WebLogicのシステム開発費用は、規模、可用性、移行範囲によって、50万円程度から数億円以上まで幅があります。
連携数や運用体制も見積もりを押し上げるため、金額を見るときはこうした条件をあわせて確認することが大切です。費用の内訳と、見積もりで確かめたい点も順に説明します。
▼全体ガイドの記事
・WebLogicのシステム開発の完全ガイド
Webサービス開発の費用の考え方や見積もりの注意点については、無料ホワイトペーパー「Webサービス開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
WebLogicのシステム費用を考える全体像
WebLogicのシステム費用は、製品の価格ではなく、アプリケーションを安全に動かし続けるための総保有コストとして考えます。初期構築費だけを見ると、運用を始めてから想定外の支出が生じかねません。
業務アプリを支えるミドルウェアという位置づけ
WebLogicの費用を見積もるには、製品と業務システムのそれぞれの役割を分けて考えます。
- 業務アプリの実行:ブラウザやスマートフォンからの要求を受け、中間層でJavaアプリを動かします。
- システム間の接続:データベースや外部サービスとつなぎます。
- 見積もりの分解:基盤、アプリ、移行、試験に分けて考えます。
構成には、Administration ServerとManaged Serverを設けます。そのうえで、JDBCデータソースやJMS、JTAトランザクションを組み合わせます。さらに、セキュリティと運用に関わる要素も加えます。
- 認証:利用者を確かめる仕組みです。
- TLS:通信を暗号化する仕組みです。
- ログ:動作の記録を残す仕組みです。
- 監視:稼働状況を見守る仕組みです。
ライセンスを契約しても、画面やAPI、業務ルール、データ移行の作業は残ります。また、「基盤一式」などの項目は、作業範囲と成果物を確かめてからでないと、会社間で比べられません。
初期費用と運用費用の分け方
見積もりは、初期費用と運用費用に分けて整理します。既存システムの更新作業も、費目に含めて考えます。
- 初期費用:設計、構築、開発、テスト、移行、教育が対象です。
- 更新案件:調査、互換性診断、修正、変換、切り戻しを含めます。
- 運用費用:サポート、環境、監視、保守、訓練が続きます。
運用費用には、ライセンスのSoftware Update License & Supportが含まれます。加えて、環境利用料、監視、バックアップも対象になります。脆弱性や障害への対応、軽微な改修、定期訓練も、この中に入ります。
WebLogic Server 15.1.1(15c)は、Java SE 17/21とJakarta EE 9.1に対応するLTSとして案内されています。Oracleの発表では、Premier Support 5年とExtended Support 3年が示されています(出典: Oracle公式発表)。
採用するかどうかは、既存アプリの依存ライブラリ、javaxからjakartaへの変更、古い機能の利用状況で決まります。新しいバージョンに上げても、短期的なコスト削減になるとは限りません。
WebLogicのシステム開発費用相場の目安
WebLogic固有の国内開発費を示す公的な一律の統計は少ないため、ここに示すのは、業務システムの相場に商用ミドルウェアなどを加味した推定レンジです。
PoCや開発環境の費用目安
PoCや開発環境を整える前に、検証の目的と対象範囲を決めておきます。
- 費用と期間:50万〜300万円程度、2〜8週間程度です。
- 基本範囲:1ドメイン、単一Managed Serverで代表的なJavaアプリを検証します。
- 目的:採用、互換性、性能上限のいずれかを確かめます。
この範囲では、DB接続、認証、簡単な負荷確認を行います。既存アプリの調査や複数の外部連携、クラスタのフェイルオーバーまで検証すると、費用と期間は増えます。
代表画面の確認だけでは、本番移行時に問題が見つかるおそれがあります。そのため、トランザクションやJMS、バッチも検証対象に入れます。帳票やSSO、ファイル連携、異常系も最低限の検証として扱い、テスト費用は目的に応じて配分します。
小規模な業務Webシステムの費用目安
