動画管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

動画管理システム開発の進め方は、動画を保存する機能だけでなく、目的・利用者・権限・配信量・視聴効果を要件に落とし、要件整理から定着化まで6フェーズで検証することが基本です。

社内研修、営業教育、店舗マニュアル、会員限定配信などで動画が増えると、共有ドライブでは最新版や視聴状況が分からなくなり、URLの転送や退職者アカウントも管理しにくくなります。本記事では、動画管理システムの全体像から、要件整理、製品選定、設計開発、テスト、稼働、定着までの流れを、費用相場と見積もり時のチェックポイントを含めて解説します。

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動画管理システム開発の全体像

動画管理システム開発の全体像

動画管理システムは、動画ファイルの保管庫ではなく、動画を登録し、探し、適切な人へ届け、視聴結果を改善する業務基盤です。開発の成否はプレイヤーの見た目よりも、利用目的、メタデータ、権限、動画の更新期限、既存システムとの連携を最初に決められるかで分かれます。

動画を置くだけでは業務で使い続けられない理由

共有ドライブや一般的な動画共有サービスは、少人数が一時的に共有する用途には便利です。しかし動画本数が増えると、ファイル名だけでは内容を探せず、最新版の判定、公開期限、部署別の閲覧範囲、受講完了の確認を別の表で管理することになります。動画管理システムでは、タイトル、カテゴリ、タグ、公開日、権利情報、対象部署などのメタデータを動画と一緒に持たせ、キーワード検索、チャプター、字幕、資料PDFの添付まで一つの画面で扱えます。

特に社内研修や店舗マニュアルでは「誰が見たか」だけでなく「最後まで見たか」「どこで離脱したか」「テストに合格したか」を確認できることが重要です。目的が教育時間の短縮なら受講率と完了率、問い合わせ削減なら検索から再生までの時間と問い合わせ件数、営業品質の均一化なら対象者別の視聴状況をKPIに置くと、導入効果を説明しやすくなります。

用途によって必要な機能と方式が変わる

社内研修なら社員・部署単位の権限、視聴履歴、テスト、SSOが中心になります。店舗や代理店へ展開するなら、拠点別のポータル、同時視聴への対応、公開期間の自動管理が重要です。会員限定や有料動画なら会員基盤、課金、見逃し配信、DRM、問い合わせ対応まで検討します。大学や医療の講義では、字幕・翻訳、講義単位の検索、LDAPやActive Directoryとの連携、長期保存が選定基準になります。

選択肢は、既製クラウド、業界向けパッケージ、専用環境、スクラッチ開発に分かれます。標準機能で業務が回るならクラウドを優先し、独自の権限体系や課金、既存ポータルとの深い連携が競争力になる場合に専用開発を検討します。保存容量と月間転送量、登録ユーザー数と同時視聴者数は別の指標ですので、要件表では必ず分けて記載します。

動画管理システム開発の進め方

動画管理システム開発の進め方

動画管理システムは、要件整理、選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6フェーズで進めると、機能の作り過ぎと運用漏れを防ぎやすくなります。各フェーズで次に進む条件と成果物を決め、現場の代表者、情報システム部門、セキュリティ担当、法務・コンプライアンス担当を早めに巻き込みます。

フェーズ1:要件整理で目的と利用条件を決める

最初に「動画を管理したい」と書くのではなく、何の業務を変えるのかを一文で定義します。たとえば「新入社員が入社後30日以内に必要な研修を受講し、管理者が完了状況を確認できるようにする」「全国の店舗へ最新版の接客マニュアルを配信し、旧版を自動で非公開にする」といった形です。目的が決まると、必要な機能と不要な機能を切り分けられます。

要件整理のチェック項目は、動画本数と増加数、1本あたりの長さと容量、登録ユーザー数、月間の視聴回数、最大同時視聴者数、保存期間、公開範囲、PC・スマートフォン対応、字幕・翻訳、ライブ配信、ダウンロード可否、外部システム、データ移行、管理者数です。認証方式は社員番号のCSV、SAMLやOIDCによるSSO、会員登録、IP制限のどれが必要かを決めます。権利者、利用目的、配信地域、配信期間、出演者の同意を管理する権利台帳も、この段階で項目を定めます。

