入出庫管理システムのパッケージ/クラウド製品一覧

入出庫管理システムは、業務範囲、記録方式、外部連携、料金体系の4点で比べると、自社の課題に合う製品を絞り込めます。

製品はパッケージ型とクラウド型に分かれ、導入後に自社で担う範囲が違います。主要6製品の特徴と課題別の絞り込み方を押さえれば、候補を2〜3製品まで減らせます。各テーマの詳細は関連記事もご覧ください。

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・入出庫管理システム開発の完全ガイド

パッケージ型とクラウド型入出庫管理システムの違い

パッケージ型の閉域網対応とクラウド型の短期導入を左右で比べた図
方式ごとの強みと導入時の前提を見比べられます。

パッケージ型は、製品を自社のPCやサーバーに導入して使う形態で、通信環境やクラウド契約に頼らず運用する方式を指すことが一般的です。一方、クラウド型は、ベンダーが運用するサービスをインターネット経由で利用します。現在の入出庫管理システム市場では、クラウド型が中心です。

パッケージ型の論点:自社運用と閉域網対応

パッケージ型の例には、PCとSQL Serverで動くWelThingsがあります。WelThingsは、クラウド契約や通信環境に依存せず、社内ネットワーク上で安全に運用できるとうたっています。

自社固有のセキュリティ基準や閉域網、基幹システムとの深い連携に対応しやすい可能性があります。

サーバーの保守やバージョンアップの範囲を、自社で担う場合があります。

クラウド型の強み:短期導入と機能更新の速さ

クラウド型は、サーバーを調達しなくても利用を始められるため、短期間で導入できる点が特徴です。

ベンダーの機能更新も継続して受けられます。

バーコードやQRコードでの入出庫記録、承認ワークフロー、理由コードの分類は、既製機能として提供されています。まず確かめたいのは、標準機能で業務を満たせるかどうかです。

ポイント

閉域網や独自のセキュリティ基準が必要ならパッケージ型、短期間で始めて機能更新を受けたいならクラウド型が候補になります。自社でサーバー保守を担えるかどうかが、判断の目安になります。

製品を比較するときの共通の観点

製品比較でそろえる業務範囲、記録方式、外部連携、料金体系の4項目を並べた図
同じ項目を順に確認すると、製品ごとの違いを整理できます。

自社の業務に合うかは、機能の多さよりも、どの業務をどこまで担えるかで決まります。そこで、業務範囲、記録方式、外部連携、料金体系の4点を、どの製品にも共通する質問として当てて比べます。

検収から在庫反映までのカバー範囲の比較

標準機能が業務のどこまでを担うかは、次の流れに沿って確かめます。

  • 入庫:予定の登録と検収
  • 出庫:指示の発行と承認
  • 記録:理由コードの付与と、在庫・基幹システムへの反映

同じ「入出庫管理」でも、記録の方法によって現場の手順は異なります。たとえば、バーコードで都度記録する方式、重量センサーで自動計測する方式、ハンディ端末で検品する方式では、作業の流れが変わります。

扱う品目の特性や現場の動線に合わせて、実際の業務で確かめてください。

連携・権限・現場の操作性の確認

管理画面が使いやすくても、現場でのスキャンや検品が煩雑だと、記録漏れや問い合わせが増えて定着しにくくなります。そのため、現場の操作性とシステム連携を先に確かめておきます。

  • 現場操作:ハンディ端末・スマートフォンでの操作、通知の見やすさ、承認の代理設定
  • 外部連携:基幹システム、ECモール、会計ソフトとのAPIまたはCSV
  • 管理・契約:拠点別の閲覧権限、操作ログ、データ出力、契約終了時の返却条件

評価の進め方は、入出庫管理システムの選定ポイントで詳しく整理しています。

ポイント

機能の多さより、現場の業務に合うかで比べると判断の基準が定まります。4つの観点を同じ質問で各社に確かめ、回答の差を見てください。

入出庫管理システムの主要クラウド・パッケージ製品6選

2026年7月時点で、現行の公式ページと対象業務を確認できた6製品を取り上げます。掲載の順番はランキングではありません。

製品ごとに記録方式や料金体系が異なるので、自社の課題と利用条件をそろえて比べます。

zaico

zaicoは、バーコードやQRコードによる記録、AIによる納品書・帳票の読み取り、出庫承認のダブルチェックを標準搭載するクラウド型です。

2026年7月時点の月額料金は、スターター8,980円(税込9,878円)、ベーシック49,800円(税込54,780円)です。

プロフェッショナルは月額150,000円〜(税込165,000円〜・要見積)です。ユーザーの追加料金はプランごとに決まっているため、想定する人数で最新の見積りを確認します。

