動態管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

動態管理システムの費用は、導入方式、車両台数、連携範囲によって変わります。小規模なスマートフォンGPSの構成(初期0万〜50万円程度)から、大規模な個別開発(3,000万円以上)まで幅があります。

費用の差は、既製SaaSか、パッケージの設定か、個別開発かという方式の違いから生まれ、初期費用と運用費の両方に表れます。

▼全体ガイドの記事
・動態管理システム開発の完全ガイド

動態管理システムの全体像と費用の前提

動態管理システムは、車両やドライバーの位置、配送案件の進捗、作業実績を集める仕組みです。

管理者は地図や一覧で、いまの状況を確かめます。

配車変更や到着予想、荷待ち時間、日報、顧客への完了通知まで扱う場合もあります。

GPSで現在地を見るだけの構成とは、費用の中身が大きく異なります。そのため、見積もりの前に、発注側が何を管理するシステムにするのかを切り分けておきます。

動態管理と配車管理・運行管理の違い

動態管理は、車両や人の現在地と状態を把握する機能が中心です。一方、配車管理は、配送先や時間指定に応じて車両とドライバーを割り当てます。

運行管理は、運転日報や拘束時間、安全運転、労務の実績まで含むことが多いです。さらに、受注・請求・倉庫と連携するTMS構成になると、投資の規模も別になります。

費用に影響する主な機能

費用を左右する機能は、位置把握、配車と記録、通知と機器連携、業務システム連携の4つに分けて整理できます。

  • 位置把握:位置取得、地図、走行履歴、停車・滞在判定
  • 配車と記録:配車計画、ドライバーアプリ、写真、電子サイン
  • 通知と機器連携:荷待ち・荷役記録、遅延アラート、デジタコ、ドラレコ
  • 業務システム連携:受発注や請求とのAPI連携

機能が増えるほど、設計とテストの工数も増えます。また、位置や車両、ドライバーの情報を、配送案件や作業状態と同じデータモデルで結ぶかどうかも、見積もりの境目になります。

動態管理システムの費用相場の目安

個別開発の費用相場を小規模、中規模、大規模の3段階で示した図解。
規模が大きくなるほど、含まれる機能や連携も広がります。

費用は、既製SaaS、パッケージ設定、個別開発のどれを選ぶかで大きく変わります。

株式会社GXOが2026年に公開した目安では、動態管理単体は80万〜300万円です。配車計画は100万〜400万円、ルート最適化は200万〜600万円です。

TMS統合は500万〜2,000万円です。ただし、これは公開情報に基づく目安で、車両台数や連携範囲によって個別の見積もりは変わります。

SaaSやスマートフォンGPSの導入費用

10台前後で位置確認と簡易な状態管理を始める場合、費用は端末をどう用意するかと、サービスの料金体系で変わります。

  • スマートフォンGPS:初期0万〜50万円、月額1万〜5万円程度
  • 利用開始:既存スマートフォンを使えば初期負担を抑えやすく、数日〜2か月程度で始められる場合があります
  • パッケージ:初期50万〜200万円、月額3万〜15万円程度
  • 車載器:本体、取付工事、交換、通信回線が別費用

パッケージの目安は、複数台の車両登録に加えて、初期設定、データ移行、研修を含む場合の金額です。

月額の対象台数やGPSの更新間隔、通信料は、サービスごとに異なります。初期設定や研修、地図APIの従量課金も、サービスによって違います。そのため、ライセンス料だけを並べて比べると、実際の負担を見誤るおそれがあります。

個別開発の費用相場

個別開発の費用は、規模と含める機能で次のように変わります。

  • 小規模:配車ルールや既存システムに合わせ、300万〜700万円程度
  • 中規模:複数拠点・端末、アプリ、権限、帳票、API連携を含み700万〜1,500万円程度
  • 大規模:TMS統合や高度な配車最適化を含み1,500万〜3,000万円以上の場合があります

