Web会議システムの発注・外注は、会議機能だけでなく、予約・認証・録画・議事録・既存業務との連携までを要件に含め、SaaS、API連携、SDK組み込み、独自開発から選ぶことが成功の近道です。
「無料や月額制のサービスで十分なのか」「自社専用に開発したほうがよいのか」「開発会社の見積もりをどう比べればよいのか」と迷う企業は少なくありません。本記事では、Web会議システムを発注・外注・委託するときの進め方を、発注形態の選択、RFPと要件整理、契約形態、2026年時点の費用レンジ、委託先の選び方まで順番に解説します。
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Web会議システムを発注するときの全体像

Web会議システムは、映像と音声をつなぐだけのツールではありません。会議URLの発行、参加者の認証、画面共有、チャット、録画、文字起こし、AI要約、会議予約、権限管理、監査ログ、カレンダーやCRMとの連携を含む業務システムです。したがって、発注前に「何を開発するか」よりも「会議の前後にどの業務を改善するか」を整理することが重要です。
会議前・会議中・会議後を一つの業務フローで考えます
会議前には、顧客や社内メンバーの予定調整、資料配布、参加者の本人確認、会議URLの発行があります。会議中には、映像・音声、資料共有、チャット、録画、字幕、発言権限が必要です。会議後には、録画や文字起こしの保存、議事録の検索、タスクの登録、顧客情報への紐付けまで発生します。予約と会議URLを二重入力している、録画はあるが探せないという問題は、会議機能ではなく周辺業務の設計不足から生まれます。
自社開発の対象は通信基盤だけではありません
独自開発を検討するとき、WebRTCやSFUなどの通信技術だけに注目すると、費用と運用負担を見誤ります。実際には、ブラウザやスマートフォンへの対応、低速回線、エコー、録画のトランスコード、オブジェクトストレージ、認証・権限、障害時の復旧、管理画面、データのエクスポートまで設計が必要です。業務上の差別化が予約・顧客管理・議事録検索にあるなら、通信そのものはSaaSやSDKを使い、固有業務の部分に開発費を集中させる方法も現実的です。
発注形態はどれを選べばよいですか?

結論から言うと、利用者が一般的な社内会議や商談を行うだけなら、まず既製SaaSを比較し、固有業務との連携が必要な場合にAPI連携やSDK組み込みを検討します。独自の通信制御や特殊なデータ保管が競争力に直結する場合に限り、フルスクラッチを候補にします。発注形態は、必要な差別化と許容できる運用責任のバランスで決めると判断しやすいです。
SaaSの導入支援を発注する方式です
Google Meet、Microsoft Teams、Zoom、Webexなどの既製サービスを利用し、初期設定、アカウント移行、SSO、カレンダー連携、利用ルール作成、管理者教育を外部へ委託する方式です。通信基盤の開発やアップデートを自社で抱えずに済み、導入までの期間も短くしやすいです。既にMicrosoft 365やGoogle Workspaceを利用している企業は、追加契約だけでなく、既存ライセンスに含まれる機能、アドオン、移行支援、管理運用の差額で比較します。
2026年8月時点で確認したGoogle Workspace公式ページでは、Business Starter、Business Standard、Business Plusなどのエディションが案内され、Meetの参加人数や録画、AI機能などがプランによって異なります。Businessプランはユーザー数300人までを対象とする案内もあるため、人数が増える場合はEnterpriseの条件も確認します(出典: Google Workspace公式料金・FAQページ、2026年8月確認)と確認できます。
API連携やRTC SDK組み込みを発注する方式です
自社の予約画面や顧客ポータルに会議機能を埋め込みたい場合は、既存サービスのAPIやリアルタイム通信SDKを組み込む方式が適しています。会議URLを案件や研修履歴に自動登録したり、録画URLを顧客ページに表示したりできるため、会議前後の業務を差別化できます。既存の映像基盤を使うので、通信サーバーを一から構築するより、初期開発と運用の負担を抑えやすいです。
V-CUBEが紹介するAgora SDKは、WebRTC対応のAPI・SDKとしてWebサービスやiOS・Androidアプリに映像・音声を組み込める選択肢です。公式情報では、開発中は無料で利用でき、利用時間に応じた料金体系やサーバー構築・運用負担の軽減が案内されています(出典: 株式会社ブイキューブ「Agora」、2026年8月確認)。発注時には、参加分数、録画、帯域、サポート、障害時の責任範囲を個別に確認します。
フルスクラッチ開発を発注する方式です
独自の同時接続制御、特殊な認証、閉域環境、国内リージョン指定、独自の録画保管、業界固有の監査要件などがある場合は、フルスクラッチ開発を検討します。ただし、通信基盤まで自社で保有すると、ブラウザやOSの変化、脆弱性対応、負荷増加、障害監視、24時間運用まで責任を負います。競争優位になる機能と、既製技術を利用できる機能を分けることが発注の前提です。
RFPと要件整理はどこまで準備しますか?

