運送業向け運賃請求管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

運送業向け運賃請求管理システムの費用は、導入方式、運賃ルール、連携範囲によって変わり、初期0万〜50万円程度から3,000万円以上まで幅があります。

請求書だけを作るのか、配車や支払、会計まで含めるのかで前提が変わります。全体像は完全ガイドにまとめています。

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・運送業向け運賃請求管理システム開発の完全ガイド

運賃請求管理システムの費用相場の目安

費用は、運送実績を請求・支払・会計へどうつなぐかで大きく変わります。請求書を作るだけか、受注から粗利分析までを扱うかで、必要な工数が違うためです。たとえば、基本単価だけを扱うサービスと、配車や日報、協力会社への支払まで含む業務基盤とでは、同じシステムでも作業量が異なります。

請求・運賃計算に絞った場合の初期費用(0万〜50万円程度)

請求・運賃計算に範囲を絞る場合でも、発注側は必要な設定と公開サービスの料金を照らして費用を見積もります。

  • 対象業務:運賃情報の登録と、見積書・請求明細の出力
  • 費用目安:初期0万〜50万円程度、月額1万〜20万円程度
  • 追加費用:CSV出力や簡単な帳票変更には、初期設定費用が加わる場合があります
  • LOGI-CALの例:営業所単位のPROは月額1万円〜、初期費用0円、1か月無料トライアル

対象業務には、荷主、届け先、車種、距離などの登録が含まれます。重量や個数、運行区間、基本運賃、割増、値引きも、同じく登録の対象です。

費用の目安は、公開されている平均統計ではなく、リサーチノートの公開価格と類似サービスの価格帯をもとに整理したものです。

LOGI-CALのPROでは、配車や売上、車両、乗務員、労務、点呼を営業所単位で管理します(出典: LOGI-CAL公式料金ページ、2026年8月確認)。ただし、提供時期や機能は変わることがあるため、請求の締め処理や会計連携が必要な場合は個別に確認しておきます。

配車・日報・支払を含む場合の費用(30万〜300万円程度)

配車や受注、運転日報から、荷主請求、協力会社への支払明細、売上集計までを扱う場合を想定します。

  • 費用目安:初期30万〜300万円程度、月額2万〜30万円程度
  • 変動条件:利用者数、車両台数、営業所数、帳票変更、マスタ登録、研修
  • Light Edition:ComTruck Systemの月額料金は11,000円です
  • Report Edition:ComTruck Systemの月額料金は33,000円です
  • Full Package:ComTruck Systemの月額料金は52,800円(税込)です

業務を標準機能に合わせられる会社ほど、初期費用を下限に近づけやすくなります。

ここに挙げたのは、請求書や支払明細、配車、運行管理などを含むサービスの例です。自社向けのカスタマイズやデータ移行の費用は含まれていません(出典: ComTruck System/IXOL公式料金表、2026年8月確認)。

ポイント

運賃請求管理システムの費用は、請求・運賃計算に絞るか、配車や支払まで含めるかで大きく変わります。見積もりを比べるときは、まず対象業務の範囲をそろえてください。

導入方式別に見る運賃請求管理システムの価格帯

クラウドSaaSからスクラッチ開発まで、運賃請求管理システムの導入方式を個別仕様の広がりに沿って並べた図。
標準機能に合わせる範囲と独自仕様の範囲が、方式選びの分かれ目です。

導入方式は、標準SaaS、業種特化パッケージ、ローコードやセミオーダー、スクラッチ開発に分けて考えます。

安さだけで選ぶと、荷主別の帳票や特殊な運賃計算が後から加わり、会計連携やデータ移行も必要になって、総額が膨らむことがあります。そのため、価格と同じくらい、標準機能に業務を合わせられる範囲を確かめることが大切です。

