所に合うものを選びます。手袋をはめたままの操作、通信断時の一時保存、入力にかかる秒数は、試作画面で確かめます。

フェーズ4:テストでの通常系と異常系の確認

テストは、機能単位、工程間連携、業務シナリオ、現場受入の順で進めます。原糸の入荷から織機への投入、織布、検反、出荷まで、データがつながるかを確かめます。

  • 業務変更:受注・納期変更が配台と材料所要量に反映されるかを確かめます。
  • 品質と数量:複数ロット・反番分割・欠点保留・補修後の再検査・加工先からの戻り・数量差異
  • 異常と復旧:織機停止・センサー欠損・ネットワーク断・サーバー障害・重複送信・権限外の修正・バックアップからの復旧を試します。

出荷直前にシステムを使えない場合の紙運用と再入力の手順も決めておきます。受入の条件は画面表示ではなく、現場が決めた時間内に誤入力なく登録できることです。

管理者が正しい進捗・在庫・品質を確認できることも、業務の結果として合格条件に加えます。

フェーズ5:稼働の対象範囲と並行運用・戻し方

稼働は、効果を測りやすい範囲から始めます。全工場へ広げる前に、導入前後の指標を比べます。マスタと初期在庫は数え直し、移行後の帳簿残高を現物と照らし合わせます。

  • 対象範囲:数台の織機、一つの製品群、原糸倉庫などから選ぶ範囲
  • 並行運用:旧システムと紙帳票のどちらを正とするか、二重入力の終了時期、差異の判定者を決めます。
  • 効果測定:計画変更時間、反番の所在確認時間、入力工数、停止理由の収集率を、導入前の数字と比べます。

切替の当日は、ベンダー・工場責任者・情報システム・倉庫・品質・出荷の連絡先を一本にまとめます。また、重大障害の基準・復旧目標時間・旧運用へ戻す条件・問い合わせ方法を、紙でも配ります。

夜間や休日に操業する工場では、実際の操業時間を含めて支援体制を確認します。さらに、稼働後1週間、1か月、3か月のレビュー日も予定に入れます。

フェーズ6:定着での業務ルールと改善指標の結び付け

システムを定着させるには、入力した情報が配台の見直し、糸の手配、品質改善、納期回答に役立つことを、現場に示すことが要ります。そのうえで、現場代表者をスーパーユーザーに任命し、寄せられた質問をもとに操作手順を更新します。

入力項目を増やすときは、なぜ必要かと、入力しなければ下せない判断を説明します。また、不要な転記もなくします。

  • KPIの設定:最初は3〜5個に絞り、配台変更時間や織機停止時間を候補にします。
  • 品質と在庫:計画達成率、反番の所在確認時間、原糸在庫、欠点・補修率を見ます。
  • 業務の効率:入力工数と納期遵守率を追い、月次レビューで原因を探ります。

レビューでは、数値の変化と現場で起きている原因を確かめ、マスタや業務ルールを直していきます。機能の追加は、KPIへの効果、標準機能での対応可否、更新の負担を比べて優先順位を決めます。

ポイント

各フェーズで残すものと次へ進む条件を先にそろえ、代表的な織機や品番で小さく試してから広げると、現場の不安と手戻りを抑えやすくなります。

費用相場とコストの内訳

小規模な作り込み、標準パッケージ、一工場連携、中規模の個別開発の初期費用レンジを横棒で比較した図。
設備接続や導入範囲が広がると、費用レンジも上がります。

費用は、織機台数、拠点数、設備接続、反番・ロットの管理の深さ、既存ERPとの連携によって変わります。移行データや端末、教育、保守の範囲も、金額に影響します。

公開されている価格は少ないため、合計額だけでなく、見積もりに含まれる範囲を分けて比べます。以下の数字は、2026年時点の公開情報と製造業向けの市場目安で、個別案件の確定金額ではありません。