株式会社riplaが2026年3月に公開した運行管理システムの相場も、規模別に整理されています。

ここに挙げた金額は目安で、「システム一式」の価格を保証するものではありません。たとえば、車両30台の位置と日報だけの場合と、100台以上の配車最適化を含む場合では、工数が異なります。

受注・WMS・請求との連携や、荷主向けの画面を同時に作る場合も、必要な工数は変わります。

見積もりを依頼するときは、まず車両台数と拠点数、1日の配送件数を伝えます。また、端末の種類や更新間隔も示します。連携先と必要な帳票も書き添えます。そのうえで、同じ前提で比較できる見積書を作ってもらいます。

開発期間の目安

簡易な動態管理の開発や導入は1〜3か月程度、単一拠点の個別開発は3〜6か月程度が目安です。

複数拠点や既存システム連携を含む構成は6〜12か月程度です。さらに、AI配車最適化や大量の過去データを使う分析は、12か月以上かかることもあります。

こうしたAI配車最適化や分析を含む構成では、データの整備と検証にも時間がかかります。そこで、納期を短くしたい場合は、位置・進捗・実績の記録をMVP(Minimum Viable Product)として先に作る方法があります。

ポイント

どの導入方式を選ぶかで、費用の水準は大きく変わります。既製SaaS、パッケージ、個別開発で幅が違うため、公開された目安を車両台数と連携範囲に当てはめて比べます。

動態管理システムの費用内訳とランニングコスト

見積もりでは、初期費用に加えて、端末や通信、クラウドの費用を確かめます。地図や保守、教育も対象です。

車両が増えると、データ量とライセンス数も増えます。さらに、端末の故障や通信圏外への対応も必要になります。

総額は、初年度と2年目以降を分けて確かめます。

初期費用の内訳

初期費用には、要件整理や画面・データ設計、開発が含まれます。

テストや外部連携も、初期費用の対象です。

さらに、データ移行や端末設定も対象です。研修やリリース支援も含まれます。

株式会社GXOの2026年公開情報では、カスタム開発500万円の場合の費用配分が示されています。

  • 要件整理:15〜20%
  • 設計・開発:50〜60%
  • テスト・導入:15〜20%
  • 管理その他:5〜10%

分類の仕方は会社や案件によって異なります。ただし、開発だけでなく、要件整理と現場導入にも費用がかかります。

端末を使う場合は、GPS端末やスマートフォン、車載器の費用を別枠で確認します。

取付工事、通信SIM、交換機の費用も、それぞれ分けて見ておきます。

既存のデジタコやドラレコを使えるか、新しい端末を全車両へ設置するかで、初期費用は変わります。

車両が少なくても、拠点ごとに画面や権限を増やせば、設定の工数が発生します。そのため、利用者数と権限数も要件に含めておきます。

月額・年額のランニングコストの内訳

ランニングコストは、サービス利用料に加えて、次の費目も確認します。

  • 利用基盤:SaaS、クラウド・サーバー、通信回線
  • データ・地図:地図・ルートAPI、データ保存量
  • 運用支援:保守・サポート、端末交換、追加ユーザー
  • 公開目安:クラウド月額2万〜8万円、保守は開発費の年15〜20%、地図・交通情報は月額1万〜5万円

公開情報の数値は一般的な目安で、契約プランや利用量によって変動します。

保守には障害対応のほか、OSやブラウザの更新も含まれる場合があります。さらに、脆弱性対応や地図APIの変更、バックアップも、保守の範囲に入ることがあります。問い合わせ対応も、保守に含まれることがあります。

24時間監視や休日対応を求めると、標準プランより高くなる可能性があります。

障害時の代替手段やデータ返却、解約時のエクスポートも、求める内容によっては費用に響きます。

課金単位は「1台あたり」「1ユーザーあたり」「拠点あたり」のどれかを揃えて比較します。

初年度の総額の計算方法

初年度の総額は、初期費用と12か月分の運用費を合算して計算します。そのうえで、その後の費用も分けて確かめます。

  • 初期費用:設定・開発、端末・取付、データ移行・教育
  • 初年度の運用費:12か月分の利用料・通信・保守、API従量料金
  • 2年目以降:改善開発、端末交換、法改正対応、データ保管量の増加

