旅行・観光業向け旅行予約システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

旅行・観光業向け旅行予約システムの費用相場は、標準的なクラウド型なら初期0円〜数十万円、独自開発や複数の外部連携まで含めると300万〜1,000万円以上が目安です。

旅行会社、ホテル・旅館、観光施設、体験事業者、DMOでは、予約する対象と業務の流れが異なります。そのため、安いシステムを選ぶだけではなく、月額料金、決済手数料、OTA・PMS連携、データ移行、保守運用まで含めた総額で比較することが大切です。この記事では、2026年時点の公開料金と開発相場をもとに、旅行・観光業向け旅行予約システムの費用内訳、価格帯、開発期間、見積もりの見方、コストを抑える方法を解説します。

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・旅行・観光業向け旅行予約システム開発の完全ガイド

旅行・観光業向け旅行予約システムの費用相場はいくらですか?

旅行予約システムの費用相場を検討する担当者

結論からいうと、旅行・観光業向け旅行予約システムの費用は、標準機能だけなら月額数千円〜数十万円、既存システムとの連携や独自の予約ロジックまで含めると初期費用100万〜1,000万円超まで広がります。旅行商品・客室・座席・体験枠のどれを管理するか、販売チャネルをいくつ持つかによって必要な設計が変わるためです。

標準機能中心なら初期0円〜数十万円が目安です

小規模な宿泊施設や体験事業者が、公式サイトで空室・空き枠を表示し、予約確認メールを送るだけであれば、クラウド型SaaSを初期0円〜数十万円、月額数千円〜数十万円で導入できる場合があります。たとえば日本システム開発株式会社の旅行業システム「Tabie」は、公式サイトで初期費用0円、1契約最大5ユーザーで月額1万円からと案内しています(出典: 日本システム開発株式会社「Tabie」公式料金、2026年8月確認)。ただし、Web販売、GDS・XML連携、利用者数、追加オプションの条件はサービスごとに異なります。

宿泊予約に絞ったサービスでは、初期費用を無料にして月額を抑えた製品もあります。宿メモの公式料金は、初期費用無料、月額基本料7,700円、顧客管理オプション2,200円、英語版予約画面オプション1,100円です(出典: 株式会社マックスマシーン「宿メモ」公式料金、2026年8月確認)。このような公開価格は比較の起点になりますが、施設ごとの初期設定、プラン登録、データ移行、決済導入費用が含まれるかを確認する必要があります。

外部連携や独自機能を加えると300万〜1,000万円以上になります

会員登録、ポイント、クーポン、複数施設の在庫、団体予約、抽選、動的料金、多言語・多通貨、PMS・OTA・CRM・会計とのAPI連携を一つの仕組みに組み込む場合は、SaaSの月額料金だけでは比較できません。パッケージの拡張やAPI連携で100万〜500万円程度、小〜中規模のスクラッチ開発で300万〜1,000万円程度、宿泊・交通・体験を横断する地域プラットフォームでは1,000万〜3,000万円超が目安になります。

この価格帯は、旅行業向けの業務ロジック、販売チャネル間の在庫同期、決済の返金・キャンセル料計算、ピーク時の負荷対策まで含める場合の目安です。一般的な予約システムの公開相場では、エンジニア1人が1か月作業する人月単価を50万〜120万円、小規模を2〜3人月、中規模を4〜6人月とする例があります(出典: モカモコ株式会社「予約システム開発の費用相場 2026年版」、2026年3月)。旅行・観光業では、予約画面だけではなく業務側の管理と連携が加わるため、単純な予約フォームの相場をそのまま当てはめないことが重要です。

旅行予約システムの費用内訳は何ですか?

