旅行・観光業向け旅行手配管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

旅行手配管理システムの開発費用は、業態、連携範囲、移行量によって、初期0〜30万円程度から1,000万〜3,000万円程度まで変わります。

費用の内訳、変動要因、開発期間、見積の要点は、後の見出しで順に説明します。全体像は完全ガイドもご覧ください。

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・旅行・観光業向け旅行手配管理システム開発の完全ガイド

旅行・観光業向け旅行手配管理システムの全体像

旅行手配管理システムは、問い合わせから見積、旅程作成、交通・宿泊・食事・施設の手配までを案件ごとに管理する業務基盤です。

変更や取消、書類の発行、請求と支払、案件別の粗利確認まで扱うため、予約フォームだけの場合より、バックオフィスの状態管理や証跡の保存が欠かせません。

旅行予約システムと旅行手配管理システムの違い

旅行予約システムは、空室・空席検索、オンライン申込、決済、予約確認など、顧客や販売店の予約完了までを中心に扱います。

  • 予約システム:顧客や販売店が予約を完了する機能が中心です。
  • 手配管理システム:予約確定の前後にある社内業務を含め、手配状況と売上・仕入を案件ごとに追跡します。

手配管理では、ホテル、貸切バス、ガイド、食事、入場施設へ依頼を送ったあと、回答待ち、確定、変更、取消の各段階を管理します。

予約サイトを導入しても、手配の進捗や仕入先との連絡、証憑、返金、粗利の計算がメールやExcelに残ったままでは、業務全体のコストは下がりません。このため、見積では販売機能と手配・収支機能を分けて考えます。

業態による必要機能と予算の違い

業態が違えば、必要な機能や手配業務も異なり、予算にも差が出ます。

  • 小規模旅行会社:顧客、案件、旅程、帳票、請求を標準SaaSで扱う範囲です。
  • 団体旅行:人数変更、部屋割り、食事制限、バス配車が関わります。
  • DMC・インバウンド:多言語・多通貨、海外先、為替差損益の検討が加わります。
  • 業務渡航:航空手配、出張規程、法人請求、危機管理との連携が欠かせません。
  • バス会社の観光部門:運行・配車・車両・乗務員管理を旅行案件とつなぎます。

団体旅行では、添乗員向けの資料や仕入先への一括依頼も費用に響きます。DMCでは、現地のサプライヤーも検討の対象になります。

業態を決めないまま全機能を後から追加すると、使わない機能や複雑な画面が増えてしまいます。そのため、対象を一つか二つに絞り、代表的な案件をもとに予算を組むのが現実的です。

費用相場の目安

標準SaaSからスクラッチ開発・基幹刷新まで、旅行手配管理システムの方式別初期費用の範囲を横棒で示した図。
個別連携や移行を含めると、パッケージの費用幅も広がります。

方式によって初期費用の幅は大きく異なります。標準SaaSは0〜30万円程度、旅行業パッケージは100万〜800万円程度です。パッケージに個別連携や移行を加えると、費用は300万〜1,500万円程度まで広がります。

スクラッチ開発や基幹刷新は、1,000万〜3,000万円程度が目安です。大規模な刷新では、3,000万円以上になることもあります。

いずれも確定した金額ではなく目安で、機能範囲、ユーザー数、連携、移行量、運用体制によって上下します。

標準SaaSは月額1万〜20万円程度が起点

公開価格を載せているSaaSなら、初期費用、月額、追加アカウント料を公式ページで確認できます。

  • おまかせ君Pro:初期0円、月額3,000〜18,000円、追加アカウント2,000円です。
  • Tabie:初期0円、基本使用料は月額1万円からです。

上記の料金は、各公式ページに掲載された内容です(出典: おまかせ君Pro公式サイト、日本システム開発「Tabie」公式料金ページ、2026年8月確認)。

公開月額は標準機能の利用料です。追加ユーザー、容量、会計連携は、別料金になる場合があります。

移行、帳票、初期設定の費用が別になることもあります。研修や個別サポートも、別料金になる場合があります。

月額1万円でも、10人で5年間使えば、利用料だけで600万円になります。初期費用が0円でも、データ整理や教育にかかる社内の工数を含めて比べます。

旅行業パッケージは100万〜800万円程度

旅行業パッケージには、顧客、案件、旅程が備わっています。手配、帳票、売上・仕入などの機能も含まれています。画面や帳票をゼロから設計する場合と比べると、導入期間を短くしやすいのが特徴です。

