動画管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

動画管理システムの開発は、目的整理、製品選定、設計・開発の順に進めます。そのあとは、検証、段階稼働、定着へと続き、全体は6段階になります。この順に進めると、運用漏れを防ぎやすくなります。各段階で決めることと、費用相場、見積もりの要点も、順に見ていきます。

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動画管理システム開発の全体像

動画管理システムは、動画を登録・検索して適切な人へ届け、視聴結果を改善する業務基盤です。開発の成否は、画面の見た目よりも、利用目的、メタデータ、権限、更新期限、既存連携で分かれます。

動画を置くだけでは業務で使い続けられない理由

共有ドライブや一般的な動画共有サービスは、少人数で一時的に共有する用途には便利です。ただし、動画が増えると、ファイル名だけでは内容を探しにくくなります。最新版や公開期限、部署別の閲覧範囲、受講完了の状況も、それぞれ別に管理しなければなりません。

動画管理システムは、タイトル、カテゴリ、タグ、公開日、権利情報、対象部署を動画と一緒に管理します。また、検索、チャプター、字幕、資料PDFの添付も、一つの画面で扱えます。教育時間の短縮を狙うなら、KPIには受講率と完了率を使います。

  • 問い合わせ削減:検索から再生までの時間と問い合わせ件数の推移。
  • 営業品質の均一化:対象者別の視聴状況を指標にします。

視聴状況は「誰が見たか」に加えて、完了率、離脱箇所、テスト合格も確認しておくと、導入効果を社内に説明しやすくなります。

用途に応じた機能と方式の違い

用途が違えば必要な機能も変わるため、まず用途ごとに必要な機能を選び、運用条件と開発方式を絞り込みます。

  • 社内研修:社員・部署別の権限、視聴履歴、テスト、SSO連携が中心です。
  • 店舗・代理店:拠点別ポータル、同時視聴、公開期間の自動管理を重視します。
  • 会員・有料配信:会員基盤、課金、見逃し配信、DRM、問い合わせ対応の検討。
  • 大学・医療:字幕・翻訳、講義検索、LDAPやActive Directory連携、長期保存が基準です。

方式は、既製クラウド、業界向けパッケージ、専用環境、スクラッチ開発から選びます。標準機能で業務が回るなら、クラウドを優先します。一方で、独自の権限や課金、既存ポータルとの深い連携が強みになるなら、専用開発を検討します。

保存容量と月間転送量、登録ユーザー数と同時視聴者数は、別々の指標です。そのため、要件表でも分けて記載します。

ポイント

利用目的、利用者、動画の本数、権限、既存システムとの連携を並べ、標準機能で足りるか、専用開発が要るかを判断の目安にします。

動画管理システム開発の進め方

動画管理システム開発の要件整理から稼働までを5段階で示す図解
前段階で決めた条件を、次の工程へ引き継ぐ構成です。

要件整理、選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6フェーズで進めると、作り過ぎや運用漏れを抑えられます。各段階で作るものと次へ進む条件を決め、現場、情報システム、セキュリティ、法務・コンプライアンスの担当者には、早い段階から加わってもらいます。

フェーズ1:目的と利用条件の要件整理

最初に、動画管理で変えたい業務を一文で定義します。目的が決まれば、必要な機能と不要な機能を分けられます。

  • 新入社員研修:入社後30日以内の受講と、管理者による完了確認が目標です。
  • 店舗マニュアル:全国の店舗へ最新版を配信し、旧版は自動で非公開にします。

要件表には、動画の本数と増加数、容量を記載します。ユーザー数や最大同時視聴者数、保存期間も同じ表に入れます。動画の長さと月間視聴数も、数値で示します。

公開範囲、PC・スマートフォン対応、字幕・翻訳は、まず決めたい項目です。ライブやダウンロードの扱い、外部連携、移行、管理者数も、あわせて決めます。認証方式は、社員番号CSV、SAMLやOIDCによるSSO、会員登録、IP制限から選びます。

権利台帳には、権利者、利用目的、配信地域・期間、出演者の同意を管理する項目を設けます。この段階で作るのは要件定義書で、目的や利用者、業務フローに加えて、機能、非機能要件、KPIをまとめます。