小規模な業務Webシステムでは、業務アプリの開発範囲と環境構成を合わせて見積もります。
- 費用と期間:1,000万〜3,000万円程度、4〜9か月程度です。
- 開発期間:4〜9か月程度を見込みます。
- 費用の変化:契約状況や業務ルールの複雑さで上下します。
このレンジには、WebLogicを使う業務アプリの開発費も含まれます。対象になるのは、画面やAPI、DB連携、認証です。基本監視、テスト、初期データ移行も含みます。
想定しているのは、2台程度のManaged Server、ロードバランサー、バックアップです。開発・検証・本番の複数環境も整えます。
会計、在庫、顧客などの業務ルールが複雑なら、画面数が少なくても費用は上がります。さらに、ライセンスを保有しているかどうかや、別契約の有無でも金額は変わります。
既存の業務パッケージを使い、WebLogicを接続基盤として設定するなら、費用はスクラッチ開発より抑えられる可能性があります。
高可用性・大規模案件の費用目安
高可用性や大規模対応では、障害試験、段階移行、運用体制が見積もりに影響します。
- 中規模:クラスタ、SSO、複数DB・外部連携、性能・障害試験、段階移行、24時間運用を含み、3,000万〜1.5億円程度です。
- 大規模:複数拠点、ERP・基幹連携、大量データ移行、災害対策、運用組織の変更を含み、1.5億〜数億円以上です。
- 試験範囲:障害時の復旧と切り戻しも確認します。
大規模案件の費用は、停止できる時間、障害時の自動復旧の範囲、既存資産を使い続ける範囲で変わります。
通常時の試験に加えて、Managed Server停止、ネットワーク断、DB切替、メッセージ再送も確かめます。計画期間は、中規模で9〜18か月、大規模で18か月から数年です。
WebLogicの費用の内訳とランニングコスト

予算は、総額を費目ごとに分けて組みます。ライセンスや基盤構築、業務アプリ開発は、移行や運用保守と別契約になることがあります。
エディションと契約方式で決まるライセンス費
2025年3月1日版の価格表では、米国のProcessor価格が示されています(出典: Oracle Technology Global Price List)。
- Standard Edition:WebLogic Server Standard Editionは10,000ドルです。
- Enterprise Edition:Processor価格は25,000ドルです。
- WebLogic Suite:Processor価格は45,000ドルです。
Software Update License & Supportは、各エディションで年2,200ドル、5,500ドル、9,900ドルです。1ドル150円で換算すると、初期価格は約150万円、375万円、675万円になります。
同じ換算では、サポート費は年約33万円、82.5万円、148.5万円です。ただし、これは米国リスト価格を使った参考計算で、日本の契約価格や最終的な見積もりではありません。
実際の費用は、Processorの定義と数、サーバー構成、契約割引で変わります。さらに、為替、税、サポート条件も影響します。
冗長化やCoherenceなどの追加要件は、別に見積もります。また、Oracle Database、監視製品、バックアップ製品などを、WebLogicの価格に含めるかどうかも確認します。
サーバー・クラウド・ネットワークの費用
オンプレミスでは、物理または仮想のサーバーやストレージ、ネットワークの費用が必要です。ロードバランサー、バックアップ、データセンター、OS、監視の費用も加わります。
- オンプレミス:機器、OS、監視、施設の費用がかかります。
- クラウド:計算資源や通信などが継続課金されます。
- 課金方式:BYOLとUCMでライセンス費の扱いが異なります。
クラウドでは、コンピュートやブロックストレージ、ロードバランサーが継続して課金されます。通信、バックアップ、ログ保管、鍵管理なども対象です。環境数と稼働時間が多いほど、総額は増えます。
OCIのWebLogic Server for OCIには、既存ライセンスを使うBYOLという方式があります。ただし、利用には有効なライセンスとサポート契約が必要です。
