UI/UXデザイン開発の完全ガイド

UI/UXデザインは、デジタルプロダクトの使いやすさと成果を左右する要素です。全体像は、進め方から発注までを4テーマで捉えると分かりやすくなります。各テーマは、次の関連記事で掘り下げています。

操作に迷う画面はユーザー離れにつながるため、設計を丁寧に進めることが大切です。Nielsen Norman Groupの調査では、UXへの投資に対して平均100倍のリターンが得られると報告されています。

① UI/UXデザインの進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

② UI/UXデザインでおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

③ UI/UXデザインの見積相場や費用/コスト/値段について

④ UI/UXデザインの発注/外注/依頼/委託方法について

UI/UXデザインの進め方

要件定義・企画、設計・プロトタイプ、テスト・リリースの順に進むUI/UXデザインの流れを示す図。
各フェーズの成果を次の設計判断へ引き継ぐ構成です。

UI/UXデザインは、感覚で画面を作るのではなく、段階を踏んで進めます。ユーザーテストを後回しにすると、問題の発見が遅れ、大きな修正につながります。

進行は3つのフェーズで、「要件定義・企画フェーズ」「設計・プロトタイプフェーズ」「テスト・リリースフェーズ」の順に進みます。各フェーズで作業と成果物を確認します。

UI/UXデザインの設計では、UIとUXの違いを押さえたうえで、Jesse James Garrettの「UXの5段階モデル(戦略・要件・構造・骨格・表層)」も手がかりに全体を捉えます。

要件定義・企画フェーズ:ユーザーリサーチとペルソナ設計

最初に、チームで「誰のために何を作るのか」を明らかにします。ターゲットユーザーへのインタビューやアンケートで、利用の実態を調べます。

チームで、競合サービスのベンチマーク分析とビジネス目標の整理を行い、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成します。

  • ペルソナ:名前・年齢・職業・行動・課題から描く利用者像
  • カスタマージャーニーマップ:利用者の感情と行動の変化を、時系列で整理したもの

ペルソナは、典型的なユーザー像を具体化したもので、たとえば「30代・会社員・スマートフォンを日常的に使う・時間効率を重視する田中さん」のように、具体的な一人の人物として設定します。

リサーチが不足すると、後工程の判断が「仮定」に寄り、リリース後に受け入れられない可能性が高まります。そこで、チームで「誰のため・何のため」を共有しておくことが、この段階の目標です。

設計・プロトタイプからテスト・リリースまでの流れ

要件が固まったら、情報設計とUI設計へ進みます。まず画面遷移図(サイトマップ)で全体の構造を整理し、次にワイヤーフレームで各画面の配置を確認します。

ここでは見た目より先に、情報の優先順位と操作の流れを固めます。そのうえでFigmaで操作できるプロトタイプを作り、実際の使い心地を確かめます。

テストでは、検証したい内容に応じて手法を選びます。

  • モデレートテスト:ファシリテーターが同席して、操作を観察する形式
  • リモートテスト:オンラインで、ユーザーの行動を記録する形式
  • A/Bテスト:2つのデザインを比べて、効果を測る手法

分析では、タスク完了率・エラー発生率・操作時間などを定量と定性の両面から見て、課題を特定します。

分析結果をもとに改善点を定め、次の設計に反映します。

リリース後は、HotjarやMicrosoft Clarityのヒートマップ、Google Analytics 4のアクセス解析を使い、継続的に改善します。

詳しい進め方は、UI/UXデザインの進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順で紹介しています。

ポイント

進め方で迷ったときは、リサーチや検証の結果を次の設計に反映できているかを基準にします。段階ごとの成果を次へ回せていれば、流れは機能しています。

UI/UXデザインでおすすめの開発会社

発注先の選択は、プロダクトの品質やユーザー満足度、事業成果に関わります。また、会社によって支援の範囲は異なり、ビジュアル制作からユーザーリサーチ、ビジネス戦略までさまざまです。

BtoB SaaS・業務系アプリ・ECサイトのように日常的に使うサービスでは、UI/UXが継続率・顧客満足度・売上にも影響します。そのため、リサーチから公開後の改善まで支援できるかを確かめることが欠かせません。

技術力と合わせて、事業目標とターゲットユーザーへの理解も比べます。課題を洗い出し、デザインのあとの改善まで伴走できる体制かどうかが判断材料になります。

発注前に確認すべき会社選定のポイント

まず、自社が必要とする業務範囲を整理します。支援の範囲は会社ごとに分かれていて、UXリサーチに限る会社、UIデザインに特化した会社、要件定義から開発・運用まで担う会社があります。