現場には、登録から公開までの時間、検索語、退職者の停止時期を聞きます。実動画10本程度を使うと、現場の要望が具体化します。たとえば、「公開まで何分かかるか」「検索時に何を入力するか」のように、具体的な操作を尋ねます。

フェーズ2:製品・開発会社の選定

同じ動画と利用者シナリオで候補を比べると、価格だけでは見えない追加費用や運用性を確認できます。

  • 標準機能の適合:既製クラウド、パッケージ、専用環境、スクラッチの順に確かめます。
  • 追加費用:API、SSO、字幕、追加流量、移行、サポートの料金。
  • 運用性:現場担当者が一人で日々の操作をこなせるかどうか。

トライアルでは、動画登録、メタデータやタグ付け、字幕、部署限定の公開、スマートフォン再生を実際に測ります。視聴履歴の確認と利用者の停止も試します。あわせて、検索、進捗表示、エラー時の再実行、ライブ後の保存も確かめます。

比較の基準は、要件への適合、認証・権限、分析、配信の安定性です。さらに、連携、移行支援、保守、契約終了時のデータ返却も比べます。

J-Stream Equipmediaの公式ページは、認証型ポータル、個人別視聴ログ、API・SDK、CDN・ECDNを案内しています。クラストリームは、プランによって同時視聴者数、IP制限、二要素認証、SSO・Web API連携が異なります。そのため、それぞれが標準機能かオプションかを確認します。

フェーズ3:設計・開発での動画と業務データの分離

動画本体と、メタデータ(タイトル、カテゴリ、タグ、公開期限、権利情報など)は、分けて扱います。

  • 動画本体:オブジェクトストレージに保管します。
  • 変換・配信:トランスコード基盤、HLSやDASH、CDNを使います。
  • 業務データ:検索インデックス、認証基盤、ログ基盤に役割を分けます。

役割を分けておくと、容量増加や障害時の復旧を、部分ごとに考えられます。また、スクラッチ開発では、動画変換、配信、認証、バックアップのうち、どこまでを自社で運用するかを明確にします。

画面設計では、利用者向けの検索と再生に加えて、登録、承認、差し替え、期限、権限の洗い出し、ログ出力も描きます。そのうえで、差し替え時にURLを維持するか、旧版を監査用に残すか、期限後に自動で非公開にするかを決めます。

字幕や文字起こし、翻訳、チャプターなどは、誰がどの画面で編集するかを定義します。資料PDF、アンケート、テストについても、編集する人と画面を決めます。

MVP(Minimum Viable Product)では、ログイン、アップロード、動画情報、検索、限定再生、視聴ログに機能を絞り、先に動かします。検索時間や受講完了率を確かめたうえで、ライブや課金、DRM、AI字幕、翻訳、複雑な連携を追加します。

フェーズ4:機能・負荷・権限の検証

登録から視聴ログまでつながる業務シナリオを、通しで検証します。

  • 機能:アップロード、変換、サムネイル、字幕、検索、再生、期限、差し替えの各操作。
  • 権限:ロール別の閲覧範囲と、拒否されるべき操作の確認。
  • 負荷:ピーク時の再生開始、エラー、CDN・ECDN、ログ欠損の測定。

早送りや途中再開、資料の取得も確認します。対象は、PC、スマートフォン、タブレット、主要ブラウザ、低速回線、通信断です。

一般社員、管理者、部門管理者、講師、代理店、会員の閲覧範囲を、それぞれ確認します。そのうえで、退職・異動・契約終了時の停止、URL転送、期限切れ、操作ログ、再設定も試します。

二要素認証の復旧も検証します。権限の不備は重大な事故につながるため、正常に動く操作より、拒否すべき操作を重点的に確かめます。

負荷テストでは、同じ動画を同時に見る人数を想定し、全社研修や店舗への一斉配信のピークを再現します。あらかじめ、再生開始までの秒数、ログ反映までの時間、障害時の復旧時間を決めておくと、合否を判断できます。

フェーズ5:小規模な移行と安全な公開による稼働

移行と公開を段階的に進めると、データや運用上の問題を本番全体に広げずに確認できます。

  • 範囲を絞る:1部署、1店舗群、1講座などから先行します。
  • データを整える:重複、旧版、権利切れ、低画質、メタデータ不足の分類。
  • 切替条件を決める:バックアップ、案内、窓口、切り戻しの準備。

