Yiiのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

Yiiのシステム開発費用は、業務範囲、連携数、運用要件によって150万円から5,000万円超まで変わります。小規模な社内システムなら150万〜400万円程度、中規模の業務システムなら500万〜1,200万円程度が目安です。

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Yiiのシステム開発費用を考える前の全体像

Yiiは、PHPでWebアプリケーションを構築するためのオープンソースのフレームワークで、完成済みの業務パッケージではありません。そのため、全体予算は作業ごとの費用を合わせたものになります。まず押さえたいのは、業務整理と画面・DB設計、実装の費用です。そのほかの作業は、3つに分けて見ます。

  • テスト:品質を確かめる作業の費用
  • 移行:既存データの移行にかかる費用
  • 運用:稼働後の運用にかかる費用

Yiiのシステムの範囲

Yiiのシステムとは、Yiiを土台に企業ごとの業務Webアプリケーションを作り込んだものです。受発注、在庫、顧客を扱う業務が代表的で、求人、予約、会員、社内ポータル、EC、外部APIなども該当します。

Yiiの業務システムは、共通部品を使いながら企業ごとの業務に合わせて構築します。その共通部品は、4つの領域に分かれます。

  • アプリ構造:Model、View、Controllerを分けて作るMVC構造
  • データ処理:データベース操作とマイグレーションの仕組み
  • 画面表示:一覧表示、ページネーション、入力検証
  • 接続・権限:REST APIによる接続と、認証・認可の仕組み

ただし、自社の業務ルール、権限設計、帳票、法令対応は部品では決まらないため、別途の設計が必要です。

Yiiのライセンス費が無料でも開発費がかかる理由

Yiiはオープンソースなので、一般的な商用パッケージのような利用料は基本的にかかりません。無料になるのは、主にフレームワークのライセンス費です。

要件定義からテストまでの各工程(UI・DB設計、レビューを含む)には人の作業が必要で、クラウド構築、データ移行、セキュリティ対策にも費用がかかります。

既存のPHP資産や共通部品を活かせる場合もありますが、総費用がゼロになるわけではありません。

Yiiのシステム開発費用・相場の目安

小規模・中規模・大規模のYiiシステム開発費用の目安を段階別に示した図。
規模に応じて費用帯が段階的に上がります。

開発範囲をそろえなければ、会社間で費用を単純に比べられません。以下の金額は税別の概算で、実際の額は画面数、利用者数、移行の難しさ、品質水準を踏まえた見積もりで決まります。

小規模なYiiシステムの費用目安

社内向けの小規模案件では、機能範囲と既存環境が費用を左右します。

  • 費用と期間:150万〜400万円程度で、期間は2〜4か月程度が目安
  • 機能範囲:ログイン、1〜3個程度のマスタ、一覧・検索・登録・更新、CSV出力、簡易権限まで
  • 下限に近づく条件:既存の認証・DBを使えること、帳票・外部連携・複雑なスマートフォン画面が少ないこと

2026年の一般的な相場では、SIAが小規模を100万〜300万円、中規模を500万〜1,000万円としています。

大規模は1,000万円〜数千万円以上とされ、人月単価は60万〜200万円程度です(出典:SIA「システム開発の費用・相場 2026年版」)。

Yii向けの額は、社内業務Webの機能範囲を加味した推定です。

中規模の業務システムの費用目安

中規模案件では、複数部署の業務と例外処理の範囲が見積もりに影響します。

  • 費用と期間:500万〜1,200万円程度で、期間は4〜9か月程度が目安
  • 機能範囲:受発注・在庫・顧客管理に加え、部署別の権限、帳票、外部API、既存データの移行を含む
  • 業務の複雑さ:営業受注、倉庫の在庫確認、経理の請求出力をつなぎ、締め、取消、承認、在庫引当、再計算に対応