RFPは、開発会社へ「この条件で提案と見積もりをください」と伝える依頼書です。完成した仕様書でなくても問題ありませんが、対象業務、利用者、利用端末、同時接続数、録画・文字起こし、既存システム、セキュリティ、納期、予算の考え方は記載します。候補会社へ同じ情報を渡すことで、機能の抜けと見積条件の違いを見つけやすくなります。
利用シーンと成果指標を先に書きます
社内定例、顧客商談、採用面接、研修、ウェビナーでは、必要な機能が変わります。たとえば採用面接なら、社外ゲストのブラウザ参加、録画へのアクセス制限、面接官だけのメモ、候補者情報との紐付けが重要です。研修なら、出欠、録画の視聴履歴、字幕、テスト、受講後のアンケートが必要になります。利用シーンごとに「現在は何分かかっているか」「何を減らしたいか」を書くと、導入効果を評価できます。
「会議の開催数を増やす」だけでは成果が曖昧です。会議URLの発行時間、議事録作成時間、録画を探す時間、参加者確認の手戻り、会議後のタスク登録率など、発注前に測れる指標を置きます。NECのWeb会議活性化ソリューションも、会議前の資料確認、会議中の個人メモ、会議後の資料・メモ閲覧までを対象にしています。会議単体ではなく前後のプロセスを評価する考え方が重要です(出典: 日本電気株式会社「Web会議活性化ソリューション」、2026年8月確認)といえます。
MUST・WANT・将来対応を分けます
MUSTには、ブラウザ参加、SSO、多要素認証、待機室、録画権限、保持期間、監査ログ、カレンダー連携など、導入初日から必要な条件を書きます。WANTには、AI要約、翻訳、ホワイトボード、投票、ブレイクアウトルーム、会議室端末などを置きます。将来対応には、海外拠点、多言語、顧客向けポータル、同時接続数の増加、データ分析などを置くと、初期開発を膨らませずに拡張性を確保できます。
非機能要件もRFPに含めます。たとえば同時接続数、映像品質、許容遅延、稼働時間、障害時の復旧目標、バックアップ、対応ブラウザ、スマートフォン、低速回線、データ保存地域、ログの保存期間を明記します。録画・音声・文字起こしは個人情報や機密情報と結びつく可能性があるため、利用目的、閲覧権限、削除方法、委託先・再委託先も要件に含めると安全です。
Web会議システム開発を外注する進め方

外注は、問い合わせてすぐに開発へ入るのではなく、相談、要件整理、提案・見積比較、契約、設計、開発、テスト、移行、運用の順に進めます。短納期を優先して要件定義を省くと、録画の保存先や外部ゲストの扱いなど、後から変えにくい部分が開発途中で問題になります。発注者側にも、意思決定者と現場代表を置くことが必要です。
提案とPoCで実現性を確かめます
提案段階では、機能一覧だけでなく、採用する発注方式、構成図、既存システムとの接続方法、開発範囲、除外範囲、スケジュール、体制、運用方法を比較します。通信品質や録画が重要な案件では、実際の端末と回線を使ったPoCを行います。外部ゲスト、低速回線、スマートフォン、Bluetoothヘッドセット、画面共有、録画、障害復旧、同時接続を検証し、成功条件を先に決めます。
設計・開発・テストを段階的に進めます
設計では、利用者の画面だけでなく、認証、参加者権限、会議状態、録画ファイル、文字起こし、管理者設定、監査ログ、外部APIのデータ項目を定義します。開発では、まず最小機能を作り、予約と会議、会議と録画、録画と検索のような主要な業務連携を確認します。AI要約や翻訳を後回しにできるなら、会議の開催と記録が安定してから追加します。
テストは画面が表示されるかだけでは足りません。複数拠点からの同時接続、回線切断、再接続、マイク権限の拒否、録画中の退出、会議主催者の交代、参加者の強制退出、保存期間を過ぎたデータの削除まで試します。2026年6月更新のIPA資料でも、Web会議サービスを新たに使う際は初期設定を確認し、セキュリティ機能を積極的に使うことが案内されています(出典: IPA「テレワークを行う際のセキュリティ上の注意事項」、2026年)とされています。