動画と一緒に、タイトル、カテゴリ、タグ、対象者を移します。さらに、公開日・期限、字幕、権利情報も移します。そのうえで、検索と再生は、サンプルを抜き出して確かめます。

切替時刻や旧サービスの読み取り専用化、最終バックアップ、DNSやポータルの変更、利用案内、問い合わせ先を決めます。社外の会員や代理店には、ログイン、パスワード再設定、推奨ブラウザ、視聴トラブル時の連絡先を、事前に案内します。

ライブは、本番と同じ経路でリハーサルし、終了後のアーカイブ公開まで通して確認します。クラウドでは、保存地域、暗号化、バックアップを確認します。SLA、障害通知、ログ保管も見ます。データ返却と、どこまでを誰が受け持つかも、あわせて確認します。

IPAは、2025年2月28日更新の「クラウドセキュリティの歩き方」で、設定などクラウド固有の事象による事故が増えていると説明しています(出典: IPA「クラウドセキュリティの歩き方」、2025年)。そのため、本番前に管理画面の初期設定、公開範囲、権限、ストレージの公開設定を点検します。

フェーズ6:運用ルールと改善による定着化

担当とルールを決め、視聴データを次の動画制作や研修に戻すことで、運用は続いていきます。

  • 担当者:登録、承認、公開、権限、問い合わせの責任者。
  • 登録ルール:命名、カテゴリ、タグ、サムネイル、字幕、期限、旧版の決め方。
  • 定期確認:視聴、検索、問い合わせ、期限、容量、転送量の見直し。

権利台帳を更新する人も決めておきます。必須入力は目的に直結する項目に絞ると、現場で続けやすくなります。

毎月または四半期ごとに、完了率、受講率、検索時間を確認します。人気動画、離脱箇所、未視聴者も見て、問い合わせも確かめます。期限切れ、容量、月間転送量も、あわせて見ます。視聴されない理由は、タグ、長さ、対象者への通知から調べます。

分析結果を撮影、編集、字幕、研修設計に戻すと、動画を業務改善に活かせます。

2026年時点では、文字起こし、要約、字幕翻訳、PowerPointからのナレーション動画生成も、選定時の確認対象です。生成結果は、固有名詞や仕様、数値、個人情報、権利を人が確かめてから公開します。

AIの学習利用、保存期間、外部処理先、誤変換時の責任範囲も、ベンダーに確認します。

ポイント

6つの段階は順に進め、各段階で作るものと次へ進む条件を満たしたかで、先へ進むかを判断します。現場の担当者が登録から公開まで一人で回せるかも、判断の目安になります。

動画管理システム開発の費用相場とコストの内訳

動画管理システムの周辺作業を移行準備、制作・権利、運用に分けた図解
導入時の見積もりに含める作業範囲を確認できます。

費用は、本数に加えて、容量、転送量、利用者によって変わります。同時視聴、ライブ、認証も、費用を左右する条件です。連携、移行、運用支援も、費用に影響します。

クラウドは月額で始めやすいのに対し、独自開発は業務に合わせられる代わりに、初期費用と保守費用が大きくなります。以下の金額は、公開価格と業務システムの工数から整理した目安で、個別案件の確定金額ではありません。

クラウド型サービスは初期0〜10万円程度、月額3.3万〜22万円程度が目安

クラストリームの機能限定スモールプランは月額33,000円(税込)です。ライトは月額50,000円、スタンダードは月額100,000円、エンタープライズは月額150,000円です(いずれも税別表示)。視聴者数、容量、同時視聴者数、IP制限、二要素認証、CDNは、プランによって異なります(出典: 株式会社アイ・ピー・エル「クラストリーム料金」、2026年閲覧)。

契約前には、公式料金と上限を確かめておきます。Equipmediaの料金は、Startupが初期50,000円・月額50,000円、Businessが初期50,000円・月額100,000円、Expertが月額180,000円です。Enterpriseは初期100,000円、月額220,000円からです。