初期費用が100万円と提示されていても、車両50台分の端末や通信が別請求なら総額はそれを大きく上回ります。一方、既存端末を流用し、SaaSの標準機能だけを使える場合は、初期投資を抑えやすいです。

見積書では、初年度、2年目、3年目に分けたうえで、車両が10台増えた場合の増額も記載してもらいます。

解約時のデータ取得費と追加連携の単価も確かめておくと、初期費用の安さだけで選ぶ失敗を防ぎやすくなります。

ポイント

初期費用だけで比べると、端末や通信、保守の負担を見落としがちです。初年度の総額と2年目以降の費用を分けて、同じ前提で比べます。

動態管理システムの価格を変動させる要因

見積もりを中心に、車両台数と拠点数、システム連携、セキュリティと法対応、業務ルールと既存データの4要因を示した図解。
規模と仕様の違いが、必要な工数に反映されます。

必要な精度や車両数、業務ルール、既存データの状態によって、見積もりは変わります。

各要因が工数と料金にどう響くかを、順に見ていきます。

車両台数と拠点数による費用の変化

車両が増えると、ライセンスや端末、通信の費用が増えます。データの保存量も増えます。さらに、一覧画面の検索性能や権限、アラートの設計も変わります。

10台程度なら標準SaaSで運用できても、100台以上で複数拠点をまたぐ場合は、追加要件が必要になることがあります。追加要件には、たとえば次のようなものがあります。

  • 拠点ごとの管理:配車や車両グループの設定
  • 外部車両:協力会社車両の管理
  • 閲覧範囲:荷主ごとの情報制御

拠点ごとに異なる配車ルールや帳票があれば、個別開発の工数が増えます。

既存システムや端末との連携にかかる費用

連携費用は、接続先の種類とデータの受け渡し方で変わります。

  • 業務システム:受発注、販売、在庫、WMS、TMS、勤怠、請求
  • 端末・機器:デジタコ、ドラレコ、温度ロガー
  • 接続方式:CSV取込とリアルタイムAPIでは設計・運用が異なる
  • 車両データ:位置と配送案件を結び、到着予定や完了通知を外部へ返す場合があります

システム連携では、接続先ごとに項目や認証、エラー処理を確認します。加えて、再送の仕組みとテスト環境も確かめます。配送データを結ぶ場合は、データの形式を揃える作業と権限の設計も必要です。

端末連携では、メーカーごとの通信仕様とGPSの更新間隔を確かめます。さらに、通信断からの復旧、時刻のずれ、測位誤差も確認します。

既存端末を使えば取付費を抑えられます。一方、仕様が非公開の場合や複数メーカーを統一画面で扱う場合は、調査工数が増えます。

連携費用は接続単価だけでなく、保守時の仕様変更対応まで含めて確認します。

セキュリティと法対応の費用

位置情報は、車両だけでなくドライバーの行動や勤務状況にも結び付きます。そのため、費用に含める対策と運用ルールを、あわせて決めておく必要があります。

  • システム対策:多要素認証、最小権限、暗号化、操作ログ、バックアップ、脆弱性対応
  • 運用体制:委託先管理、障害時の連絡体制
  • 法対応:書面交付や実運送体制管理簿に必要な記録、保存期間、帳票、権限、変更履歴
  • 社内ルール:勤務外の位置取得、閲覧者、保存期間、労務評価での利用目的

設計・運用費は増えますが、対策を後から追加するより安全です。国土交通省の物流情報システム安全ガイドラインは、障害の未然防止と被害拡大の防止を目的としています。目的には、迅速な復旧と再発防止も含まれます。

2025年4月施行の改正貨物自動車運送事業法に関係する書面交付や実運送体制管理簿を扱う場合もあります。その場合、法対応やプライバシー対策を後回しにすると、追加開発や運用変更の費用が発生しやすくなります。

ポイント

価格を動かすのは、車両台数や拠点数、連携先の数です。端末や保守の範囲も、金額に影響します。見積書を比べるときは、どの要因の違いで金額が変わっているのかを読み取ります。