旅行予約システムの機能と費用内訳を整理する画面

見積書の「システム開発一式」だけを見ていると、後から追加費用が発生しやすくなります。旅行・観光業向けでは、企画・要件定義、予約と管理の基本機能、外部連携・決済、データ移行、テスト、保守運用を分けて確認すると、どこに費用がかかるのかを判断しやすくなります。

企画・要件定義では業務整理とデータ設計に費用がかかります

要件定義では、誰が何を販売し、どの時点で在庫を減らし、変更・キャンセル・返金を誰が承認するかを整理します。旅行会社なら商品造成、見積、手配、請求、団体管理、行程表まで確認し、宿泊施設なら客室タイプ、料金プラン、連泊、子ども料金、在庫の正となるシステムを定義します。体験事業者なら時間枠、定員、ガイド、天候、参加者情報、チケット発券まで対象になります。

この工程を省くと、開発中に「電話予約も同じ在庫へ反映したい」「OTA側のキャンセルを管理画面へ戻したい」といった追加要件が出て、納期と費用が膨らみます。要件定義・画面設計・データ項目の整理は、全体の開発費に対して一定割合を占めますが、後工程の手戻りを減らすための投資でもあります。

予約・会員・管理画面は機能数と業務ルールで変動します

利用者向けの検索、空き状況表示、予約、変更、キャンセル、確認メールだけなら比較的シンプルですが、会員ランク、ポイント、クーポン、リピーター向けの履歴、法人・団体予約、抽選、仮予約を加えると設計が複雑になります。管理画面も、商品・プラン・客室・座席・体験枠、料金、除外日、キャンセル規定、スタッフ権限、操作ログを持たせるほど工数が増えます。

公開されている一般予約システムの機能別相場では、会員登録・ログインが20万〜40万円、決済連携が50万〜80万円、自動リマインドが10万〜20万円、複数店舗対応が30万〜60万円、CRMなどのAPI連携が50万〜100万円という例があります(出典: モカモコ株式会社「予約システム開発の費用相場 2026年版」、2026年3月)。旅行向けの実際の見積では、施設数、ユーザー数、予約単位、権限の細かさに応じて変わるため、機能名とともに対象範囲を確認します。

API連携・決済・移行・保守が見落とされやすい費用です

旅行予約システムでは、PMS、サイトコントローラー、OTA、GDS、CRM、会計、BI、入退室管理などとの連携が費用の大きな変動要因です。観光庁は2026年3月、PMSと各種システムのデータ連携仕様が標準化されていないことを生産性低下の一因として、標準データセットを公表しました(出典: 観光庁「観光DX推進に向けたデジタルツールのデータ連携における標準化に関する調査結果」、2026年3月)。連携先ごとに項目、認証、更新頻度、障害時の再送、重複予約防止を設計するため、単なるボタン追加より大きな工数になります。

決済は、決済代行会社の初期費用・月額費用・取引手数料・返金手数料・チャージバック対応を分けます。たとえばStripeの日本向け標準料金は、カード決済成功1回あたり3.6%と案内されています(出典: Stripe「料金体系」、2026年8月確認)。この手数料は開発費ではなく売上に応じて発生する運用費です。データ移行では既存の顧客・予約・商品データの整形や重複排除、保守では監視、バックアップ、障害対応、OSや外部APIの更新を確認します。

導入方式別の価格帯と向いているケース

旅行予約システムの導入方式を比較するイメージ

価格だけでなく、標準機能に業務を合わせられるか、独自性をどこに残すかで方式を選びます。初期費用を抑えたい場合でも、月額料金を5年間払い続けると総額が大きくなることがあります。逆にスクラッチ開発は初期費用が大きい一方、競争力に直結する機能を自社資産として積み上げられます。

SaaS・クラウド型は初期0円〜数十万円で早期導入しやすいです

SaaSやクラウド型は、サーバー構築やバージョンアップを自社で抱えにくく、数週間〜2か月程度で導入できる場合があります。標準的な宿泊予約、体験予約、メール通知、簡単な顧客管理なら有力な選択肢です。一方で、月額は施設数、客室数、ユーザー数、予約件数、オプション、サポート範囲によって変わります。

SaaSを選ぶときは、初期0円だけで決めないことが大切です。最低利用期間、解約時のデータ出力、予約手数料、決済手数料、英語・多通貨対応、OTA連携、権限管理、障害時の連絡方法を確認します。標準機能で足りない部分を無理に回避すると、現場がExcelや電話へ戻り、導入効果が下がる可能性があります。