構成別の初期費用の目安

構成ごとに公開情報と市場目安を並べると、導入規模や設備連携の範囲によって、初期費用は大きく変わります。

  • 小規模PoC:SaaS・ローコードの在庫または進捗PoCでは、設定支援が20万〜60万円程度という目安があります。
  • 小規模な作り込み:100万〜300万円程度が目安です。
  • 標準パッケージ:繊維・生産管理の標準導入は、300万〜1,000万円程度が市場目安です。
  • 一工場連携:織布工程・原糸・反番・在庫の連携は、900万〜2,000万円程度の推定です。
  • 複数拠点・全社:中規模の個別開発でMES・ERP・設備連携は1,000万〜5,000万円程度、全社基幹の刷新は5,000万円〜1億円以上のレンジもあります。

小規模PoCでは、ライセンス料が別に必要な場合があります。また、織機の自動実績や複雑な反番、オフライン入力、既存ERP連携を加えると、別開発になりやすいです。

たとえば、一工場連携の参考になるのは、福井県「ふくいDX事例集2025」が紹介する冨士経編株式会社の取組みです。原糸倉庫のロケーション・入出庫・ロット管理を生産管理と連携し、900万円を投じました。

その金額には、補助金400万円が含まれます(出典:ふくいDX事例集2025、2025年)。この数字は、繊維企業の在庫・ロット領域で下限寄りの参考になります。ただし、織布専用システムの価格そのものではありません。

複数拠点や大規模案件の金額は製造業一般の目安です。そのため、織布案件にそのまま当てはめることはできません。工場数・織機台数・通信方式・過去データの品質・並行稼働期間をそろえて見積もります。

見積書で分けて確認する費用

初期費用と運用費を分け、機器や作業の対象範囲まで確かめます。特に設備連携やデータ移行は、「一式」とせず内訳を明らかにしてもらいます。

  • 初期開発:要件定義・業務設計、ライセンス、画面・帳票、マスタ整備の費用
  • 導入作業:データ移行・機器・ゲートウェイ・ネットワーク・外部連携を確認します。
  • 立ち上げ支援:テスト、教育、切替支援

設備連携では、対象台数・対応プロトコル・センサー費・設置工事・通信断時の再送・保守範囲を確かめます。移行費では、対象データ・クレンジング・移行回数・照合方法を明確にしておきます。

運用費には、クラウド、サーバー、データベースの費用が含まれます。また、保全と障害・更新の費用も、運用費として分けて確かめます。

  • 保全:バックアップ、監視
  • 障害と更新:問い合わせ、障害対応、セキュリティ更新

加えて、OS・ミドルウェアの更新、端末の交換、機器の保守も確かめます。

製造業システムの保守料は、初期開発費の年15〜25%を確保する目安があります。その額は、24時間対応や現地駆け付けの有無で変わります。

比較は、5年程度の利用を想定し、初期費用と月額・年額を合わせたTCO(総所有コスト)で行うと、安く見える提案の見落としを抑えられます。

費用対効果を測る指標

効果は、デジタル化の有無ではなく、導入前後の時間・数量・品質の変化で測ります。そのため、基準値は導入前に記録しておきます。

  • 生産性:配台変更時間、停止時間、計画達成率を記録します。
  • 追跡・在庫:反番の所在確認時間と原糸在庫を見ます。
  • 品質・納期:欠点・補修率、入力工数、納期遵守率の推移

石川県情報システム工業会が紹介する丸井織物の事例では、織機の稼働データと生産計画を連携させました。860台の織機を対象に配台変更作業を自動化し、その結果、計画修正時間は月24時間短縮されています(出典:石川県情報システム工業会、確認済み公開事例)。

事例の規模や年代は自社と異なりますが、台数と作業時間でROIを測る考え方は参考になります。在庫の削減では、帳簿の数量に加えて、所在不明、入出庫の検索時間、発注の過不足、滞留ロットも測ります。

冨士経編株式会社の公開事例では、タブレットで原糸の場所やロットを登録し、在庫を見えるようにしています(出典:ふくいDX事例集サイト、2025年公開)。システム導入と同時に5S、ルール整備を進めると、データを改善活動に使えます。

ポイント

初期費用の金額だけで比べず、見積もりに含まれる範囲と、保守や運用の費用を並べて読むと、後から膨らむ追加費用を見通しやすくなります。

見積もりを取る際のポイント

見積もりの精度は、発注側が前提条件をそろえられるかで変わります。各社で範囲が違うと、いちばん安く見える提案に機器・移行・教育・保守が含まれていない場合があります。