もう一つは、OCPU時間に応じて利用権を支払うUniversal Credits Model(UCM)です。UCMでは、WebLogicの利用権相当とコンピュート資源を支払います(出典: Oracle公式ドキュメント)。一方、BYOLでは主にコンピュート費用を支払います。
UCMは初期購入を抑えやすい反面、常時稼働や台数が増えると月額が膨らみます。そのため、稼働率と契約期間を試算します。
初期開発費の10〜20%を起点にした保守費
保守費は、契約に含める作業と対応範囲を決めてから見積もります。
- 費用の目安:業務システムの一般的な目安として、初期開発費の年10〜20%程度から考えます。
- 契約範囲:受付時間だけでなく、対応内容まで見ます。
- 緊急対応:別料金となる条件を、通常保守と分けて確かめます。
この目安は、WebLogicの契約料金を一律に示すものではありません。費用は、どの作業を保守の範囲に含めるかで変わります。たとえば、CPU適用や脆弱性対応、障害対応、バックアップ確認、DR訓練などが、その範囲に入ります。
契約では、一次切り分けと専門担当者、復旧目標を確かめます。オンサイト対応や月間の改修時間、パッチ検証、報告書、運用改善提案も確認します。
特に、障害時に緊急対応費が別途発生すると、安い契約でも年間費用が逆転することがあります。
WebLogicの費用が変動する主な要因

同じWebLogicでも、見積もりが数倍になることがあります。その差は、必要な可用性や処理量、連携数、既存資産、移行の難しさ、役割分担によって生まれます。そのため、各社の見積もりがどんな前提を置いているかを確かめます。
可用性・性能・セキュリティの要求による費用の違い
非機能要件に応じて、必要な構成や試験の深さが変わります。
- セキュリティ:管理ポート、TLS、監査ログなどを設計します。
- 責任分担:平常時と障害時の担当者を決めます。
同時接続数とピーク時のトランザクションの条件が厳しいほど、構成と試験は増えます。残りの条件は次のとおりで、いずれも見積もりに響きます。
- 応答時間:目標とする応答の速さです。
- 稼働率:システムを動かし続ける割合の目標です。
- RTO:障害から復旧するまでの目標時間です。
- RPO:障害時に戻せるデータの時点の目標です。
- データ保持期間:データを残しておく期間です。
夜間に停止できる社内システムと、24時間365日止められない外部向けサービスでは、画面数が同じでも設計と試験の深さが違います。そのため、クラスタや負荷分散、冗長ストレージ、監視、バックアップ、性能試験も必要になります。
管理ポートの非公開やMFA、監査ログの長期保存も、基盤と運用の費用に響きます。公開Webでは、認可漏れやSQLインジェクション、XSS、CSRFも確認の対象です。
セキュリティ費用を抑える場合は、対策の対象と優先順位を決めて絞り込みます。管理ポートやJDK、証明書、OSの責任者も明確にしておきます。WAFや秘密情報、ログ、バックアップについても、担当を決めておきます。
既存アプリの移行範囲が生む最大の変動要因
既存の12cやJava 8から移行する場合は、まず現行環境を洗い出し、互換性を診断することが必要です。WebLogicやJDKなどの基盤に加えて、次の項目も調べます。
- OS:稼働させるOSの環境です。
- DB・JDBC:データベースとの接続方法です。
- JMS・EJB:メッセージ連携と業務部品の仕組みです。
- 認証・外部連携:ログインと外部システムとの接続です。
移行範囲の広さは、アプリが1本か複数かで大きく変わります。さらに、各アプリをどう扱うかでも費用が動きます。
- 単一アプリ:更新・修正・試験は500万〜3,000万円程度です。
- 複数アプリ:大規模なJakarta移行では3,000万〜1.5億円程度です。
- 移行対象:「継続」「修正」「再構築」「廃止」に分けます。
独自ライブラリやバッチ、帳票、運用スクリプトも調べます。そのうえで、javaxからjakartaへの変更や、削除された機能を使っていないかを確認します。その結果を上の4つの区分に当てはめると、費用と納期を整理できます。
移行の難しさは、対象機能と依存関係の調査結果で見極めます。Oracleも、15.1.1へのアプリ更新を支援するOpenRewriteレシピを案内しています(出典: Oracle公式ブログ)。
