UI/UXデザインの要件定義書やRFP(提案依頼書)では、発注側が対象、課題、制作範囲、達成条件を明確にします。KPIと検証方法も定めておくと、「良いデザイン」の認識のずれや作り直し、費用と期間の膨張を防げます。全体像はUI/UXデザイン開発の完全ガイドもあわせてご覧ください。
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改善目的とKPIを言語化する要件定義の起点

UI/UXの要件定義では、まず誰の課題を解決し、どの数字を動かすのかを言葉にしておきます。デザインそのものは定性的でも、改善目的は測れる目標に置き換えられます。
測れる目標の例は、離脱率の低下、フォーム完了率や継続率の向上などです。最初にこうした目標を置くと、判断基準が明確になり、好き嫌いによる迷走を防げます。
「誰のどんな課題を、どの成立条件で」の定義
まず対象ユーザーを明確にしておく必要があります。利用者によって最適な設計は異なり、たとえば顧客にはシンプルさが、管理者には情報量と操作性が求められるからです。
- ユーザー像:主要なペルソナと達成したいこと
- 現状の課題:利用者がつまずいている場面
- 成立条件:改善後に達成したか判定できる基準
ユーザーや課題が曖昧なままだと、デザイナーは推測で制作することになり、認識のずれが起きるおそれがあります。その結果、誰にとっても中途半端なものになりかねません。
成立条件は、「申込フォームの完了率を現状の40%から60%にする」「主要操作を3ステップ以内にする」といった形で定めます。こう定めておくと、達成度を判断できる基準になります。
目的が曖昧だと、過剰なオーナーシップによってUXリサーチから離れ、改善の目的を見失う失敗もあります(出典:UXの電球)。だからこそ、目的と成立条件を先に固定しておくことが、迷走を防ぐ最大の備えになります。
定性的なデザインをKPIで定量化する方法
デザインの良さそのものは数値化しにくくても、改善の効果は指標で測れます。具体的には、KPIは改善前の現状値と改善後の目標値を組み合わせて記載します。
- 利用状況:離脱率やフォーム完了率
- 継続状況:継続率
- 制作・修正:調整時間や修正率
富士通のIxD評価では、開発者との修正調整時間を87%削減し、使いにくさの問題の修正率を31%から100%へ引き上げました(出典:富士通)。こうした指標があれば、稟議や評価の場でも効果を説明しやすくなります。
KPIと合わせて、測定方法も決めておきます。解析ツールの導入やユーザビリティテストの実施計画、ABテストの設計などを要件に含めます。
測定の仕組みがなければ、改善の成否は検証できません。そこで、どのKPIをどう測り、どの水準を達成とするかを明記しておくと、設計と成果評価の基準がそろいます。KPIの定量化は、UI/UX要件定義で投資判断に直結する核心部分です。
RFPに盛り込むべき項目と連携要件

RFP(提案依頼書)は、複数の発注先候補に同じ条件で提案を求め、各社を同じ基準で比較するための文書です。UI/UXでは、改善目的(KPI)に加えて、デザイナーとエンジニアの連携体制と検証方法も記載します。RFPの必須項目とUI/UX特有の連携要件は、品質と進行を左右する部分です。
UI/UXのRFPに必ず盛り込むべき項目
UI/UXのRFPでは、改善目的から公開後の運用までを一続きの依頼条件として示します。
- 背景と目的:改善理由と、どのKPIをどう動かすか
- 対象と範囲:ユーザー、現状課題、対象画面・機能、対象外
- 要件と検証:必須の機能・体験と望ましい任意要件、テスト・試作・ABテストの有無
- 体制と納品:デザイナー・エンジニアの連携、自社の関与、デザインデータと実装範囲
- 予算・期間・運用:見積り前提、期間、公開後の保守体制と費用
項目をそろえると、各社の提案を同じ基準で比べられ、見積りの妥当性も判断できます。
見落とされやすいのは、対象外(スコープ外)と、運用後のTCO(総保有コスト)を明示することです。対象外が曖昧なままだと、追加費用や揉め事につながるおそれがあります。
UI/UXは公開後も継続して改善していくため、初期構築費だけでなく、運用フェーズの改善体制と費用も要件に含めます。RFPの精度が、プロジェクト全体の見通しを左右します。
デザイナー×エンジニア連携の要件
連携が不足すると、理想のデザインを実装できなかったり、実装の要件に合わないデザインツールを導入してしまったりする失敗が起きます(出典:ニジボックス)。そのため、連携の方法は要件定義の段階で文書にしておきます。
- データ受け渡し:Figma等のツールと形式
- 設計方針:デザインシステムの採否と設計
- 共同レビュー:デザイナーとエンジニアの確認工程
- 実装確認:デザイン段階で実現可能性を確かめる手順
デザインと実装が分かれたままだと、実装の段階で破綻し、手戻りや費用の増加につながります。riplaは、フルスクラッチ受託と国内開発の立場から、同じチームでの連携を前提にした要件整理を支援します。要件に含める具体的な機能の中身は、関連記事もあわせてご覧ください。
検証プロセスとTCOの要件