クラウドSaaSの月額課金と小さな始め方

クラウドSaaSは、サーバーを購入せず、利用者数や車両数、営業所数、機能などに応じて月額を支払う方式です。

初期費用は小さめで、まず1営業所の請求・支払から始め、配車やドライバーアプリは後から追加できます。

比べるときは、契約条件や運用上の制限、追加作業の費用まで確かめておく必要があります。

  • 契約・機能:契約期間、最低利用料金、API制限、帳票の自由度
  • 運用条件:解約時のデータ取り出し、障害時の復旧条件
  • Good Truckの例:車両20台・従業員25人以下は月額10,000円から
  • 料金に含むもの:初期登録費用無料、月額に保守料を含む
  • 追加費用の確認:API連携、個別帳票、旧データ移行、操作研修に別途費用が発生するか

Good Truckの公開料金は、予算の入口を考えるうえで参考になります(出典: Good Truck公式FAQ、2026年8月確認)。

業種特化パッケージの費用の目安(30万〜300万円程度)

運送実績を売上や支払に結び付けるパッケージは、標準機能と個別仕様の境目を確かめて選びます。

  • 標準機能:受注、配車、運行指示、日報、売上、請求、支払、車両、乗務員
  • 業務上の利点:一般的な請求書ソフトとの併用より、実績から売上・支払を作り、二重入力を減らしやすい
  • 追加開発の要因:荷主別帳票、便種別ルール、傭車支払、締め後修正、営業所承認
  • 別見積もりにする項目:初期設定、マスタ登録、帳票変更、CSV加工、会計連携、教育

標準機能と運賃ルールが合えば、開発期間も短くなります。一方で、個別仕様が増えるほど追加開発費も増えます。

ライセンス費用と追加作業を分けて見積もると、導入総額を正しく比べられます。

会計・デジタコ連携を含む場合の費用(300万〜1,500万円程度)

連携を含む中規模導入は、初期300万〜1,500万円程度、期間3〜9か月程度が目安です。費用を左右するのは、主に接続先と連携の中身です。

  • 接続先:会計・販売管理、給与、デジタコ、GPS、ETC、電子請求書、EDI
  • 連携処理:データ変換、エラー時の再送、締め処理、取消・修正、旧システムとの突合
  • 実績の反映例:デジタコの日報距離を、荷主請求や協力会社への支払に反映
  • 要件に含めること:正とするシステム、連携失敗時の再処理担当と手順

走行距離を請求距離や燃料サーチャージ、待機時間料、協力会社の支払明細に反映する場合は、データを単純にコピーするだけでは済みません。

初期費用は上がりますが、連携の要件を先に決めておくと、稼働後の手作業や請求漏れを抑える助けになります。

スクラッチ開発の費用(800万〜3,000万円以上)

対象になるのは、独自運賃表や複数拠点への対応です。さらに、荷主・協力会社ポータルと権限管理を加えます。そのうえで、API、実績分析、電子請求、契約・委託先管理を一体化する場合を指します。

  • 推定レンジ:800万〜3,000万円以上
  • 大規模刷新:多数拠点の同時移行などでは3,000万〜5,000万円超、1〜2年以上の可能性
  • 契約に含める資料・権利:要件定義書、画面・帳票仕様、データモデル、API仕様、テスト計画、ソースコードの権利
  • 運用引継ぎ:クラウド契約、保守引継ぎ

費用の目安は、公的な平均価格ではなく、会計・物流・基幹システムの類似開発をもとに整理したものです。

独自仕様は作れる反面、開発会社でしか変更できない状態だと、制度改定や荷主の契約変更のたびに追加費用が発生しやすくなります。

ポイント

導入方式は、標準機能に業務を合わせられるかで選び方が変わります。安さだけで決めず、後から加わる帳票や連携の費用まで含めて比べることが大切です。

運賃請求管理システムの費用内訳

運賃請求管理システムの見積もり項目を、要件定義・業務設計、設計・開発、マスタ整理・データ移行、テスト・研修・稼働支援の4項目に分けた図。
工程ごとの範囲をそろえると、総額の違いを読み解けます。

見積書の総額だけでは、どの業務にどれだけ費用がかかるのか判断できません。まず、現行業務の整理、運賃ルールの定義、画面・帳票の設計を分けて見ます。そのうえで、開発、外部連携、データ移行を工程ごとに見ます。試験、研修、稼働支援、保守も、それぞれ別の項目として確かめます。

