Vercelのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

Vercelのシステム開発費は、画面やAPIの規模によっておおむね150万円〜5,000万円以上まで広がり、Vercelの利用料だけではなく、要件定義・認証・データベース・外部連携・保守を分けて見積もることが重要です。

「Vercelのシステム」と聞くと、Vercelの月額料金だけで業務システムを構築できるように感じるかもしれません。しかし、VercelはNext.jsなどで作ったWebアプリを配信・実行する基盤であり、業務ルールやデータベースまで自動で用意する製品ではありません。本記事では、Vercelを使ったシステムの費用相場、コストの内訳、価格が変動する要因、進め方、見積書で確認すべき項目を、2026年時点の料金体系と事例を踏まえて解説します。

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Vercelのシステム開発とは何ですか?

Vercelを使ったシステムの構成を考える担当者

Vercelのシステム開発とは、Vercel上にNext.jsなどのWebアプリケーションを配置し、画面、API、配信、デプロイの仕組みをまとめて運用する開発方法です。利用者が触る画面はVercelに置き、業務データはPostgreSQLやSupabase、既存の基幹システムなどに保存する構成が一般的です。したがって、費用の中心は「Vercelの契約料」ではなく、業務をどこまでシステム化するかにあります。

Vercelが担当する範囲と担当しない範囲

Vercelは、GitHubなどのリポジトリと接続して、コードの変更を自動的にビルドし、Preview Deploymentを作成し、本番環境へ公開する流れを整えます。Next.jsのSSR、SSG、ISR、画像最適化、CDN、HTTPS、環境変数、ログやパフォーマンス確認などを利用できるため、サーバーのOS設定やロードバランサーの個別管理を減らせます。

一方で、顧客情報、商品、契約、在庫、申請履歴などの業務データをどう管理するかは別途設計が必要です。ログイン方式、ロール別権限、監査ログ、バックアップ、データ保持期間、既存システムとのAPI連携も、Vercelを契約するだけでは解決しません。重いバッチや長時間処理も、Vercel Functionsだけに寄せず、コンテナやジョブ基盤へ分離する判断が必要です。

向いているシステムと向いていない処理

Vercelは、企業サイト、会員サイト、管理画面、BtoB SaaS、マルチテナントサービス、CMS連携、頻繁に画面を更新するWebシステムと相性がよいです。Pull Requestごとに確認用URLを発行できるため、開発者だけでなく、現場担当者や顧客にも実際の画面を見てもらいながら改善できます。要件の変更が多いプロジェクトでは、レビューの早さが手戻りの抑制につながります。

反対に、非常に長いバッチ、常時接続が中心の処理、大量データの一括変換、特殊なネットワーク要件、厳格なデータ所在地の指定があるシステムでは、Vercelをフロントエンドに限定する構成が安全です。フロントはVercel、業務APIやバッチはAWS・別クラウド・オンプレミスというハイブリッドも現実的です。最初から全機能をVercelに寄せるのではなく、処理の性質ごとに置き場所を分けることが、将来の移行費用と障害リスクを抑えます。

Vercelの利用料はいくらですか?料金体系と目安

Vercelの料金プランと利用量を確認するイメージ

Vercelの料金は、無料のHobby、月額制のPro、個別見積もりのEnterpriseに分かれます。2026年8月に確認したVercel公式料金ページでは、Hobbyは月額0ドルですが非商用の個人プロジェクト向け、Proは月額20ドルで月20ドル分の利用クレジットを含み、EnterpriseはSLAや高度な権限管理などを含むカスタムプランです。料金は更新されるため、発注時には必ず最新の料金表を再確認します。

Hobby・Pro・Enterpriseの違い

Hobbyは試作や学習には便利ですが、商用の業務システムをそのまま載せる前提のプランではありません。商用運用、チームでのレビュー、利用量の管理を考える場合は、まずProを基準に検討します。Proの20ドルは、1ドル150円で仮置きすると月約3,000円ですが、実際の請求額は為替、税、追加利用量で変わります。これは円換算の感覚値であり、固定された円価格ではありません。