成果物は、目的・対象ユーザー・業務フロー・機能一覧・非機能要件・KPIをまとめた要件定義書です。現場には「アップロードから公開まで何分か」「動画を探すとき何を入力するか」「退職者をいつ停止するか」などのシナリオで聞き、実際の動画10本程度をサンプルに使うと、抽象的な要望が具体化します。

フェーズ2:製品・開発会社を選定する

要件がまとまったら、既製クラウド、パッケージ、専用環境、スクラッチの順に標準機能で満たせる範囲を確認します。候補を価格だけで比べると、API、SSO、字幕、追加流量、データ移行、サポートが後から費用化されます。各社に同じ動画・同じ利用者シナリオを渡し、見積書とデモの両方で比較することが大切です。

トライアルでは、管理者が動画を登録し、メタデータとタグを付け、字幕を登録し、部署限定で公開し、スマートフォンで再生し、視聴履歴を確認し、ユーザーを停止する一連の操作を実測します。検索結果の分かりやすさ、アップロード中の進捗、エラー時の再実行、ライブ終了後のアーカイブ化まで確認します。現場担当者が一人で運用できない製品は、機能が多くても定着しにくいです。

候補を選ぶ基準は、要件への適合度、認証・権限、視聴分析、配信安定性、連携方法、移行支援、保守体制、契約終了時のデータ返却です。たとえばJ-Stream Equipmediaの公式ページでは、認証型ポータル、個人別視聴ログ、API・SDK、CDN・ECDNなどが案内されています。クラストリームの公式料金では、プランによって最大同時視聴者数、IP制限、二要素認証、SSO・Web API連携の扱いが異なりますので、必要な機能が標準かオプションかを確認します。

フェーズ3:設計・開発で動画と業務データを分ける

設計では、動画ファイル本体と、タイトル・カテゴリ・タグ・公開期限・権利情報などのメタデータを分けて扱います。動画本体はオブジェクトストレージ、再生用の変換処理はトランスコード基盤、配信はHLSやDASHとCDN、検索は検索インデックス、利用者と権限は認証基盤、視聴記録はログ基盤というように役割を分離すると、容量増加や障害時の復旧を考えやすくなります。

画面設計では、利用者向けの検索・再生画面だけでなく、管理者向けの登録、承認、差し替え、公開期限、権限棚卸し、ログ出力を先に描きます。動画を差し替えたときにURLを変えずに済むか、旧版を監査用に保存するか、公開期限を過ぎた動画を自動非公開にするかを決めます。字幕・文字起こし・翻訳・チャプター・資料PDF・アンケート・テストは、どの画面で誰が編集するかまで定義します。

開発中は、最初から全社展開を目指さず、ログイン、アップロード、動画情報、検索、限定再生、視聴ログを最小構成にしたMVPを先に動かす方法が有効です。MVPで検索時間や受講完了率の改善を確認し、その後にライブ、課金、DRM、AI字幕、翻訳、複雑な連携を追加すると、投資判断を実データで行えます。スクラッチ開発では、動画変換、配信、認証、バックアップの運用を自社で持つ範囲を明確にします。

フェーズ4:テストで機能・負荷・権限を検証する

動画管理システムのテストは、通常の画面テストだけでは不十分です。アップロード、変換、サムネイル、字幕、検索、再生、早送り、途中再開、資料ダウンロード、公開期限、差し替え、視聴ログがつながる業務シナリオで確認します。PC、スマートフォン、タブレット、主要ブラウザ、低速回線、通信が切れた場合も対象にします。

権限テストでは、一般社員、管理者、部門管理者、講師、代理店、会員などのロールを作り、見える動画と見えない動画を確認します。退職者・異動者・契約終了者のアカウント停止、共有URLの転送、公開期限切れ、管理者の操作ログ、パスワード再設定、二要素認証の復旧も実施します。権限の不備は公開後の重大な事故につながるため、正常系よりも拒否されるべき操作を厚く検証します。