移行と運用設計を契約前から決めます
既存サービスから移行する場合は、ユーザー、グループ、会議予約、録画、参加者履歴、監査ログを何年分移すか決めます。録画を単純に移せないサービスもあるため、API、エクスポート形式、保存容量、移行作業の責任分界を事前に確認します。現場への告知、管理者教育、問い合わせ窓口、利用ルール、障害時の連絡経路も、納品物として扱うと定着しやすいです。
契約形態は請負と準委任のどちらがよいですか?

契約形態は、成果物と仕様が固まっているか、要件を一緒に探索する必要があるかで選びます。請負は完成させる成果物と報酬を合意しやすく、準委任は専門家の作業や進行を委託しながら要件を段階的に詰めやすいです。法的な判断は契約内容によって変わるため、以下は発注実務上の整理として、個別契約は法務担当や専門家へ確認します。
請負契約は完成条件と検収を明確にします
請負で発注する場合は、画面一覧だけでなく、会議の開始・終了、録画、権限、データ削除、外部ゲスト、異常時の挙動を受入条件に落とし込みます。「録画できる」ではなく、主催者が録画を開始し、指定されたストレージへ保存され、権限を持つ人だけが再生でき、保持期限後に削除されることまでが完成条件です。検収方法、検収期間、修正対応、仕様変更時の見積も明記します。
準委任契約は要件探索や専門作業に向きます
利用シーンが複雑で、現場ヒアリングや技術検証をしながら要件を決める場合は、準委任で要件定義やPoCを委託する進め方があります。作業時間や体制、成果の報告方法、意思決定の期限、会議体、未消化作業の扱いを定めることが大切です。準委任だから成果物が不要という意味ではなく、設計書、検証結果、議事録、課題一覧など、各工程で何を提出するかを合意します。
要件定義を準委任で進め、仕様が固まった段階で開発を請負に切り替える二段階契約も選択肢です。逆に、契約を一つにまとめる場合でも、要件定義、MVP開発、追加機能、保守を見積書の行単位で分けます。こうすると、AI要約や会議室端末を見送る判断をしても、通信・認証・記録の中核部分を守れます。
ライセンス・開発・保守の責任分界を分けます
Web会議システムでは、アプリケーション開発会社、SaaS事業者、クラウド事業者、通信会社、会議室機器会社が関係することがあります。どの障害を誰が切り分けるのか、API仕様変更に誰が対応するのか、録画データの復旧責任はどこにあるのかを契約書と運用設計書に記載します。サービス終了やベンダー変更に備え、設定情報、ソースコード、データエクスポート、移行支援の条件も確認します。
Web会議システムの費用相場と内訳

Web会議システムの費用は、利用人数だけでなく、同時接続数、月間会議時間、録画容量、文字起こし量、データ保管地域、既存システム連携、会議室機器、サポート時間で変わります。既製SaaSの料金と、開発会社へ支払う初期費用を混同しないことが大切です。以下の開発費はWeb会議専用の公的統計ではなく、リアルタイム通信、業務SaaS、認証・録画・管理画面を組み合わせた類似案件からの編集部推定です。
既製SaaSは月額数千円から人数に応じて増えます
リサーチノートが2026年8月に確認したGoogle Workspaceの国内公式表示では、Business Starterがユーザーあたり月額950円、Business Standardが1,900円、Business Plusが3,000円の表示で、年契約では異なる金額が案内されていました。契約条件やキャンペーンで変わるため、記事公開時に公式料金を再確認します。この表示を単純な比較軸にすると、10人なら月額8,000〜30,000円程度、50人なら月額40,000〜150,000円程度が基本利用料のレンジになります(出典: Google Workspace公式料金ページ、リサーチノートによる2026年8月6日確認)と整理できます。