保存容量と月間流量に上限があり、流量費用は別途です(出典: 株式会社Jストリーム「J-Stream Equipmedia」、2026年閲覧)。これらを合わせると、クラウドは初期0〜10万円程度、月額3.3万〜22万円程度が目安です。

  • 容量・流量:追加ストレージと月間流量超過の料金。
  • 追加機能:ライブ、専用環境、SSO・API、字幕の料金。
  • 周辺作業:移行、制作、手厚いサポートの費用。

月額は、基本料金、追加容量、超過流量、オプション、制作・運用費に分けて試算します。全社研修のように年に数回あるピーク配信は、通常利用と分けて、イベント費用を見積もります。

独自開発はMVPで300万〜800万円、標準業務版で800万〜2,000万円が目安

独自開発の公表相場は一律には示されていないため、以下は機能範囲と一般的な業務システムの工数を合わせた推定です。

  • 小規模MVP:ログイン、登録、検索、限定再生、簡易管理で300万〜800万円です。
  • 標準業務版:権限、ポータル、視聴ログ、字幕、API、SSO、LMS連携で800万〜2,000万円程度です。

マルチテナント、ライブ、DRMを含めると、規模は大きくなります。CDN・ECDN、課金、冗長化も加わります。監査ログ、大量移行、専用監視まで含めると、さらに大きくなります。大規模・高セキュリティ版は2,000万〜5,000万円以上、期間は8〜15か月程度になる可能性があります。

変換・配信基盤をゼロから作ると、検証、監視、障害対応が増えます。そのため、既存基盤やAPIを活用できるかどうかで、差が出ます。

ここで示す幅は、要件が確定する前の予算計画向けです。要件が固まったら、利用者、同時視聴、本数を確定させます。移行、認証、保存地域の条件も固め、可用性も決めます。テスト範囲と保守時間も決め、開発会社には工数と前提条件を示してもらいます。

準委任と請負では、責任範囲や変更の扱いが異なります。仕様変更を含む請負は、準委任より1.3〜1.5倍高い傾向があるとの知見もあります。ただし、個別の案件では、契約条件を優先して確認します。

見落とされやすい移行・字幕・制作・保守の費用

初期導入とは別に必要になる作業を洗い出し、移行の範囲と運用予算を決めます。

  • 移行準備:動画の洗い出し、重複排除、形式変換、サムネイル、メタデータ付与。
  • 制作・権利:字幕、翻訳、権利確認、撮影・編集の見積もり。
  • 運用:監視、バックアップ、障害対応、問い合わせ、動画の一覧での確認、更新、改善を含めます。

撮影・編集は内容や品質によって幅があり、1本数万円〜数十万円程度になる場合があります。数百本を超える場合は、一括で移行せず、利用頻度と権利期限で優先順位を付けます。

保守・監視は、開発費の年15〜25%程度を一般的な目安とし、容量・流量の増額は別枠にします。費用を抑えるには、重要業務のMVP、標準機能、移行対象の絞り込みを組み合わせます。

ポイント

費用は、本数、容量、転送量、同時視聴、認証や連携の範囲で変わります。クラウドと独自開発は、月額の基本料金と、移行や字幕、保守などの別途費用を分けて試算できるかで比べます。

動画管理システムの見積もりを取る際のポイント

RFPに記載する動画・利用者、配信、機能・連携、非機能要件の4項目を示す図解
各社へ同じ前提を渡すための整理に使えます。

機能一覧と業務シナリオを渡すと、各社の前提や対象外の作業、変更時の精算方法を並べて比べられます。動画の登録から公開、視聴者停止、視聴ログの確認までの流れも示し、金額だけで判断しないようにします。

RFPに記載する動画・利用者・配信・連携の数値

数値と条件をそろえたRFPがあれば、各社の見積もりの前提を比べられます。

  • 動画・利用者:現在と1年後の本数、平均容量、保存期間、登録ユーザー数。
  • 配信:月間アクティブユーザー数、ピーク時の同時視聴者数、転送量、ライブ回数、画質、端末。
  • 機能・連携:必要機能、接続先、方式の具体化。

