施術カルテ管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

施術カルテ管理システムの発注では、月額料金の安さだけでなく、予約・問診・施術記録・写真・会計をどこまで一つの業務フローにつなぐかを決め、移行・連携・運用費を含む総額で委託先を比較することが重要です。

美容外科・美容皮膚科などの医療機関と、鍼灸院・整骨院・整体院などの治療院では、必要な記録項目やレセコン連携、個人情報の扱いが異なります。本記事では、施術カルテ管理システムを発注・外注・委託する際の進め方を、発注形態の選び方、RFPの作り方、契約形態、2026年時点の費用相場、委託先の選定、見積比較まで順番に解説します。

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・施術カルテ管理システム開発の完全ガイド

施術カルテ管理システムの発注は何から始めればよいですか?

施術カルテ管理システムの発注準備

最初に行うことは、製品を探すことではなく、誰が、どの業態で、どの記録を、どの業務とつなげたいのかを整理することです。施術カルテ管理システムは、患者・顧客台帳、問診、施術記録、写真、同意書、会計、次回予約までを検索可能なデータとして扱う仕組みです。紙カルテを画面に置き換えるだけでは、転記や情報検索の負担が残るため、前後の業務も含めて発注範囲を決めます。

医療機関向けか治療院向けかを切り分けます

美容医療や自由診療クリニックでは、診療録としての記録、既往歴、禁忌事項、医師の確認、施術前後の写真、説明・同意書、薬剤や機器の履歴が重要になります。保険診療を扱う場合は、レセコンや既存の電子カルテとの連携も発注条件に含めます。一方、鍼灸院や整骨院、整体院では、主訴、身体部位の図示、施術内容、次回方針、訪問先、保険請求、自費メニューなどを、施術者が短時間で入力できることが優先されます。

成果指標と発注範囲を先に決めます

目的は「電子化する」ではなく、「何が改善すれば成功か」に置き換えます。例えば、紙カルテを探す時間、問診からカルテへの転記件数、受付から施術開始までの時間、写真を検索する時間、キャンセル率、再来率、スタッフの入力完了率を導入前に測定します。厚生労働省の「これからはじめる看護DX 事例紹介」(2025年)でも、受付から会計までの時間や予診内容の転記時間、患者誤認などを効果測定指標の例として示しています。自院で測る指標を2〜4個に絞ると、見積比較と導入後の評価がぶれません。

発注形態はクラウド・パッケージ・スクラッチを比較します

施術カルテ管理システムの発注形態比較

発注形態は、利用開始までの速さ、独自業務への適合性、初期費用、将来の変更しやすさで選びます。標準的な予約・問診・カルテ・会計が中心なら既製クラウドが候補になり、独自の施術フローや複数拠点の管理が競争力に直結するならスクラッチ開発を検討します。間にパッケージやローコードを置く方法もありますが、医療情報や画像、監査ログを扱う場合は、できることだけでなく制約も確認します。

クラウドSaaSは早期導入と標準化に向いています

クラウドSaaSは、サーバー調達や大規模な開発をせず、ベンダーが用意した予約、Web問診、電子カルテ、会計、分析などを利用する方式です。小規模院が早く始めたい場合や、業務を標準化しながら改善したい場合に向いています。美容クリニック向けサービスの公式導入フローでは、契約後の利用開始を最短2〜3週間程度と案内する例があります(出典: キレイパスコネクト byGMO「導入までの流れ」、2026年確認)。

ただし、月額料金に含まれる範囲、画像容量、追加アカウント、CSV出力、API、データ移行、サポート時間を確認します。クラウドだから自動的に安全とは限らないため、権限設定、二要素認証、操作履歴、バックアップ、障害時の連絡、解約時のデータ返却・消去も契約前に確認します。

パッケージやローコードは適合性と拡張性を見極めます

パッケージは、治療院向けや美容医療向けに必要な項目があらかじめ用意され、導入時の設定で自院に合わせる方式です。ローコードは、顧客台帳や簡単な申請、集計の試作を短期間で行うときに役立ちます。どちらもスクラッチより初期費用を抑えやすい一方、独自のシェーマ、画像の世代管理、複雑な権限、レセコン連携、監査ログを追加すると、想定より開発費や保守費が膨らむことがあります。