負荷テストでは、登録ユーザー数ではなく、同じ時刻に何人が同じ動画を見るかを想定します。全社研修、店舗一斉配信、人気講座の公開直後などピークを再現し、再生開始までの時間、エラー率、CDNやECDNの利用、ログの欠損を測定します。受け入れ条件を「再生開始が何秒以内」「視聴ログが何分以内に反映」「障害時に何時間以内に復旧」のように数値化しておくと、合否を判断しやすくなります。

フェーズ5:稼働では小さく移行して安全に公開する

本番稼働では、全動画を一度に移すのではなく、1部署、1店舗群、1講座などのパイロット範囲を決めます。移行対象を棚卸しし、重複、旧版、権利期限切れ、低画質、欠落メタデータを分類します。動画ファイルを移すだけでなく、タイトル、カテゴリ、タグ、対象者、公開日、公開期限、字幕、権利情報を一緒に移し、移行後の検索結果と再生をサンプル検査します。

切り替え当日は、旧サービスを読み取り専用にする時刻、最終バックアップ、DNSやポータルの変更、利用者への案内、問い合わせ窓口、切り戻し条件を決めます。社外の会員や代理店が使う場合は、ログイン案内、パスワード再設定、推奨ブラウザ、視聴できない場合の連絡方法を事前に用意します。ライブ配信なら本番と同じ配信経路でリハーサルを行い、終了後のアーカイブ公開まで通して確認します。

クラウドを採用する場合も、契約したら終わりではありません。保存地域、暗号化、バックアップ、SLA、障害通知、ログの保管期間、データ返却、アカウント管理の責任分界を確認します。IPAは2025年2月28日更新の「クラウドセキュリティの歩き方」で、複雑な設定などクラウド固有の事象に起因するインシデントが増えていると説明しています(出典: IPA「クラウドセキュリティの歩き方」、2025年)。管理画面の初期設定、公開範囲、権限、ストレージの公開設定を本番前に点検します。

フェーズ6:定着化で運用ルールと改善を回す

稼働後は、動画の登録者、承認者、公開管理者、権限管理者、問い合わせ窓口を決めます。登録時の命名規則、カテゴリとタグの選択肢、サムネイルの基準、字幕の必須条件、公開期限、旧版の扱い、権利台帳の更新者を運用手順書に記載します。ルールを増やし過ぎず、入力必須項目を目的に直結するものに絞ることが現場の継続利用につながります。

毎月または四半期ごとに、視聴完了率、受講率、検索から再生までの時間、人気動画、離脱箇所、未視聴者、問い合わせ件数、公開期限切れ、ストレージ容量、月間転送量を確認します。視聴されない動画を単に削除するのではなく、タイトルやタグが検索者の言葉と合っているか、動画が長過ぎないか、対象者への通知が届いているかを調べます。分析結果を次の撮影、編集、字幕、研修設計へ戻すと、動画が業務改善の資産になります。

AIによる文字起こし、要約、字幕翻訳、PowerPointからのナレーション動画生成は、2026年時点で製品選定時に確認したい機能です。ただし、生成結果をそのまま公開せず、固有名詞、製品仕様、数値、個人情報、権利上の問題を人が確認する工程を残します。AI機能の学習利用、データ保存期間、外部処理先、誤変換時の責任範囲もベンダーに質問します。

動画管理システム開発の費用相場とコストの内訳

動画管理システム開発の費用相場

動画管理システムの費用は、動画の本数だけでなく、保存容量、月間転送量、登録ユーザー数、同時視聴者数、ライブの有無、認証、連携、移行、運用支援で変わります。既製クラウドは月額で始めやすく、独自開発は業務に合わせられる一方で、初期費用と保守費用が大きくなります。以下は公開価格と業務システムの工数から整理した目安であり、個別案件の確定金額ではありません。

クラウド型サービスは初期0〜10万円程度、月額3.3万〜22万円程度が目安

公開価格のある法人向けサービスでは、クラストリームの機能限定スモールプランが月額33,000円(税込)、ライトが月額50,000円(税別表示)、スタンダードが月額100,000円(税別表示)、エンタープライズが月額150,000円(税別表示)です。プランによって視聴ユーザー数、保存容量、同時視聴者数、IP制限、二要素認証、CDNなどが変わります(出典: 株式会社アイ・ピー・エル「クラストリーム料金」、2026年閲覧)。契約前に公式の最新料金と上限を確認します。