Proでは、含まれるクレジットを超えた分を、データ転送量、リクエスト数、計算時間、キャッシュ、画像処理などの利用量に応じて追加精算できます。Enterpriseは、99.99%のSLA、SCIMやDirectory Sync、管理されたWAFルール、マルチリージョンの計算や高度なサポートなどが必要な場合に、要件を伝えて個別に見積もるプランです。席数、環境数、監査要件も費用に影響します。

従量課金で確認する数字

予算を立てるときは、月間ユーザー数だけでなく、1ユーザーあたりのページ閲覧数、動的APIの呼び出し数、1回あたりのレスポンスサイズ、画像変換数、関数の実行時間、ログの保存量を洗い出します。たとえば、同じ1万ユーザーでも、静的ページ中心の社内ポータルと、大きな画像を配信するECでは転送量が大きく異なります。キャッシュできるレスポンスと毎回データベースへ問い合わせるレスポンスでも請求量が変わります。

参考として、リサーチノートで確認した公式料金表の例では、データ転送が1GBあたり0.15ドルから、Functionsの呼び出しが100万回あたり0.60ドルから、Active CPUが1時間あたり0.128ドルから、プロビジョニングメモリが1GB-hourあたり0.0106ドルからとされています。ただし、単価や対象メトリクスは変更され得るため、この数字を契約金額として断定しません。Vercelの料金ドキュメントで利用量を試算し、上限通知やハードリミットも設定します。

Vercel以外に必要な月額費用

実際のシステム運用では、Vercel以外にもデータベース、認証基盤、ファイルストレージ、メール配信、決済、監視、エラートラッキング、分析ツール、ドメインなどの費用が発生します。小規模な社内ポータルならVercel部分は月数千円〜数万円程度に収まる可能性がありますが、アクセス量、画像、Functions、ログ、外部サービスが増えると、全体のランニングコストは月数万円〜数十万円に広がります。これは構成と利用量からの試算レンジです。

見積書では「Vercel月額」とだけ書かず、Vercel、DB、認証、ストレージ、監視、メールの項目に分けます。さらに、検証環境を本番と分けるか、バックアップを何世代保持するか、ログを何日残すか、障害時に誰が一次対応するかを記載します。月額の安さだけで比較すると、後から必要になる運用作業やセキュリティ対応が別請求になり、予算を超えやすくなります。

Vercelのシステム開発費用相場はいくらですか?

Vercelのシステム開発費用を見積もるイメージ

Vercel専用の公定開発価格はありません。費用相場は、Vercel上に何を作るか、どのデータを連携するか、品質・セキュリティ・運用をどこまで含めるかで決まります。以下の金額は、リサーチノートにある一般的なWeb・業務システム相場と要件別の推定を組み合わせたレンジであり、Vercelの公式見積もりではありません。

小規模なMVP・管理画面は150万〜500万円

ログイン、基本的なCRUD、検索、2〜3種類の権限、簡単なダッシュボード、CMS連携、Preview環境と本番デプロイまでなら、150万〜500万円程度が一つの目安です。期間は1〜3か月程度を想定します。これは画面数が少なく、業務ルールが整理され、既存APIや認証を利用できる場合のレンジです。画面のデザインをゼロから作る場合や、Excelからの移行、複雑な権限を含める場合は上限を超える可能性があります。

費用を抑えたい場合は、最初のリリースで「一覧・登録・承認」など主要業務を一つに絞り、通知、詳細な分析、複数拠点対応を次のフェーズに分けます。ただし、将来拡張する前提でデータモデル、権限、監査ログの最低限は最初に設計します。目先の画面を削ることと、後で作り直す基盤まで削ることは別の判断です。

中規模の業務システムは500万〜1,500万円

複数ロール、承認ワークフロー、CSV入出力、外部API、監査ログ、通知、テスト、データ移行まで含む中規模の業務システムは、500万〜1,500万円程度のレンジで考えます。期間は3〜6か月程度が目安です。営業管理、案件管理、社内申請、会員向けポータルなどが該当しやすい規模です。