RFPには、対象工程・織機台数・機種を、同じ条件で記載します。そのほか、現場の条件・連携と時期・指標と保守も、RFPに書き添えます。

  • 現場の条件:拠点、利用者、現行帳票、データ量
  • 連携と時期:連携先、希望時期
  • 指標と保守:必須KPI、保守時間

RFPに入れる情報と判断基準

RFPには、現状の業務フローと問題点に加えて、導入後の合格条件を記載します。

  • 追跡要件:原糸ロットから対象反番を検索できること
  • 設備・品質要件:織機停止の確認時間と、検反結果・出荷可否の履歴を定めます。
  • 復旧要件:通信復旧後に実績を重複なく再送できること

各要件を、標準機能・設定・追加開発・運用回避のどれで実現するかを回答してもらいます。チェック項目には、品番・組織・糸を含めます。そのうえで、糸の番手・色と、織機・ビーム・反番・ロットを、各社に同じ言葉で答えてもらいます。

  • 糸の情報:番手、色
  • 織機と反:織機、ビーム、反番、ロット

単位はkg・m・反・ydを確かめます。また、工程に関する記録も対象に含めます。

  • 準備工程:整経・サイジング・ビーミングの条件
  • 織布:配台、停止理由
  • 検反と出荷:検反、欠点、補修、仕掛、出荷

在庫・原価・APIも一覧にします。そのうえで、連携と権限、保全についても、各社の対応を聞いておきます。

  • 連携と権限:CSV、権限、監査ログ
  • 保全:バックアップ、復旧

項目ごとに、デモ、実機PoC、資料、契約条件のどれで確認するかを指定すると、各社の回答を同じ基準で比べられます。

複数社の提案で比べる価格以外の観点

まず、システムの役割と自社の優先領域を照らし合わせます。汎用製品では、織布固有の機能が標準か個別対応かを確かめます。

  • 織機実績:自動収集を重視する工場は、設備接続と停止分析を優先します。
  • 反番・検反:一反単位の履歴とバーコード運用
  • 業務統合:販売・原反・原価を統合する企業は、業務基幹との連携を重視します。

織布専用システム、繊維業務基幹、汎用生産管理、MES・IoTは、役割を分けて比べます。汎用製品は実績や拡張性があっても、織物設計・単位換算・反番・織機IoTが標準で対応しているかを確かめます。

候補会社には、似た導入事例・機種が混在する織機への対応・古い設備や通信断の扱い・標準と追加開発の境界を、同じ質問で聞きます。

データ移行の照合責任・現場教育の日数・稼働後の窓口・OS・データベース・クラウドの更新担当も、比べる項目に入れます。導入後の技術者や現場支援者と話せるかどうかも、長く使ううえでの判断材料になります。

見積もり段階で防ぐよくある失敗

失敗を防ぐには、現場入力・マスタ・古い織機・個別開発・連携テストの課題を見積もりに入れておきます。一方で、担当者や期限を決めないまま「後で整える」「運用で対応する」とすると、追加費用につながりやすいです。

  • 事前整備:現場観察とマスタ整備を、工程と費用に含めます。
  • 接続と検証:実機PoC、受入テスト、連携確認の計画
  • 移行と教育:教育、並行稼働、切替時の支援を見積もります。

経済産業省は2025年4月、中小規模の製造事業者向けに、工場セキュリティの解説書を公表しています。その解説書は、重要性や始め方を手順と事例で示しています(出典:経済産業省、2025年)。

織機やゲートウェイをつなぐ場合は、IT・OT分離、権限、監査ログを要件に入れます。さらに、復旧と外部との接続についても、要件に入れておきます。

  • 復旧:バックアップ、通信断と復旧
  • 外部との接続:外部保守の接続、サプライチェーン経由のリスク

繊維分野で2025年3月に策定されたJASTIや取引先監査を意識する企業は、原料・加工履歴と操作履歴を残しておくと、外部へ説明しやすくなります。

ポイント

各社の見積もりは、同じRFPに基づく範囲をそろえ、機器・移行・教育・保守がどこまで含まれるかを並べて読むと、比較の判断材料になります。

よくある質問(FAQ)

織布工場の導入検討でよく質問される内容を、順に並べました。

費用や期間は工場ごとの差が大きいため、織機台数、対象工程、設備接続、既存システムとの連携条件に置き換えて判断します。

織布工程管理システムは小規模工場でも導入できますか?

