Webシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

Webシステム開発の進め方は、要件整理、開発方式と会社の選定、設計・開発、テスト、稼働、社内定着の6フェーズで考えると、抜け漏れを抑えて進行できます。最初に業務上の目的と成功指標を決め、機能だけでなくデータ移行、セキュリティ、運用まで含めて順番に意思決定することが重要です。

この記事では、Webサイト制作との違いから、実際の開発の流れ、SaaS・パッケージ・スクラッチの選び方、2026年時点の費用レンジ、見積書の確認項目までを解説します。社内で使う業務システムでも、顧客が利用する予約・ECシステムでも使えるように、各フェーズで確認する質問とチェックリストを具体的にまとめています。

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Webシステム開発の全体像

Webシステム開発の全体像を整理するイメージ

Webシステムとは、ブラウザやスマートフォンからネットワーク経由で利用し、ログイン、入力、検索、承認、決済、データ更新などの処理を行う仕組みです。Webサイトが情報を読むことを主目的にするのに対し、Webシステムは利用者の操作に応じてデータを保存・計算・連携する点に違いがあります。

WebサイトとWebシステムは何が違いますか?

Webサイトは会社案内、商品情報、ニュースなどを閲覧者へ届ける構成が中心です。一方、Webシステムでは会員登録、権限ごとの画面表示、予約枠の更新、在庫の引き当て、請求や決済、外部サービスとのAPI連携が発生します。そのため、画面の見た目だけでなく、データベース、認証・認可、障害時の復旧、操作履歴、管理者画面まで設計対象になります。

たとえば問い合わせフォームだけならWebサイトの機能拡張で足りる場合がありますが、問い合わせ内容を担当者へ自動配分し、対応状況を一覧化し、顧客ごとの履歴を検索するならWebシステムとして検討します。見積依頼の段階で「何ページ作るか」だけを伝えると、裏側の処理や運用費が抜けるため、「誰が、どのデータを、どの条件で、どこまで処理するか」を言語化します。

SaaS・パッケージ・スクラッチはどう使い分けますか?

SaaSは標準機能に業務を合わせ、短期間で始めたい場合に向きます。パッケージは業務テンプレートを活用しながら自社固有の差分を追加したい場合に選びやすい方式です。ローコード・ノーコードは申請、台帳、簡易ワークフローのように範囲が限定された業務を素早く改善する場合に有効です。

一方、独自の業務フローが競争力に直結し、既存サービスでは重要な要件を満たせない場合は、クラウド上のカスタム開発やスクラッチ開発を検討します。選択の順番は「最初から作る」ではなく、標準機能で満たせる範囲、API連携で補える範囲、追加開発が必要な範囲を分けることです。月額費、ユーザー数制限、API制限、バージョンアップ、サービス終了時のデータ返却まで比較して決めます。

Webシステム開発の進め方・流れ

Webシステム開発の進め方を確認するイメージ

Webシステム開発は、要件整理から定着までを一続きのプロジェクトとして進めます。開発会社に丸投げすると、完成後に「現場では使えない」「移行データが足りない」「障害時に誰へ連絡するか分からない」といった問題が起きやすいため、発注者側も各フェーズの成果物を確認します。

1. 要件整理:目的・業務・データを決めます

最初に「何を作るか」ではなく、「どの業務を、どの指標まで改善するか」を決めます。たとえば受発注業務なら、入力時間を月何時間削減するのか、入力ミスを何%減らすのか、処理状況を何分以内に見えるようにするのかをKPIにします。目的が「現場の要望を全部入れる」だけだと、優先順位が定まらず、予算と納期を守れません。

要件整理では、利用者、業務フロー、例外処理、データ項目、権限、外部連携、利用端末、ピーク時の件数を棚卸しします。成果物として、現状と理想の業務フロー、画面一覧、機能一覧、権限表、データ移行一覧、非機能要件、受け入れ条件を残します。機能はMUST・SHOULD・COULDに分類し、初回リリースに必須の範囲と将来追加する範囲を分けます。

この段階で個人情報、決済情報、機密データを扱うかも確認します。個人データを扱う情報システムでは、正当なアクセス権を持つ従業者を識別し、認証することが求められます(出典: 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」)。認証、権限、操作ログ、バックアップ、委託先管理を後付けにしないことが重要です。