人件費は、開発費の大きな割合を占めます。そのため、作業範囲と工数の前提をそろえておくことが大切です。

要件定義・業務設計の費用

発注側と開発会社が、受注から会計仕訳までの業務を整理し、通常処理と例外処理の条件を固めます。

  • 通常業務:受注、配車、運行指示、日報、実績確定、請求、入金、協力会社への支払、会計仕訳
  • 運賃・請求条件:運賃表、荷主別単価、定期便・スポット便、締め日、請求単位、再請求
  • 加算方法:待機・荷役・高速代・燃料サーチャージ
  • 例外処理:日報修正、キャンセル、距離相違、差戻し、締め後訂正、支払額変更

実際の帳票とサンプルデータを使い、条件を整理します。

要件定義を省くと、荷主ごとの計算違いや、請求確定後に再処理できないことが後から判明しがちです。その結果、追加費用や導入の延期を招きます。

設計・開発費と業務ルールの関係

設計・開発では、マスタの設計と処理の開発を分けて費用を見ます。

  • 設計するマスタ:取引先、届け先、車両、乗務員、協力会社、運賃表、路線、単価、税率、請求先、支払先
  • 開発する処理:運行データから売上・請求・支払を生成
  • 費用配分のたたき台:要件定義10%、設計10〜20%、開発40〜60%、テスト10〜20%程度

画面が少なくても、荷主別の計算式や複数の加算項目があれば、データ構造とテストケースは増えます。

比率は固定の標準値ではなく、制度対応や受入試験、移行、教育まで見積もりに含まれているかを確かめる材料です。

マスタ整理・データ移行の費用

移行費用は、データの種類や対象期間によって変わります。整理する範囲と作業条件を明確にすることが出発点です。

  • 整理するデータ:荷主名、届け先、運賃表、車種、単位、税区分、協力会社、過去売上、未収、支払
  • 移行範囲:過去何年分か、直近の請求・支払だけか、古い情報を参照用に保管するか
  • 見積もり条件:移行件数、変換ルール、担当、リハーサル回数、旧新データの照合方法

取引先名の重複や表記揺れも、あわせて整理が必要です。たとえば「A運輸」「株式会社A運輸」「Aウンユ」を統一しないと、集計や請求書の宛名が不正確になります。

過去データの年数や保管方法で移行費用が変わるため、移行範囲は先に決めておきます。

テスト・研修・稼働支援の費用

発注側は、初期費用にテスト、研修、稼働支援が含まれているかを確かめます。

  • テスト項目:待機料、荷役料、高速代、燃料サーチャージ変更、値引き、キャンセル、再請求、締め跨ぎ
  • 請求確認:消費税、インボイス、協力会社への支払差額、元の日報・運行実績との明細一致
  • 研修対象:事務、配車、ドライバー、営業所長、経理、協力会社など入力・承認に関わる人
  • 稼働支援:初月の問い合わせ窓口、操作マニュアル、並行稼働、障害時の代替手順

請求書が出ることに加えて、元の日報や運行実績と明細が一致することを受入条件に入れます。

稼働支援の体制を先に決めておくと、稼働後に現場がExcelへ戻るリスクを抑えやすくなります。

運賃請求管理システムの価格が変動する要因

運賃請求管理システムの価格変動要因として、運賃ルール、外部連携、拠点数・利用者・権限、法改正・帳票・証憑保存を示す図。
この4点を見積もり条件にそろえると、各社の提案を比べやすくなります。

見積もりの差は、機能数よりも例外処理や連携、拠点数、データ量、運用体制に表れます。各観点を一覧にそろえておくと、複数社の見積もりを同じ条件で比べられます。

荷主別・運行別の運賃ルールの複雑さ

基本運賃が距離だけで決まる場合は、比較的シンプルに設計できます。一方で、実際には複数の条件や加算項目を組み合わせることが多くなります。

  • 運行条件:重量、個数、車種、時間帯、積込・取卸料
  • 加算・調整:待機時間、通行料、燃料サーチャージ、割増、値引き
  • 例外条件:キャンセル料、最低保証額、荷主別の計算優先順位や端数処理