モカモコの2026年の目安では、業務システムは300万〜1,500万円、期間は4〜12か月とされています。機能別では、会員機能が30万〜80万円、管理画面が50万〜200万円、API連携が30万〜100万円です(出典:モカモコ「システム開発の費用相場完全ガイド 2026年版」)。要件を機能単位に分けておくと、こうした機能別の額と見積もりを照らし合わせる手がかりになります。

大規模・基幹連携型の費用目安

大規模案件では、業務の規模と、業務停止をどこまで許容できるかが費用と期間を左右します。

  • 対象規模:複数拠点と多数の権限を持ち、会員・取引データが数十万規模に及ぶ案件
  • 価格帯と期間:1,200万〜5,000万円超となる可能性があり、期間は9か月〜2年程度と長くなりがち
  • 費用を左右する要件:会計・給与・物流との連携、監査ログ、冗長化、災害対策、段階的な移行
  • 見積もりの確認範囲:性能検証から移行リハーサル、二重運用、受入テスト、データ補正、教育、リリース後の問い合わせまでが含まれるかどうか

費用の上限は、Yiiの利用料ではなく、業務を止めない設計、運用体制、複数チームの調整で決まります。そのため、金額は一律ではありません。

SaaSや既存パッケージで標準機能を代替すれば費用は下がります。一方で、独自ルールや高可用性が必要な場合は上がります。

ポイント

費用は開発範囲をそろえなければ比べられません。機能範囲と連携先の数から規模の段階を先に決め、その段階の目安と照らすと判断の材料になります。

Yiiのシステム開発費用の内訳

Yiiシステム開発費用を要件定義・設計、実装・テスト、移行・導入、クラウド・運用設計に分けた図。
工程ごとに分けると見積もりの抜けを見つけやすくなります。

総額だけでは見積もりの高低の理由が分かりません。そこで、要件定義・企画、設計、実装の費用から見ていきます。ほかの工程は、3つに分けて見ます。

  • テスト:動作と品質を確かめる工程
  • 移行・導入:既存データの移行と本番への導入
  • クラウド・運用設計:クラウド環境と稼働後の運用の設計

要件定義・設計が全体費用の土台

要件定義では、業務で誰がどのデータを扱うかを明らかにし、必要な設計範囲を定めます。この段階があいまいだと、後の設計や見積もりの前提がそろいません。

  • 業務条件:担当者、データ、承認・取消・修正のルールの明確化
  • 要件一覧:画面、帳票、権限、連携、データ項目、非機能面の洗い出し
  • 開発範囲:Yiiで作る部分と、SaaS・既存パッケージに任せる部分の切り分け
  • 設計事項:DB正規化、URL・API、エラー処理、ログ、バックアップ、テスト方針

不明確なまま着手すると、仕様変更が起きて費用と納期が膨らみます。

工程割合の一次Q&A目安は要件定義10〜15%、設計25〜35%、開発30〜40%、テスト15〜20%、移行・導入5〜10%程度です。モカモコは要件定義・設計15〜20%、開発50〜60%、テスト15〜20%、環境構築・リリース10〜15%としています。ただし、この割合は固定値ではなく、機能の難しさや品質基準を見るための目安です。

開発・テスト費用を左右する業務ルールと品質水準

費用は、Yiiの自動生成で効率化できる範囲と、実装・テストで確かめる範囲に分けて考えます。

  • 初期実装:GiiによるModelとCRUDの生成、Active Record、GridView、バリデーション
  • 個別実装:認可、入力制御、業務例外、同時更新、メール・帳票の失敗処理、監査ログの作り込み
  • 品質確認:単体、画面/API結合、受入、移行後の照合、権限別、負荷、脆弱性のテスト
  • 試験シナリオ:在庫の同時更新、承認済み注文の取消、API停止中の再送といった場面