2. 選定:方式と開発会社を比較します

要件の優先順位が決まったら、SaaS、パッケージ、ローコード、クラウドカスタム、スクラッチの順に、標準機能で満たせる範囲を確認します。比較する観点は初期費用だけではありません。導入期間、月額利用料、データ量やユーザー数の上限、APIの有無、カスタマイズ性、将来の拡張、保守窓口、データの持ち出しやすさを同じ条件で評価します。

開発会社は、知名度だけでなく、自社と近い業務の実績、要件定義の体制、データ移行と外部連携の経験、セキュリティ診断の範囲、稼働後の監視・障害対応、内製化や引き継ぎの支援を確認します。RFPを渡す会社を3社程度に絞り、同じ前提条件で提案を求めると、価格差が工数差なのか、対象範囲の差なのかを比較しやすくなります。

契約方式も選定時に決めます。成果物と検収条件を明確にできる工程は請負、要件探索や継続改善のように変更が前提の工程は準委任が合いやすいです。ソースコード、設計書、クラウドアカウント、データの所有権と返却方法、再委託の扱い、脆弱性が見つかった場合の対応を契約書に明記します。

3. 設計・開発:使える画面と安全な基盤を作ります

設計では、画面だけでなく、データモデル、権限、API、エラー処理、ログ、バックアップ、監視、開発・検証・本番の環境構成まで決めます。利用者が最初に触る画面は、ワイヤーフレームやプロトタイプを使って現場と早めに確認します。文言、入力必須条件、検索条件、一覧の並び、CSV出力の項目まで具体化すると、実装後の手戻りを減らせます。

外部サービスと接続する場合は、APIの認証方式、レート制限、タイムアウト、再送、重複登録の防止、障害時の代替運用を設計します。NISTのSP 800-228改訂版は、クラウドネイティブなAPIについて、開発前から実行時までのライフサイクルでリスクを整理し、API GatewayやWebアプリケーションファイアウォールなどの段階的な保護策を示しています(出典: NIST SP 800-228 upd1、2026年3月最終更新)。連携先が動かない場合の業務手順まで設計に含めます。

開発中は、週次の進捗会議だけでなく、動く画面を使ったレビューを行います。要件変更が多い新規サービスなら、MVPを小さく作って利用者の反応を確かめるアジャイル方式が向きます。業務範囲と納期が固く、工程ごとの承認を重視する場合はウォーターフォール方式が進めやすいです。方式の名称より、意思決定者、レビュー日、変更時の費用と納期の扱いを決めることが大切です。

4. テスト:受け入れ条件を満たすか確認します

テストは、実装が終わってからまとめて行う作業ではありません。要件整理の段階で、受け入れ条件を「担当者が承認するとステータスが変わる」「同じ注文番号は二重登録されない」のように具体化し、テストケースへ落とし込みます。単体テスト、結合テスト、総合テスト、負荷テスト、脆弱性診断、ユーザー受け入れテストを役割分担して実施します。

発注者が見るべき項目は、正常系だけではありません。必須項目を空欄にした場合、権限のない人がURLを直接開いた場合、通信が途中で切れた場合、外部APIが遅延した場合、同じボタンを連続して押した場合、過去データを検索した場合も確認します。個人情報を扱う場合は、ログに機密情報を残していないか、バックアップから復元できるかも検証します。

受け入れテストでは、現場の代表者が実業務と同じデータ量・手順で操作します。合格条件、未解決の不具合、暫定対応、リリース延期の判断者を記録し、口頭承認で終わらせません。テスト工程が見積全体の5%以下になっている場合は、どのテストを含むのかを開発会社へ確認します。

5. 稼働:移行とリリースを安全に行います

稼働前には、旧システムや表計算ファイルから移すデータを確定します。移行対象、対象期間、重複や欠損の扱い、変換ルール、件数照合、個人情報の取り扱い、移行失敗時のロールバックを決めます。いきなり全件を移すのではなく、テスト環境で少量のデータを移行し、現場で照合してからリハーサルを行います。

リリース計画には、実施日時、担当者、連絡先、作業手順、確認項目、障害時の切り戻し条件を記載します。顧客向けサービスでは、アクセスの少ない時間帯、メンテナンス告知、問い合わせ窓口、決済やメールの疎通確認も必要です。社内業務なら、旧運用をいつ停止するか、紙や表計算での暫定運用を残すかを現場と合意します。