荷主ごとに運賃表や例外が異なるほど、必要なテストも増えます。そのため、代表的な3〜5荷主の請求書と運行実績は、見積もりの前に用意しておきます。

発注側は、変動する条件と契約上固定される条件を項目ごとに分けて示します。サンプルがなく「複雑な運賃」とだけ伝えると、安全側に多めの工数が積まれ、見積もりが高くなる傾向があります。

連携先ごとに、必要なデータと運用条件をそろえておきます。

  • 会計:税区分、勘定科目、部門、取引先コード、消費税、締め処理
  • デジタコ・GPS:車両・乗務員コード、運行番号、走行距離、時間、位置情報
  • 電子請求:送信先、ファイル形式、保存期間、失敗時の再送と履歴
  • CSV・RPA:受け渡し時間、重複取込、文字コード、項目追加への対応

接続先が増えるほど、総合テストと障害対応の工数も増えます。

APIがない場合は、CSV連携やRPAが候補になります。ただし、運用条件を決めておかないと費用が増えがちです。

拠点数・利用者・権限の設計

拠点や利用者ごとに、権限、承認、安全管理の要件を決めておきます。

  • 権限と承認:営業所ごとの請求先表示、本社の全体確認、経理の明細修正、ドライバーの閲覧範囲
  • アカウント管理:二要素認証、操作ログ、退職者の停止、外部ユーザーの期限管理
  • 安全・継続運用:バックアップ、問い合わせ体制、権限分離、暗号化、脆弱性対応、復旧目標

1営業所だけで使う場合と、本社や複数営業所、協力会社、荷主が同じデータを扱う場合とでは、必要な設計が異なります。

売上や取引先、口座の情報を扱うため、価格だけでなく、安全管理や障害からの復旧条件も確かめておきます。

法改正・帳票・証憑保存への対応範囲

法令や帳票への対応では、制度ごとに確かめる範囲を分けて見ます。

  • インボイス制度:登録番号、税率、税額、取引内容、保存方法
  • 電子帳簿保存法:電子取引データの検索や改ざん防止などの運用要件
  • 帳票機能:PDF出力、電子配信、送信履歴、訂正・削除記録
  • 2026年4月1日から:すべての貨物利用運送事業者に荷主・委託先との書面交付義務
  • 元請としてトラックを利用する事業者:実運送体制管理簿の作成義務

上の書面交付と管理簿の義務は、国土交通省の案内に基づくものです(出典: 国土交通省「物流:トラック適正化二法について」、2026年8月確認)。

請求システムを入れただけで、法令の要件がすべて満たされるわけではありません。そのため、契約、委託先、運行、請求の情報を分断しない設計が必要になります。

ポイント

価格の差は、運賃ルールの複雑さ、連携数、拠点数、法令や帳票への対応範囲で生まれます。同じ条件の資料を用意して各社の提案を比べると、差の理由が見えやすくなります。

開発期間の目安と費用の同時確認

期間は、請求機能や運賃ルール、データ移行、連携先、利用拠点、現場テストの体制によって変わります。

クラウドでも、マスタ登録や運賃ルールの整理を後回しにすると稼働は延びます。そのため、セットアップ期間と業務導入期間を分けて考えることが大切です。

標準クラウドの導入期間(2週間〜3か月程度)

標準クラウドを導入する場合は、期間と確認の手順を分けて考えます。

  • 目安:マスタを整え標準帳票を使う場合、2週間〜3か月程度
  • 小規模に試す:1営業所と代表的な数社の荷主で請求額と運行実績を照合
  • 全社展開前:月末締めの実データで最低1回の締め処理を経験
  • 本番化まで確認:マスタ登録、研修、並行稼働、問い合わせ対応を含めた期間

短い導入期間の数字だけを見るのではなく、請求額と運行実績が一致するかを試してから全社展開へ進みます。

業種特化パッケージの導入期間(1〜4か月程度)