デモでは、一般的な患者情報を登録するだけでなく、初診受付から問診、施術記録、写真保存、同意書確認、会計、次回予約までを実際の順序で操作します。標準機能でできること、設定で変えられること、個別開発が必要なことを分けて記録すると、後の追加見積もりを抑えられます。

スクラッチ開発は独自業務が投資に見合う場合に選びます

スクラッチ開発では、業務ヒアリングから要件定義、画面・データ設計、開発、テスト、移行、運用保守までを委託先と作り込みます。独自の施術テンプレート、多店舗の予約リソース管理、機器・薬剤・同意書の履歴、既存のレセコンやPOSとの連携などが経営上の強みになる場合に有効です。一方で、要件が曖昧なまま発注すると、開発途中で変更が続き、納期と費用の両方が膨らみます。

初回からすべてを作るのではなく、1院・1メニュー・1スタッフを対象に2〜4週間のPoCを実施し、記録時間、転記ミス、スタッフの利用率を測る方法が安全です。PoCで現場に定着することを確認してから、本開発や多店舗展開へ進めると、発注側と受託側の認識差を小さくできます。

RFPと要件整理では現場の一連の流れを書き出します

RFPと要件整理

RFPは、委託先に「何を、なぜ、いつまでに、どの条件で実現してほしいか」を伝える依頼書です。機能一覧だけでは、現場の困りごとや優先順位が伝わりません。受付から施術、記録、会計、フォローまでの業務を時系列で示し、標準機能、設定、開発、連携のどれを求めるのかを明記します。

現行業務と課題を事実ベースで整理します

まず、予約受付、来院確認、問診、施術前の禁忌事項確認、担当者の割り当て、施術記録、写真撮影、同意書、会計、次回予約、アフターフォローを観察します。各工程で、紙に書くのか、別のシステムへ転記するのか、誰が承認するのか、どの情報を後から検索するのかを記録します。「入力を簡単にしたい」という要望は、「初診時に問診の必須項目を埋め、施術者がタブレットで3分以内に記録し、医師が確認履歴を残す」のように測定可能な表現へ変換します。

必須・希望・将来要件を分けて記載します

必須要件には、患者・顧客台帳、検索、問診、施術テンプレート、写真と同意情報の紐付け、職種別権限、操作履歴、バックアップ、CSV出力を置きます。医療機関なら診療録としての運用、保険診療ならレセコン連携、治療院なら保険請求や訪問施術も業態に応じて加えます。希望要件にはLINEや予約媒体、POS、決済、在庫、BIを置き、将来要件には多店舗展開やAI音声入力を置くと、初期開発の範囲を制御しやすくなります。

AI機能を要件に入れる場合は、「自動で診断する」ではなく、「会話を文字起こしして記録候補を作り、資格者が確認して保存する」と書きます。2026年には、診察中の音声をテキスト化し、SOAP形式などのカルテ用テキストを生成する機能を提供するサービスもあります(出典: アトミックソフトウェア「AI音声カルテ」、2026年)。候補の参照元、訂正履歴、保存前の確認者、利用停止手順、音声データの保持期間までRFPに含めます。

連携・移行・障害時の代替運用を要件化します

外部連携では、予約媒体、公式LINE、決済、POS、会計、レセコン、在庫、分析ツールを対象に、連携方式、同期方向、同期頻度、エラー時の再送、責任分界を決めます。データ移行では、現役患者・顧客の基本情報、直近履歴、同意書、重要写真から始めるのか、全件を移すのかを選びます。紙原本の保管責任、スキャン品質、重複患者の名寄せ、退会・削除の扱いも発注書に残します。

通信障害やサービス停止が起きたときに、紙の一時記録を使うのか、端末内の一時保存を使うのか、復旧後に誰が正本へ反映するのかを決めておくことも大切です。バックアップの頻度だけでなく、復元テストの実施、復旧目標時間、問い合わせ窓口、事故発生時の報告期限まで確認します。