UI/UXでは、機能要件に加えて、検証プロセスと運用後の費用(TCO)も定めておきます。検証の手順と公開後の改善体制を見通しておけば、効果が出ないという事態や、運用費の見落としを防げます。
ユーザビリティテスト・プロトタイプの要件
検証工程を要件に明記すると、デザインの品質を高め、UI/UXの品質を担保できます。ユーザビリティテストは、被験者4人程度でも主要な使いにくさを見つけられます(出典:富士通)。
- 試作:プロトタイプで本実装前に確かめる
- 利用者テスト:使いにくさを洗い出す
- 公開後の検証:ABテストと継続改善を組み込む
少人数のテストであれば、コストを抑えながら手戻りを防げます。一方で、検証をせずに作り込むと、完成後に使いにくさが判明して大きな手戻りが生じます。
公開後も行動データに基づいて改善する前提で、検証の仕組みと体制を定めておきます。そうすれば、検証を含めた提案で各社を比べられ、目的を見失って見た目だけを整えてしまうリスクも下げられます(出典:UXの電球)。
見積りの妥当性とTCOの判断基準
RFPをもとに各社から見積りを取り、その妥当性を判断します。見積りが「デザイン一式」とまとめられているときは、工程ごとの工数と費用の内訳を求めて確かめます。極端に安い見積りでは、検証や連携が省かれ、後の手戻りや追加費用につながる可能性があります。
- 見積り内訳:工程別の工数と費用が示されているか
- 運用後の費用:改善体制、テスト、データ分析も含むか
見積りで確認する工程は、リサーチ・要件定義、情報設計、プロトタイプの3つです。そのあとは、ユーザビリティテストと本デザインを経て、実装連携、検証・改善へ進みます。
TCO(総保有コスト)は、初期費用だけでなく運用の費用も含めて、長期で試算します。運用費を見積もれないまま改善が止まれば、投資の効果を活かせません。
riplaは、フルスクラッチ受託と国内開発の知見をもとに、要件定義から見積りの妥当性、運用後のTCOまで、発注企業と協働して整理します。開発手法のメリット・デメリットや判断基準については、関連記事もご覧ください。
まとめ
UI/UXデザインの要件定義では、目的をKPIで測れる形にし、対象ユーザー、課題、成立条件を明確にしておきます。さらに、連携体制や検証手順、スコープと運用後のTCOをRFPに記載すると、提案を同じ基準で比べられます。
被験者4人程度で主要な問題を見つけるテストを要件に含めれば、品質の確保と手戻りの防止につながります(出典:富士通)。また、目的と成立条件を固定し、検証プロセスを明記しておくことが、改善の迷走を防ぎます(出典:UXの電球)。
riplaは、フルスクラッチ受託と国内開発を組み合わせ、目的の定量化から、デザイナーとエンジニアの連携を前提とした要件整理まで、発注企業と協働して支援します。全体像は完全ガイドをご覧ください。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
