UGC活用ツール開発の発注/外注/依頼/委託方法について

UGC活用ツールの発注は、目的KPIと対象業務、必要な連携範囲を決めたうえで、SaaSから個別開発へ段階的に進めると発注リスクを抑えられます。発注形態やRFP、契約形態、委託先の選び方も、この流れの中で決めていきます。

全体像は、次のUGC活用ツール開発の完全ガイドもご覧ください。

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UGC活用ツールの発注で最初に決める全体像

UGCとは、顧客や利用者が作る投稿の総称です。レビューや口コミ、写真のほか、動画やSNS投稿、Q&Aなども含まれます。

発注するUGC活用ツールは、投稿を集めて表示するだけでなく、投稿者への許諾申請、公開前の審査、商品情報との紐付けを支えます。掲載後のクリック・CVR・売上の計測までを含む業務システムです。

発注前のKPIと対象業務の結びつけ

「UGCを増やしたい」とだけ決めて発注すると、導入後に投稿数は増えても、売上や顧客体験につながらないことがあります。まず、「商品ページの購入不安を減らしてCVRを改善する」「レビュー依頼の回答率を上げる」「顧客の声を商品企画へ戻す」などの事業目的を決めてください。

発注範囲を明確にするには、表示ページ、対象商品、月間セッションを整理します。投稿の種類や社内担当者、許諾・審査の責任者も、あわせて書き出します。そうすると、必要な機能と不要な機能が見えてきます。

収集から改善までの業務フロー

要件の基準になる業務フローは、収集から改善までの流れです。許諾や審査、タグ付けを経て、商品紐付け、掲載、計測へ進みます。

収集した投稿は、そのまま使えるとは限りません。たとえばInstagramの投稿を取得しても、広告やLPへの二次利用まで自動的に許されるわけではありません。そのため、誰が利用許諾を送り、どの媒体・期間・地域・用途で許可を得たかを記録する必要があります。

さらに、削除依頼が来たら何営業日以内に非表示にするかまで決めておきます。この業務を自社で行うか、委託先に運用代行してもらうかで、ツールの権限設計と費用は大きく変わります。

UGC活用ツールの発注形態の選び方

SaaS、API・アドオン、スクラッチ開発の3つの発注形態をカードで示した図。
標準機能と独自業務の範囲が選択の分かれ目です。

短期間で効果を検証したいなら、SaaSが候補になります。既存システムと深く連携する場合は、SaaSのAPI・アドオンか個別開発を検討します。

業務そのものを独自化するなら、スクラッチ開発が候補になります。判断の材料は機能数よりも、月間セッションや商品数、SNSチャネルです。既存EC、運用人数、将来のデータ活用範囲も、あわせて見ます。

SaaS導入の発注が向く企業

SaaSは、標準ウィジェットやタグでレビューやSNS投稿を表示します。SNS APIの変更や基盤保守はベンダーが担うため、管理画面や画像配信、許諾管理を一から作らずに済みます。検証を急ぐ企業に合った方式です。

Letroは、初期費用に加え、施策範囲に応じた月額費用を設定しています。公式ページでは月額5万円からと案内されています(出典:アライドアーキテクツ株式会社 Letro料金・プラン、2026年確認)。

表示ページのセッション数が課金対象で、月ごとの増減も料金に反映されます。そのため、見積もりの際はサイト全体ではなく、対象ページのセッション数を伝えてください。

API連携・スクラッチ開発が向く企業

標準機能やタグ設置で満たせない業務がある企業は、API連携や個別開発を検討します。

たとえば、注文データで購入確認済みレビューを判定し、商品別に掲載場所を変える場合は、単純なタグ設置では要件を満たせないことがあります。

  • 独自システム連携:独自カート、自社CMS、複数ブランドの商品マスタや会員ランクとの連携
  • 社内固有の業務:承認ワークフローと、注文データによる購入確認済みレビューの判定
  • 商品別の表示:商品バリエーションに応じた、UGCの掲載場所の切り替え
  • 段階開発:まず標準機能でMVPを作り、足りない業務だけを後から追加開発する