J-Stream Equipmediaの公式料金では、Startupが初期50,000円・月額50,000円、Businessが初期50,000円・月額100,000円、Expertが月額180,000円、Enterpriseが初期100,000円・月額220,000円からと案内されています。プランには保存容量と月間流量の上限があり、Enterpriseでは流量費用が別途となります(出典: 株式会社Jストリーム「J-Stream Equipmedia」、2026年閲覧)。このため、クラウドの初期費用は0〜10万円程度、月額は3.3万〜22万円程度が一つの目安になります。

ただし、月額だけで判断してはいけません。追加ストレージ、月間流量、ライブ配信、専用環境、SSO・API、字幕、動画移行、制作、手厚いサポートが別料金になる場合があります。毎月の費用は「基本料金+追加容量+超過流量+オプション+制作・運用費」で試算し、全社研修など年数回のピーク配信はイベント費用として分けて見積もります。

独自開発はMVPで300万〜800万円、標準業務版で800万〜2,000万円が目安

独自開発の一律公表相場は少ないため、以下は動画管理の機能範囲と一般的な業務システム開発工数を組み合わせた推定レンジです。ログイン、アップロード、動画情報、検索、限定再生、簡易管理に絞る小規模MVPは300万〜800万円、部署・会員権限、ポータル、視聴ログ、字幕、API、SSO、既存LMS連携を含む標準業務版は800万〜2,000万円程度が目安になります。

マルチテナント、ライブ、DRM、CDN・ECDN、課金、冗長化、監査ログ、大量移行、専用の運用監視まで含む大規模・高セキュリティ版では、2,000万〜5,000万円以上、期間は8〜15か月程度になる可能性があります。動画変換や配信基盤をゼロから構築すると、画面数だけでは見えない検証・監視・障害対応の工数が増えるため、既存の配信基盤やAPIを活用できるかで差が出ます。

このレンジは要件を聞く前の予算計画に使うものです。実際の見積もりでは、利用者数、同時視聴、動画本数、移行対象、認証方式、保存地域、可用性、テスト範囲、保守時間を確定し、開発会社から工数と前提条件を提示してもらいます。準委任と請負で責任範囲や変更の扱いが異なり、仕様変更を含む請負は準委任より1.3〜1.5倍高くなる傾向があるという業務システムの知見もありますが、案件ごとの契約条件を優先して確認します。

移行・字幕・制作・保守が見落とされやすい

既存動画の棚卸し、重複排除、形式変換、サムネイル作成、メタデータ付与、字幕、翻訳、権利確認は、初期導入費とは別に見積もる項目です。動画の撮影・編集は内容や品質で幅がありますが、1本数万円〜数十万円程度になる場合があります。動画本数が数百本を超える場合は、全件を一括移行せず、利用頻度と権利期限で優先順位を付けます。

運用費には、クラウド利用料、監視、バックアップ、障害対応、問い合わせ、アカウント棚卸し、セキュリティ更新、機能改善が含まれます。開発費に対する保守・監視の予算は、一般的な目安として年15〜25%程度を置き、動画の増加に伴う容量・流量の増額を別枠で見ます。費用を抑えるには、最初から全機能を作るより、重要業務のMVP、標準機能の活用、移行対象の絞り込みを行う方が安全です。

動画管理システムの見積もりを取る際のポイント

動画管理システムの見積もりポイント

見積もりの精度を上げるには、機能一覧だけでなく、動画を登録して公開し、視聴者を停止し、視聴ログを確認する業務シナリオを渡します。費用の大小だけでなく、何を前提にした金額か、含まれない作業は何か、変更時にどう精算するかを比較できる状態にします。

RFPには動画・利用者・配信・連携の数値を入れる

RFPには、動画本数の現在値と1年後の見込み、平均容量、保存期間、登録ユーザー数、月間アクティブユーザー数、ピーク時の同時視聴者数、月間転送量、ライブの回数、必要な画質、対応端末を記載します。「大規模」「大量」といった表現だけでは、ベンダーごとに前提が変わるため、過去の全社研修やウェビナーの参加人数を基準にします。