契約形態は開発範囲と変更リスクに合わせて選びます

施術カルテ管理システムの契約

契約は、費用の支払い方だけでなく、成果物、責任、変更手続き、知的財産、データの扱いを定める重要な発注条件です。既製サービスの利用契約と、個別開発の請負・準委任契約では確認すべき点が異なります。法務担当者や顧問弁護士にも確認し、口頭合意を残さないようにします。

SaaS利用契約はサービス継続とデータ返却を確認します

SaaSでは、利用料金、初期設定費、追加機能、画像容量、追加拠点、サポート、料金改定、最低利用期間、解約予告期間を確認します。契約終了時に、患者・顧客データ、写真、同意履歴、監査ログをどの形式で、いくらで、いつまでに返却できるかを明記します。CSVで出せる項目と、画像のメタデータや施術との紐付けまで出せるかは別問題です。

請負と準委任は成果物と作業責任を分けて考えます

画面や機能、納期、検収条件を明確に定義できる部分は請負契約が候補になります。反対に、要件調査、現場ヒアリング、PoC、運用改善のように、作業を進めながら成果を具体化する部分は準委任契約が合うことがあります。準委任だから品質責任が不要になるわけではなく、担当者、作業時間、報告、レビュー、受け入れ基準を別途決めます。

一括で本開発を契約するのではなく、要件定義、PoC、本開発、移行・導入支援を段階契約にする方法もあります。要件定義の成果物として業務フロー、画面一覧、データ項目、連携仕様、移行方針、概算見積もりを受け取り、その内容を見て次工程を発注する方式です。

知的財産・保守・責任分界を契約書に残します

個別開発では、ソースコード、設計書、データベース定義、テスト仕様書、画像処理の設定、API仕様書の権利と利用範囲を確認します。すべての権利を譲渡するのか、ベンダーの共通部品は利用許諾にとどまるのかで、将来の乗り換えや内製化の自由度が変わります。第三者ライブラリや生成AIを使う場合は、ライセンスと入力データの扱いも確認します。

運用開始後は、障害対応、脆弱性対応、OSやブラウザの更新、法令・制度変更、バックアップ復元、問い合わせ対応の範囲を決めます。医療機関が患者の医療情報を扱う場合は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」に関するQ&A(2025年5月)などを確認し、委託先の安全管理体制と再委託先の管理方法を契約前に説明してもらいます。

施術カルテ管理システムの発注費用相場はどのくらいですか?

施術カルテ管理システムの費用相場

2026年時点の目安は、治療院や小規模院のクラウド導入なら初期費用0万〜30万円程度、月額1万〜5万円程度、複数スタッフ・複数店舗・外部連携を含む導入なら初期30万〜200万円程度、月額5万〜30万円程度です。スクラッチ開発は小規模なMVPで300万〜800万円、院内向けの本格開発で800万〜2,000万円、複数拠点・外部連携・高い可用性まで含めると1,500万〜3,000万円超を仮置きします。ただし、いずれも公開定価の統一相場ではなく、要件に基づくレンジです。

クラウド導入は初期費用・月額・追加費用を分けます

クラウド型の見積書では、初期設定、アカウント発行、業務テンプレート作成、紙カルテのデータ移行、画像移行、研修、連携設定を月額費用と分けて確認します。月額1万〜5万円程度という治療院向けの公開情報がある一方、画像容量、追加拠点、予約媒体、SMS、決済、API、サポートが別料金のこともあります(出典: RIPICLE公式の電子カルテ費用案内、2026年確認)。端末数にかかわらず一律料金を掲げるサービスもあるため、単純な1ユーザー単価だけで優劣を決めないことが重要です。

比較時は、初期費用と月額費用に、データ移行、教育、追加ストレージ、決済手数料、端末、通信、保守を足して、36か月の総額を算出します。例えば、月額費用が低くても画像保管や連携が従量課金なら、患者数や予約数の増加で総額が変わります。見積書には、料金の前提となる拠点数、スタッフ数、患者数、画像容量、利用期間を必ず書いてもらいます。

個別開発は機能別の工数と保守費を確認します

スクラッチ開発の費用は、画面数よりも、業務ルール、権限、画像、帳票、外部連携、移行、テスト、運用監視の複雑さで変わります。見積書では、要件定義、UX・画面設計、バックエンド、フロントエンド、インフラ、セキュリティ、テスト、移行、研修、プロジェクト管理を分け、各項目の工数と前提を示してもらいます。「一式」だけの記載では、後から何が追加費用になるか判断できません。