投稿の取得や表示だけでも、SNS API規約の変更やストレージ、CDN、脆弱性対応は自社で引き受けることになります。

標準機能で解けない業務だけを追加開発に切り出すと、初期投資と将来の保守負荷を抑えやすくなります。

ポイント

まず、標準機能で足りる業務と、自社の業務に合わせて作る必要がある業務を分けてください。前者はSaaSで短期に試し、後者だけをAPI連携か個別開発へ回すと、初期投資を抑えやすくなります。

RFPと要件整理で決める項目

RFPの機能優先度をMUST、SHOULD、WANTの3層で示した図。
優先度を分けると、必須条件と後から加える機能を区別できます。

RFPは、委託先に希望を伝える資料であると同時に、自社の意思決定をそろえる資料です。

機能一覧に加えて、現状の業務や目標KPI、対象データを一つにまとめます。必須条件や制約、検収方法、導入後の体制も、同じ資料に入れます。

特にUGCでは、マーケティング部門だけでなく、EC担当や法務も関係します。情報システムやカスタマーサポートも関わるため、部門ごとの認識差は、RFPの段階で埋めておいてください。

MUST・SHOULD・WANTによる機能の優先順位

RFPでは、機能を必須度に応じてMUST・SHOULD・WANTに分けて書きます。

  • MUST:業務・コンプライアンスに不可欠なもの。未許諾投稿の広告利用防止、削除依頼管理
  • MUSTの例:商品マスタ連携、GA4等でのクリック測定、担当者別の権限設定
  • SHOULD:CSV一括登録、レビュー返信、承認期限の通知
  • WANT:AI要約、感情分析、A/Bテストなど、効果検証後に追加できる機能

優先順位を付けないRFPは、全機能が必須と解釈され、見積金額と納期が膨らみやすくなります。

データ・権利・現場運用の要件

機能要件と同じくらい、データの流れも具体的にしておきます。取り込むデータには、まず投稿本文、画像・動画、投稿者IDがあります。投稿URL、商品ID、注文番号は、投稿と商品や注文をつなぐ情報です。

許諾日時、利用媒体、利用期限は利用許諾の範囲を示す情報で、審査結果、タグ、表示実績も取り込みます。SNS・EC・CRM・CMSのどれが正本になるかや、API・CSV・Webhookのどれで連携するかも決めます。画像や動画をどの保存期間で削除するかも決めておきます。

運用面では、一次審査や法務確認、商品紐付けを担う人と所要時間を書き出します。返信やレポート作成、削除依頼対応も含めます。AIの自動分類を使う場合は、誤判定時の人手確認と監査ログを必須条件にしてください。

ポイント

迷ったら、機能を必須度で分けたうえで、目標KPIや対象データ、検収方法までRFPに書いてください。同じ前提で見積もりを頼むと、委託先ごとの違いが比べやすくなります。

契約形態の選び方:請負と準委任

契約形態は、作るものを先に決め切れるかどうかと、要件を調べながら変える必要があるかで選びます。法務上の最終判断は、自社の顧問弁護士などに確認してください。

発注実務では、契約形態とプロジェクトの進め方を一致させることが大切です。外部APIや現場運用は不確実性が高い領域のため、すべてを最初から固定するより、調査・設計と開発・保守を分けたほうがリスクを管理しやすいケースがあります。

請負契約の固定要件と受入条件

請負契約は、納期までに完成させて検収する案件に向いています。仕様と受入条件は、後から解釈が分かれない形で書いておきます。

  • 仕様書:画面一覧、許諾フロー、API入出力を示す。ブラウザや性能、セキュリティ、テスト項目も含める
  • 検収条件:「許諾済み画像を商品IDに紐付けて指定ページに表示し、クリックを計測できる」などと定義する
  • 制御外の事象:SNSの仕様変更や外部サービスの審査遅延を、契約上どう扱うかの取り決め

