米国北部カリフォルニア地区裁判所は2026年3月9日、AmazonがPerplexity AIを相手取った訴訟で、Amazonの予備的差止め申立てを認める命令を出しました。
争点は、PerplexityのAIブラウザ「Comet」に搭載されたAIエージェントが、ユーザーの指示を受けてAmazonのパスワード保護された領域へアクセスしたことです。
この命令は、AIエージェントがユーザーの指示で動いていたとしても、アクセス先のサービス提供者が認めた権限を超えれば問題になり得ることを示しています。
AIブラウザを導入する企業は、ユーザーの同意だけでなく、対象サイトの利用規約・技術的制限・データ取扱いも確認する必要があります。
※本記事は2026年8月時点の情報です。

裁判所命令で確認できる内容
裁判所命令からは、次の5点が確認できます。
- 事件はAmazon.com Services LLC v. Perplexity AI, Inc.
- 争点はCometがAmazonの保護されたコンピュータシステムへアクセスしたこと
- 裁判所はAmazonが連邦法・カリフォルニア州法の主張で勝訴見込みを示したと判断
- Perplexity側に、AIエージェントによるAmazon保護システムへのアクセス等を差し止め
- Amazonデータの破棄、関係者への通知、遵守宣誓を命じた
ポイント
裁判所は、AIエージェントによる保護領域へのアクセスを差し止め、データ破棄と遵守宣誓をPerplexityに命じました。ユーザーの同意だけでは、サイト運営者の権限を超えるアクセスを正当化できない可能性を示しています。
ユーザーの許可とサイトの許可は別
AIエージェントの権限は、指示を出したユーザーとサイト運営者で別々に確認する必要があります。

| 権限 | 確認すること |
|---|---|
| ユーザー | 自分のアカウントで何をさせるか |
| サイト運営者 | AI・自動アクセス、保護領域、規約、robots・API条件 |
| エージェント | 取得、保存、送信、購入、アカウント操作の範囲 |
| 企業 | 導入承認、監査、停止、事故・苦情への対応 |
ポイント
ユーザーの許可とサイト運営者の許可は別物です。エージェントが取得・操作できる範囲、企業の監査・停止体制まで、4つの立場に分けて確認します。
AIブラウザ導入のチェック項目
企業がAIブラウザを導入する際は、次の項目を事前に確認します。

- アクセス先ごとの許可・禁止・認証条件
- ユーザーのログイン情報や顧客データをエージェントへ渡す範囲
- ページの指示や外部コンテンツを命令として実行しない境界
- 購入・削除・送信など重要操作の承認
- アクセスログ、取得データの削除、停止・調査手順
AIブラウザは、単なる閲覧ソフトではなく、第三者システムを操作するエージェントです。プロンプトインジェクション対策とAgentOpsを、外部サイト・認証・操作ログまで拡張します。
ポイント
AIブラウザ導入では、アクセス先の許可条件、データ範囲、実行境界、重要操作の承認、ログ・停止手順の5点を事前にチェックリスト化しておきます。
よくある質問(FAQ)
Q. AmazonとPerplexityの訴訟は何が争点ですか?
裁判所命令では、CometのAIエージェントがAmazonのパスワード保護されたシステムへアクセスしたことが争点とされています。
Q. 裁判所はどのような命令を出しましたか?
予備的差止めを認め、Perplexity側にAIエージェントによるAmazonの保護システムへのアクセス等を止めること、Amazonデータの破棄などを命じました。命令には7日間の行政上の停止も記載されています。
Q. ユーザーがログインしていればAIエージェントは何でもできますか?
できるとは限りません。ユーザーの同意と、サービス提供者がAI・自動アクセスへ与える権限は別に確認します。
Q. 企業がAIブラウザを使う際の重要な対策は何ですか?
アクセス先の規約・API・認証条件を確認し、最小権限、重要操作の承認、取得データの削除、ログ、停止手順を整えます。
まとめ
Amazon・Perplexity訴訟の予備的差止め命令は、ユーザーの同意があっても、サイト運営者の権限や保護領域を無視したAIアクセスが問題になり得ることを示しています。
AIブラウザを企業導入する際は、アクセス先の規約、認証、最小権限、重要操作の承認、ログ、データ削除を設計しましょう。
参考情報:
米国北部カリフォルニア地区裁判所・予備的差止め命令
GovInfo・事件情報
ポイント
Amazon・Perplexity訴訟は、ユーザー同意があってもサイト運営者の権限を超えるAIアクセスが問題になり得る事例です。導入企業は規約確認、最小権限、ログ、データ削除までを運用に組み込みましょう。
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