初期費用とは別に、月次のクラウド利用料、監視、バックアップ、脆弱性対応、問い合わせ、機能改修、法令や外部サービス変更への対応費が発生します。納品後の保守を年額で契約するのか、都度見積もりにするのか、障害と仕様変更をどこで分けるのかを確認します。公的な医療DX事例でも、ソフトウェアだけでなく、30台のタブレット、Wi-Fi工事、閉域網接続、通信費などが別項目で計上されています(出典: 厚生労働省「これからはじめる看護DX 事例紹介」、2025年)。

公開事例は価格の断定ではなく費用構造の参考にします

厚生労働省の2025年事例では、外来電子カルテ約30台分と施設特化型問診設定を含む1年ライセンスが286.9万円、閉域網クラウド接続と電子カルテ連携が198.5万円、タブレット30台が219.7万円、Wi-Fi工事が100万円、1年の通信費が80.6万円という概算が示されています。これは病院の事例であり、治療院や小規模クリニックへそのまま当てはめられませんが、ソフトウェアの月額だけで予算を決める危険性を示す材料になります。

反対に、クラウドの導入期間が短いサービスでは、契約後2〜3週間程度で利用開始できる例もあります。導入が速い場合でも、紙カルテの全件移行、スタッフ教育、権限設定、写真の整理、既存システムとの連携が省略されるとは限りません。価格や期間を見たら、「何が含まれている数字か」「自院の業態・規模と比較可能か」を必ず確認します。

委託先・ベンダーは実績と導入支援の両面で選びます

施術カルテ管理システムの委託先選定

委託先には、受託開発会社、自社クラウドを提供するベンダー、導入支援会社があり、同じ「開発会社」という言葉でも役割が異なります。既製サービスを導入する場合は、業態への適合性、移行、教育、サポートを見ます。スクラッチを発注する場合は、要件定義の力、医療・治療院業務の理解、セキュリティ、保守体制を見ます。サービスを売る会社に、できない個別開発まで期待しないように提供形態を明記します。

業態・規模・記録方式が近い実績を確認します

実績は導入社数の大きさだけでなく、自院に近い事例を確認します。美容医療なら、施術メニューの組み合わせ、医師・看護師・受付の権限、症例写真、同意書、部屋・機器・薬剤の予約を聞きます。治療院なら、鍼灸・柔整・自費施術の記録、身体部位のシェーマ、訪問施術、レセコン、複数店舗のスタッフ共有を聞きます。

事例では、「導入しました」という紹介だけでなく、移行前の課題、移行件数、導入期間、現場の変更点、導入後の指標を確認します。例えば、メディカルフォースの公開事例では、麻布ビューティクリニックが約1万人分の紙カルテを電子化し、Web・LINE予約が1.5〜2倍に増え、紙カルテの出し入れや処理に費やしていた1日約2時間の作業を削減したと紹介されています(出典: メディカルフォース導入事例、2026年更新)。数値の定義は事例ごとに異なるため、自院で再現できる条件を質問します。

セキュリティと導入後サポートを質問します

確認する項目は、通信・保存時の暗号化、職種別の最小権限、二要素認証、監査ログ、バックアップ、脆弱性対応、端末紛失時の遠隔停止、再委託先、障害時の連絡体制です。医療機関では厚生労働省のガイドラインとの対応表を提示してもらい、治療院でも要配慮個人情報を扱う前提で、利用者の追加・削除、退職者の権限停止、データ持ち出しを確認します。

導入支援では、初期設定だけでなく、現場のテンプレート作成、研修、リハーサル、本稼働後の問い合わせ、利用率の確認まで範囲に含めます。導入後30日、60日、90日で、入力漏れ、記録時間、紙運用の残存、問い合わせ内容をレビューする体制があると、システムが入っただけで使われない状態を避けやすくなります。