「UGCを使える状態にする」のような完成条件が曖昧なままだと、検収のときに争いが起きやすくなります。

準委任契約が向く調査・改善・伴走

準委任契約は、作業やプロセスの委託に向いています。要件定義、データの洗い出し、PoCなどがその典型です。加えて、運用改善や専門人材による伴走も含められます。

初期段階では、SNS APIの取得可否や既存カートとの連携を調べます。投稿許諾、KPI計測の妥当性も、同じ段階で確かめておきます。その結果をもとに、次の開発範囲を決める進め方が現実的です。

時間を使うだけの委託に終わらないよう、契約期間と担当者の稼働、定例会議を明記します。さらに、成果物と報告方法、追加作業の単価、途中解約時の引き継ぎも書いておきます。

データ所有権・再利用・退出条件の合意

契約書や利用規約では、データの所有権と利用範囲、契約終了時の扱いを確かめます。

  • 所有権と利用範囲:投稿原文、画像・動画、許諾記録、タグ、分析データの範囲
  • データ返却:契約終了後のCSV・API出力の可否と、画像の元データの返却
  • 削除条件:ベンダーのバックアップからデータが消えるまでの時期
  • プラン差:プランごとの機能とデータ持ち出しの方法

Bazaarvoiceの公式説明では、コンテンツ認証、モデレーション、プライバシー管理がパッケージごとに分かれています。データのエクスポートや上位プランのAPI利用も、パッケージによって異なります。

比較では、機能名だけでなく、どのプランでどのデータをどの方法で持ち出せるかを、契約条件として比べてください(出典:Bazaarvoice Package Descriptions、2025〜2026年確認)。

ポイント

成果物と受入条件を先に決め切れる案件は請負、調査や改善を進めながら内容を決める案件は準委任が向いています。外部APIや現場運用が絡む部分は、準委任で調査を先に行うと、リスクを管理しやすくなります。

UGC活用ツールの費用相場と見積内訳

費用は、公開料金があるSaaSと、要件で変わる個別開発を分けて見ます。SaaSは月額の安さだけで判断せず、初期設定とデザイン調整、データ移行まで含めて確認してください。EC・CMS連携も、あわせて確認の対象になります。

運用支援や投稿生成、法務確認も、費用に含めます。また、広告用のクリエイティブや、クラウド・ストレージ・CDNの費用も加えて、初年度と3年の総額で比べます。

ここで示す金額は、公開情報とUGCに必要な機能工数をもとにした検討用のレンジです。各社の正式な見積もりではありません。

公開料金のあるSaaSの月額と課金単位

U-KOMIのmakeshop向け料金ページには、次の公開料金例があります(出典:U-KOMI「料金(makeshop)」、2026年8月確認)。

  • フリー・スターター:無料のフリープラン、月額5,500円のスターター
  • スタンダード・プロ:月額36,300円のスタンダード、月額60,500円のプロ
  • エンタープライズ:月額72,600円以上
  • 機能範囲:レビュー収集からAI要約・感情分析、Instagram・X・TikTok収集、API・CRM連携まで広がる

公開料金は、一製品・対応カートの例で、UGC活用ツール全体の相場ではありません。ただし、月額0〜7万円台の公開プランがあることを把握する材料にはなります。

問い合わせ型サービスでは、料金が対象ページのセッション数や投稿量で変わります。さらに、伴走範囲や動画制作の本数、契約期間も料金に影響します。

見積書では、対象ページの定義と、セッション・PV・APIコール・保存容量の上限を確かめます。超過単価も、あわせて見ておきます。

導入支援の期間と、解約時のデータ返却費も確かめます。サービスによっては、Letroのように、契約上限を超えても表示が自動では止まらないものもあります。

料金は月ごとのセッション数で変わるため、予算管理の運用まで決めておく必要があります。

個別開発の300万円台から大規模開発までの費用幅

UGC専用システムだけを対象にした公的な開発費統計は限られます。そのため、SNS・業務システムの公開費用とUGC固有の機能工数から推定します。

  • MVP:管理画面から掲載までの範囲(投稿取込、許諾、審査、タグ付けを含む)で300万〜800万円程度
  • 中規模:複数SNS・カート、権限・監査ログ、商品連携・CVR計測、CDNを含み、800万〜1,500万円程度
  • 大規模:SSO・MFA、複数ブランド、AIモデレーション、厳格なSLA・セキュリティ監査を含み、1,500万〜3,000万円以上になる可能性