導入期間のなかでは、導入手順から現場確認、運用準備まで進めます。

  • 期間の目安:配車、日報、請求、支払まで1〜4か月程度
  • 導入手順:ヒアリング、標準機能確認、運賃表設定、データ整理、帳票設定、研修、テスト、切り替え
  • 現場確認:入力担当者が早期にデモへ参加し、入力項目を稼働前に見直す
  • 運用準備:運行日報から請求書を作る場合は、日報の必須項目と請求確定の責任者を決める

後からExcelで補正する運用では、導入効果を測れません。そのため、請求漏れや金額差異、締め処理時間を導入前に計測しておきます。

連携・スクラッチ開発の期間(3〜18か月程度)

方式ごとに、期間と本番前の確認の目安を分けて見ます。

  • 中規模連携:会計、デジタコ、GPS、電子請求、EDIとの連携は3〜9か月程度
  • スクラッチ開発:独自運賃計算、複数拠点、ポータル、分析、法令記録を含み6〜18か月程度
  • 期間の変動要因:要件定義、設計、開発、連携、移行、総合テストの並行可否と社内の意思決定の速さ

月次の締め処理は、本番に近いデータで試しておきます。請求書や支払明細、売上、粗利、会計連携の数字を照合し、食い違いがないかを確かめます。

予定は、開発会社の作業期間だけで組まず、自社側の確認期間、荷主への帳票確認、協力会社への運用説明、切り戻しの準備まで含めて作ります。

ポイント

期間は請求機能や連携、移行の範囲で変わるため、先に範囲を決めてから予定を立てます。開発会社の作業期間に加えて、自社の確認期間も予定に入れておくと遅れにくくなります。

見積もりの取り方と費用を抑える方法

費用を抑えるには、まず初期導入の目的を絞ることが大切です。そのうえで、将来拡張できるデータ構造を残しておきます。

請求漏れや転記ミスを減らしたい会社が、最初からAI配車や高度な分析まで開発すると、確認項目が増えて予算と期間が膨らみます。

MUSTとWANTに分けた段階導入

段階導入では、第1段階で請求・支払の正確さを優先し、その後に周辺機能を追加します。段階を決める際は、初期に必要な業務と後から追加する機能を分けておきます。

  • MUST:荷主・届け先・運賃表、受注または日報、運賃計算、請求書、協力会社への支払明細
  • 会計連携・操作ログ:第1段階の要件として扱う
  • WANT:GPS、ドライバーアプリ、荷主ポータル、リアルタイム分析、AI配車候補

中小の運送会社には、まず請求・支払を正確にし、効果を測ってから周辺機能を追加する進め方が現実的です。

将来の項目を最初から画面にする必要はありません。ただし、運行番号や荷主、協力会社は、後から広げられるように設計しておきます。車両、運賃明細、加算項目、請求状態も、同じ考え方で後から広げられる形にします。後から追加できないデータ構造では、段階導入のつもりが全面改修になり、かえって高くなります。

3〜5荷主の実データによる見積もりの比較

見積もり用のサンプルとデモでは、業態や例外処理、帳票などを確かめます。

  • 添付データ:代表的な3〜5荷主の運賃表、請求書、運行日報、支払明細を匿名化
  • 業態・条件:定期便、スポット便、混載、チャーター、軽貨物、待機・荷役・高速・燃料サーチャージ・割増・値引き
  • デモの例外処理:過去日報修正、締め後再請求、協力会社支払との突合
  • 帳票・操作:請求書の分割・合算、インボイス、会計出力、入力時間、確認箇所、エラー時の戻し方

開発会社が同じサンプルで計算結果と例外処理を確かめられるよう、事務と配車の担当者もデモに同席します。

この確認を行うと、価格には表れにくい運用の負担も比べられます。

見積書の初期・追加・運用の内訳

見積書では、初期費用と追加費用、運用費を分けて確かめます。

  • 初期・追加作業:要件定義、設計、開発、連携、移行、帳票、テスト、研修、稼働支援、制度改定、追加開発
  • 月額以外の運用費:ユーザー・営業所・車両追加、帳票・API、電子請求送信、クラウド・通信
  • 5年分に含める費用:サポート、バックアップ、セキュリティ診断
  • 契約条件:自社での変更可否、保守契約の範囲