次に、同じ業界・規模の支援実績を確かめます。BtoBシステムとBtoCアプリでは設計の考え方が異なるため、業務への理解が欠かせません。

途中のデザインをどの段階で確認するか、フィードバックをどう反映するか、プロジェクト管理ツールは何を使うかを、事前にすり合わせておきます。完成後に評価しにくいデザインだからこそ、進行中の確認方法が重要です。

おすすめ会社:株式会社ripla(コンサルから開発まで一気通貫)

riplaは、コンサルティングから開発までを一気通貫で支援しています。IT事業会社として社内DXを推進した経験を生かし、ビジネス成果とシステムの定着を支えています。

営業・顧客・生産・販売管理など、基幹システムの構築・導入実績があります。また、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制も特徴です。

同社の支援は、業務への理解と現場での使いやすさを基準に確認できます。

  • 業務理解:基幹システムの構築・導入経験を、要件にどう生かすか
  • 定着支援:実際の業務フローに沿った操作性と、導入後の成果

UI/UXデザインでは、見た目だけでなく、エンドユーザーが業務の中で迷わず操作できるかを重視します。

会社選びでは、グッドパッチ・コンセント・TAM・ビービットなどの専門会社も含め、支援範囲や実績を比較してください。

会社選びの詳しい内容は、UI/UXデザインでおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方で確認できます。

ポイント

業務範囲、同じ業界・規模の支援実績、デザイン後の改善まで伴走できる体制を比べると、判断しやすくなります。

UI/UXデザインの費用相場

ユーザビリティテスト、デザインシステムの保守・更新、Figmaなどのライセンスにかかる費用目安を示す図。
費用の単位はテスト1回、月額、1ユーザーあたりで異なります。

UI/UXデザインの費用は、業務範囲・規模・発注先によって30万円から1,500万円以上まで変わります。そのため、見積もりを比べる前に、費用の内訳を把握しておくことが大切です。

費用の70〜80%は、一般にデザイナーの人件費が占めます。時給の目安は、ジュニアが3,000〜5,000円、ミドルが5,000〜8,000円、シニアが8,000〜15,000円です。

工数は、小規模なWebサイトリニューアルで50〜100時間、中規模のWebアプリケーション開発で150〜300時間です。なお、大規模なスマートフォンアプリ開発では500時間以上になる場合もあります。

予算は、初期費用だけでなくリリース後のランニングコストも含めて組むと、総額を把握しやすくなります。

開発規模別の費用目安

小規模案件(画面数10枚前後・LP改善・既存UIの部分的な見直し)は、フリーランスなら30万〜100万円、制作会社なら80万〜200万円程度です。

スタートアップが最初のアプリ画面を10〜15画面作る場合、ユーザーインタビューや競合調査を含まないUIデザインなら50万〜80万円で着手できます。

中規模案件(20〜50画面・スマートフォンアプリの新規開発・既存WebサービスのUXリニューアル)は150万〜500万円が目安です。

規模ごとに画面数と依頼内容を照らし合わせると、見積もりの位置づけを判断できます。

  • 小規模:10枚前後の画面や、部分的な改善が中心
  • 中規模:20〜50画面の新規開発やUX改修が目安
  • 大規模:100画面以上、または複数プラットフォームに及ぶ案件

ユーザーリサーチ・ペルソナ設計・ワイヤーフレーム・UIデザイン・プロトタイプ制作をまとめると、制作会社では300万〜500万円の見積もりが多くなります。

大規模案件(100画面以上・大規模サービスの全面リニューアル・ブランドリデザイン・複数プラットフォーム対応)は500万〜1,500万円以上が目安です。

デザインシステムの構築には、さらに200万〜400万円が加わります。

見積書の読み方と比較のポイント

複数社の見積もりでは、金額に2〜3倍の差が出ることもあります。そこで、金額だけでなく、差が生まれた理由を項目ごとに確かめましょう。

「デザイン一式〇〇万円」とまとめられた見積もりより、業務フェーズ別の内訳があるほうが、価格差の理由を確かめられます。

見積もりを並べるときは、作業範囲と納品条件を同じ基準で確認します。

  • 作業範囲:ユーザーインタビュー5名・アンケート設計・競合分析など、調査と制作の区分
  • 納品条件:画面数・修正回数・ファイル形式
  • 運用費:テスト・デザインシステム保守・ツール費

情報設計費は、ユーザーフローと画面遷移図を含む形が望ましいです。ワイヤーフレーム作成費は20画面分、UIデザイン制作費は20画面分・修正3回を含む形が望ましいです。