SNSアプリの公開相場では、基本機能で50万〜300万円程度、複雑な機能で400万〜1,000万円、完全オリジナルで2,000万円以上とされています(出典:システム幹事「SNSアプリ/サイトの開発費用相場」、2024年公開情報を2026年確認)。

この相場に、UGC固有の権利・メディア・連携の要件を加えて考えています。ここにある金額をそのまま予算にせず、RFPで工数と前提、除外項目を示したうえで、要件別の見積もりを取得してください。

ランニングコストと予備費の別枠化

継続費には、クラウドや画像・動画ストレージ、CDNがあります。メール・LINE配信や監視、バックアップも含まれます。加えて、脆弱性対応や保守改修、SNS API変更への対応も、継続してかかる費用です。

個別開発の年間保守費は、初期開発費の10〜20%程度を仮置きすることがあります。これは計画用の目安なので、契約先の提示条件を優先して考えます。

ギフティングやクリエイター報酬、撮影は、別予算にするかを決めます。法務レビューと広告制作も、別枠にするかを判断します。開発費だけで比べると、運用費が不足し、投稿審査や改善が止まるおそれがあります。

ポイント

費用は、月額だけでなく初年度と3年の総額で比べると判断しやすくなります。個別開発は要件で幅が大きいため、工数と前提、除外項目をそろえた見積もりを取ることが欠かせません。

委託先の選定と見積比較で確認するポイント

委託先は、UGC製品ベンダー、EC・マーケティング支援会社、システムSI・受託開発会社から選べます。得意な領域は会社ごとに異なるため、候補ごとの強みを見ておきます。

導入期間や公開価格に加えて、許諾や審査まで一緒に設計できるかを確かめます。移行や連携、運用改善も含めて見ておきます。

導入社数や「CVR何倍」といった実績も参考になります。ただし、対象ページや比較期間が分からなければ、母数や他施策の影響も見えないため、自社の成果を約束する数字ではありません。

実績の確認:社数より近い業務と再現条件

実績確認では、「UGCを導入した企業が多いか」だけでなく、自社に近い事例を見ます。見る項目は、商品単価や商品数、月間セッションの近さです。SNSチャネルやEC基盤、社内人数も確かめます。

可能であれば、導入前後の対象ページと計測期間、KPIを提示してもらってください。投稿獲得率や許諾率、運用工数は、あわせて出してもらうと比べやすくなります。改善施策も示してもらうと、判断の材料になります。

レビュー中心の企業と、写真・動画をLPで活用する企業では、必要な収集方法や権利管理が違います。そのため、導入社数を比べるより、自社に近い事例を一つ深く確認するほうが発注判断に役立ちます。

見積書の比較観点:前提・工数・除外項目

複数社の見積もりは、同じ項目にそろえて比べます。総額だけで順位を付けると、前提の違いを見落とすおそれがあります。

  • 作業範囲:要件定義、UI、API調査、開発、テストが含まれるかを見る。移行、タグ、設定、研修、伴走も一つずつ確かめる
  • 工数と体制:工数、人月、単価、期間、担当者、成果物の内訳を出してもらう
  • 一式表記:「連携」「保守」「セキュリティ」の内訳を尋ねる

外部API申請やレート制限、動画容量は、後から追加請求になりやすい項目です。なお、CDNや既存レビュー、許諾履歴の移行も、見積もりの段階で範囲を確かめておきます。

セキュリティ・権利・ベンダーロックインの評価

比較では、技術対策から契約終了時の移行まで、確かめる項目を先に決めておきます。

  • 技術対策:MFA、SSO、最小権限、操作ログを確認する。暗号化、バックアップ、脆弱性対応も含む
  • 運用体制:障害時の連絡、サブプロセッサ、データ保存地域、インシデント通知の方法
  • 投稿者の権利:許諾文面、広告利用、利用期限、削除依頼、第三者の著作物や肖像の扱い
  • 契約終了時:投稿原文、メディア、許諾記録、タグ、分析データの移行可否