  • 標準機能中心:業務を標準機能に合わせられる場合、初期100万〜300万円程度からです。
  • 追加対応あり:ユーザー・拠点・帳票・連携を増やすと300万〜800万円程度です。

実際の案件で、見積版の管理と仕入先ごとの料金・取消条件を確かめます。あわせて、案件別の粗利や返金の扱いも見ておきます。証憑、権限、操作履歴も、同じ案件で確認します。

標準画面にない例外処理をExcelに戻してしまうと、導入の効果は小さくなります。そのため、標準機能と追加開発の範囲を、見積書で分けてもらいます。

個別開発・基幹刷新の費用の目安

独自の料金計算や外部連携、基幹刷新をどこまで対象にするかで、開発の規模と費用が変わります。

  • 独自業務:独自の料金計算と、複数拠点の承認を実装します。
  • 外部連携:海外エージェント向けの多言語・多通貨対応や、GDS・OTAとのリアルタイム接続を含みます。
  • 基幹との統合:会計・決済・CRMとの連携や大規模移行を扱います。
  • 個別開発:期間は6〜18か月、費用は1,000万〜3,000万円程度となるケースがあります。
  • 大規模刷新:予約販売から顧客管理までを横断する場合は、3,000万円以上になることもあります。

要件と対象範囲が決まっていなければ、金額を断定することはできません。

NTTデータ ニューソンの事例では、旅行業務基幹システムが企画、販売、精算を扱い、予約や航空手配などの外部システムともつながっています。このシステムは、20年以上にわたって維持管理と追加開発が続けられています(出典: NTTデータ ニューソン導入事例、2026年8月確認)。

長期で運用する場合は、初期費用だけでなく、ライフサイクル費用も予算に入れておきます。対象には、クラウド化やEOL対応、法制度変更のほか、保守と移行が含まれます。

ポイント

費用相場は、標準SaaS、旅行業パッケージ、個別開発のどの方式を選ぶかで大きく変わります。比べるときは、初期費用だけでなく、月額や追加費用を含めた5年総額で見ます。

旅行手配管理システムの費用内訳

要件定義・企画から設計・開発、テスト・移行、教育・リリース、運用保守へ続く費用工程の流れ図。
開発後の移行や運用準備も、導入総額を構成します。

費用は、要件定義・企画、設計、開発、テストの工程ごとに確認します。そのうえで、移行、教育・リリース、運用保守の費用も含めて見ます。「システム一式」とだけ書かれた見積では、含まれる工程が分からず、追加費用が生じやすくなります。

機能ごとの金額だけでなく、データ移行や運用まで含めた導入総額で確認します。

要件定義・設計・開発の人件費と工数

要件定義では、業務フロー、旅行形態、手配先、料金・取消条件を決めます。帳票、権限、承認、連携、法令対応も、同じ段階で整理します。営業、手配、経理、添乗員、管理者では、必要な画面が異なります。

  • 要件定義:業務と例外を整理し、対象範囲を決めます。
  • 設計・開発:決めた業務要件を、画面や機能に落とし込みます。
  • テスト・移行:動作と移行後のデータを確かめます。

担当者一人だけに話を聞くと、要件に抜けが出やすくなります。例外や帳票の必要性が開発の途中で分かると、手戻りが増えてしまいます。

一般的な予算配分の仮置き例では、要件定義が10〜15%、設計が15〜20%、開発が30〜40%、テストが15〜20%、移行が5〜10%です(出典: NotebookLMリサーチノート「業務システム全般_7」、2026年8月確認)。

開発費が1,000万円なら、要件定義は100万〜150万円、設計は150万〜200万円程度という計算になります。ただし、これは旅行手配管理システムの確定した比率ではなく、機能数と難易度に合わせて配分し直す初期の仮説です。

外部連携・移行・帳票の費用

連携先ごとに、認証、データ項目、エラー処理、利用制限、契約を確かめます。連携の対象には、GDSやINFINI、航空会社、ホテル、OTAがあります。会計、決済、CRM、メールとの連携も含まれます。