旅行業パッケージや拡張型は100万〜500万円程度から検討します

旅行業務に必要な商品登録、手配、請求、行程管理、Web販売などを備えたパッケージを利用し、不足部分だけを改修する方式です。公開されている一般的な予約システムの相場では、パッケージカスタマイズが10万〜100万円、スクラッチが50万〜1,000万円以上とされる例もあります(出典: モカモコ株式会社「予約システム開発の費用相場 2026年版」、2026年3月)。旅行業でPMS、GDS、OTA、会員基盤などを追加する場合は、拡張費として100万〜500万円程度を見ておくと比較しやすくなります。

パッケージは、法改正や業界標準への対応をベンダーに任せやすい点がメリットです。ただし、標準の予約単位や料金計算に合わせられない場合、カスタマイズを重ねるほど更新が難しくなります。標準機能、設定変更、追加開発の境界を見積書に明記してもらい、将来のバージョンアップ費用も確認します。

スクラッチ・地域プラットフォームは独自性と連携数で上がります

独自の料金計算、複数事業者の在庫統合、地域横断の検索、独自ポイント、旅行商品と交通の組み合わせ、需要に応じた価格変更などが競争力に直結する場合は、スクラッチ開発を検討します。小〜中規模の独自システムで300万〜1,000万円程度、複数事業者や地域全体をつなぐ予約基盤で1,000万〜3,000万円超が目安です。

ただし、すべてを自作する必要はありません。決済、認証、メール配信、地図、翻訳、分析基盤などは専門サービスを使い、予約エンジン、在庫管理、事業者向け管理画面など差別化したい領域だけを開発するハイブリッド構成が現実的です。フルスクラッチの開発費だけでなく、24時間運用、監視、セキュリティ対応、障害時の手動運用まで予算に含めます。

旅行会社・宿泊施設・観光施設で費用が変わる理由

観光業の業態ごとに異なる予約システムの費用

同じ旅行予約システムでも、予約対象が客室なのか旅行商品なのか体験枠なのかで、在庫・料金・キャンセルの考え方が変わります。見積もり前に業態を伝えないと、一般的な宿泊予約の費用だけが提示され、必要な業務機能が後から追加されることがあります。

旅行会社は商品・手配・請求・団体管理で工数が増えます

旅行会社では、単純な日時予約だけでなく、旅行商品の造成、見積、手配、仕入れ、行程表、参加者名簿、請求、入金、変更・取消を扱うことがあります。個人旅行と団体旅行で処理が異なり、GDSや外部在庫と連携する場合は、在庫の更新タイミングやエラー時の再処理まで設計が必要です。そのため、旅行会社向けパッケージの利用料に加え、Web販売、会員、決済、既存基幹システムとの連携費用が発生しやすくなります。

ホテル・旅館はPMS・OTA・公式予約の同期が中心です

ホテルや旅館では、公式予約を増やしながら、OTA、サイトコントローラー、PMSの在庫・料金を整合させることが中心課題になります。客室タイプ、販売期間、連泊、食事条件、子ども料金、除外日、キャンセル料などを扱うほど、料金計算と在庫同期が複雑になります。多施設展開では、施設ごとの権限、共通会員、ブランド別の予約画面、売上集計も追加されます。

観光庁がPMSなどのデータ連携標準化を進めていることからも、将来の連携を前提にデータ項目を設計する重要性が分かります(出典: 観光庁、2026年3月)。連携先を増やすほど便利になりますが、各システムで「どれを正しい在庫とするか」「誰が修正するか」を決めないと二重予約や料金不一致の原因になります。

体験事業者・DMOは時間枠と事業者間連携が費用を左右します

観光施設やアクティビティ事業者では、時間枠、定員、ガイド、装備、天候による中止、参加者情報、チケット発券を管理します。海外OTAと在庫を一元化する場合、多言語表示、現地通貨、海外向け決済、当日の受付処理も必要になります。宿泊と比べて予約単位が時間や人数になりやすく、空き枠の再計算やキャンセル待ちが費用に影響します。