自動生成で短縮できるのは、骨格づくりの一部です。生成コードは、テストや個別実装を重ねてから本番に使う必要があります。

試験を減らすと初期費用は下がって見えます。一方で、障害対応や業務停止の費用が増える可能性があります。

データ移行・導入・運用準備の費用

見積もりには、移行元のデータ品質と、本番環境に求める構成を反映します。

  • データ整理:項目の対応づけ、重複の削除、表記の統一、欠損値、過去データの保存方針
  • 移行作業:移行プログラム、テスト移行、件数・合計金額の照合、本番リハーサル、切り戻し
  • 本番環境:Web・API・DB・ファイル保管の構成に加え、監視、バックアップ、Docker、CI/CD、SSL、アクセス制御、障害通知
  • 追加要件:利用者数やピーク時間に合わせた負荷試験と冗長化

データの状態が悪いほど、画面数とは別に移行の費用が増えます。

AWSなどのクラウド利用料は、開発会社への支払額とは別に発生します。そのため、初期構築費と月額インフラ費を分けて提示してもらうと、予算を把握しやすくなります。

ポイント

工程ごとに費用を分けると、どこに費用が偏っているかが見えます。偏りの理由と抜けている工程がないかを比べると、見積もりの判断材料になります。

Yiiのシステム費用が変動する主な要因

見積もりを中央に置き、機能や利用者の数、外部連携と移行、セキュリティと性能、Yiiのバージョンを費用変動要因として示した図。
機能量だけでなく、連携や運用条件も費用に関わります。

同じYiiを使っても、業務の複雑さと運用条件によって見積もりは変わります。そのため、価格を押し上げる要因ごとに分けて見積もりを比べます。

画面数・機能数・利用者数による工数の増加

ログイン画面が1つ増えるだけなら影響は限定的ですが、業務機能が増えると、画面、DB、権限、帳票、テストが連動して増えます。

受注、承認、出荷、返品、請求の各段階では、取消や差し戻しの設計も必要になります。利用者が増える場合は、同時アクセスや検索性能、キャッシュ、キュー処理、監視についても検討が要ります。

見落としやすい外部連携とデータ移行の費用

外部連携と既存環境の調査では、次の点が見積もりに影響します。

  • 接続対象:会計、決済、物流、勤怠、CRM、メール配信、スマートフォンアプリとの接続
  • 連携設計:相手先の仕様、認証、エラー処理と再送、同期のタイミング、APIの項目・制限・料金・障害対応
  • 既存環境調査:PHP・Yii・Composerの依存関係、DB、バッチ、cron、サーバー設定、テストの有無

連携先が増えるほど、結合テストと運用監視も増えます。API接続だけの作業としては見積もれません。

設計書がない場合や、担当者が退職している場合、複数の処理が同じDBを更新する場合には、調査や引き継ぎの費用が新規画面の実装費を上回ることもあります。

セキュリティ・性能・Yiiのバージョンが価格に与える影響

個人情報や決済、従業員情報の保護、求める稼働水準が費用に反映されます。

  • 情報保護:権限設定から操作ログ、暗号化、バックアップ、脆弱性診断、侵入対策、復旧手順まで
  • 稼働要件:24時間監視、厳格なSLA、RTO・RPO、複数AZの冗長化、負荷試験

高い稼働水準を求めるほど、初期構築費と月額運用費は上がります。そのため、標準的な社内ツールと、停止が許されないサービスは、同じ予算では考えないようにします。

2026年時点で、Yii 2の2.0.50以降は、公式サイクル上PHP 7.3以上・8.4以下が前提とされています。

セキュリティ・PHP互換性の修正は2026年11月23日まで、EOLは2027年11月23日とされています(出典:Yii公式「Release Cycle」)。

Yii 1.1は保守モードで、EOLは2026年12月31日です。既存システムの場合、PHPの更新だけで済むか、Yii2への段階移行か、別技術への刷新かによって費用が変わります。

