UI/UXデザインに必要な機能は、四つの領域に分けて整理すると優先順位が見えてきます。画面・導線設計とフォーム最適化(EFO)、検証の仕組みとデザインシステムが、その四つです。
UI/UXデザイン全体の考え方は、UI/UXデザイン開発の完全ガイドもあわせてご覧ください。
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
画面・導線設計の基本機能

UI/UXデザインの土台になるのが、画面と導線の設計に関わる機能です。ユーザーが「今どこにいて、次に何をすればよいか」を迷わず理解できる構造をつくることが、すべての出発点になります。
情報設計やナビゲーション、どの端末でも崩れないレスポンシブ対応は、見た目より前にある「使いやすさの骨格」を決める基本機能です。
情報設計・ナビゲーション・導線の機能
情報設計とは、プロダクトが扱う情報を、ユーザーが探しやすく理解しやすい形に整理・分類する仕組みです。
メニュー構成、カテゴリ分け、ページ階層といったナビゲーション機能や、パンくずリストは、その情報設計を画面上に表したものです。
情報設計やナビゲーションが崩れていると、ユーザーは目的の機能や情報にたどり着けません。たとえ個々の画面が綺麗でも、離脱につながります。
UI/UXの最適な形は利用者によって異なり、顧客側はシンプルさ、管理者側は情報量と操作性が求められます(出典:リサーチノート)。誰の導線を設計しているのかを、常に意識する必要があります。
導線設計では、目的を達成するまでの手数をどこまで減らせるかが問われます。次のような配慮が、導線を滑らかにします。
- 操作の集約:よく使う操作を、トップ画面にまとめた配置
- 戻る動線:入力の途中でも、前の画面へ戻れる経路
- ステップの明示:完了までの段階が一目で分かる表示
機能を検討するときは、開発会社と発注側が「この画面でユーザーは何を達成したいのか」を一画面ごとに言葉にします。そのうえで、その達成を妨げる分岐や寄り道を削っていきます。
情報設計とナビゲーションは、後述のフォーム最適化や検証機能の前提になる、もっとも基礎的な機能群です。
レスポンシブ対応とアクセシビリティの機能
レスポンシブ対応とは、PC・タブレット・スマートフォンなど画面サイズの違う端末でも、レイアウトが崩れず使いやすく表示される機能です。
多くのユーザーがスマートフォンからアクセスする今、モバイルでの操作性は事実上の必須機能といえます。
ボタンが指で押しやすい大きさか、横スクロールが起きていないか、文字が読みやすいかといった点は、UI/UXの品質を大きく左右します。
レスポンシブは後付けで対応しようとすると大きな手戻りが生じるため、設計の初期段階から組み込んでおく機能です。
あわせて押さえたいのが、アクセシビリティへの配慮です。次のような機能によって、高齢者や障がいのあるユーザーを含む、より多くの人が使えるプロダクトになります。
- コントラスト確保:文字と背景の色の差を十分に取ること
- 文字サイズ変更:利用者が文字の大きさを変えられる設定
- キーボード操作:マウスを使わず、キーボードだけで扱える状態
アクセシビリティへの配慮は、特定の人のための対応にとどまらず、結果的にすべてのユーザーの使いやすさを底上げする機能です。
どの基本機能をどこまで実装するかは、ターゲットユーザーと予算を見ながら、発注側と開発会社が優先順位を付けて決める必要があります。
優先順位付けを要件にどう落とし込むかは、要件定義の観点とも深く関わります。詳しくは、関連記事もあわせてご覧ください。
入力・フォームを最適化するEFO機能

UI/UXの機能のなかで、投資対効果がもっとも明確に表れるのが、フォーム最適化(EFO:Entry Form Optimization)の機能群です。申込・予約・問い合わせといった、ユーザーが情報を入力する場面は、コンバージョンの最後の関門にあたります。ここでの離脱は、売上の機会損失に直結します。
一次データによれば、予約フォームの途中離脱の7割以上は「入力が面倒・わかりにくい」ことに起因します(出典:blastengine、EFOの根拠)。そのため、フォームの使いやすさを高める機能は、UI/UX投資のなかでも特に費用対効果の高い領域です。
入力補助・エラー表示で入力時のつまずきを減らす機能
離脱を防ぐEFO機能の代表は、入力補助とリアルタイムのエラー表示です。入力補助には、次のような機能があります。
- 住所自動入力:郵便番号を入れると、住所が埋まる仕組み
- 全角半角変換:入力値の全角と半角を、システムが揃える
- 入力例の表示:入力欄の中に見本を薄く示すこと
フォームの途中離脱の7割以上は、入力の面倒さ・わかりにくさに起因します(出典:blastengine、EFOの根拠)。入力補助は、この面倒さとわかりにくさを直接減らし、ユーザーの手間と迷いを大きく減らします。また、リアルタイムエラー表示は、入力した値が正しくないとき、送信ボタンを押す前にその場で「この項目は半角数字で入力してください」と示す機能です。
これにより、「何度送信してもエラーになる」というフォーム離脱の典型的な原因が解消されます。フォームの見た目を整えるだけでなく、入力の摩擦そのものを機能で取り除くことが、コンバージョン改善の本丸です。
入力途中のデータを一時保存して後から再開できる機能や、残り何項目かが分かるステップバーも、長いフォームでの離脱を防ぎます。フォームは「最後の難所」だからこそ、これらの機能への投資が売上の成果に効いてきます。
入力項目の削減とステップ分割の機能
EFOでもっとも効果が大きい打ち手の一つは、入力項目そのものを減らすことです。発注側と開発会社は、今この場面で本当に必要な項目だけに絞り、後から取得できる情報は後回しにします。
項目削減は機能というより設計の判断ですが、フォームを実装する際は、各項目を三つの観点で一つずつ確かめます。
- 必須:入力を欠かせないものにする
- 任意:入力を省けるようにする
- 不要:そもそも要らない項目
入力項目が多いほど離脱は増えるため、削れる項目を削ることが、もっともコストのかからない離脱対策になります。
項目が多くならざるを得ない場合は、ステップ分割が有効です。一画面にすべての入力欄を並べるより、段階を分けるほうが一画面あたりの心理的な負担は軽くなります。たとえば「基本情報」「詳細情報」「確認」の三段階に分けると、入力の全体像がつかめます。
ステップ分割と進捗表示を組み合わせると、ユーザーは「あと少しで終わる」と感じながら、最後まで入力を続けやすくなります。
EFO機能は、SaaSの既製フォームでは細部まで作り込めないことも少なくありません。コンバージョンを重視する場合は、自社の導線に合わせて設計・実装できる体制が望ましいです。
riplaは、フルスクラッチ受託と国内開発の立場から、こうしたフォーム最適化を「自社のユーザー体験に合わせて作り込む」支援を重視しています。
UI/UXを検証・改善する仕組みと機能