機能面では、動画登録、変換、検索、タグ、字幕、チャプター、資料添付、プレイリスト、公開予約、公開期限、差し替え、限定公開、ダウンロード制御、視聴履歴、完了判定、テスト、アンケート、管理者権限、監査ログを分けて書きます。連携面では、社員マスタ、SSO、LMS、CMS、会員基盤、課金、CRM、社内ポータルとの連携方式をCSV、API、SAML、OIDCなど具体化します。

非機能要件には、可用性、バックアップ、復旧目標、暗号化、保存地域、ログ保管、脆弱性対応、サポート時間、障害通知、データ返却・消去を入れます。著作権・肖像権・個人情報については、撮影者、出演者、音楽、画像、講演資料の権利者と、配信地域・期間・二次利用・字幕化の可否を台帳化する項目を入れます。

複数社は同じ条件で比較し、デモと事例を確認する

候補は少なくとも複数社に同じRFPを渡し、初期費用、月額、追加容量、流量超過、オプション、移行、字幕、教育、保守を同じ列で比較します。クラウドサービスとスクラッチ開発を同じ価格表だけで比べず、3年間の総保有コストと、社内で必要になる運用工数を含めます。安い提案でも、ログ出力やSSOが別開発なら、最終的な費用と期間が逆転する可能性があります。

デモでは、ベンダーが用意したきれいなサンプル動画だけでなく、自社の実動画を使います。ファイル名が不統一な動画、字幕が必要な動画、旧版と新版、部署限定の動画、長時間のライブアーカイブを登録し、現場担当者が検索と公開を行います。導入事例は社名の有名さだけでなく、利用者数、動画本数、用途、移行範囲、導入後の運用体制が自社と近いかで読みます。

契約前の質問は、「標準機能と追加開発の境界はどこか」「月額に含まれる容量と流量はどれか」「同時視聴の上限は何人か」「APIの制限と費用は何か」「障害時の復旧目標は何か」「契約終了時にどの形式でデータを返却できるか」「サポートの受付時間はいつか」です。回答を口頭で済ませず、提案書、仕様書、SLA、契約書の該当箇所に残します。

法務・セキュリティ・契約変更を初期見積もりから外さない

動画は、社員の顔、顧客情報、製造ノウハウ、講演資料、音楽、第三者の映像などを含むことがあります。文化庁の著作権契約に関する資料でも、講演の録画物を編集・加工してウェブサイトで配信する利用が例示されています(出典: 文化庁「誰でもできる著作権契約マニュアル」、2026年閲覧)。撮影時に取得した同意が社内限定だけなのか、会員向け・有料配信・海外配信・字幕翻訳まで含むのかを確認し、許諾範囲を超える動画は公開前に止められる仕組みにします。

セキュリティでは、通信・保存時の暗号化、MFA、SSO、管理者権限の分離、IP制限、ウォーターマーク、DRM、視聴ログ、監査ログ、バックアップ、脆弱性対応、インシデント通知を確認します。DRMやIP制限は漏えいを減らす手段ですが、画面撮影まで完全に防ぐものではありません。技術対策、利用規約、社員・会員への教育、退職・契約終了後の停止を組み合わせます。

請負契約では、要件確定後の追加要望を変更管理に通し、納期・費用・受け入れ条件への影響を記録します。準委任契約では、稼働時間と成果物の責任範囲を明確にします。どちらの場合も、要件定義、UI設計、連携、移行、テスト、教育、運用引き継ぎを見積もりの行単位に分けると、後から「含まれていなかった作業」が発生しにくくなります。

動画管理システム開発でよくある質問

動画管理システム開発のよくある質問

ここでは、導入前に特に質問されやすい内容をまとめます。料金や期間は動画本数と利用条件で変わりますので、回答の前提となる数値を自社の要件表に置き換えて確認してください。

動画管理システムはSaaSと自社開発のどちらがよいですか?