動態管理システム開発の進め方と費用を抑えるポイント

位置・進捗・実績の記録から始め、配車・荷待ち・労務、受発注・請求・WMS・分析へ広げる3段階の導入図。
各段階の効果を確かめてから、次の対象業務へ進みます。

費用を抑えるには、初期リリースで解く課題を絞るのが確実です。

安い会社を探すよりも、課題を先に決めるほうが効果があります。

株式会社riplaの2026年公開記事も、要件定義で現場業務を整理し、コア機能から段階的に広げる進め方を説明しています。

この順序で進めると、見積もりの精度を高めながら、現場で使える仕組みに近づけられます。

要件定義での業務単位の整理

最初に、車両台数と拠点数、配送エリアを洗い出します。そのうえで、ドライバー数と1日の配送件数も数えます。

現在使っている端末や配車表、日報も確認します。

受注データと請求処理の流れも、あわせて確かめます。

電話確認の削減、遅延の早期把握、配車工数の削減といった目標を、KPIに置き換えます。荷待ち時間の記録もKPIに含めます。「GPSで見える化」という言葉のままでは、画面やデータの中身が決まりません。

機能は、MUST、できれば欲しいWANT、将来検討の3つに分けます。初期のMUSTは、次のような機能に絞れます。

  • 位置と対象の管理:位置情報、車両・ドライバー管理
  • 進捗の把握:配送案件の状態、遅延確認
  • 実績の出力:日報出力

配車の自動最適化、AI分析、荷主向けポータルは、効果を検証してから追加する方法があります。

現場のドライバーや配車担当者を、要件定義に参加させます。

管理者や顧客対応担当も加えると、使われない機能への投資を減らせます。

小さなPoCと段階導入による追加費用のリスク低減

全車両へ一括導入せず、1拠点、10台程度、代表的な配送パターンからPoCを始めます。

PoCでは、位置更新間隔、屋内や通信圏外での動作、到着判定の精度を確認します。

ドライバーの入力時間や管理者の再配車を確認します。

顧客への通知や日報の正確さも、あわせて確かめます。

実データで試すと、画面の追加、端末変更、API連携の必要性を判断できます。

導入を段階に分けると、各段階の効果を見てから投資を判断できます。

  1. 第1段階は、位置・進捗・実績の記録
  2. 第2段階は、配車・荷待ち・労務への拡大
  3. 第3段階は、受発注・請求・WMS・分析への拡大

各段階で、電話件数や配車作成時間、遅延率を比べます。待機時間や残業も、KPIとして確認します。燃料や誤配送も、同じ指標で追えるようにしておきます。

導入効果が確認できない機能は、次の段階へ進む前に要件を見直します。

標準機能と個別開発の使い分け

業務の独自性と必要な機能に応じて、標準SaaS、個別開発、ハイブリッド方式を選びます。

  • 標準SaaS:短期間で始めやすく、地図・サーバー運用を任せやすい
  • 個別開発:独自業務や標準機能で満たせない要件に合わせる
  • ハイブリッド:SaaSを核に受注取込、独自画面、帳票、通知を追加開発する

標準SaaSは、10台前後の位置確認や日報から始める企業、独自の配車ルールが少ない企業に向いています。

荷主別の配送条件や特殊な帳票、複数メーカーの端末、基幹とのリアルタイム連携などが必要な場合は、個別開発やハイブリッドが候補です。標準機能で無理に合わせると、現場に二重入力が残ることがあります。

ハイブリッドはスクラッチ開発より初期費用を抑えやすく、標準機能の地図更新やセキュリティ対応も活用できます。

見積もりでは、標準設定の範囲と追加開発の範囲を分けて記載してもらいます。

API連携や保守についても、どこまでを含むかを示してもらいます。

ポイント

費用を抑えるには、初期リリースで解く課題を先に絞ります。要件定義、PoC、標準機能と個別開発の使い分けを順に進めると、追加費用の抑制につながります。

動態管理システムの見積もり比較とコスト最適化のポイント

相見積もりは、同じ業務範囲で価格とリスクを比べるために行います。目的は、金額の安い順に並べることではありません。

要件が曖昧なまま「動態管理システム一式」と依頼すると、会社ごとに機能範囲が変わります。その結果、安く見える見積もりでも、範囲のずれが後の追加費用につながることがあります。