ロジクラ

ロジクラは、入荷・出庫管理を含む在庫管理をクラウドで提供する製品です。

主に通販事業者や小売店舗など、出荷件数の多い企業が検討しています。

LiteとPremiumでは、月の出荷上限と超過時の課金が異なるため、月ごとの出荷件数に照らして比べます。

  • Lite:年契約は12,800円/月、月契約は14,800円/月。月300件まで、301件目からは1件25円
  • Premium:年契約は40,000円/月、月契約は49,000円/月。月2,000件まで、超過分は段階的に単価が下がる
  • 拠点・Enterprise:詳細は要問い合わせ。複数拠点の場合は個別に確認

SmartMat Cloud(スマートマットクラウド)

SmartMat Cloudは、IoT型で入出庫を記録する製品です。現場の作業を変えるのが難しく、スキャン操作を減らしたい場合に検討の候補になります。

  • 在庫記録:重量センサー付きマットで在庫を自動計測し、入出庫や消費をリアルタイムに記録
  • 自動化:在庫が減ったときの自動発注とアラート、補充・回収の自動指示、棚卸も自動で行う

2026年7月時点では、具体的な料金が公式サイトに掲載されていません。確認には、資料請求による個別見積りが必要です。

WelThings(ウェルシングス)

WelThingsは、PCとSQL Serverで動くオンプレミス型の製品です。社内ネットワークで運用でき、クラウド契約や通信環境には依存しません。

WelThingsは、在庫管理と貸出管理の範囲ごとに初期費用が決まり、提供形態はパッケージ版とサブスクリプション版から選べます。

  • 在庫管理:発注、入庫、出庫、引当、ロケーション管理までを含む
  • パッケージ版:初期費用は在庫管理7万円、貸出管理5万円。1ライセンス2.5万円
  • サブスクリプション版:初期費用はパッケージ版と同額。1ライセンス月額1,000円または年額5,000円
  • 試用:30日間の無償トライアルあり

クラウドトーマス

クラウドトーマスは、東証グロース市場に上場する物流会社、株式会社関通が開発したクラウド型です。入出庫、棚卸、ロケーション、在庫差異の管理に対応します。

複数倉庫の在庫コントロールに対応しており、Wi-Fi不要のSIMカード運用も訴求しています。上位のクラウドトーマスProは、中小企業省力化投資補助金の対象認定を公式サイトで確認できます。

なお、2026年7月時点では具体的な料金が掲載されていません。確認は、無料相談や資料請求を通じて行います。

在庫スイートクラウド

在庫スイートクラウドは、株式会社インフュージョンによるクラウド型です。棚卸専用、在庫管理のみのLite、入出庫管理まで行えるProの3プランがあります。

入出庫管理を任せたい場合は、Proの料金と、利用できる機能や端末を確かめます。

  • Pro料金:月額4.0万〜6.5万円(ユーザー数で変動)、初期設定費30万円
  • Pro機能:入荷予定・検品、出荷指示、ピッキングリスト、出荷検品、外部システムとのCSV連携
  • マルチデバイス:全プラン共通で月額1.4万円から。ハンディ端末・スマートフォンでの入力に対応

自社の課題別に候補を絞る方法

検収・承認、操作定着、自社運用、複数倉庫の4課題を並べた候補選定の図
まず優先する課題を定めると、候補の方向性が決まります。

6製品を細部まで比べる前に、最も大きな課題を決めて、それを必須要件にして候補を絞ります。この進め方をとるのは、検収の手作業、出庫件数の多さ、現場定着への不安、社内ネットワーク運用といった課題ごとに、適した製品タイプが異なるためです。

出荷件数が多く検収・承認を効率化したい場合

月間の出荷が多く、検収や承認の時間を短くしたい場合は、汎用クラウド型を候補に入れます。

  • 候補:zaico、ロジクラ、在庫スイートクラウド
  • デモ:検収、出庫承認、理由コード管理の流れを、実際に動かして確かめる
  • 予算:従量課金が発生する条件を、必ず事前に押さえる

中小企業省力化投資補助金のような公的支援の対象になるかどうかは、導入予算を考えるうえで判断材料になります。

現場定着への不安や自社ネットワーク運用が課題の場合

優先する課題によって、候補になる製品が変わります。現場定着や自社運用を重視するか、基幹連携や複数倉庫の管理を重視するかで、比べる製品が分かれます。

  • 操作定着:スキャン定着に不安があるなら、SmartMat Cloud
  • 自社運用:通信環境やクラウド契約に頼らない社内運用なら、WelThings
  • 基幹連携:既存の基幹システムと閉域網で深く連携するなら、WelThingsも候補
  • 複数倉庫:大規模な横断管理なら、クラウドトーマスのようなクラウド型WMS

ポイント

最も大きな課題を1つ決め、それを必須要件にしてから候補を見るのが目安です。課題が複数ある場合は、優先順位を社内で合わせてから製品を比べると、比べる観点がぶれにくくなります。

料金・契約前の確認事項

公開価格だけで選ぶと、出荷件数の増加、外部連携、端末の追加によって、想定外の費用が生じることがあります。そのため、月額だけでなく、初期設定、ハード、教育、解約・データ移行を含む総保有コストで判断します。