GXOの記事は、GDS API連携の開発費について、200万〜500万円とする参考値を示しています(出典: GXO「旅行代理店の管理システム開発費用」、2026年8月確認)。ただし、これは推定値で、相手先の仕様や契約によって変わります。

  • データ移行:重複の削除、表記の統一、料金の判定、コード変換、リハーサルを含みます。
  • 帳票:見積書、行程表、予約確認書、バウチャー、請求書などを洗い出します。
  • 追加要件:多言語対応や電子保存も、範囲と費用を確かめます。

移行の対象は、顧客、旅行者、施設、部屋タイプ、仕入先です。料金、案件、請求、入金、証憑なども対象に入ります。連携の数だけで予算を固定せず、相手先の仕様と契約状況も確かめます。

セキュリティ・教育・運用設計の費用

旅行者の氏名や連絡先、同行者、アレルギーなどの情報を扱う場合は、必要な安全対策を要件に含めます。旅券・査証関連や決済・請求の情報も、安全対策の対象になります。

  • 情報管理:権限、暗号化、操作ログ、バックアップ、復旧を検討します。
  • 委託先管理:個人情報を扱う委託先への監督も、要件に含めます。
  • 運用準備:リリース前に、研修、マニュアル、窓口、並行稼働、障害連絡の体制を準備します。

対策を後から付けると、費用もリスクも増えます。個人情報保護委員会のガイドラインは、安全管理措置と委託先の監督について示しています(出典: 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、2026年8月確認)。

おまかせ君Proは、無料トライアルや顧客データ移替を含む導入の流れを案内しています。見積では、導入支援の範囲、研修回数、稼働後の問い合わせ時間、追加設定の単価を確かめます。

ポイント

費用は工程ごとに分けて見ると、何が含まれ、何が含まれないかがはっきりします。機能の金額だけでなく、データ移行や運用まで含めた導入総額で比べるのが目安です。

旅行手配管理システムの費用が変動する要因

利用者・拠点数、案件・データ量、外部連携、業務ルールの複雑さをカードで整理した費用変動要因の図。
見積条件をそろえるには、規模と業務の複雑さを並べて確認します。

同じ旅行手配管理システムでも、月額数万円で使える場合もあれば、数千万円をかけて開発する場合もあります。

費用の差は、利用者・拠点数、案件・データ量、外部連携、業務ルールの複雑さから生まれます。加えて、帳票・言語・通貨、セキュリティ、可用性の要件も影響します。

ユーザー数・拠点数・データ量による違い

ユーザー課金の場合、営業、手配、経理、管理者、外部パートナーの登録人数によって月額が変わります。また、拠点ごとの権限や承認、会社ごとの請求、データの分離には、設計が必要になります。

  • 利用規模:登録人数、同時利用者数、繁忙期のアクセスを示します。
  • 保存量:案件数、予約明細、添付・証憑の容量と保存年数を示します。
  • 運用条件:削除・返却のルールも見積条件に含めます。

案件や証憑が増えるほど、データベース、ストレージ、バックアップの容量も増えます。たとえば、小規模事業者5人が標準機能を使う場合と、複数拠点の50人が多言語の案件を扱う場合では、画面が同じでも負荷が異なります。

GDS・OTA・会計など外部連携の数と深さ

CSVによる一括取込は比較的費用を抑えやすいものの、在庫・料金・予約・取消をリアルタイムAPIで相互に連携すると、設計とテストの量が増えます。

  • 接続仕様:認証方式、データ形式、利用制限を確かめます。
  • エラー処理:再送、タイムアウト、仕様変更への対応を決めます。
  • 費用区分:API・接続料、決済手数料、契約費、保守費を分けます。
  • 接続数:GDS1種類の場合と、航空・ホテル・アクティビティ・OTAを複数つなぐ場合では、同じ「外部連携1件」でも工数が異なることがあります。

提案の段階で、初期開発費、月額利用料、従量課金、相手先への申請費、保守費を分けて示してもらいます。外部の費用は、開発会社の見積とは別に発生する場合があります。

料金計算・帳票・法令対応の複雑さ

料金計算には、人数や年齢、部屋、季節、曜日が関わります。さらに、手数料や税、割引、為替が加わります。取消料や返金、仕入条件も、料金の計算に影響します。

  • 収支処理:見積版、変更差額、粗利、未収・未払、返金を扱います。
  • 法令・証跡:管理者確認、契約条件、電子書面、操作履歴を検討します。
  • 自動化:AI旅程作成にも、料金・在庫の根拠と人の承認を設計します。