DMOや自治体が宿泊、交通、体験、観光施設を横断する地域サイトを作る場合は、複数事業者のデータ項目、販売主体、問い合わせ先、個人情報の同意、売上分配、責任分界を定める必要があります。単一施設向けの予約機能を横に並べるだけでは運用できないため、地域プラットフォームでは1,000万円以上の予算帯を想定し、まず参加事業者と対象商品を絞ったPoCから始めます。

開発期間はどのくらいですか?費用計画と合わせて考えます

旅行予約システムの開発期間と予算を計画するイメージ

旅行予約システムの導入期間は、クラウド型の設定なら2週間〜2か月、パッケージ導入なら1〜3か月、連携を含む拡張開発なら2〜6か月、小〜中規模スクラッチなら4〜9か月、複数事業者をつなぐ地域基盤なら9〜18か月が目安です。要件定義やデータ移行、決済審査、現場研修、繁忙期を避けた切り替え期間まで考えると、開発会社が示す「開発期間」だけでは足りないことがあります。

公開相場の期間と旅行業特有の追加期間を分けます

2026年の一般予約システム開発の公開例では、最低限の機能が50万〜100万円で1〜2か月、基本機能が100万〜150万円で2〜3か月、複雑な機能が150万〜250万円で3〜4か月とされています(出典: 株式会社Walkers「予約システム開発費用の相場まとめ 2026年最新版」、2026年6月)。一方、旅行・観光業では、PMSやOTAの接続テスト、料金・キャンセル規定の確認、繁忙期の負荷試験が加わるため、この期間をそのまま使わず、連携と業務テストの期間を別に見積もります。

予算計画では、要件定義、設計・開発、テスト、移行・研修、保守開始を工程ごとに分けます。予約確定と決済結果を分離し、失敗時に再試行できるようにする、在庫更新を冪等にする、タイムゾーンと通貨を扱うといった品質要件は、後から追加すると高くつきます。見積もりの早い段階で、繁忙期の同時アクセス数、予約件数、管理ユーザー数を提示します。

5年TCOで初期費用と運用費を比較します

クラウド型なら、初期費用、月額、予約手数料、決済手数料、オプション、追加ユーザー料金を5年間分に換算します。スクラッチなら、開発費、クラウド利用料、監視、保守、セキュリティ対応、外部APIの契約料、改修費、担当者の運用工数を合算します。たとえば月額10万円のサービスでも5年間で600万円となるため、初期費用0円だけで安いとは判断できません。

同時に、電話・メール・紙台帳・手作業の在庫調整がどれだけ減るか、公式予約比率がどう変わるか、在庫不一致や入力ミスをどれだけ防げるかを効果として見ます。システム費用を売上だけで回収しようとせず、作業時間、機会損失、キャンセル対応、顧客データの蓄積も含めて投資判断します。

旅行予約システムの見積もりを取る際のポイント

旅行予約システムの見積書を比較する担当者

複数社から見積もりを取るときは、同じ要件・同じ前提条件で比較します。「予約機能一式」「連携一式」「保守一式」のような大きな項目だけでは、会社ごとに含む範囲が異なります。見積書と一緒に、対象画面、データ項目、連携方式、テスト方法、納品物、除外事項を確認します。

見積もり前に業務フローとデータを整理します

依頼前に、販売する商品、予約単位、販売チャネル、在庫の管理元、料金・キャンセル規定、決済方法、会員情報、管理者の権限、外部システムを一覧にします。現状の電話・メール・紙・Excelの業務を、予約受付、変更、キャンセル、返金、当日受付、売上集計の流れに沿って書き出すと、開発会社が工数を見積もりやすくなります。

また、現行データの件数と形式を伝えます。顧客数、過去予約数、商品・客室・体験枠の数、施設数、管理ユーザー数、月間予約件数、繁忙期のピークを示すと、移行・性能・権限設計の前提が明確になります。多言語・多通貨を使う場合は、対象言語、翻訳の責任者、現地決済、通貨換算の基準日まで要件に含めます。