自動変換のあとも、本番に出せる品質かは別に確かめる必要があります。変換後は、コードレビューや画面、トランザクション、性能、障害の各試験を行います。
連携数と運用体制による見積もりの押し上げ
連携の対象には、ERPや販売管理、認証基盤が含まれます。さらに、ファイルの受け渡しや外部サービスとの接続など、形の異なる連携も見積もりに入ります。
- ファイル転送:ファイルを受け渡す連携です。
- 外部API:外部のサービスと機能をつなぐ連携です。
- メッセージング:メッセージをやり取りする連携です。
- 帳票:帳票の出力や受け渡しに関わる連携です。
- 決済:決済サービスとの連携です。
障害時に再送を考える設計も、連携の一部として含まれます。
データ形式の揺れやマスタの不整合には、データクレンジングと業務側の確認工数も必要です。
- 連携範囲:接続先が増えるほど設計と試験が増加します。
- データ品質:揺れや不整合には整備工数が必要です。
- 運用体制:内製と委託の分担で保守費が変わります。
Q&Aや現場ヒアリングで見つけた例外処理も、見積もりに反映します。障害の一次対応や24時間運用を、どこが担うかも決めておきます。
発注者、開発会社、クラウド事業者の役割は、RACIや運用分担表で示します。
どこまでを誰が受け持つかが曖昧なまま価格を下げると、障害時に対応する主体が決まらず、復旧が遅れるおそれがあります。そのため、見積書には各社の担当範囲を添付します。
WebLogicのシステム費用を抑えるための進め方

費用を抑えるには、必要な品質を保ちながら、後から高額になりやすい不確実性を早めに減らします。移行対象、環境数、試験範囲、運用の役割を、段階的に決めていきます。
最初の互換性診断と小さなPoC
本番環境を一括で設計する前に、小規模な診断とPoCで移行リスクを早期に把握します。
- 対象を選ぶ:代表業務、古いライブラリ、重要連携を調べます。
- 仮説を確かめる:互換性、負荷、移行、切替を検証します。
- 結果を残す:リスクと次工程の見積条件を記録します。
検証では、重要なJMSや外部連携も確認します。仮説には、WebLogicやJDKのバージョン、アプリ互換性、ピーク負荷、データ移行方式、切替時間を含めます。なお、費用は50万〜300万円程度です。
診断の結果として残すものは、互換性診断表、再現手順、性能結果、採用バージョンです。「動いた」という一言では、発注の根拠として足りません。
診断の対象外にした機能も明記し、本番工程で追加費用になる可能性を、発注側と開発会社で共有しておきます。
標準化と環境の絞り込みによる構築工数の削減
WebLogicのドメイン構成と命名、デプロイ手順を標準化し、各環境で再利用できるテンプレートを作ります。そのほかに標準化するのは、データベース接続やメッセージ、ログ、監視に関わる設定です。
- JDBC:データベースへの接続設定です。
- JMS:メッセージを扱う設定です。
- ログ:ログの出力と保管の設定です。
- 監視:稼働状況を見守る設定です。
Infrastructure as Codeや自動デプロイを使うと、設定の差分や環境の作り直しにかかる工数を減らせます。
- 設定を標準化:再利用できる構成と手順を整えます。
- 不要分を整理:使わない機能や環境を外します。
- 環境を選別:品質と復旧目標を基準に数を決めます。
既存の設定をそのままテンプレート化すると、不要な複雑さも引き継いでしまいます。テンプレートを作る前に、そこを見直しておく必要があります。
開発者専用と共有検証のどちらにするか、災害対策環境を常時稼働させるかは、リリース頻度と復旧目標から判断します。
クラウドでは、本番と開発の環境を分けておくと、開発環境を必要なときだけ起動できます。その結果、コンピュート費を見直せます。
移行と追加開発の段階化による予算管理
影響の小さいアプリから移行し、性能と障害対応の結果を次の段階の計画に反映します。
- 移行を分割:調査から切替・ロールバックまで段階化します。
- 追加開発を調整:Mustから始め、運用データを見ながらShouldを加えます。
- 完了条件を定義:各段階の判断材料と条件を契約に記します。
実際の作業では、環境を更新したあとにアプリを修正し、データを移行して並行稼働で確かめます。切替の前には、ロールバックの手順も準備しておきます。