小規模工場でも導入できます。その場合は、全機能を入れるより、効果を測りやすい一領域から始める方法があります。

  • 対象領域:原糸在庫、配台・稼働の状況把握、検反・反番のどれかから選べます。
  • 小規模検証:数台の織機や一つの製品群でPoCを行います。

入力の負荷とKPIの改善を確かめてから他工程へ広げると、投資の判断と現場の受け入れを両立しやすくなります。

古い織機やメーカーが混在する工場でも接続できますか?

接続できる可能性はあります。ただし、取得できる信号、通信方式、センサーの追加可否は機種ごとに異なるため、代表機種で実機PoCを行います。

回転数・停止・停止理由・稼働時間・時刻のずれ・通信断後の復旧を確かめます。取得できない情報は、作業者の入力や別のセンサーで補います。また、対応OSやデータベース、ゲートウェイの保守期限も、導入前に確かめます。

織布工程管理システムの導入には何か月かかりますか?

期間の目安は構成によって異なります。設備接続、拠点数、ERP連携、過去データの移行、並行稼働を含めると、期間は長くなります。

  • 設定中心の小規模PoC:即日から3か月程度
  • 繊維・生産管理パッケージ:標準導入で3〜8か月程度
  • 一工場の工程連携:織布・原糸・反番・在庫の連携で6〜12か月程度

要件整理・実機PoC・受入テスト・教育・切替リハーサルの期間は、それぞれ分けて見積もります。

現場の入力負荷を増やさずに定着させる方法はありますか?

入力項目を絞り、バーコードやタブレットを使って作業場所から登録できるようにします。自動で取得できる織機の実績は、人が入力せずに済むようにします。

停止理由や検反結果など、人が判断する情報だけを短時間で入力する設計にします。そのうえで、現場代表者をスーパーユーザーに任命します。

導入初期は、入力時間、誤入力、問い合わせ内容を毎週見直し、業務ルールと画面を調整します。

まとめ

織布工程管理システムは、データをつなぎ、工場の判断を速くする仕組みです。中心になるのは原糸・準備工程・配台で、そこから織機と反、在庫と出荷へ、同じ識別子をたどって広げていきます。

  • 織機と反:織機、反番、検反
  • 在庫と出荷:在庫、原価、出荷

選定では、機能の数よりも先に、自社の業務とデータの流れを整理します。

成功のポイントは、織布専用度・設備接続・現場入力・連携・保守・セキュリティを同じ条件で比べることです。

6フェーズの開始条件の決定

6フェーズの開始条件を決め、現場と次の段階へ進む判断基準を共有します。通常作業だけでなく、例外処理も最初に整理します。

  • 要件整理・選定:現場の通常系・例外系を洗い出し、候補会社へ同じRFPを渡します。
  • 設計・テスト:マスタ・識別子・連携・権限・通信断と復旧を決め、実機と業務シナリオを確かめます。
  • 稼働・定着:小さく始め、配台変更・停止・反番確認・在庫・欠点・入力工数のKPIで改善します。

見積もり前に現場とベンダーで共有する完成像

公開情報と市場目安をもとに、導入規模ごとの費用レンジを比べます。

  • 小規模導入:在庫または進捗PoCの設定支援は20万〜60万円程度、または小規模な作り込みは100万〜300万円程度が目安です。
  • 標準導入:繊維・生産管理パッケージを入れる場合は、300万〜1,000万円程度が市場目安です。
  • 一工場連携:織布工程・原糸・反番・在庫の連携は、900万〜2,000万円程度と推定します。
  • 複数拠点:中規模の個別開発は、1,000万〜5,000万円程度です。

全社基幹の刷新は、5,000万円〜1億円以上のレンジもあります。ただし、これらは製造業一般の目安で、織布案件にそのまま当てはまりません。

判断は、機器・移行・連携・教育・保守を含むTCOで行います。金額を確定する前に、代表的な織機と現場の帳票で確かめ、標準機能、追加開発、導入後の責任範囲を明らかにします。この確認を済ませておくと、導入後に現場が使えず追加費用が膨らむリスクを抑えられます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。