「大規模」や「大量」といった言葉だけでは、各社が見積もる前提が変わってしまいます。そのため、過去の全社研修やウェビナーの参加者数を基準にします。

機能は、登録、変換、検索、タグ、字幕、チャプターなどに分けて書きます。資料、プレイリスト、予約、期限、差し替えも、それぞれ別の機能として書きます。限定公開、ダウンロード制御、視聴履歴も記載します。完了判定、テスト、アンケートも含めます。管理権限と監査ログも、あわせて記載します。

連携先は、社員マスタ、SSO、LMSです。CMS、会員基盤、課金も連携先に含めます。CRMと社内ポータルも挙げます。方式も、CSV、API、SAML、OIDCなどで示します。

非機能要件には、可用性、バックアップ、復旧目標を入れます。暗号化、保存地域、ログも入れます。さらに、脆弱性対応、サポート、障害通知も入れます。

データの返却と消去の方法も指定します。権利台帳には、撮影者、出演者、音楽、画像、講演資料それぞれの権利者を記します。配信地域・期間、二次利用、字幕化の可否も、台帳の項目にします。

同一条件での複数社比較と、デモ・事例の確認

同じRFP、実動画、質問を使うと、費用・機能・運用の差を見分けられます。

  • 費用:初期、月額、追加容量、超過流量、移行、教育、保守を並べた内訳。
  • 総保有コスト:3年間の費用と社内運用工数。
  • 提案条件:標準機能と追加開発の境目、変更時の扱いの記録。

クラウドとスクラッチは、単純な価格表だけでは比べません。代わりに、ログやSSOの扱いまで含めて比べます。ログやSSOが別開発なら、費用と期間が逆転する可能性があります。

デモには、自社の実動画を使います。名前の表記がそろっていない動画、字幕、旧版と新版、部署限定動画、長時間ライブを試します。

現場の担当者には、検索と公開を実際に操作してもらいます。事例は、利用者数、本数、用途、移行範囲、運用体制が自社に近いかどうかで見ます。

契約前には、容量・流量、同時視聴の上限、API制限と費用について質問します。復旧目標、返却形式、受付時間も、あわせて質問します。回答は口頭で済ませず、提案書、仕様書、SLA、契約書の該当箇所に残します。

法務・セキュリティ・契約変更の初期見積もりへの計上

権利、セキュリティ、契約の作業も初期見積もりに含めておくと、公開後の追加対応を把握できます。

  • 許諾範囲:社内、会員、有料、海外、字幕翻訳の可否。
  • 漏えい対策:技術、規約、教育、退職後の停止の組み合わせ。
  • 契約管理:変更の影響、納品物と稼働の責任範囲の明記。

動画には、社員の顔、顧客情報、製造ノウハウ、講演資料、音楽、第三者映像が含まれることがあります。

文化庁資料では、講演録画を編集・加工してウェブ配信する例が示されています(出典: 文化庁「誰でもできる著作権契約マニュアル」、2026年閲覧)。そのうえで、撮影時の同意がどこまで及ぶかを確かめ、許諾の範囲外にある動画は公開前に止められるようにします。

セキュリティ面では、暗号化、MFA、SSOを確認します。権限分離、IP制限、ウォーターマークも見ます。さらに、DRMと視聴・監査ログも確認します。バックアップ、脆弱性対応、インシデント通知も対象です。ただし、DRMやIP制限があっても、画面撮影は完全に防ぎきれません。

請負では、追加要望を変更管理に通し、納期、費用、受け入れ条件への影響を記録します。準委任では、稼働時間と作業の責任範囲を明確にします。どちらの契約でも、工程ごとに見積もります。

要件定義、UI設計、連携を分けておくと、対象外になる作業を減らせます。移行、テスト、教育、運用引き継ぎも、別の作業として分けておきます。

ポイント

見積もりは、数値をそろえたRFPと自社の実動画で比べます。金額の差が大きいときは、追加費用や変更時の精算方法の違いから確かめます。

動画管理システム開発でよくある質問

料金や期間は、本数と利用条件によって変わります。そのため、回答の前提となる数値は、自社の要件表と照合してください。

動画管理システムはSaaSと自社開発のどちらがよいですか?