切替日を無理に縮めず、リハーサルと戻し方を計画しておけば、休日対応や緊急改修の追加費用を抑えられます。
将来追加するAPIやマスタ、権限、監査ログの拡張余地は、初期設計の段階で確保しておきます。機能を後回しにすることと、設計を省くことは同じではありません。
将来の進め方は、ロードマップとして契約書に記載し、共有します。
WebLogicの見積もりを取る際のポイント
見積もりの精度は、発注者が渡す情報の細かさにも左右されます。IPAのCoBRA法に基づく考え方では、過去プロジェクトの規模や工数のデータと変動要因をあわせて評価します(出典: IPA CoBRA法に基づく見積もり支援ツール)。
WebLogic案件では、画面数に加えて、連携数やピーク負荷、移行データ、可用性、既存コードの状態を伝えます。
見積依頼書に書く現行構成と非機能要件
依頼書には、WebLogicとJDKのバージョン、OS、DBを記載します。ドメイン数、Managed Server数、クラスタ、デプロイ方法も書きます。あわせて、JDBCやJMS、認証の情報も示します。外部連携、バッチ、帳票、ソースコードの有無も、同じ依頼書に書いておきます。
- 現行構成:製品、環境、連携、既存資産を記載します。
- 非機能要件:負荷、稼働率、復旧目標、切替条件を示します。
- 納品条件:設計・試験・運用資料の受領範囲を決めます。
まだ決まっていない項目は「未確定」と書き、前提条件と調査費を分けて出してもらいます。
納品の候補には、設計書やソースコード、テスト結果が含まれます。そのほかの候補は次のとおりで、どこまで受け取るかを発注側が決めます。
- 環境定義:環境の構成を示す資料です。
- IaC:環境を自動で作るためのコードです。
- 運用・障害対応手順:日々の運用と障害時の対応の手順です。
- 教育資料:運用担当者向けの教育に使う資料です。
- 移行リハーサル結果:本番移行前の予行演習の結果です。
同時接続数、ピークTPS、応答時間、稼働率、RTO・RPOといった数値に加え、データ量、希望切替日、保守時間帯も伝えます。なお、納品物が不足すると、保守会社を変える際に再調査費がかかることがあります。
複数社の対応範囲による比較
複数社には、同じRFPと前提条件を渡します。ライセンス、基盤、アプリ、移行、テスト、保守を同じ分類にそろえて比べます。インストールや業務要件定義、データ移行の得意分野も、会社ごとに異なります。
各社が、Oracle製品の販売・保守、クラウド移行、大規模SI、Java/Jakarta EE、監視・DRのどこを担当できるかも確認します。質問では、15cの移行実績やjavax依存の診断方法を尋ねます。
保守では、どこまでを誰が受け持つかも質問します。性能試験の負荷モデルや、切替に失敗したときのロールバック担当、ライセンスとクラウド費の試算年数も確かめます。回答が成果物や体制、検証方法まで具体的な会社は、追加費用の説明も明確になりやすいです。
安すぎる見積もりの前提条件と除外範囲
相場より大幅に安い見積もりを受け取ったときは、品質が高いと早合点せず、含まれていない作業を確かめます。
安く見える理由として、要件定義や試験、移行といった作業が、別契約に回っていることがあります。要件定義や現行調査、性能・セキュリティ試験、移行リハーサルが、別契約になっていないかを見ます。さらに、クラウド費、ライセンス、障害対応、教育についても、同じように確かめます。
- 除外範囲:調査、試験、移行、費用、教育の扱いを確かめます。
- 前提条件:既存資産やデータの状態を見ます。
- 契約条件:追加費用、受入、引き継ぎの条件を確認します。
「既存アプリは問題なく動く」「データは発注者が整備する」「切替は一度で成功する」といった前提は、実行段階のリスクを発注者側に移すことがあります。
要件が流動的なら、調査や要件定義のあとに次工程を再見積もりする段階契約も選択肢になります。
契約では、変更管理や追加費用の条件、受入基準を確かめます。さらに、遅延連絡や障害優先度、再委託、ソースコードや設定の権利、終了時の引き継ぎも見ます。段階契約の場合は、各段階の判断材料と中止条件も定めます。
よくある質問(FAQ)
金額だけで判断せず、ライセンス、開発範囲、移行の難しさ、運用条件を合わせて確認します。
WebLogicのシステム開発を安くするにはどうすればよいですか?