この規模では、Vercelの設定よりも、業務フローの例外処理、権限の組み合わせ、既存マスタとの整合、移行データの欠損確認、受け入れテストに工数がかかります。業務担当者へのヒアリングが不足すると、開発後に「この部署だけ違う承認経路がある」「締め日の処理が別にある」と判明し、追加費用が発生しやすくなります。要件定義を独立した工程として見積もることが重要です。

基幹連携・EC・SaaSは1,500万〜5,000万円以上

既存の基幹システム、複数の外部API、決済、大量データ、複雑な権限、マルチテナント、負荷試験、段階移行を伴う場合は、1,500万〜5,000万円以上になる可能性があります。期間も6〜12か月以上に及ぶことがあります。大規模なフルスクラッチでは、さらに数千万円から数億円の予算が必要になるケースもありますが、これはVercelの費用ではなく、業務システム全体の開発・移行・運用設計の費用です。

この領域では、Vercelを使うかどうかだけで価格が大きく下がるとは限りません。画面の配信やデプロイを効率化できても、既存システムの調査、APIの改修、データの名寄せ、セキュリティ審査、利用部門への教育は残ります。見積書では、Vercelで短縮できる作業と、Vercelとは関係なく必要な作業を分けて説明してもらいます。

Vercelのシステム開発費用の内訳と変動要因

システム開発費用の内訳を整理するイメージ

開発費を判断するときは、機能単位だけでなく、工程と責任範囲で分解します。Vercelを採用することでサーバー構築の一部を軽くできても、業務を理解して設計し、品質を検証し、運用を引き継ぐ工数は必要です。見積もりを複数社で比較する際も、同じ作業がどの項目に含まれているかを揃えます。

要件定義・UI設計・業務設計の費用

要件定義では、利用者、部署、権限、業務フロー、例外処理、データ項目、連携先、性能、可用性、RTO・RPO、監査要件を整理します。UI設計では、画面一覧、導線、入力規則、エラー表示、スマートフォン対応、アクセシビリティまで定めます。ここを省くと、開発中の仕様変更が増え、Vercelの利用料よりも大きな追加費用になりやすいです。

特に業務システムでは、現場のExcel、紙、メール、電話で行われている例外処理まで聞き取ります。標準業務だけを画面化すると、結局、手作業の二重入力が残ります。要件定義の見積もりには、現場ヒアリング、業務フロー図、画面一覧、データ項目一覧、非機能要件、優先順位付けを含めるか確認します。

認証・API連携・セキュリティの費用

ログインだけなら比較的シンプルですが、SSO、多要素認証、部署・役職ごとの権限、代理承認、顧客ごとのテナント分離、監査ログまで求めると設計・テストが増えます。会計、販売、在庫、人事、CRMなどの既存システムと連携する場合は、APIの仕様確認、認証情報の管理、失敗時の再送、重複登録の防止、データ不整合の検知も必要です。

セキュリティは、WAFを有効にすれば完了するものではありません。Vercel公式のSecurity & Compliance Measuresでは、SOC 2 Type 2、ISO 27001:2022、DDoS対策などが説明されていますが、顧客側にもアクセス権、秘密情報、脆弱性対応、バックアップ、ログ監視の責任が残ります。個人情報を扱う場合は、データの保存・処理場所、委託先、契約、社内規程まで確認する費用を見込む必要があります。

テスト・移行・運用設計の費用

テストでは、単体テストだけでなく、権限ごとの結合テスト、外部API障害時の挙動、負荷、バックアップからの復旧、ブラウザ差異、受け入れテストを確認します。データ移行では、旧データの項目対応、表記揺れ、重複、欠損、移行リハーサル、切り戻し手順を設計します。データ量と旧システムの品質が価格を大きく左右します。

保守費は、一般的な業務システムの目安として初期開発費の年10〜20%程度、手厚い保守では年15〜20%程度を見込む考え方があります。たとえば開発費3,000万円の場合、年間450万〜600万円、月額換算で約37万〜50万円という試算になりますが、これは保守担当、監視、セキュリティパッチ、軽微な改修、障害対応をどこまで含むかで変わります。Vercelの利用料と保守委託費を混ぜずに記載します。