ただし、録画、AIによるメモ作成、電話接続、会議室端末、追加ストレージ、管理者向け機能、導入支援が別料金になることがあります。Microsoft 365もTeamsを含むプラン、Teamsなしのプラン、Copilotやセキュリティを追加するプランが分かれているため、既存ライセンスとの差額で判断します(出典: Microsoft 365 Business公式プラン・価格ページ、2026年8月確認)と確認できます。
連携開発からフルスクラッチまでの初期費用です
SaaSの選定、初期設定、SSO・カレンダー連携、管理者教育までなら、30万〜150万円程度が一つの目安です。既存SaaSのAPI連携や業務画面の追加は、予約、顧客・案件との紐付け、Webhook、会議履歴、録画URL連携の範囲で、100万〜500万円程度が推定レンジです。APIの制限やデータ移行量によって大きく変わるため、固定価格として断定できません。
RTC SDKを組み込んだMVPは、ログイン、1対1から小規模会議、画面共有、最低限の管理画面を含めて300万〜800万円程度、中規模の独自Web会議業務システムは、マルチテナント、録画、字幕、権限、監査ログ、外部連携、負荷試験まで含めて1,000万〜3,000万円程度が推定レンジです。独自SFU、冗長化、国内データレジデンシー、24時間運用、広域同時接続まで含むフルスクラッチは3,000万〜1億円超になる可能性があります(出典: Web会議システムの類似案件をもとにした編集部推定、2026年8月)とする推定です。
ランニングコストはTCOで比較します
月額ライセンスだけでなく、クラウド利用料、録画ストレージ、文字起こしや翻訳の従量課金、監視、保守、問い合わせ対応、データ移行、端末、ネットワーク、利用者教育を足し合わせます。録画を長期間残す企業では、参加者数よりも月間録画時間と保存年数が費用を左右します。10人から50人へ増えた場合、ユーザー料金だけでなく、管理対象、アクセス権、サポート件数も増えることを見込む必要があります。
見積もりでは初期費用、月額固定費、従量費、年次更新費、追加開発費、障害対応費を分け、3年から5年の総額を試算します。AI機能を全員に付けるのか、議事録が必要な部門だけに限定するのかでも総額は変わります。AI導入を目的にせず、会議後の検索、タスク化、ナレッジ再利用が何時間減るのかで投資効果を評価します。
委託先の選び方と見積比較のポイント

委託先は、知名度や単価だけでなく、Web会議の実績、リアルタイム通信の知識、業務システムの設計力、セキュリティ、保守体制、データ移行、契約終了後の支援で選びます。既製サービスを販売する会社、SDKを使って組み込む会社、業務システムを開発する会社、ネットワークや会議室まで扱うSIerでは、得意な範囲が異なります。
同じ規模と利用条件の実績を確認します
実績を聞くときは「Web会議を作ったことがありますか」だけで終わらせません。最大同時接続数、月間会議時間、録画容量、対応端末、海外拠点、ゲスト参加、SSO、既存カレンダー、CRMやLMSとの連携、障害時の復旧、導入後の保守を確認します。自社と似た条件の事例が守秘義務で公開できない場合でも、匿名化した規模と役割分担を説明できる会社は比較しやすいです。
提案会社には、通信基盤を自社で持つのか、SaaSやSDKを使うのか、第三者サービスに依存する機能は何かを質問します。たとえば録画やAI要約を外部サービスへ渡す場合は、データの保管場所、学習利用の有無、削除方法、再委託先、障害時の代替策まで確認します。IPAもWeb会議サービスの選定時に、会議データの所在、暗号化、参加者の確認・認証方式を考慮するよう案内しています(出典: IPA「Web会議サービスを使用する際のセキュリティ上の注意事項」、2020年公開・2026年8月確認)とされています。