通信暗号化は「HTTPSにする」とだけ書かず、TLSの設定方針、証明書更新、古い暗号方式の扱いを確認します。IPAのTLS暗号設定ガイドラインには、用途に応じたセキュリティ水準とチェックリストが掲載されています(出典: IPA「TLS暗号設定ガイドライン」2025年4月25日版)。本番環境だけでなく、管理画面や検証環境の公開範囲も確認します。

6. 定着:運用と改善を仕組みにします

稼働しただけでは、Webシステム開発は完了しません。利用者が新しい手順を理解し、日々の業務で使い、改善要望を適切な順番で反映できて初めて成果が出ます。操作マニュアル、短時間の研修、問い合わせ窓口、管理者の権限、障害時の連絡網を用意し、部署ごとの推進担当者を決めます。

運用開始後は、ログイン率、処理時間、エラー件数、問い合わせ件数、手戻り率など、要件整理で決めたKPIを確認します。毎週は障害と問い合わせ、毎月は利用状況と改善候補、四半期ごとは費用と性能、権限、バックアップ、契約を見直します。小さな改善を継続する契約にする場合は、月の稼働枠、優先順位の決め方、緊急対応の条件を明確にします。

保守では、バグ修正だけでなく、OS・ミドルウェアの更新、脆弱性情報の確認、監視、バックアップ、復旧訓練、クラウド費の最適化も対象になります。保守会社が変わっても運用できるように、構成図、手順書、アカウント一覧、ソースコード、データ定義、障害履歴を自社でも保管します。定着フェーズを見積と契約に含めることが、ベンダーロックインの予防になります。

Webシステム開発の費用相場と内訳

Webシステム開発の費用を検討するイメージ

Webシステム開発の費用は、方式、機能数、利用者数、外部連携、データ移行、性能、セキュリティ、運用体制によって変わります。以下は発注前の予算を置くためのレンジであり、要件確定後の見積金額を保証するものではありません。特定の金額だけを比較せず、初期費用と3年程度の総保有コストを合わせて判断します。

規模別の費用と開発期間の目安

公開相場では、クラウド型・SaaS型の初期費用は無料から100万円程度、パッケージ型は100万〜300万円、フルスクラッチは300万円以上と整理されています(出典: 秋霜堂株式会社「システム開発の費用相場」2026年7月更新)。ただし、これは方式別の公開目安です。独自の業務処理や複数の外部連携が増えると、同じWebシステムでも費用と期間は大きく変わります。

発注前の概算としては、簡易な会員・予約・申請・業務アプリなら100万〜300万円、1〜3か月程度を置きます。既存SaaSやパッケージの設定とAPI連携が中心なら、初期50万〜300万円、数週間〜3か月程度が一つの目安です。権限、複数部署、顧客管理、受発注、在庫などを含む中規模案件は500万〜1,500万円、3〜8か月程度を想定します。

大規模EC、金融・公共系、複数拠点の基幹連携、24時間運用、厳格な監査を含む案件は1,500万〜5,000万円以上、6〜18か月程度になる場合があります。中規模以上のレンジと期間は、公開相場、複数領域のスクラッチ開発は半年〜1年以上というリサーチ情報、一般的な工程量から推定した目安であり、公定価格や統計的な平均ではありません。利用者数、ピーク時のアクセス、データ量を添えて開発会社へ確認します。

見積書ではどの費用項目を確認しますか?

費用は「工数×人月単価」を基本に考えます。リサーチノートではエンジニアの月額単価を80万〜120万円程度としていますが、PM、要件定義担当、設計者、テスト担当、インフラ担当など役割によって単価は異なります。見積書に人月、担当役割、期間、工程、管理費、テスト費が書かれているかを確認します。

工程別には、要件定義、基本・詳細設計、実装、テスト、リリース準備・移行、プロジェクト管理を分けます。公開されている中規模案件の例では、要件定義が全体の15〜20%、設計が20〜25%、実装が30〜40%、テストが15〜20%、移行と管理がそれぞれ5〜10%という目安が示されています(出典: 秋霜堂株式会社「システム開発の外注費用相場」2026年更新)。案件によって変わるため、比率そのものより、工程が一式に隠れていないことを重視します。