標準的な登録、検索、限定公開、視聴ログで足りるなら、初期投資と運用負担が小さいSaaSが向いています。

独自の権限、課金、業務フロー、既存基盤との深い連携が成果に直結するなら、パッケージの拡張や専用開発を検討します。

3年後の本数、利用者、連携、監査要件も並べておきます。そのうえで、トライアルで不足機能の必要性を確かめ、開発範囲を決めます。

動画管理システムの開発期間はどのくらいですか?

開発期間は規模や機能によって変わるため、開発と本番稼働の両方の期間を確認します。

  • 小規模MVP:2〜4か月が目安です。
  • 標準業務版:4〜8か月が目安です。
  • 大規模・高セキュリティ版:8〜15か月程度が目安です。
  • 期間が延びる要件:字幕、大量移行、SSO、LMS連携、ライブ、DRMです。
  • 短縮策:目的と部署を絞り、標準機能を優先します。移行対象を選び、受け入れ条件を先に決めます。

期間は、要件整理から教育までの範囲で変わります。さらに、現場ヒアリング、権利確認、データ整理、リハーサルも含めて、本番稼働までの期間で比べます。

YouTubeや共有ドライブでは動画管理システムの代わりになりませんか?

用途と必要な管理機能を照らし合わせ、代替サービスで足りる範囲を判断します。

  • 代替しやすい用途:一時共有や一般公開だけなら使える場合があります。
  • 専用基盤を検討する条件:社内権限、退職者停止、公開期限、完了確認、受講テスト、監査ログ、動画内検索、会員課金が必要な場合です。
  • 代替サービスの確認:公開範囲、ダウンロード、URL転送、保存地域、規約、データ返却、権限、視聴ログの確認。
  • 比較する時期:動画が増えて検索や権限の洗い出しに時間がかかるときです。

機密情報や研修効果を扱う場合も、用途とリスクを整理して選びます。

社内限定動画のセキュリティで何を確認すべきですか?

社内限定動画では、システムのアクセス制御と運用手順の両方を確認します。

  • アクセス管理:暗号化、SSO・MFA、部署・役職別権限、IP制限、公開期限、視聴・監査ログ、バックアップの確認。
  • 運用管理:障害通知とデータ返却・消去の確認。退職・異動・契約終了時の停止は、人事や会員マスタと連動させます。
  • 権利確認:個人情報、機密情報、第三者著作物を含む動画は、法務担当と権利台帳で確かめます。
  • 漏えい時の備え:漏えいを完全に防ぐことは機能だけでは難しいため、公開承認、規約、教育、誤公開時の停止手順も整えます。

ポイント

料金と期間は本数と利用条件で変わるため、回答の数値は自社の要件表と照合します。標準機能で足りるならSaaS、独自の権限や連携が成果に直結するなら専用開発を、判断の目安にします。

まとめ

動画管理システム開発では、目的、利用者、動画の量、権限、KPIを定めてから、方式と運用を選びます。設計で動画本体とメタデータを分け、テスト、稼働、定着までを一本の流れにつなぎます。

進め方で押さえるべき要点

費用と運用成果を合わせて見ると、導入後の判断の基準をそろえられます。

  • 要件の基準:容量、月間転送量、登録者、同時視聴、限定公開、ライブ、外部連携。
  • クラウド費用:初期0〜10万円、月額3.3万〜22万円程度が目安です。
  • 独自開発費用:MVPは300万〜800万円、標準版は800万〜2,000万円程度です。
  • 別途確認する費用:移行、字幕、制作、保守、追加流量です。
  • 効果と運用:完了率、検索時間、問い合わせ、受講率、期限、権限の洗い出しを見ます。法務、セキュリティ、データ返却も確かめ、現場が登録・検索・更新できる形にします。

1部署・10本程度の実動画による要件検証

対象を絞った実動画で検証すると、全社展開の前に、運用のしやすさを確かめられます。

  • 検証範囲:対象業務と利用者を絞り、実動画でトライアルまたは小規模MVPを試します。
  • 現場で試す操作:登録、タグ付け、検索、限定公開、再生、視聴ログ、アカウント停止の確認。
  • 本格開発の判断:改善KPIを確かめます。要件表を使って複数社へ同じ条件で相談し、提案力と運用支援も比べます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。