ポイント

画面数、連携、稼働水準、Yiiのバージョンのどれが見積もりを押し上げているかを分けて確認すると、比較の判断材料になります。

Yiiのシステム開発を費用超過させない進め方

費用超過を防ぐには、判断事項を早い段階で洗い出し、Yiiで作る理由、SaaS・パッケージとの分担、初回リリースの機能を合意しておく必要があります。工程ごとの成果物も確認します。

企画・要件定義での業務と優先順位の確定

費用超過を抑えるには、現行業務を確かめて、初回開発の範囲と調査事項を決める必要があります。

  • 業務把握:帳票、Excel、メール、承認記録をもとに、担当、入力、判断、例外、保存期限を整理
  • 初回範囲:ログイン、主要マスタ、中核業務、最低限の帳票、権限を優先し、分析と自動化は将来の開発に回す
  • 開発方式:Yii1かYii2か、既存改修か新規か、外部連携の有無の比較
  • 事前調査:PHPやDBが古い場合は着手前に診断し、その費用を別見積もりにする

事前調査を別見積もりにするのは、調査を無料の作業として曖昧にしておくと、後から想定外の追加費用になりやすいからです。

設計・開発での変更管理と実装

設計から実装、変更管理までの段階では、画面や権限の決め方と、途中での変更の扱いが費用と納期に響きます。

  • 設計方針:画面、DB、API、権限、インフラ、ログ、バックアップの確認
  • 実装とレビュー:Giiで作りやすい領域は効率化し、独自の承認・計算・連携・権限は手厚く見ます
  • 画面確認:毎週または隔週で画面を見てもらい、不明点を早く解消して完成間際の大幅な作り直しを減らす
  • 追加要望:契約上の変更管理に沿って、工数・納期・既存機能への影響を記録する
  • 見積もり範囲:変更されやすい帳票、CSV列順、権限例外、メール文面は、初回と別途の扱いを明文化しておく

テスト・移行・リリースで業務を止めない準備

テスト、移行、リリース後の運用に向けて、次の内容を押さえておきます。

  • 受入確認:実際の利用部門による受入条件のチェック
  • テスト:受注から請求まで、権限別の表示、異常時の再処理、データ件数・金額の整合性の検証
  • 移行:テストの段階と本番の段階を分けること、旧システムの停止時期、問題発生時の戻し方の決定
  • 運用契約:初期サポート、問い合わせ窓口、障害の優先度、復元、脆弱性対応、更新責任を含む契約内容

2026年5月公開のYii 2.0.55では、CVE-2026-39850の修正と新しいPHPへの互換性改善が案内されています(出典:Yii公式「Yii 2.0.55」)。そのため、保守予算は更新を前提に計画します。

Yiiの見積もりを比較するときのポイント

合計金額だけでなく、同じ条件をそろえて比べることが欠かせません。相談の前に現状と目的を整理したうえで、作業範囲、成果物、前提、除外事項、追加料金の条件を確かめます。

要件と前提条件をそろえた見積もり依頼

現行システム、Yii・PHPのバージョン、DBを伝えておくと、各社の見積もりを同じ前提で比べられます。そのほかの情報は、5つに分けて伝えます。

  • 利用者・画面数・データ件数:利用者の人数、画面の数、扱うデータの量
  • 業務フロー・帳票:業務の流れと、出力する帳票の種類
  • 連携:つなぐ外部サービスやシステム
  • 希望時期:希望する開始と納期の時期
  • 保守の希望:稼働後の保守に求める内容

設計書やソースコードがあれば共有し、ない場合は現状調査が必要になると明記します。そのうえで、必須業務と後回しにできる機能を分けておきます。

複数社の比較と、Yii以外の対応力

Yiiの経験年数だけでなく、技術体制と見積もり条件を同じ資料でそろえて比べます。

  • 比較社数:2〜3社に同じ資料を渡し、要件定義から保守までの範囲を比べる
  • 技術体制:PHP・Composer・DB・クラウド・API・セキュリティ、Yii1からYii2への移行、既存コードの調査への対応
  • 担当者:エンジニアと直接話せるか、実績のある技術者が今回の案件に参加するか
  • 見積もり:要件定義から保守までの工程、納品物、検収、修正、保証、障害対応、権利の扱い