見積もり依頼書の記載項目

依頼書には、まず車両台数と拠点数、ドライバー数を記載します。配送エリアと1日の配送件数も、あわせて書いておきます。位置情報の更新間隔や端末、通信圏外の有無も示します。

現在の配車や日報のやり方を書き添えます。必要な画面や、利用者と権限も示します。アラートや帳票、保存期間の条件も、あわせて記載します。

データ移行、API・CSV連携、セキュリティ要件も記載します。

導入希望時期と予算上限も書き添えます。

見積もりは、次の費目を分けて提示してもらいます。

  • 導入費:初期費用、導入支援、追加開発
  • 運用費:月額・年額、端末・通信、保守
  • 契約終了時:解約時のデータ返却

準委任か請負かは、契約前に確認します。そのほか、仕様変更や検収条件、障害対応時間も確かめます。再委託先とデータ所有権も、あわせて押さえておきます。

見積もりの前提、対象外、追加費用の発生条件が明記されているほど、比較しやすくなります。

開発会社やサービスの比較軸

価格以外にも、導入実績や現場での使いやすさを含めて比較します。

  • 業務への適合:物流・訪問業務の理解と導入実績
  • 技術対応:端末・通信、API連携への対応実績
  • 導入後の支援:現場教育と運用後の改善体制
  • 操作性:料金が非公開でも、PoC、デモ、サンプルデータで確認

似た車両台数や業態の事例では、対象範囲と導入期間を聞きます。削減できた業務や残った課題も確かめます。

NECソリューションイノベータの事例では、AI機能の追加で配送計画の業務時間を44%削減しました。ただし、これは特定企業の事例で、自社で同じ効果が保証されるわけではありません。

デモでは、運転中の操作が不要か、通信断から復旧できるか、遅延車両を見つけやすいかを試します。

顧客に共有する情報を制御できるかも確かめます。

導入後に使われない機能を大量に契約しないことが、結果としてコストの抑制につながります。

コスト最適化の効果を測るKPI

効果は、削減額だけでなく、業務品質と継続性も含めて判断します。導入前に、次の指標を計測しておきます。

  • 業務時間:電話確認、配車表作成、遅延把握までの時間
  • 現場の負荷:荷待ち時間、残業、顧客問い合わせ
  • 配送と車両:走行距離、燃料、誤配送、車両稼働率

導入後も同じ定義で測ると、改善効果を社内に示せます。

株式会社GXOの記事には、燃料費10〜20%削減、配車業務時間70〜90%削減の例があります。ただし、車両台数や運用ルール、導入範囲が異なるため、そのまま自社の効果とはみなせません。

自社で試算する場合は、削減時間に担当者の人件費を掛けます。そこに、燃料や残業の改善見込みを加えます。さらに、初年度と複数年の投資回収も試算します。

効果が見えにくいAI機能は、PoC後に本導入を決めると、過剰な投資を防げます。

ポイント

見積もりは、同じ業務範囲と前提で揃えたうえで、導入費と運用費、契約終了時の条件を分けて比べます。安さだけで決めると、追加費用を招くことがあります。

動態管理システムの費用に関するよくある質問(FAQ)

導入方式と業務範囲を分けて考えると、費用を整理しやすくなります。公開されている相場と、実務上の注意点を、質問ごとに答えます。

動態管理システムは無料で導入できますか?

完全無料で本番運用できるケースは限られます。一方で、無料トライアルや既存スマートフォンでの小規模な検証は可能です。

実運用では、次の費用が発生することが多いです。

  • 月額の費用:利用料、通信費、端末の費用
  • その他の費用:初期設定やサポート、地図・API従量料金も加わります

無料期間後の1台あたり料金と最低利用期間を確認します。

車両10台程度でも個別開発を依頼できますか?