公開情報でも、自由に二次利用できるとは限りません。消費者庁は、広告であることを隠すステルスマーケティングを景品表示法の対象とし、企業が第三者に依頼・指示するSNS投稿やレビューも対象になり得ると説明しています(出典:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります」、2023年施行・2026年確認)。

投稿者のプロフィールや注文情報、メールアドレスを扱う際は、その目的も明確にします。また、個人情報保護委員会は、第三者提供時の利用目的や、SNS上の投稿者プロフィール・投稿内容の取得について、ガイドラインで示しています。

目的の特定については、同委員会のガイドラインを確認してください(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編・第三者提供時の確認・記録義務編)」、2026年確認)。

契約終了後の移行は、選定の段階で確かめておくと、ロックインを抑えられます。

ポイント

委託先は、社数ではなく自社に近い業務の実績で見て、見積書は前提と工数、除外項目をそろえて比べます。セキュリティや権利の扱い、契約終了時のデータ持ち出しも、選定の時点で確かめておきます。

発注後の進め方と導入後90日の運用

最初の30日、31〜60日、61〜90日の順に運用段階を並べたタイムライン。
小さな導線の確認から、計測を経て拡張判断へ進みます。

UGC活用ツールは、リリース後の運用で成果が決まるシステムです。投稿を集める導線や利用許諾、審査を回し、掲載位置や商品との紐付け、効果測定も運用します。そのうえで、反応の高い投稿へ入れ替えることで価値が出ます。

発注の時点で、導入後に誰が何をするか、どの結果をもって継続・拡張・撤退とするかを決めておいてください。

最初の30日:一つの導線での業務確認

最初の30日は、1商品群、1つのLPまたは商品詳細ページ、1つのSNSチャネルに絞ります。

レビュー依頼や投稿収集から始め、許諾申請と許諾状態の更新、一次審査までを通します。さらに、法務確認から商品紐付け、掲載、クリック計測、削除依頼まで、実際に一通り動かしてください。

ここでは、担当者が何分かかるか、どの画面で迷うか、どのデータが不足するかを記録します。いきなり全商品と全SNSへ広げるより、小さな範囲で運用の詰まりを見つけるほうが、追加開発の判断は正確になります。

31〜60日のKPIと審査品質

31〜60日は、投稿獲得率や許諾率、審査通過率を計測します。表示率やUGCクリック率、商品ページのCVRも対象です。削除依頼への対応時間や担当者の運用工数も、あわせて押さえます。

CVRだけを見ると、広告や価格変更など他施策の影響をUGCの効果と誤認することがあります。そのため、対象ページを固定し、導入前の期間や未掲載ページと比べます。掲載位置別の差も確かめます。

AIによる要約や感情分析、自動タグ付けは、作業を減らす補助として使います。一方で、公開の判断のうち薬機法や景品表示法、誹謗中傷、個人情報に関わるものは、人が承認する体制が安全です。

61〜90日の改善と拡張の判断

61〜90日は、成果の高い投稿を残し、反応の低い訴求を入れ替え、商品別・ページ別・投稿タイプ別に改善します。

レビュー、写真、動画、スタッフ投稿のそれぞれで、どのKPIが動いたかを分けて見ます。次に、増やすチャネルと止める施策を決めます。ここで、標準機能だけで足りるのか、API連携や管理画面の追加開発が必要なのかを再評価します。

初めから大規模なシステムを完成させるより、90日分の実データと運用負荷をもとに段階的に投資するほうが、発注側と委託先の双方に説明しやすい判断になります。

よくある質問

発注前によく寄せられる疑問に、判断の基準で答えます。自社の業務量や既存システムによって最適な答えは変わるため、回答はRFPの確認項目に置き換えて使ってください。

UGC活用ツールはスクラッチ開発すべきですか?