旅行業法には、旅行業者などの登録制度があります。旅行サービス手配業者は、営業所ごとに業務取扱管理者を選任します(出典: 観光庁「旅行業法概要」、2026年8月確認)。

こうした確認や保存をシステムで扱う場合は、画面を足すだけでなく、承認・保存・監査の設計費も見積に含めます。

ポイント

費用を左右するのは、利用者・拠点数、案件・データ量、外部連携、業務ルールの複雑さです。見積の前にこれらを自社の条件で書き出すと、各社の見積を同じ前提で比べられます。

旅行手配管理システム開発の進め方と期間

導入期間の目安は、標準SaaSの初期設定で2週間〜3か月、パッケージで2〜6か月、個別連携や移行を含む開発で4〜9か月です。基幹刷新は6〜18か月程度です。

期間を縮めるには、機能を減らすだけでなく、対象業務やマスタの責任者、受入条件、移行範囲を早い段階で決めることが欠かせません。

現状業務と代表案件の洗い出し

まずは、問い合わせから精算までの流れを、時系列に並べます。前半は見積、受注、旅程作成で、後半は依頼、回答、確定、変更・取消です。そのうえで、請求、入金、支払、精算まで書き出します。

  • 関係者:営業、手配、経理、添乗員、責任者に役割を聞きます。
  • 情報経路:メール、紙、電話、チャットでやり取りされる情報と、担当者だけが知る例外を一覧にします。
  • 代表案件:FIT、団体、変更、取消、返金、赤字案件などを選びます。
  • 効果測定:作業時間や二重入力、ミス、承認待ち、検索時間を記録して、費用対効果を判断します。

正常な流れだけで画面を確かめると、繁忙期に業務がExcelへ戻りやすくなります。海外エージェントや多言語帳票の案件も、代表例に加えておきます。

要件のMust・Should・Couldの分類

初期費用を調整するには、日常業務への必要性と、導入後に追加できるかどうかで機能を分けます。

  • Must:案件・顧客・旅程・手配・帳票・売上・仕入など、日常業務に必須です。
  • Should:会計連携や高度な分析など、重要度の高い追加機能です。
  • Could:AI旅程提案や追加自動化など、後から検討できる機能です。

現場に必要な最小構成で始め、効果を見てから広げると、不要な開発費を抑える助けになります。

要件書には、画面名だけでなく、入力項目、必須条件、状態遷移、計算式を書きます。さらに、帳票例、権限、エラー動作、ログ、バックアップ、復旧時間も記載します。

旅行業法や電子帳簿保存法への対応が必要な場合は、対象となる書類と保存期間を、自社の責任者が確かめます。

プロトタイプ・受入テスト・段階導入

画面を作り込む前に、実案件で検索や見積版の作成、手配状況の更新を試します。変更・取消、帳票出力、売上・仕入・粗利も、同じ段階で確かめます。

手配担当者が迷う入力や、経理が確認できない項目は、開発の途中で直します。標準SaaSの場合も、トライアルやデモで同じ検証をします。

  • 例外確認:欠航、部屋数変更、仕入先未回答、取消料、返金を試します。
  • 金額確認:為替差額や変更後の売上・仕入を確認します。
  • 権限確認:担当交代や権限外の閲覧について、きちんと確かめます。

会計や高度な分析を第二段階に回す方法もあります。リリースの前に、並行稼働の期間、問い合わせ窓口、教育担当、移行責任者を決めておきます。

ポイント

導入期間は、方式と、連携や移行を含むかどうかで大きく変わります。期間を縮めたいなら、機能を減らす前に、対象業務と受入条件、移行範囲を決めることが欠かせません。

旅行手配管理システムのコストを抑えるポイント

費用を抑えるには、使わない機能を作らず、データと業務を整理してから自動化に投資します。SaaSや旅行業パッケージ、個別開発は、優劣で一律に決めるのではなく、5年総額と現場への定着を含めて比べます。