価格だけでなく実績・保守・データ所有権を比較します

開発会社やベンダーを選ぶときは、旅行会社、ホテル・旅館、体験事業者、DMOなど自社に近い業態の実績を確認します。予約確定、在庫同期、決済、返金、障害時の再処理を説明できるか、現場スタッフへの研修と稼働後の問い合わせ窓口があるかも重要です。安価でも、障害時に連絡がつかない、外部APIの変更を自社で調べる必要がある場合は、運用費が膨らみます。

契約時には、予約・顧客・売上データの所有権、解約時のエクスポート形式、バックアップ期間、サーバーの所在、再委託先、セキュリティ事故時の連絡、追加開発の単価を確認します。個人情報やパスポート情報を扱う場合は、アクセス権限、MFA、操作ログ、保存期間、委託先管理を要件に含めます。生成AIを使う場合も、予約者情報を公開型AIへ入力しない、保存や学習利用の条件を確認する、人の承認を残すというルールを決めます。

追加費用が発生する条件を事前に合意します

「仕様変更」の扱いは、見積もりトラブルになりやすい項目です。画面の文言変更、料金プランの追加、外部APIの仕様変更、決済審査の再対応、移行データの不備、追加の権限区分などについて、どこまでが契約内かを合意します。要件確定後に追加する機能は、単価・納期・承認者・予算上限を決めたうえで変更管理します。

さらに、性能要件と障害対応を数値で確認します。通常時と繁忙期の同時アクセス数、予約確定までの許容時間、在庫更新の間隔、障害時の復旧目標、決済失敗時の再試行、二重予約を防ぐ仕組みを明記します。ここが曖昧なまま価格だけを比較すると、後から高負荷対策や監視の追加費用が必要になります。

旅行予約システムのコストを最適化するポイント

旅行予約システムのコスト最適化を考えるイメージ

費用を抑える基本は、機能を削ることではなく、初期に作る範囲と後から検証する範囲を分けることです。顧客価値や業務効果に直結する予約・在庫・決済・管理を先に安定させ、会員ランク、ポイント、レコメンド、AI自動化などは利用データを見て追加します。

MVPで基本予約を先にリリースします

最初の段階では、商品登録、空き状況表示、予約、変更・キャンセル、確認通知、管理画面、最低限の決済に絞ります。実際の利用状況を見ながら、会員制度、クーポン、キャンセル待ち、分析、複数施設の権限を追加します。2026年の公開相場でも、基本予約から始めて運用しながら機能を追加する方法は、初期投資と手戻りを抑える方法として紹介されています(出典: モカモコ株式会社「予約システム開発の費用相場 2026年版」、2026年3月)。

ただし、安全性や在庫整合性を後回しにしてはいけません。予約確定、決済、返金、個人情報、権限、操作ログ、バックアップは初期から設計します。後から直すと全データや連携方式に影響する領域と、利用状況を見て追加できる領域を分けることがポイントです。

決済・認証・通知は既存サービスを活用します

決済、認証、メール・SMS配信、翻訳、地図、分析などは、信頼できる外部サービスを使うことで、開発期間と初期費用を抑えやすくなります。たとえばカード情報を自社サーバーに保存せず、決済代行会社の画面やトークン化された情報を使えば、カード情報を直接扱う範囲を減らせます。Stripeはカード情報を自社サーバーに保存せずに収集できる仕組みと、カード決済3.6%という標準料金を案内しています(出典: Stripe「料金体系」、2026年8月確認)。

外部サービスを使う場合も、月額や従量課金、最低利用料、データ保持期間、障害時の代替手段を確認します。サービスを増やしすぎると、契約管理や障害切り分けが難しくなります。予約・在庫を管理する中核と、交換可能な周辺機能を分けて設計すると、将来の乗り換えや費用見直しがしやすくなります。

施設・商品・チャネルを絞って段階導入します

複数施設や地域全体へ一度に展開せず、まず一施設、一商品群、一つの販売チャネルでPoCを実施します。予約完了率、電話対応時間、在庫不一致件数、キャンセル率、会員化率、スタッフの作業時間を測り、効果が確認できたら施設やチャネルを広げます。導入初期に現場から出た要望を、全社共通の仕様と施設固有の設定に分けると、不要な個別開発を防げます。