初期費用以外には、クラウドのサーバー・データベース・ストレージ・監視費、ドメインと証明書、メール・SMS、決済手数料、バックアップ、脆弱性診断、保守契約、追加開発費が発生します。特にSaaSは月額だけでなく、ユーザー数、保存容量、API利用、サポートプラン、最低利用期間を確認します。スクラッチは初期費用が高くても、利用者数が増えたときの従量課金やライセンス費を抑えられる場合があります。

3年TCOと予備費を含めて予算化します

比較する総額は、初期開発費に36か月分のクラウド・ライセンス・保守費、予定する追加開発費、移行や教育の費用を加えた3年TCOで考えます。決済を使うなら取引手数料、通知を使うならメール・SMSの従量費も加えます。障害による販売停止や手作業への切り戻しが大きな損失になるサービスでは、安さだけでなく、冗長化、監視、復旧目標の費用も比較します。

予算には、仕様変更やデータ品質の問題に備えた予備枠を持たせます。ただし、根拠のない予備費を総額に上乗せするのではなく、「データの欠損が判明した場合」「外部APIの仕様が変わった場合」「追加の負荷試験が必要になった場合」のように発生条件と上限を記載します。見積金額が低い会社ほど、何が含まれていないかを質問します。

Webシステムの見積もりを取る際のポイント

Webシステム開発の見積もりを比較するイメージ

見積もりの精度は、発注者が渡す前提条件の精度に左右されます。機能名を並べた資料だけでなく、利用者、業務フロー、データ、外部連携、品質、運用、納期、予算上限をRFPに記載します。要件が完全に決まっていない場合は、開発費をいきなり確定させるのではなく、要件定義・プロトタイプの費用を先に見積もる方法もあります。

RFPに入れるべき項目を先に揃えます

RFPには、背景と目的、対象業務、利用者と人数、現行業務の課題、希望するKPI、機能一覧、画面のイメージ、権限、データ項目、外部システム、移行対象、対応端末、希望納期、予算の考え方を記載します。機能一覧には、必須・希望・将来の区分と、実現できたかを判定する受け入れ条件を添えます。

非機能要件は特に漏れやすい項目です。ピーク時の同時利用者数、1日の処理件数、画面表示の目標時間、稼働時間、障害から復旧するまでの目標、バックアップ頻度、ログ保存期間、認証方式、権限、監視、脆弱性診断、アクセシビリティ、個人情報の保管場所を決めます。数字を決められない項目は、開発会社に必要な確認質問を出してもらいます。

移行では、データの件数だけでなく、コード体系、顧客名の揺れ、日付形式、削除済みデータ、添付ファイル、過去履歴の扱いを整理します。連携では、API仕様、認証情報の管理、エラー時の再送、連携先のメンテナンス時間を記載します。これらを先に共有すると、会社ごとに違う前提で見積もる事態を防げます。

複数社の見積もりは同じ条件で比較します

相見積もりは3社程度に依頼し、同じRFP、同じ納期、同じリリース範囲で提案を求めます。総額だけでなく、要件定義、設計、実装、テスト、移行、教育、プロジェクト管理、インフラ、保守を分けて確認します。「一式」が大きな金額を占める場合は、作業内容、担当ロール、工数、成果物を説明してもらいます。

提案内容では、担当者が要件の曖昧さをどれだけ質問したかも評価します。質問が少なく、すぐに安い金額だけを出す会社は、後から仕様追加になる可能性があります。逆に、要件の優先順位、リスク、代替案、段階導入の方法、保守費、将来の拡張を説明する会社は、プロジェクト全体を見ていると判断しやすいです。

選定面談では、プロジェクト責任者、要件定義担当、開発リーダー、運用担当が誰か、契約後も同じメンバーが参加するかを確認します。再委託がある場合は、担当範囲、品質管理、情報管理、障害時の責任の所在を聞きます。実績は社名や件数だけでなく、課題、利用規模、連携、期間、稼働後の成果まで確認します。

低すぎる見積もりと追加請求を防ぐチェックリスト

見積書を受け取ったら、まず対象範囲と対象外を確認します。画面数、権限数、外部連携数、移行件数、対応ブラウザ、テスト種別、インフラ環境、マニュアル、研修、保守期間が書かれているかを見ます。開発・検証・本番の3環境、バックアップ、監視、ログ保存が含まれているかも確認します。