独自カートや複雑な商品・会員データ、社内承認が競争力の中心なら、API連携や個別開発を検討する価値があります。複数ブランドの権限管理が大事な場合も、考え方は変わりません。

投稿の収集・許諾・掲載・計測を早く試したいだけなら、まずSaaSでMVPを導入し、標準機能で解けない要件だけを追加開発へ回す方法が現実的です。

UGC活用ツールの発注予算はいくら必要ですか?

公開SaaSには、無料から月額5,500円の例があります。3万円台、6万円台、7万円台以上の例もあります。一方で、問い合わせ型の料金は、セッション数や伴走範囲で変わります。

個別開発の検討レンジは、許諾・審査・メディア管理・EC連携を含むMVPなら、300万〜800万円程度です。複数SNSや厳格なセキュリティを加えると、800万〜1,500万円程度以上に広がる可能性があります。

いずれも一般的な検討用のレンジです。RFPに範囲と除外項目を書き、複数社から同じ前提で見積もりを取ってください。

SNSで公開されている投稿なら自由に掲載できますか?

公開されている投稿でも、二次利用の扱いは個別に確認が必要です。SNSでの公開と、自社サイトや広告での利用は別物です。メールやアプリでの利用も、あわせて確かめてください。

投稿者への許諾と撤回方法を記録してください。用途や媒体、期間、地域も残しておきます。さらに、人物や商品以外にも、ロゴや音源、背景の著作物が写り込む場合があります。

AI審査の結果に加えて、必要に応じて人が確認する運用が必要です。

委託先の見積もりは何社から取ればよいですか?

要件が固まっているなら、同じRFPを少なくとも複数社へ渡し、3社前後を比較候補にします。そうすると、価格と提案の違いを把握しやすくなります。

SaaSベンダー、UGC運用に強い会社、システムSI・受託開発会社を混ぜると、短期導入と個別開発のトレードオフも見えます。

会社数を増やしすぎると、説明や質問対応に時間がかかります。そのため、候補を選ぶ段階で実績や対応カート、権利管理を確認してください。API、データ移行、導入後支援も、あわせて見ておきます。

まとめ

発注前に確認する5つのポイント

発注前に決める5項目を整理すると、RFPと見積もりを同じ条件で比較できます。

  • 目的KPI:改善したい事業指標
  • 対象UGCと許諾:利用する投稿と権利処理を決める
  • 機能の優先順位:MUSTとWANTの切り分け
  • 連携と安全性:システム連携とセキュリティ要件の範囲
  • 費用と退出条件:3年TCOと、契約終了後の移行条件

この5点をRFPに書ける状態なら、委託先への質問や見積書の差分確認も、同じ基準で進められます。

小さな検証から開発範囲の拡大

候補先には、業務フローと対象ページのセッション数を共有します。既存EC・CMSや投稿の種類、社内体制も、あわせて伝えてください。KPIと担当を決めたうえで、標準導入・連携・個別開発の3案を依頼します。

  • 方式:事業に合う自由度の選択
  • 実証:検証結果から拡張範囲を決める
  • 要件:合意事項を文書にまとめる
  • 費用:導入後の運用も含めて予算に組む
  • 運用責任:権利とデータを管理できる体制

短期検証ならSaaS、既存連携ならAPI・アドオン、独自業務が競争力なら個別開発が候補になります。

1商品群・1ページ・1チャネルで90日運用し、実データで成果と運用負荷を確かめます。そのうえで、必要な範囲だけ追加で発注すると、予算と要件のずれを抑えられます。

RFPには、MUST・SHOULD・WANTの優先順位と、対象データ、権利処理を明記します。セキュリティや検収、所有権、契約終了後の移行条件も、書いておきます。

連携と保守、ストレージから、運用支援や投稿生成までを含む3年TCOで見積もります。実績の比較条件と運用工数も確認します。

投稿者の権利や個人情報、ステマ規制は、要件と契約に入れます。AIの人手確認やベンダーロックインへの対策も、あわせて入れます。そのうえで、自社で継続できる体制を整えます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。