UI/UXデザインは、公開後もデータで検証と改善を重ねていく取り組みです。画面そのものの機能に加えて、ユーザーの行動を観察し、仮説を検証する仕組みも必須の機能になります。
ユーザビリティテスト、ABテスト、ヒートマップといった検証の仕組みを備えてはじめて、UI/UXは継続的に磨き込めるようになります。
ユーザビリティテスト・ABテスト・ヒートマップ
UI/UXの検証機能には、ユーザビリティテスト、ABテスト、ヒートマップがあり、目的に応じて使い分けます。
- ユーザビリティテスト:実際の操作を観察し、使いにくさの原因を掘り下げる手法
- ABテスト:二案を比べ、クリック率や完了率から優劣を判断する方法
- ヒートマップ:クリックやスクロールを見える形にし、離脱箇所や見られていない要素を見つける手段
ユーザビリティテストは、被験者が4人程度でも主要な使いにくさを発見できるため(出典:富士通)、大規模な設備を必要としません。
検証の仕組みは、仮説と検証を繰り返すループとして回し続けることが大切です。仕組みがないと、改善の根拠が持てず、「綺麗にしただけ」の改修で終わりがちです。
デザインシステムと開発連携の基盤機能
UI/UXの機能を効率よく開発・運用するための土台が、デザインシステムです。
ボタンやフォームといったUI部品、配色や余白のルールなどを、まとめて管理します。
新しい画面を作るたびにゼロから設計する無駄がなくなり、プロダクト全体で一貫した体験を保てます。
Figmaなどのデザインツールとデザインシステムを連携させれば、PdM・デザイナー・エンジニアが共通の部品とルールを参照しながら作業できます。これにより、認識のズレや手戻りが減ります。
デザインシステムは、DesignOpsとも呼ばれる組織的な開発連携の基盤機能です。ただし、「機能として導入すれば自動的に効果が出る」ものではありません。
エンジニア主導で、実装要件に合わないツールを入れて連携に失敗した事例もあります(出典:ニジボックス)。このように、自社の開発体制とプロダクトに合った形で設計しないと、かえって運用コストが増えます。
デザインシステムや連携基盤を検討するときは、二つの点を設計の段階で決めておくことが欠かせません。
- 標準化の範囲:どの部品を、どこまで標準化するかという線引き
- 運用の役割分担:デザイナーとエンジニアが、どう分け合って担うか
機能を網羅的に洗い出したうえで、何を必須・優先・将来追加とするかを取捨選択する作業は、要件定義のプロセスと一体で進めるべきものです。
具体的な機能要件をRFPや要件定義書にどう落とし込むかは、関連記事もあわせてご覧ください。
まとめ
UI/UXデザインに必要な機能は、四つの領域に分けると漏れなく見渡せます。画面・導線設計とEFO、検証・テストの仕組みとデザインシステムが、その領域です。
中でも、フォームの途中離脱の7割以上は入力の面倒さ・わかりにくさに起因します(出典:blastengine、EFOの根拠)。そのため、EFO機能はコンバージョンに直結する、最優先の必須機能といえます。
被験者4人でも主要な使いにくさを発見できます(出典:富士通)。こうしたユーザビリティテストをはじめとする検証の仕組みは、UI/UXを継続的に磨き込むために欠かせません。
機能を検討する際は、網羅することよりも、ユーザーの摩擦を起点に必須・優先・将来追加を切り分けることが大切です。利用者が顧客側か管理者側かによっても、最適な機能は異なります。
riplaはフルスクラッチ受託と国内開発を組み合わせ、SaaSの既製機能に体験を合わせるのではなく、自社のユーザー体験に合わせて機能を設計します。必要なUI/UX機能の実装まで、一貫して支援します。
全体像をあらためて確認したい場合は、完全ガイドをご活用ください。
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