比べるときは、修正回数の上限、納品物のファイル形式、デザインシステムやスタイルガイドの有無を確認します。

ランニングコストには、ユーザビリティテスト(1回あたり20〜80万円程度)と、デザインシステムの保守・更新(月額5〜30万円程度)があります。

契約前に、初期費用以外の支出も見積もりに含めてください。

  • テスト:実施頻度と1回あたりの費用
  • 保守:更新の範囲と月額費用
  • ライセンス:利用者数に応じて計上するツール費

Figmaなどのライセンスは、1ユーザーあたり月額約1,800〜4,500円です。また、年間ランニングコストとして初期費用の20〜30%程度を見込む方法もあります。

費用の詳細は、UI/UXデザインの見積相場や費用/コスト/値段についてで解説しています。

ポイント

費用は初期費用だけでなく、規模と画面数、ランニングコストまで含めた総額で比べることが判断の目安です。内訳が揃っているかで、価格差の理由も確かめられます。

UI/UXデザインの外注・発注方法

RFPに記載する目的、依頼範囲、選定条件の3項目をカードで整理した図。
3項目を揃えると、各社の提案を同じ前提で読み比べられます。

外注を成功させるには、発注前に目的と条件を整えておく必要があります。UI/UXデザインは、見た目だけでなくユーザーの行動やビジネス課題にも関わるためです。

発注先は、デザイン専門会社・制作会社(100万〜400万円)、フリーランスデザイナー(10万〜100万円)、業務委託・派遣型サービスに大別できます。

自社の人員・納期・予算・戦略に合わせて選びます。たとえば、デザイナーがいない場合や、新規サービスのデザインを短期間で整えたい場合は、外注が役立ちます。

将来の内製化も考えるなら、外注から段階的に移る「ハイブリッド型」も選択肢です。

RFP作成と発注プロセスの全体像

まず、「何を作るのか・なぜ作るのか」を言葉にします。そのうえで、サービスの概要・ターゲット・現状の課題・解決したい事業目標を整理してください。

たとえば「既存のECサイトでカート離脱率が30%を超えており、購買体験を改善したい」のように、課題を数字で示します。目的が曖昧なままだと、RFP(提案依頼書)から有意義な提案を得にくくなります。

提案を比べやすくするため、RFPには目的、依頼範囲、選定条件をまとめます。

  • 目的:プロジェクトの背景と、解決したい目標
  • 依頼範囲:UXリサーチ・情報設計・ワイヤーフレーム・UIデザイン・プロトタイプ・ユーザーテストから対象を選ぶ
  • 条件:納期・マイルストーン・予算・選定基準・参考事例

口頭や簡単なメールだけで依頼すると、各社の前提がそろわず、見積もりの価格差を判断しにくくなります。そのため、発注先は3社以上から相見積もりを取りましょう。

費用・実績・提案内容・コミュニケーションの質を同じ条件で比べると、各社の違いが分かります。

契約時の注意点とプロジェクト管理のポイント

発注先が決まったら、契約の形態と内容を確かめます。UI/UXデザインでは、請負契約と準委任契約(SES)の2種類が主に使われます。

成果物が明確で変更が少ない案件では請負契約が、反復改善や探索的なリサーチでは準委任契約が向いています。

契約と進行では、作業を変える場合の扱いと、日々の連携方法を決めておきます。

  • 変更管理:要件拡大(スコープクリープ)は、別途見積もりを取り、合意して進める
  • 権利:デザインデータとソースファイルの著作権、所有権の帰属
  • 連携:定期レビュー、Figmaのコメントや仕様共有、週次報告の形式

発注方法の詳細は、UI/UXデザインの発注/外注/依頼/委託方法についてで確認できます。

ポイント

RFPで条件を揃え、3社以上の見積もりを比べることが判断の目安です。契約では、変更管理や権利の取り決めまで確認しておくと、後の行き違いを防ぎやすくなります。

まとめ

UI/UXデザインは、設計から公開後の改善まで一貫して考えるものです。検討するときは、次の4点を順に確認してください。

  • 設計の前提:UIとUXの違いを理解し、一体として設計すること
  • 進行:要件定義・設計・テスト・リリースの3フェーズで、リサーチ結果を次の設計に反映
  • 費用:小規模30〜200万円・中規模150〜500万円・大規模500万〜1,500万円以上を目安に、運用費も計画すること
  • 発注:RFPで条件を揃え、複数社の見積もりと契約内容を比べる

契約では、変更管理・著作権・納品形式を確かめておきます。さらに、公開後もユーザーの声と行動データを集め、継続的に改善しましょう。

外注を検討するときは、まず自社の目的と要件を整理し、実績のある専門会社へ相談するところから始められます。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。