移行、テスト、保守が除かれた見積もりは安く見えますが、後から総額が上がる可能性があります。

契約前に決める追加費用と保守範囲

仕様や外部サービスの変更、データの汚れ、PHP・ライブラリの更新、脆弱性、利用者の増加などは、追加費用の要因になります。そのため、月額保守に含まれる作業と、別見積もりになる作業を分けて決めておきます。

年間保守費については、初期費の15〜20%程度という一般的な目安があります。ただし、これはYii案件に定められた公的な固定料率ではありません。

そのうえで、対応時間、更新、診断の範囲を確認します。ほかに確認する項目は4つあります。

  • 監視:稼働状況を見守る範囲
  • バックアップ:データの保存と復旧の範囲
  • SLA:保証する稼働水準と対応の約束
  • 法改正:法改正への対応の範囲と上限時間

ポイント

合計金額だけでは比べられません。作業範囲、前提、除外事項、追加料金の条件をそろえたうえで総額の差の理由を見ると、見積もりの比較で迷ったときの手がかりになります。

Yiiのシステム開発費用を最適化する方法

最適化とは、価値の低い作業や手戻りを減らし、必要な品質へ予算を集中させることです。単価を下げるだけではなく、既存資産を活かす範囲と保守性への投資を見極めることが欠かせません。

最小限の機能からの段階的な開発

初回に作る機能と後から足す機能を分け、段階的に開発を進めます。

  • 対象業務:全業務を一度に再現せず、効果の大きい流れを選ぶ
  • 段階分け:受注登録と在庫確認を先行させ、分析画面や複雑な通知は利用後に検討する
  • MVP:Minimum Viable Productで利用者の反応を得ながら、未使用機能への先行投資を抑える
  • 将来準備:拡張用のAPI、権限、DB基本設計、ログ、バックアップを初期から用意しておく

初期機能と将来準備は分けて考えます。短期の安さだけを優先すると、後で作り直す二重のコストが発生します。

SaaS・パッケージ・スクラッチの使い分け

会計、勤怠、請求など法改正が多い領域は、標準SaaSやパッケージを採用し、YiiとAPI・CSV・EDIで連携する方が合理的な場合があります。

一方で、独自の受発注・在庫ルールや競争力に直結する業務は、Yiiで開発する価値があります。変更が多い領域と差別化する領域を分けて考えます。

保守しやすい設計への投資と将来費用

テスト、ログ、文書、依存パッケージの管理を削ると、担当が替わった後の調査や障害対応が増えます。一方で、ソース管理、DBマイグレーション、環境構築手順、テスト仕様を残しておくと、更新や引き継ぎが容易になります。

Yii公式ガイドでは、マイグレーションをDBスキーマ変更の管理、履歴確認、再適用に使える仕組みとして説明しています(出典:Yii公式「Working with Databases: Migrations」)。

委託の際は、ソース、設計書、DB定義を納品物として確認します。ほかに確認する納品物は4つあります。

  • インフラ構成:サーバーやクラウドの構成
  • テスト結果:テストの実施内容と結果の記録
  • 運用手順:稼働後の運用の進め方
  • アカウント管理の責任:アカウントを誰が管理するかの取り決め