現行資産を洗い出し、互換性診断で不要な機能や環境、カスタマイズを整理します。PoC、標準化、自動化、段階移行、環境の適正化は、手戻りと運用の工数を抑える手段になります。
ライセンス費だけでなく、必要な可用性や保守の範囲も明確にします。要件に合う構成を見極めることが、費用の調整につながります。
WebLogicをクラウドに移すと費用は下がりますか?
費用が下がるかは、課金方式と稼働の仕方で決まります。OCIのBYOLは既存ライセンスを活用するため、利用権の費用を抑えやすい方式です。
UCMは、ライセンスを別途購入せず、OCPU時間に応じて支払えます。
一方、常時稼働の台数やストレージの費用も発生します。加えて、通信や保存、監視、予備の構成も、運用中の費用の対象になります。
- 通信:データのやり取りにかかる費用です。
- バックアップ:データを保存しておく費用です。
- 監視:稼働状況を見守る仕組みの費用です。
- 冗長化:予備の構成を持つための費用です。
設備更新費や運用人員、障害対応費も含め、3年または5年の総額で比べます。
WebLogicのバージョン移行にはいくらかかりますか?
単一アプリの互換性調査、環境更新、修正、試験であれば、500万〜3,000万円程度が推定レンジです。一方、複数アプリやjavaxからjakartaへの移行では、費用が上がる可能性があります。
古いJMSやEJB、JAX-RPC、独自ライブラリ、大量データ移行、並行稼働を含めると、3,000万〜1.5億円程度まで上振れすることがあります。まず、コードと依存関係を調べてから再見積もりします。
WebLogicのライセンス費用だけで開発できますか?
いいえ、ライセンスは実行環境の利用料です。業務要件定義やJavaアプリ開発、DB、ネットワーク、認証は、ライセンスとは別に必要です。さらに、監視、テスト、データ移行、運用設計も必要になります。
ライセンス、基盤、アプリ、移行、保守を分けた見積書を受け取り、どの作業と成果物が含まれるかを確かめます。
まとめ
費用の目安は、PoC・開発環境で50万〜300万円、小規模システムで1,000万〜3,000万円、中規模の高可用性システムで3,000万〜1.5億円です。大規模基幹システムは1.5億〜数億円以上です。
これらは一律の価格ではなく、ライセンス、基盤、アプリ、移行、テスト、保守を含めた推定レンジです。そのため、費用の根拠と前提を項目ごとに確かめることが欠かせません。
相場をそのまま予算にしないための費用の根拠の確認
費用は、WebLogicのエディションだけでなく、可用性・性能・セキュリティや移行の難しさでも変わります。さらに、連携数、データ品質、課金方式、運用分担も影響します。
現行構成と非機能要件を整理し、互換性診断やPoCで不確実性を減らします。そのうえで、初期費用とランニングコストを分けて比較します。
見積もり依頼で同じ形式に揃える構成・範囲・前提
相談時には、WebLogicとJDKのバージョン、アプリ一覧、データ量、ピーク負荷をまとめます。さらに、切替日、稼働率、移行対象、保守時間帯、納品物も伝えます。
BYOLやUCM、Oracle Database、監視の契約範囲も明記します。そのうえで、同じ条件で複数社を比べ、要件定義から運用までの担当範囲と追加費用の条件を確かめます。
▼全体ガイドの記事
・WebLogicのシステム開発の完全ガイド
▼見積依頼前に読みたい無料ホワイトペーパー
・Webサービス開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