AI機能も、FAQ検索や返信案作成など、誤りがあっても人が確認できる用途から始めます。割引、返金、アレルギー、契約条件、旅行業法やキャンセル規定に関わる確定処理は人間の承認を残します。AIを使うかどうかではなく、どの業務を自動化し、どこで根拠を表示し、誰が承認するかを決めることが費用対効果につながります。

旅行・観光業向け旅行予約システムのよくある質問

旅行予約システムの疑問を解決するイメージ

ここでは、旅行・観光業向け旅行予約システムの費用を検討するときに、担当者からよく寄せられる質問に回答します。金額は要件や契約条件で変わるため、質問の答えをそのまま予算にせず、自社の施設数・連携先・予約数に置き換えて考えます。

SaaSとスクラッチ開発はどちらが安いですか?

初期費用だけなら、初期0円〜数十万円のSaaSが安くなりやすいです。ただし、5年間の月額、予約手数料、決済手数料、オプション、業務を合わせるための運用工数まで含めると、スクラッチ開発が合理的になる場合もあります。標準機能で業務が回るか、独自業務が競争力に直結するかで判断します。

初期費用が安い旅行予約システムで注意することは何ですか?

初期費用だけでなく、月額、最低契約期間、予約・決済手数料、設定代行、データ移行、英語画面、OTA・PMS連携、サポートの範囲を確認します。宿メモのように、基本料金とは別に顧客管理や英語版予約画面がオプションになる例もあります(出典: 株式会社マックスマシーン「宿メモ」公式料金、2026年8月確認)。解約時に予約・顧客データを取り出せるかも、長期コストに影響する重要な確認事項です。

旅行予約システムの予算はどのように決めればよいですか?

まず、予約・在庫・決済・管理の最小構成を定義し、その後に会員、外部連携、多言語、分析、AIなどを優先順位づけします。標準SaaS、パッケージ拡張、スクラッチの3方式で、初期費用と5年TCOを並べます。予算には本体開発だけでなく、データ移行、決済審査、テスト、研修、保守、クラウド、外部サービスの従量料金、予備費を含めます。

開発会社には何を伝えると正確な見積もりになりますか?

業態、施設数、商品・客室・体験枠の数、販売チャネル、月間予約数、繁忙期の同時アクセス、必要な決済、既存システム、データ移行の有無、対応言語、運用体制を伝えます。現状業務の流れと、導入後に減らしたい作業を示すと、機能だけでなく業務効果を踏まえた提案を受けやすくなります。見積もりの対象外と追加開発の条件も、最初に確認します。

まとめ

旅行予約システムの導入費用を整理するまとめ

旅行・観光業向け旅行予約システムは、標準的なクラウド型なら初期0円〜数十万円、パッケージ拡張やAPI連携なら100万〜500万円程度、小〜中規模のスクラッチなら300万〜1,000万円程度、地域全体の予約基盤なら1,000万〜3,000万円超が目安です。金額は施設数、ユーザー数、予約単位、連携本数、決済方式、多言語・多通貨、セキュリティ要件によって変わります。

初期費用ではなく5年TCOと業務効果で判断します

比較するときは、初期費用だけでなく、月額、決済手数料、OTA・PMS連携、データ移行、保守、クラウド、運用担当者の工数を含めた5年TCOを算出します。電話対応時間、在庫不一致、予約完了率、公式予約比率、会員化率などのKPIを決めておくと、システム費用が売上や生産性にどうつながったかを検証できます。

まずは業務と連携先を整理して見積もりを比較します

最初から全機能を作り込まず、予約・在庫・決済・管理の最小構成を決め、標準サービスで済む範囲と独自開発が必要な範囲を分けます。旅行会社、宿泊施設、観光施設、DMOで必要な機能は異なるため、現状の業務フローとデータを整理してから、複数のベンダーや開発会社へ同じ条件で相談することが、予算超過を防ぐ最も確実な方法です。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。