Vercelのシステム開発を進める方法

Vercelのシステム開発を段階的に進めるイメージ

費用を適正化するには、最初から全機能を完成させるのではなく、業務上の価値が高い単位で段階的に進めます。VercelのPreview Deploymentは、実装した機能を関係者が確認する場として使えます。開発の速さを、単なる公開速度ではなく、要件の確認と手戻りの削減に結び付けることがポイントです。

要件定義で費用の上限を決める

最初に、誰が、いつ、何を判断するためのシステムかを明確にします。ユーザー数、同時アクセス数、利用する拠点、ロール、データ量、個人情報の範囲、連携先、可用性、復旧目標、監査ログ、データ保持期間を一覧にします。機能はMust・Should・Couldに分け、初回リリースの範囲を決めます。

この段階で「Vercelに置くもの」「外部DBに置くもの」「既存基幹に残すもの」「別ジョブ基盤へ分けるもの」を整理します。これにより、Vercelの料金だけを見て後からDBやバッチの費用が増える事態を防げます。見積もり依頼時は、業務フロー、画面一覧、連携先、非機能要件を共有し、提案側の前提条件も書面で返してもらいます。

設計・開発はPreviewで現場確認を重ねる

基本設計では、画面、API、データベース、認証、権限、エラー処理、ログ、環境構成を定めます。mainブランチを本番、Pull Requestを検証環境に紐付け、現場担当者がPreview URLで業務操作を確認できる流れを整えます。文章だけのレビューより、実際に検索し、登録し、差し戻し、承認する体験を確認する方が、仕様の抜けを早期に見つけられます。

このとき、Preview環境が本番データへ直接接続しないように、環境変数、データベース、外部APIの接続先を分離します。テスト用の個人情報を使わないこと、秘密情報をリポジトリへ置かないこと、ブランチ保護とレビュー権限を設定することも欠かせません。Vercelがデプロイを自動化しても、変更を承認する社内ルールは別途必要です。

テスト・リリース・運用を契約に含める

リリース前には、受け入れ条件、性能目標、障害時の連絡先、切り戻し方法、データ移行の手順を確定します。VercelのInstant Rollbackを使える構成でも、デプロイを戻せばデータベースの変更まで元に戻るとは限りません。アプリのロールバックとデータ復旧を別の手順としてテストします。

運用開始後は、稼働監視、エラー通知、費用アラート、脆弱性対応、バックアップ確認、月次の利用量レビューを行います。障害時の一次切り分けをVercelが担当するのか、開発会社が担当するのか、DBや基幹APIの障害は誰が連絡するのかを、運用設計書と保守契約に明記します。「サーバー管理が不要」は「障害対応が不要」という意味ではありません。

Vercelのシステム開発費用を抑えるポイント

Vercelの運用コストを最適化するイメージ

コスト最適化は、単に安いプランへ変更することではありません。開発費、月額のクラウド費、障害対応費、将来の改修費を合計し、必要な品質を保ちながら無駄を減らします。初期費用を下げすぎて要件定義やテストを削ると、リリース後の手戻りや障害で総額が増えるため、削る順番が重要です。

MVPの範囲と優先順位を決める

最初のリリースは、利用者が最も頻繁に行う業務と、紙やExcelをなくす効果が高い業務に絞ります。たとえば、ログイン、検索、登録、承認、履歴確認を先に作り、複雑なレポートや高度な通知は利用状況を見て追加します。機能を削るときも、認証、権限、データ整合性、監査に必要な部分は優先的に残します。

既製の認証、メール、決済、ファイル保存を利用すれば、すべてを自社開発する工数を抑えられます。ただし、外部サービスの月額・従量課金、障害時の代替手段、データの取り出し方法を確認します。初期開発費だけでなく、3年間の利用料と移行費まで比較すると、安易な自作や安価なサービスへの依存を避けられます。