次に、仕様変更の扱いを確認します。変更の定義、無償で対応する軽微な修正の範囲、追加時の単価、納期への影響、承認者を契約前に決めます。請負契約でも、発注者の承認が遅れた場合や外部サービスの仕様変更があった場合の扱いを確認します。準委任契約なら、時間単価、稼働上限、成果物、品質確認の方法を確認します。

最後に、稼働後の責任範囲を見ます。障害の受付時間、初動時間、復旧目標、セキュリティパッチ、データ復元、原因報告、定期レポート、追加改修の窓口が明記されているかを確認します。ソースコードとデータを自社が取得できるか、クラウドアカウントを誰が契約するか、契約終了時にどの形式で返却されるかも、将来の選択肢を守る重要な確認項目です。

よくある質問(FAQ)

Webシステム開発の疑問を確認するイメージ

Webシステム開発で特に相談の多い疑問を、発注前に判断できる形で回答します。自社の業務やデータの条件によって最適解は変わるため、回答をそのまま当てはめるのではなく、開発会社への質問項目として活用してください。

Webシステム開発にはどのくらいの期間がかかりますか?

小規模な会員・予約・申請システムなら1〜3か月、権限や複数連携を含む中規模案件なら3〜8か月、大規模な基幹連携や高い可用性を求める案件なら6〜18か月程度が目安です。要件整理、意思決定、データ移行、受け入れテストに時間がかかると、実装期間だけを短くしても全体の納期は短縮できません。

予算が少ない場合はどの方式から検討すべきですか?

まずSaaS、パッケージ、ローコードで業務を満たせる範囲を確認し、独自性の高い部分だけを追加開発する方法を検討します。新規サービスの場合は、MVPとして必須機能に絞り、利用データを見ながら段階的に拡張すると初期投資を抑えやすいです。ただし、将来のデータ移行、API制限、ライセンス費、セキュリティ要件を確認せずに安い方式だけで決めると、後から高額な作り直しになる場合があります。

開発後の保守費用は何を見て比較すればよいですか?

保守費用は、障害対応、問い合わせ、監視、バックアップ、セキュリティパッチ、クラウド運用、軽微な修正のどこまで含むかで比較します。費用だけでなく、受付時間、初動と復旧の目標、対応可能な時間帯、緊急時の連絡方法、月の改修枠、対象外作業を確認します。初期費用に対する月額保守料を示す会社もありますが、サービス内容と利用規模を合わせて判断します。

個人情報を扱うWebシステムで最低限確認することは何ですか?

利用者の識別・認証、役割ごとの権限、通信と保存データの暗号化、操作ログ、脆弱性対策、バックアップと復旧、委託先の管理を要件に含めます。管理者権限の分離、多要素認証、不要なアカウントの無効化、ログの保存期間と閲覧権限も確認します。個人情報保護委員会のガイドラインやIPAのTLS暗号設定ガイドラインを参照し、扱う情報の種類とリスクに応じて診断範囲を決めます。

まとめ

Webシステム開発のまとめと次の行動を考えるイメージ

Webシステム開発は、要件整理、選定、設計・開発、テスト、稼働、定着の6フェーズで進めます。成功のポイントは、最初に業務の目的とKPIを明確にし、MUST・SHOULD・COULDで機能を整理し、SaaSやパッケージで満たせる範囲を確認したうえで、必要な部分へ開発投資することです。

発注前に6フェーズの責任者と成果物を確認します

発注前には、要件整理の責任者と受け入れ条件、選定時の比較軸、設計レビューの参加者、テストの合格条件、移行と切り戻しの手順、稼働後の問い合わせ窓口を決めます。見積書では初期費用だけでなく、外部連携、データ移行、セキュリティ、クラウド、保守、追加開発を分け、3年TCOで比較します。

まずは現行業務と理想の状態を1枚に整理します

最初の一歩は、現行業務の流れ、困っている作業、利用者、データ、外部連携、改善したいKPIを1枚にまとめることです。その資料をもとに、標準サービスで足りるか、追加開発が必要か、どの方式と開発会社が合うかを比較すると、曖昧なままの見積もりや稼働後の追加請求を抑えやすくなります。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。