Giiを本番に残さないことや、認証情報を守ること、ログに個人情報を出さないことも、委託の範囲に含めます。

Yiiのシステムの保守・運用費用の目安

保守・運用費は、安定稼働を続けるための継続費用です。年間保守を初期開発費の15〜20%程度とする目安もありますが、監視や障害対応の範囲によって変わります。

クラウド、ドメイン・証明書、バックアップ、監視サービスの実費は、保守費とは別に整理します。

保守契約に含める作業の範囲

月額保守の候補には、稼働監視、バックアップ確認、障害の一次受付、軽微な修正、PHP・Yii・Composer依存の更新、脆弱性情報の確認が挙げられます。

一方で、機能追加、大幅な画面変更、データ整理、法改正による業務変更、夜間の緊急対応は、別枠になる場合があります。そのため、含まれる時間、繰越、対応時間帯、復旧目標を契約で確かめておきます。

バージョン更新・移行の予算の確保

Yii1や古いYii2の場合は、PHP更新、ライブラリの互換性、テスト環境の再構築、脆弱性対応、段階移行の費用を計画に入れておきます。

公式のリリースサイクルとPHPのサポート状況は定期的に確かめ、EOL直前の全面刷新を避けるようにします。未使用機能を整理してから移行すると、刷新の範囲を抑えられる場合があります。

ポイント

保守・運用費は初期開発費とは別の継続費用として見ます。月額保守に含む作業と別見積もりの作業、クラウドなどの実費を分けておくと、年間の予算を組みやすくなります。

Yiiのシステム開発費用に関するよくある質問(FAQ)

発注前には、フレームワークの特徴や費用の見方、既存資産の扱いについて、よく疑問が出されます。

Yiiなら他のフレームワークより安く開発できますか?

Yiiのライセンスは基本無料ですが、総開発費が他より必ず安くなるとは限りません。一方で、GiiやDB部品を使えば、管理画面の骨格を効率化できる可能性があります。

総額は、業務要件、担当者の経験、既存資産、テスト範囲、保守体制によって変わります。たとえば、Yiiに慣れた会社が既存コードや共通部品を活かせる案件であれば、費用と期間を抑えられる可能性があります。

既存のYiiシステムの改修費用はどれくらいですか?

PHP更新、脆弱性対応、画面追加、API連携などの改修は、50万〜500万円程度、期間は2週間〜4か月程度が推定の幅です。

ソースや設計書の状態、Yii1かYii2か、テストの有無、DBの複雑さによって変わります。そのため、現状調査を行い、調査・改修・移行・保守の費用を分けて見積もります。

Yiiのシステム開発は予算いくらから相談できますか?

小規模な社内業務Webであれば、150万〜400万円程度が検討の目安になります。ただし、予算だけで実現できるかは判断できません。

目的、利用者、主要業務、必要なデータ、外部連携、希望時期、セキュリティや保守条件を整理したうえで、段階案も相談します。

500万円未満で第一段階を作り、利用状況を見て追加する計画が合う場合もありますが、案件の内容によって異なります。

まとめ:要件と保守まで含めたYiiのシステム費用の判断

社内向け小規模は150万〜400万円程度、中規模は500万〜1,200万円程度が目安です。大規模な基幹連携や高可用性まで含む場合は、1,200万〜5,000万円超が推定の幅です。

これはYii固有の確定統計ではありません。2026年の一般的なWeb・業務システムの相場に、機能、連携、データ量、非機能要件を加味した概算です。

初期費用・運用費・将来の移行費の切り分け

要件定義、設計、開発、テスト、移行、インフラ構築ごとに分け、保守契約とクラウドの実費も確かめます。さらに、Yii1の保守期限、PHP・Composer依存の更新、Yii2や他技術への段階移行も計画に入れます。

初期費用に加えて、3年程度の運用・更新・障害対応まで見通すと、総額で比べられます。

費用と事業価値で見るYiiの継続利用

Yiiは、既存のPHP資産や独自の業務ルールを活かしながら、受発注、在庫、顧客、求人、会員、APIなどを構築できる選択肢です。

ライセンスが無料でも、業務整理、セキュリティ、移行、テスト、保守は必要です。そこで、複数社に同じ要件を渡し、PHP・DB・クラウド・運用・移行まで任せられる体制を比べてみてください。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。