課金の対象と追加費用

見積もりを取る際は、現在の件数と1年後・3年後の想定件数を各社に伝え、同じ条件で比べます。

  • 課金単位:ユーザー数、出荷・入出庫件数、拠点数、機能のどれを単位に課金されるか
  • 追加費用:初期費用、従量課金の境界、ハンディ端末やマルチデバイスのオプション

非公開や要問い合わせの料金は珍しくありません。確認できていない金額を推測で比較表に入れず、各社に同じ条件で確かめてください。

データの保管形態と解約時の条件

クラウド型では、入出庫データや取引先情報がベンダーの環境に保管されます。このため、権限管理、操作ログ、バックアップ、委託先、保管場所の扱いを確認します。

オンプレミス型では、自社の保守体制とバックアップ運用が欠かせません。

いずれの型でも、解約時のデータ形式と、移行時のマスタクレンジング支援の範囲を契約前に確かめます。

ポイント

初期設定、ハード、教育、解約時のデータ移行まで含めた総保有コストで判断するのが目安です。非公開の料金は推測で埋めず、同じ条件での回答を各社から得てください。

デモとPoCによる最終候補の絞り込み

資料で比べて2〜3製品に絞ったら、実際の品目と入出庫のパターンを使い、デモまたはPoCを行います。また、担当者に加えて現場のスキャン担当者や承認者も参加すると、導入後の行き違いを減らせます。

1品目を最初から最後まで通すテスト

実在に近い1品目を使い、入庫予定の登録から検収、在庫反映、出庫申請、承認、出庫、理由コードの記録までを確かめます。

正常な処理に加えて、検収時の数量差異、出庫の差し戻し、緊急出庫、棚卸調整も試します。

実際に現場で使う端末と現場に近いケースで操作すると、デモでは見えにくい操作性の課題に気づきやすくなります。

導入効果の実測と稟議への活用

PoCの前に、検収時間、在庫差異の調査件数、承認の滞留時間を記録しておき、PoC後の数値と比べます。

公開事例の数字をそのまま当てはめず、自社の件数と人件費をもとに削減見込みを算出します。ただし、クラウド型であっても、アカウント管理や問い合わせの一次切り分けは残るため、その工数も差し引きます。

ポイント

デモやPoCは、選定の最後に、実際の品目と入出庫の流れで候補を試す段階と考えてください。現場で使う人が実際に操作できるかまで確かめると、導入後のつまずきを減らせます。

入出庫管理システムの製品比較で押さえておきたいポイント

料金やおすすめ順位より先に、自社の記録方式と利用規模をそろえて比べます。

オンプレミスが必要な場合の選択肢(WelThingsなど)

機能や料金を確認しやすい製品は、クラウド型が中心です。

閉域網が必須であれば、WelThingsのようなオンプレミス型も比べます。

自社の情報システム部門と、保守体制を続けられるかを事前にすり合わせてください。

おすすめ製品の決め手:最優先課題

おすすめ製品は、企業ごとに優先する課題によって変わります。検収効率化、現場定着、複数拠点管理、自社ネットワーク運用などのうち、優先する課題に合う製品が候補になります。

必須要件で2〜3製品に絞り、同じシナリオのデモまたはPoCで比べてください。

数年間の総保有コストによる料金比較

同じ利用人数、件数、拠点数、連携条件を各社に示し、複数年の総保有コストで比べます。

初期・月額費用に加えて、ハード、教育、解約時のデータ出力費も含めます。

要問い合わせの製品は、個別見積りを取得します。

まとめ

入出庫管理システムの市場ではクラウド型が中心ですが、汎用SaaS、IoT自動記録型、オンプレミス型など、型はいくつかに分かれています。

紹介した6製品は、それぞれ得意な分野が異なります。対象は、zaico、ロジクラ、SmartMat Cloud、WelThings、クラウドトーマス、在庫スイートクラウドです。

各製品の得意分野は、検収・承認、現場定着、自社ネットワーク、大規模な複数拠点管理などです。

課題診断から2〜3製品への絞り込み

検収の手作業、出庫件数の多さ、現場定着への不安、自社ネットワーク運用の中から、最優先の課題を決めます。

業務範囲、記録方式、外部連携、料金体系を同じ質問で比べれば、広告的な順位に頼らず候補を絞り込めます。

掲載している料金と機能は、2026年7月時点で各社の公式ページから確認した内容です。ただし、最新の条件は、契約前に必ず公式サイトで再確認してください。

実品目のPoCによる最終確認

PoCでは、資料に並ぶ機能の数よりも、実業務を一貫して処理できるかを確かめます。あわせて、削減時間と運用工数を測ります。

  • 実業務を確認:検収から出庫、在庫反映までの一貫処理と例外処理を、関係者で試す
  • 構成を判断:独自の承認フローや深い基幹連携に対応できないなら、個別開発やハイブリッド型も検討の対象になります

riplaは、フルスクラッチ開発の立場から、不足する機能の整理や、自社業務に合わせた入出庫管理の仕組みづくりを支援しています。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。