「一式」とだけ書かれていると、契約範囲が分からず、請求書様式の変更や荷主の追加で費用が発生することがあります。

初期費用だけでなく、運用費も5年分で比べると、総額を把握できます。

請求漏れ・締め時間・粗利で測る削減効果

削減効果を測る指標と、公開されている試算の前提を確かめます。

  • 作業時間:請求書1枚の作成時間、月末締め時間
  • 請求・入金:修正件数、請求漏れ、入金遅延
  • 支払・採算:協力会社支払との差異、案件別粗利
  • tragoの概算条件:ドライバー30人、月500件の配送案件、月30枚の請求書
  • tragoの試算:月63.5時間、約15.9万円の削減効果

導入後に同じ指標を比べると、月額費用に対して改善した業務が分かります。費用は開発費を削るだけでなく、効果を測って導入の範囲を決めることでも抑えられます。

tragoの試算は、時給2,500円と紙・Excel運用を前提にしています。実際の事例にはプレースホルダーを含むと明記されています(出典: trago公式サイト、2026年8月確認)。

試算は自社の実績値に置き換えて考え、効果を断定しないことが大切です。

ポイント

見積もりは、初期導入の範囲を絞り、将来の拡張に備えたデータ構造を残す前提で比べます。見積書は初期費用、追加費用、運用費を分けて読むと、総額の内訳が分かりやすくなります。

よくある質問(FAQ)

費用と導入判断について、運送会社からよく寄せられる質問に答えます。

公開されている料金は、サービスの一例にすぎません。自社の運賃ルールや連携、移行、利用者数を含めた総額は、個別の見積もりで確かめます。

運賃請求管理システムは月額いくらから使えますか?

公開例には、月額1万円前後から始められる運送業向けクラウドがあります。たとえばLOGI-CALのPROは、営業所あたり月額1万円〜です。

ComTruck SystemのLight Editionは月額11,000円(税込)、Good Truckは月額10,000円からです。初期設定や連携、移行、個別帳票が別料金かどうかは、必ず確かめておきます。

自社独自の運賃計算ならスクラッチ開発が必要ですか?

まずは、業種特化パッケージやSaaSの標準機能で、基本運賃、待機料、高速代、燃料サーチャージ、請求・支払をどこまで運用できるかを確かめます。

差分を設定や連携で補えるかを検討します。独自ルールが荷主ごとに多く、複数拠点や既存基幹との整合性が重要な場合は、セミオーダーやスクラッチが候補になります。

費用を抑えながら失敗を防ぐにはどうしますか?

まず、請求・支払・会計連携などのMUSTを決め、代表的な3〜5荷主の実データでデモと受入条件を確かめます。

複数社に同じ条件で見積もりを頼み、要件定義や移行、教育、保守、追加開発を分けて比べます。初期費用だけでなく、月額や送信料、連携費、制度改定、5年分の運用費も確かめます。

請求漏れや締め時間の削減効果も並べて比べます。

まとめ

運送業向け運賃請求管理システムは、運行実績を売上・支払・会計・粗利・法令対応へ変換する業務基盤です。

請求・運賃計算に絞ったクラウドは初期0万〜50万円程度、業種特化パッケージは30万〜300万円程度です。さらに、連携を含む中規模導入は300万〜1,500万円程度、独自開発は800万〜3,000万円以上が目安です。

最初に行う運賃ルールと請求・支払の整理

発注側は、荷主ごとの運賃表や、待機・荷役・高速・燃料サーチャージ、請求の締め、再請求、協力会社への支払、会計連携を整理します。

代表的な実データで複数社のデモを比べ、標準機能で合わせる部分と個別開発する部分を分けておくと、予算超過や現場の使いにくさを防ぐ助けになります。

段階導入と5年分の総費用による判断

初期は請求・支払・会計連携を優先し、配車、動態管理、荷主ポータル、分析は段階的に追加します。そのため、導入の負担を抑えやすくなります。

月額や保守、通信、電子請求、追加開発、制度改定対応を含む5年分の総保有コストと、請求漏れや締め処理時間、粗利把握の改善効果を比べます。そのうえで、自社に合う方式を選びます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。