依頼はできます。ただし、位置確認や簡易な日報が目的なら、まずSaaSやパッケージを比べたほうが、費用対効果を確かめやすいです。

個別開発を検討しやすいのは、次のような場合です。

  • 社内業務の個別要件:独自の配車ルールや特殊な帳票が必要な場合は、必要な部分だけ個別開発する方法があります。
  • 外部との接続:既存受発注との連携や顧客向けの固有画面がある場合も、この方法を検討できます。

標準サービスでは業務が成立しない理由があるかを確かめます。

動態管理システムの導入費用は何年で回収すべきですか?

回収期間は、会社ごとの事情によって決まります。初年度の効果に加えて、2年目以降の利用料や保守費も含めて試算します。

回収期間の試算で削減額の元になるのは、人の作業時間と、運行や対応に関わる手間です。

  • 作業時間:電話確認、配車、残業
  • 運行と対応:燃料、誤配送、問い合わせ対応

そのうえで、導入前後のKPIから月間の削減額を算出します。

法対応や事故予防のように、事業継続に関わる効果も経営判断に含めます。また、到着通知や属人化の解消も、経営判断の材料になります。

動態管理システムの見積もりで追加費用を防ぐにはどうすればよいですか?

依頼書には、対象車両や拠点、機能の範囲を明記します。端末や連携、帳票の範囲も示します。さらに、データ移行や教育、保守の範囲も書いておきます。

初期費用と運用費は、分けて提示してもらいます。そのうえで、仕様変更や配送先・利用者が増えた場合の単価を確認します。

API従量課金や端末交換、休日対応の単価も見ておきます。追加帳票の単価も、あわせて確かめます。PoCで未確定の要件を洗い出し、要件を確定してから本開発に移ると、手戻りによる追加費用を抑えられます。

動態管理システムの費用相場と最適な進め方のまとめ

小規模なスマートフォンGPSやSaaSは、初期費用が0万〜50万円程度です。動態管理単体の公開目安は、80万〜300万円程度です。

個別開発は300万〜700万円程度から始まります。複数拠点や基幹連携を含む場合は700万〜1,500万円程度、高度な配車最適化を含む大規模構成では1,500万〜3,000万円以上の場合があります。

金額は、公開情報と類似システムから見た目安です。実際の額は、車両台数や端末、更新間隔によって変わります。機能やAPIの範囲、セキュリティ、保守の内容も影響します。

費用相場を判断するときの要点

費用相場を判断するときは、導入方式の候補、標準機能と個別開発の組み合わせ、比較の基準、見積もりの中身の順に確かめます。

  • 導入方式:小規模に導入するならSaaSやパッケージ、独自業務が多いなら個別開発が候補になります。
  • 併用の形:標準機能と固有の要件を組み合わせる場合は、ハイブリッドも選べます。
  • 比較の基準:公開レンジを車両台数や連携範囲に当てはめ、初期費用だけでなく3年間のTCO(総所有コスト)で比較します。
  • 内訳の確認:ライセンス数や端末数、工数を金額の根拠として説明できる見積もりを選びます。API数や保守範囲も、根拠を示せるかを見ます。

導入前の最初の取り組み

費用対効果を確かめるには、現状把握から見積もり比較までを順に進めます。

  1. 電話確認や配車作成の時間、遅延、待機、残業、燃料、誤配送を測り、改善KPIを3つ程度に絞る
  2. 改善業務と効果を測るKPIを決めたうえで、SaaS、パッケージ、個別開発、ハイブリッドを比べる
  3. 1拠点や10台程度でのPoCで、現場の使いやすさや効果、課題を確かめる
  4. 位置・進捗・実績の記録、配車・労務、基幹連携の順に、段階導入する
  5. 端末や通信、クラウド、API、教育、保守を含めたTCOで見積もりを比べます。追加開発や解約時のデータ返却も、そこに含めて考えます。

効果と課題を確認してから機能を加えると、過剰投資や作り直しを避けやすくなります。

▼全体ガイドの記事
・動態管理システム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。