標準機能の先行利用と個別開発の後回し

標準SaaSやパッケージで業務を回し、現場で困る差分だけを後から足していく方法があります。

  • 標準化:入力項目や帳票を整理し、不要な承認と二重入力を減らします。
  • 設定活用:会社ごとの料金・取消条件、帳票、承認ルートを設定値で持たせ、将来のコード改修を減らします。
  • 個別開発:競争力に直結する独自収支や複雑な手配に絞ります。

独自の業務を無理に標準機能に合わせると、現場に手作業が残ります。そのため、標準化する部分と、差別化のために作り込む部分を分けて考えます。

最初からすべてを作り込まずに始めることが、費用と使いやすさのバランスにつながります。

マスタデータの整備と手戻りの防止

顧客名や施設名、交通機関、仕入先などの表記がばらついていると、移行や開発に時間がかかります。このため、導入前にマスタを整理しておきます。

  • 表記と重複:顧客・施設・交通・仕入先名や略称を整理します。
  • 料金情報:部屋タイプ、料金、税、手数料、取消条件を確認します。
  • 管理ルール:登録責任者とマスタ更新の手順を決めます。

期限切れの料金や、担当者にしか分からない略称も見直します。マスタの整備は、検索の精度、帳票の正確さ、粗利計算の信頼性に関わります。

マスタの扱いを開発会社に任せきりにすると、業務上の正解が曖昧なまま移行されてしまいます。自社で残すデータ、保管するデータ、削除するデータを、先に決めておきます。

移行の件数と変換ルールは、見積書に書いてもらいます。必要な期間や検索の要件に合わせて、過去データの範囲を絞る方法もあります。

5年総額による比較

比較の式は、「初期費用+月額・年額利用料×60か月+追加開発+データ移行+教育・サポート+API・決済費用+保守・運用費用」です。

  • SaaS:ユーザー数や容量の増加で、月額が上がる場合があります。
  • 個別開発:初期費用が大きくても、業務効率化や入力ミス削減で回収できる可能性があります。
  • 比較条件:各社に同じ費目と前提で、総額を出してもらいます。

たとえば、初期費用300万円、月額15万円で5年使う場合、利用料は900万円です。初期費用を合わせると1,200万円になります。ただし、追加ユーザー、移行、教育、保守は含みません。

初期費用1,000万円の開発では、年間の保守費を初期費用の15〜20%程度と仮置きします。そのうえで、5年分の保守費とクラウド費を加えます(出典: NotebookLMリサーチノートの業務システム費用整理、2026年8月確認)。

旅行手配管理システムの見積もりを取る際のポイント

見積を依頼するときは、業務フローや代表案件、帳票例を共有します。連携先、移行データ、利用者数、セキュリティ条件、導入希望時期も伝えます。

情報が少ないまま「旅行会社向けシステムを作りたい」と依頼すると、各社の前提がばらばらになり、金額を比べられません。

RFPに入れる旅行形態・手配・帳票・連携

各社の見積を同じ前提で比べられるよう、RFPには旅行形態から運用条件までを5つの区分で書いておきます。

  • 旅行形態:FIT、団体、手配旅行、募集型企画旅行、業務渡航、インバウンド。
  • 案件明細:登録単位、日別旅程、交通・宿泊・食事・ガイド・送迎。
  • 業務処理:手配依頼・回答、変更・取消、売上・仕入・粗利、請求・入金・支払。
  • 証跡・連携:GDS、INFINI、XML、OTA、会計、決済、CRM、メールの接続先とAPI・CSV、同期頻度、エラー通知。
  • 運用条件:多言語・多通貨、タイムゾーン、権限、ログ、バックアップ、復旧時間、データの出力・返却。

旅行業法上の管理者確認や電子書面の保存が必要な場合は、対象となる業務と証跡も確かめます。

複数社の同条件での比較

標準SaaS、旅行業パッケージ、受託開発、基幹刷新に強い会社など、タイプごとに候補を選びます。

  • 業務適合:旅行業の実績、対応業態、標準機能を確認します。
  • 導入後:連携、移行、導入支援、長期保守を確認します。
  • 費用と契約:費目の透明性、変更単価、検収条件を比較します。

実績が豊富な会社や、クラウドを使う提案が、必ず安いとは限りません。要件定義、設計、開発、テスト、移行、教育は、工程ごとに見積もってもらいます。保守、クラウド、API利用料も、費目を分けて示してもらいます。