見積項目を同じ単位にそろえて比較します
見積書は、要件定義、UI・UX設計、通信・認証、会議画面、録画、文字起こし、管理画面、API連携、インフラ、テスト、データ移行、教育、保守に分けてもらいます。「開発一式」の金額だけでは、提案に含まれる範囲が分かりません。各社の項目名をそろえ、機能ごとの数量、工数、単価、期間、前提条件、除外条件を並べると差分が見えます。
安い見積もりほど、録画ストレージ、負荷試験、セキュリティ診断、管理者教育、移行、リリース後の改修が除外されていることがあります。高い見積もりでも、24時間監視、冗長化、SLA、国内データ保管、専任サポートが含まれていれば、同じ条件ではありません。総額ではなく、初期費用、月額費用、従量費、追加費用、契約終了時の移行費を合わせた比較が必要です。
ベンダーロックインと撤退条件を確認します
導入時だけでなく、将来の変更をRFPと契約に入れます。録画、音声、参加者、文字起こし、監査ログを標準形式でエクスポートできるか、APIの利用制限があるか、会議URLやユーザーIDを別サービスへ移せるかを確認します。独自開発でも、通信SDKやクラウドに依存するため、利用規約や価格変更、サービス終了時の代替策まで確認します。
データ削除も重要です。契約終了後に復元不可能な形で録画・録音を削除できるか、バックアップに残る期間、削除証明の発行、再委託先への削除指示を確認します。発注者が管理者アカウントを保有し、設定情報と運用手順を受け取れる契約にしておくと、担当者の異動や委託先の変更があっても事業を止めにくいです。
発注時に確認したいセキュリティと運用

Web会議の録画や文字起こしには、氏名、顔、声、顧客情報、採用情報、医療・教育に関する情報が含まれることがあります。便利なAI機能を導入する前に、誰が利用し、どこへ保存し、何日後に削除し、どの目的に使うのかを決めます。機能の多さより、管理者が設定を制御でき、利用履歴を確認できることを優先します。
認証・権限・録画保管を要件にします
会議コードの推測防止、待機室、入室許可、主催者権限、画面共有の制御、録画開始の通知、参加者の認証、SSO、多要素認証、管理者の操作ログを確認します。録画は、誰が閲覧・ダウンロード・共有できるかを決め、部門や案件単位の権限を設けます。会議終了後に自動で権限を失効させる設計にすると、共有リンクの放置を防ぎやすいです。
保存場所が国内か海外か、暗号化が通信中と保存時の両方に適用されるか、バックアップの保管期間、障害時の復旧、脆弱性対応、サブプロセッサーの開示を確認します。録画を完全削除できるかは、サービス選定時に見落とされやすい項目です。契約前に仕様書と利用規約を読み、社内の個人情報管理ルールや情報分類と一致させます。
障害対応と利用定着を発注範囲に含めます
Web会議は、障害が起きたときに会議や商談を止められない業務です。問い合わせ窓口の時間帯、一次回答の目標、重大障害の連絡方法、復旧目標、代替会議への切り替え、原因報告の範囲をSLAや保守契約で確認します。SaaS事業者、開発会社、社内IT部門のどこが一次窓口になるかも、利用者向けに一つに決めます。
導入後は、利用率だけでなく、会議URLの発行時間、録画の検索成功率、議事録作成時間、外部ゲストの接続失敗、問い合わせ件数、会議後タスクの登録率を確認します。管理者教育と利用者向けマニュアルを納品物に含め、1か月後や3か月後に設定を見直す運用を契約へ入れると、機能を導入しただけで使われない状態を防げます。
よくある質問

Web会議システムの発注では、費用だけでなく、発注方式、既存サービスとの関係、契約後のデータ管理まで確認する必要があります。ここでは、問い合わせ前によく寄せられる質問に直接回答します。
Web会議システムはSaaSと自社開発のどちらがよいですか?