デモでは繁忙時間帯のシナリオを再現します

デモの参加者には、院長や経営者だけでなく、受付、施術者、看護師、会計担当、情報管理担当を含めます。初診の予約を登録し、Web問診を取り込み、禁忌事項を確認し、施術を記録し、写真と同意書を紐付け、会計と次回予約まで進めます。さらに、担当者が変わった場合、同じ患者が別店舗へ来た場合、通信が一時的に切れた場合、患者から記録の訂正を求められた場合も試します。

評価表には、操作ステップ数、入力にかかる時間、必須項目の分かりやすさ、検索の速さ、誤入力の修正方法、権限による表示差、帳票やCSVの出力可否を記録します。画面がきれいかどうかだけでなく、片手でタブレットを操作できるか、施術者が患者との会話を中断せず記録できるかを確認することが、定着につながります。

見積もり比較では金額より前提条件をそろえます

施術カルテ管理システムの見積比較

見積比較で最も危険なのは、A社は導入・移行込み、B社はシステム利用料だけという状態で、金額だけを並べることです。同じRFPを渡し、拠点数、スタッフ数、患者・顧客数、過去データの件数、写真容量、連携先、希望時期、研修回数を統一します。回答欄には、標準、設定、追加開発、対応不可、代替案を分けて記載してもらいます。

見積の前提・含むもの・含まないものを比較します

比較表には、初期費用、月額または年額、個別開発、連携、移行、研修、端末、ネットワーク、保守、サポート、解約時のデータ出力を並べます。開発の場合は、要件定義と設計を含むか、受け入れテストを誰が実施するか、修正回数の上限、仕様変更の単価、納品物の形式を記載します。クラウドの場合は、利用人数や拠点を増やしたときの料金、データ容量の上限、料金改定の通知期間を記載します。

3年総額は、初期費用+月額費用×36か月+追加機能・連携費+移行・教育費+端末・通信費+保守費で計算します。将来の拠点追加や患者数増加も、少なくとも標準ケースと拡大ケースの2パターンで確認します。初年度だけ安い提案、開発費は安いが保守が高い提案、月額は安いがデータ出力に費用がかかる提案を同じ尺度で比較できます。

機能・費用・運用・安全性に重みを付けます

選定では、機能数の多さだけで順位を決めません。例えば、業態適合性25点、現場操作性20点、連携・移行15点、セキュリティとデータ管理15点、導入支援と保守10点、3年総額15点のように、自院の優先順位に合わせて配点します。医療機関なら安全性と診療録の運用を重くし、多店舗の治療院なら権限や店舗横断の分析を重くするなど、配点自体を経営課題に合わせます。

評価者は一人にせず、経営、現場、会計、情報管理の視点を分けます。点数が大きく違う項目については、デモや追加質問で理由を確認します。最終的には、最安値ではなく、必要な成果を、無理のない期間と運用体制で実現できる提案を選びます。

避けるべき見積と提案の兆候を見極めます

要件をほとんど聞かずに即日で高機能な完成イメージと一律金額を提示する、標準機能と個別開発の境界がない、セキュリティ質問に一般論だけで答える、担当者が契約前後で変わる、データ返却を説明しない提案には注意します。逆に、できないことを明示し、代替案と追加費用の条件を説明する会社は、発注後の認識差を減らしやすい傾向があります。

納期だけを短くする提案も、移行と教育の期間が含まれているかを確認します。利用開始日が早くても、現場が紙運用へ戻れば投資効果は得られません。RFPへの回答、デモ、見積、契約、導入担当者の説明が一貫しているかを見て、質問への回答を議事録に残します。

発注後は移行・教育・効果測定まで設計します

施術カルテ管理システムの導入と定着

システム発注の完了は契約締結ではなく、現場が安全に使い、目的の指標が改善した時点です。移行対象を決め、テスト環境で登録・検索・写真表示・権限・帳票・連携を確認し、スタッフが実際の患者・顧客の流れでリハーサルします。いきなり全店舗へ展開せず、代表店舗で試してから横展開する方が問題を発見しやすくなります。

移行対象と研修の合格条件を決めます

紙カルテをすべて移行する場合は、入力代行、スキャン、OCR、画像の紐付け、名寄せ、二重登録の確認に費用と期間が必要です。現役患者の基本情報と直近履歴を優先し、過去の紙原本は保管して必要時に参照する段階移行も選択肢になります。移行後のサンプル監査を行い、患者の取り違え、日付の欠落、写真の紐付け違いがないことを確認します。