キャッシュと処理分離で従量課金を管理する

Vercelの料金は、データ転送や関数の実行量の影響を受けます。更新頻度が低いページはSSGやISR、CDNキャッシュを活用し、毎回同じデータを取得する処理を減らします。画像は必要なサイズへ最適化し、一覧画面で原寸画像を大量に読み込まない設計にします。APIは必要な項目だけ返し、不要なログを長期間保存しないようにします。

重い帳票生成、夜間集計、大量ファイル変換は、リクエストのたびにVercel Functionsで処理すると、実行時間と障害影響が膨らむ可能性があります。キュー、ジョブ、コンテナ、データウェアハウスなどへ分離し、利用量を監視します。Vercel上の画面と、別基盤の業務処理をAPIで結ぶ設計にすると、処理ごとの費用と責任分界を確認しやすくなります。

利用量・上限・責任分界を毎月確認する

本番稼働後は、Vercelの使用量、外部サービスの請求、アプリのリクエスト数、エラー率、画像変換数、関数実行時間を月次で確認します。費用アラートと上限を設定し、想定外のアクセスや再帰的な処理で請求が増えたときに早く気付けるようにします。アクセスが増えた月は、費用だけでなく売上や業務削減時間と並べて、追加投資の妥当性を判断します。

また、Vercelの障害、アプリの不具合、DBの障害、外部APIの停止が起きた場合の担当者を決めます。ソースコード、Vercelプロジェクト、ドメイン、DB、認証、監視の所有者を発注者側でも把握し、退職や契約終了時に引き継げる状態にします。特定サービスへの依存をゼロにする必要はありませんが、Node.jsやDockerなど別環境へ移す可能性を考え、Vercel固有機能の利用箇所を一覧化します。

Vercelのシステム開発で見積もりを取るポイント

システム開発会社から見積もりを取得するイメージ

Vercelに詳しい会社を選ぶときは、「Vercelを使えます」という回答だけで決めず、業務要件、データ、API、セキュリティ、保守まで確認します。Vercel公式の導入事例には、開発やデプロイの短縮を示す数値がありますが、他社の成果が自社で再現されるとは限りません。自社のKPIと前提条件を見積もりに反映させます。

同じ条件のRFPを複数社へ渡す

比較の前に、目的、対象ユーザー、業務フロー、画面一覧、データ項目、外部連携、想定アクセス、セキュリティ要件、希望時期、予算帯をRFPにまとめます。MVPの範囲と将来構想を分け、必須機能と候補機能が同じ見積もりに混ざらないようにします。提案会社へは、Vercel、DB、認証、メール、監視などのサービス選定理由と、月額費用の試算条件も求めます。

見積書は総額だけでなく、要件定義、設計、実装、テスト、移行、教育、リリース、保守の工数と成果物を確認します。準委任か請負か、仕様変更の扱い、検収条件、追加単価、納品するソースコードと設計書、アカウントの名義、契約終了時の引き継ぎも比較対象です。金額が低い会社ほど、含まれない作業の範囲を丁寧に確認します。

開発会社へ確認したい質問

候補会社には、Next.jsとVercelの経験だけでなく、業務システムの設計・移行・保守を誰が担当するかを質問します。「重い処理はどこへ置くか」「DBや認証をどのサービスと組み合わせるか」「個人情報をどこで処理するか」「利用量が増えたときの上限管理はどうするか」「障害時に何分以内に連絡するか」を具体的に確認します。公式パートナーの掲載は参考になりますが、担当チームの実績と体制を確認する方が重要です。

海外クラウドの利用で個人情報を扱う場合は、法務・情報システム部門と早い段階で確認します。個人情報保護委員会の「外国にある第三者への提供編」は、2025年12月に一部改正され、外国にある第三者への提供、本人同意、相当措置、委託先の確認などを整理しています。Vercelの認証制度だけで利用可否を判断せず、自社のデータ分類、契約、社内規程、委託先管理に照らして判断します。