標準的な動画登録、検索、限定公開、視聴ログで目的を満たせるなら、初期投資と運用負担が小さいSaaSが向いています。独自の権限、課金、業務フロー、既存基盤との深い連携が成果に直結し、標準機能では差別化できない場合は、パッケージ拡張や専用開発を検討します。

判断では、現在の要望だけでなく、3年後の動画本数、利用者数、連携、監査要件を並べます。SaaSのトライアルで業務シナリオを検証し、足りない機能が本当に業務成果に必要かを確かめてから開発範囲を決めると、過剰投資を抑えられます。

動画管理システムの開発期間はどのくらいですか?

小規模MVPなら2〜4か月、標準業務版なら4〜8か月、大規模・高セキュリティ版なら8〜15か月程度が目安です。これは要件整理、設計、開発、テスト、移行、利用者教育の範囲で変わり、字幕・大量移行・SSO・LMS連携・ライブ・DRMを追加すると長くなります。

期間を短くするには、目的と対象部署を絞り、標準機能を優先し、移行対象を選別し、受け入れ条件を先に決めます。開発だけの期間ではなく、現場ヒアリング、権利確認、データ整理、リハーサル、教育を含む本番稼働までの計画で比較します。

YouTubeや共有ドライブでは動画管理システムの代わりになりませんか?

一時的な共有や一般公開だけなら代用できる場合があります。しかし、社内限定の権限、退職者の停止、公開期限、視聴完了、受講テスト、監査ログ、動画内検索、会員課金などが必要になると、別システムや手作業が増えます。機密情報や研修効果を扱うなら、用途とリスクを整理したうえで専用の動画管理基盤を選びます。

代替サービスを使う場合も、公開範囲、ダウンロード、URL転送、保存地域、利用規約、データ返却、管理者権限、視聴ログの取得範囲を確認します。動画が増えて検索や権限棚卸しに時間がかかり始めた時点が、専用システムを比較するタイミングです。

社内限定動画のセキュリティで何を確認すべきですか?

通信・保存時の暗号化、SSOやMFA、部署・役職単位の権限、IP制限、公開期限、視聴ログ、監査ログ、バックアップ、障害通知、データ返却・消去を確認します。とくに退職・異動・契約終了時のアカウント停止を人事や会員マスタと連動できるかは、日々の運用に直結します。

動画に個人情報、機密情報、第三者の著作物が含まれるなら、法務担当と権利台帳を確認します。セキュリティ機能があっても漏えいを完全に防げるわけではないため、公開承認、利用規約、社員教育、誤公開時の停止手順を合わせて整備します。

まとめ

動画管理システム開発のまとめ

動画管理システム開発は、動画を保存する場所を作るだけの取り組みではありません。要件整理で目的・利用者・動画量・権限・KPIを定め、選定で標準機能と追加費用を確認し、設計開発で動画本体とメタデータを分け、テスト・稼働・定着まで運用をつなげることが重要です。

進め方で押さえるべき要点

判断の軸は、動画本数だけでなく、保存容量、月間転送量、登録ユーザー数、同時視聴者数、限定公開、ライブ、外部連携の6項目です。相場は既製クラウドなら初期0〜10万円程度・月額3.3万〜22万円程度、独自開発ならMVP300万〜800万円、標準業務版800万〜2,000万円程度を目安にし、移行、字幕、制作、保守、追加流量を別途確認します。

公開後の成果は、再生回数だけでなく、視聴完了率、検索時間、問い合わせ件数、研修受講率、公開期限切れ、権限棚卸しの状況で測ります。法務・セキュリティ・データ返却を見積もり段階から確認し、現場が自分で登録・検索・更新できる運用にすると、動画が増えても使われ続ける基盤になります。

まずは1部署・10本程度の動画で要件を検証する

最初の一歩は、全社の動画を集めることではなく、対象業務と利用者を絞り、実動画を使ってトライアルまたは小規模MVPを試すことです。アップロード、タグ付け、検索、限定公開、再生、視聴ログ、アカウント停止までを現場で実測し、改善したいKPIを確認してから本格開発へ進みます。

要件表とチェックリストがまとまれば、複数のベンダーに同じ条件で相談できます。動画管理システムを業務改善の道具として設計し、開発会社の提案力と運用支援まで比較することが、導入後の失敗を減らす近道です。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。