研修は、説明会を一度開くだけでは足りません。受付、施術者、看護師、医師、管理者ごとに、日常業務を使った操作練習を行い、入力ルールと困ったときの問い合わせ先を決めます。例えば、各職種が必須項目を一定時間内に登録できる、誤入力を履歴を残して訂正できる、障害時の一時記録を復旧後に反映できることを本稼働の条件にします。

導入前後のKPIを定期的に見直します

導入後は、記録にかかる平均時間、問診の転記件数、写真検索時間、受付待ち時間、入力漏れ、キャンセル率、再来率、スタッフの利用率を月次で確認します。数字だけでなく、現場がどの場面で紙へ戻るのか、テンプレートが足りないのか、権限が細かすぎるのかを聞きます。使われていない機能を増やすより、毎日使う機能の入力手順を改善する方が、定着につながる場合があります。

AI音声入力や姿勢分析を導入する場合も、精度だけで評価しません。記録補助が入力時間を減らしたか、誤記録を人が確認できたか、患者への説明責任を果たせるか、必要な場合に機能を停止できるかを評価します。AIの出力をそのまま診断や最終記録に使わず、資格者による確認と訂正履歴を運用に組み込みます。

よくある質問

施術カルテ管理システム発注のよくある質問

施術カルテ管理システムの発注では、費用だけでなく、移行、連携、契約、セキュリティ、現場定着について質問が多く寄せられます。ここでは、発注前に特に確認したい質問へ直接回答します。

施術カルテ管理システムの発注費用を抑える方法はありますか?

機能を最初から増やしすぎず、必須業務をクラウドやパッケージで始め、効果を確認してから追加開発する方法があります。紙カルテの全件移行や複雑な連携を初期から行う場合は、費用だけでなく期間も増えます。初期費用、月額、移行、研修、端末、保守を含む3年総額で比較し、安さだけでなく業務削減効果も確認します。

既製サービスとスクラッチ開発はどちらを発注すべきですか?

標準的な予約、問診、カルテ、会計を早く導入したい場合は、既製クラウドが候補です。独自の施術フロー、複数拠点のリソース管理、外部システムとの複雑な連携が経営上の強みになる場合は、スクラッチ開発を検討します。迷う場合は、既製サービスのデモと小規模なPoCを行い、標準化できない差分だけを個別開発する段階方式が現実的です。

RFPには何を書けば委託先から比較しやすい見積を取れますか?

対象業態と拠点数、現行業務、解決したい課題、必須・希望・将来要件、連携先、移行対象、希望時期、予算の考え方、セキュリティ条件、導入後のサポート、成果指標を書きます。各社に、標準機能、設定、追加開発、対応不可、代替案を分けて回答してもらうことがポイントです。同じ条件のRFPを複数社へ渡し、見積の前提と3年総額をそろえると比較しやすくなります。

まとめ

施術カルテ管理システム発注のまとめ

施術カルテ管理システムの発注では、まず美容医療などの医療機関向けか、鍼灸院・整骨院などの治療院向けかを切り分けます。そのうえで、クラウド、パッケージ、スクラッチの発注形態を、業務への適合性、導入期間、費用、将来の変更しやすさで比較します。

発注前にRFPと比較軸を整えます

RFPには、現行業務、必須要件、連携、移行、セキュリティ、運用体制、効果測定指標を含めます。見積は初期費用や月額だけでなく、紙カルテ・写真の移行、端末・通信、研修、保守、解約時のデータ返却まで含めた3年総額で比較します。費用レンジは自院の前提条件によって変わるため、公開価格や公的事例を参考にしながら、最終的には同じ条件の個別見積を取得します。

デモとPoCで現場に定着するかを確かめます

委託先を決める前に、実際の受付から施術、記録、写真、同意、会計、次回予約までをデモで再現し、可能なら代表店舗でPoCを行います。契約後は移行、教育、障害時の代替運用、導入後のKPI確認までをプロジェクトに含めます。システムを導入すること自体ではなく、記録の品質と現場の時間を改善し、患者・顧客へのサービス向上につなげることが発注のゴールです。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。