事例の数値は自社のKPIと分けて読む

Vercel公式のAvanade事例では、Next.js、Vercel、Sitecore XM Cloudを組み合わせ、2倍速いサイト開発、33%速いコンテンツ変更、111%高いコンバージョンなどが紹介されています。これは2025年2月公開の公式顧客事例に記載された数値であり、既存の業務、コンテンツ基盤、測定方法を含む結果です。自社のシステムで同じ改善率や費用削減が保証される数字ではありません。

事例を見積もりに活かすには、数字をそのまま採用せず、何を測るかに置き換えます。たとえば、デプロイ時間、承認から公開までの時間、問い合わせ処理時間、入力ミス件数、障害から復旧までの時間、月間クラウド費をKPIにします。Vercel公式事例のRoxやFernでも高速なデプロイやマルチテナント構成が紹介されていますが、自社のデータ量とチーム体制で検証する前提で扱います。

よくある質問

Vercelのシステム開発に関する疑問を確認するイメージ

最後に、Vercelのシステム開発を検討する際に多い疑問へ回答します。料金だけでなく、商用利用、データベース、開発会社への依頼、個人情報の扱いを確認しておくと、相談時に前提を共有しやすくなります。

Vercelのシステムは無料で作れますか?

試作や非商用の個人プロジェクトなら、HobbyでVercelの配信を無料で試せます。ただし、商用の業務システムではProやEnterpriseの検討が必要で、DB、認証、メール、監視、開発会社の費用も別にかかります。無料プランの有無と、事業として継続運用できる総額は分けて考えます。

Vercelだけでデータベースや業務システムを完結できますか?

Vercelだけで業務システム全体が完結するわけではありません。一般的には、Vercel上のNext.jsとFunctionsに加えて、PostgreSQL系のデータベース、認証、ストレージ、既存基幹システムを組み合わせます。重いバッチや長時間処理は別基盤へ分けるなど、処理の性質に応じてアーキテクチャを設計します。

開発会社へ依頼するときは何を伝えればよいですか?

業務の目的、利用者、画面や機能の優先順位、既存システム、連携先、データ量、個人情報、希望時期、予算、保守体制を伝えます。特に「Vercelで作りたい」だけでなく、どの業務を何分短縮したいのか、誰が承認するのか、障害時に何時間以内に復旧したいのかを伝えると、費用と構成の根拠が明確になります。

Vercelで個人情報を扱っても問題ありませんか?

一律に問題がない、または問題があるとは判断できません。Vercelのセキュリティ認証、データ処理契約、保存・処理場所、アクセス権、委託先管理を確認し、自社の個人情報保護法対応や契約条件に照らして判断します。必要に応じて個人情報をVercelに置かず、データベースやAPIを別の管理境界に置く構成も検討します。

まとめ

Vercelのシステム開発費用をまとめるイメージ

Vercelのシステム開発費用は、Vercelの月額料金だけでなく、開発・外部サービス・保守を合算して判断します。小規模なMVPは150万〜500万円、中規模の業務システムは500万〜1,500万円、基幹連携やEC・SaaSは1,500万〜5,000万円以上が推定レンジですが、機能、データ、品質、連携、運用範囲によって変動します。

費用の結論はVercel利用料と開発費を分けて考えることです

2026年時点では、VercelのProは月額20ドルで20ドル分の利用クレジットを含みますが、超過利用や外部サービスは別に発生します。開発費は、要件定義、業務設計、認証・権限、API、データ移行、テスト、保守の工数で決まります。まず月額の試算表と開発のRFPを分けて作り、合計の3年コストで比較します。

次にやることは業務要件と費用条件の整理です

発注前には、ユーザー、業務フロー、データ、連携先、個人情報、アクセス量、復旧目標、MVP範囲を整理し、同じ条件で複数社へ相談します。Vercelを使う理由だけでなく、どの処理をVercelに置き、どのデータを別基盤で管理し、誰が保守するのかを明確にすると、費用の根拠と将来の責任分界が見えます。最初の見積もりでは、金額だけでなく、含まれる成果物と含まれない作業を確認してください。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。