障害対応の時間やSLA、データの返却、終了時の移行支援も確かめます。価格差が大きいときは、安い提案に足りない機能と、高い提案に含まれる過剰な要件を見比べます。

契約前に確認する追加費用と運用リスク

予算超過を避けるには、追加費用が発生する条件と、未確定の要件の扱いを契約前に明らかにしておきます。

  • 変更作業:仕様変更、追加帳票、ユーザー、データ再移行。
  • 外部・制度:API仕様変更、法制度対応、クラウド容量。
  • 未確定事項:金額を断定せず、前提、確認期限、上限、再見積の方法を記載します。

時間外の対応も、費用の条件に含めます。仕様や契約が未確定のままの外部連携費を固定するのは、危険です。

画面や入力項目が複雑だと、紙やExcelが併用されて、情報が分断されがちです。そこで、導入前に手配担当者と経理に、実際の案件を操作してもらいます。

二重入力の有無や、変更・取消の追跡、帳票の再発行を確かめます。操作性を検証しておくと、リリース後の教育費や改修費を抑える助けになります。

ポイント

見積を比べる前に、業務フロー、代表案件、帳票例、連携先を各社へ同じ条件で示すことが基本です。前提がそろっていない見積は、金額を並べても判断材料になりません。

よくある質問(FAQ)

料金は要件によって変わるため、初期費用だけでなく、運用期間と業務範囲をあわせて判断します。

旅行会社の手配管理システムは100万円で作れますか?

標準SaaSや既存パッケージの初期設定なら、100万円以内または近い予算で始められる可能性があります。

独自フロー、複数の連携、移行、帳票、権限・監査まで含む個別開発を100万円で行うのは難しいです。そのため、標準機能で置き換える範囲を決めます。

GDSやOTAとの連携にはいくらかかりますか?

公開されている推定では、GDS API連携の例として200万〜500万円程度があります。費用は、接続先の数、認証、データ項目、予約・取消の双方向の処理、テスト、契約によって変わります。

CSV連携や手動の確認を残して初期費用を抑え、取扱件数や効果を見てから、リアルタイム連携を追加する方法もあります。

SaaSとスクラッチ開発はどちらが安いですか?

初期費用だけならSaaSが安くなりやすいものの、5年総額や追加開発、業務変更まで含めると、一概には言えません。

標準的な業務が中心で、早く使い始めたい会社ならSaaSが候補になります。独自の収支、手配、連携が競争力に直結し、長期の投資に余力がある会社は、個別開発を検討する余地があります。

見積で必ず確認すべき費用項目は何ですか?

費目と契約条件を分けて確認します。見積書と契約書には、次の項目を記載してもらいます。

  • 導入費:要件定義、設計、開発、テスト、移行、教育。
  • 運用費:保守、クラウド、API、決済、追加ユーザー・帳票、障害対応。
  • 契約条件:対象外作業、変更単価、契約期間、解約時のデータ形式。

標準機能と追加開発を分けると、予算超過を防ぎやすくなります。

まとめ

費用相場は、標準SaaSの初期費用が0〜30万円程度、旅行業パッケージが100万〜800万円程度です。個別連携や移行を含めると、300万〜1,500万円程度になります。スクラッチや基幹刷新は、1,000万〜3,000万円程度が目安です。

金額は、旅行形態や利用者数、拠点数によって変わります。また、案件数やGDS・OTA・会計連携の範囲も、金額に響きます。さらに、帳票、多言語・多通貨、移行、セキュリティの要件でも変動します。

機能・データ・運用をまとめて見る費用判断

初期費用だけでなく、月額や保守、API、決済、移行、教育を含めた5年総額で比べます。標準機能と個別開発を分け、代表案件で受入テストを行うと、見積の精度と現場への定着を高められます。

業務フローと代表案件の整理

見積の前に、問い合わせから精算までの流れを整理します。あわせて、Excelやメール、紙の使われ方、帳票、連携先、移行データ、利用者数も確認します。

同じ条件を複数社に提示して、初期費用や運用費、追加費用、期間、保守、データ返却を比べます。そうすると、自社に合うシステムを選ぶ判断材料になります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。