一般的な会議、録画、画面共有、字幕が中心なら、SaaSを導入するほうが短期間で始めやすく、運用負担も抑えやすいです。顧客・案件・研修履歴との深い連携、独自の権限や保管要件がある場合は、API連携やSDK組み込みを検討し、通信基盤まで独自に持つのは差別化に必要な範囲へ限定します。
Web会議システムの開発費用はいくらですか?
SaaSの初期設定・SSO連携は30万〜150万円程度、既存SaaSのAPI連携は100万〜500万円程度、RTC SDKを使ったMVPは300万〜800万円程度が、2026年時点の類似案件から見た推定レンジです。中規模の独自業務システムは1,000万〜3,000万円程度、通信基盤まで含むフルスクラッチは3,000万〜1億円超となる可能性があります。正式な金額は、同時接続数、録画容量、データ保管、連携、保守条件を含むRFPで確認します。
開発会社へ相談する前にRFPは必要ですか?
完成した仕様書は不要ですが、利用シーン、対象利用者、MUST・WANT、同時接続数、録画・文字起こし、既存システム、セキュリティ、希望時期、予算の考え方は整理します。情報が不足している場合は、要件定義やPoCを準委任で先に委託し、結果をもとに開発見積もりへ進む方法もあります。
請負契約と準委任契約はどう使い分けますか?
成果物と完成条件が固まっている機能開発は請負、要件整理やPoCのように検討しながら進める作業は準委任が向きます。二段階に分ける場合は、要件定義を準委任、仕様確定後のMVP開発を請負とし、各工程の成果物、検収、変更管理、責任分界を契約書に明記します。
まとめ

Web会議システムの発注では、最初からフルスクラッチを前提にせず、SaaSで足りる範囲、API連携で差別化する範囲、SDKを組み込む範囲、独自開発が必要な範囲を切り分けます。発注前には、会議前・会議中・会議後の業務を整理し、利用シーンと成果指標を決めます。
発注前に確認する項目をそろえます
RFPには、対象ユーザー、同時接続数、ブラウザ・スマートフォン、ゲスト参加、録画、字幕・文字起こし、SSO、カレンダーやCRMとの連携、データ保存地域、保持期間、削除、監査ログ、SLA、移行、保守を含めます。見積もりは要件定義、開発、インフラ、テスト、移行、教育、月額・従量費を分けてもらい、3年から5年のTCOで比較します。
まずは小さな検証から発注を始めます
候補会社には、同時接続数、月間会議時間、録画容量、既存ID基盤、保存地域、必要な連携先、希望時期を伝え、同じ条件で提案を受けます。PoCで通信品質と記録・検索の流れを検証し、契約では成果物、検収、責任分界、データ返却、削除、保守を確認します。Web会議を導入すること自体ではなく、会議後の情報が業務で再利用される状態を目標にすると、発注の判断軸がぶれにくくなります。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
