GPT-5.6の料金改定を解説|AI利用コストと法人の選び方

GPT-5.6のAPI料金は、100万トークンあたり約31円から約9,300円の幅があります。

金額を左右するのは、モデル、入力と出力の区分、速度を優先するかどうかです。今回の改定では、LunaとTerraが値下げされ、Solは標準料金が据え置かれました。

※本記事は2026年8月14日時点の情報です。

発表内容:GPT-5.6ファミリーの価格改定

Luna、Terra、Solの料金改定を3枚のパネルで並べた図。Lunaは約80%、Terraは20%の値下げ、Solは標準料金維持と示す。
値下げ幅はモデルごとに異なります。

今回の改定はAPI料金が対象で、GPT-5.6のLuna・Terra・Solの3モデルすべてに関わります。各モデルは、Lunaが軽量・高速な定型処理向け、Terraが中位の汎用モデルで、Solが最も高性能なモデルと位置づけられています。

Lunaは入力・出力とも約80%の値下げ

Lunaは入力と出力の単価が同じ割合で下がりました。どちらか一方だけが大きく動いたのではなく、両方が約80%下がった点が今回の改定の特徴です。

  • 入力:1ドル(約155円)から0.2ドル(約31円)へ変更
  • 出力:6ドル(約930円)から1.2ドル(約186円)へ変更

入力・出力とも約80%の値下げです。100万トークンあたりの新旧料金を並べると、改定後の水準がつかみやすくなります。円換算は1ドル=155円で計算しており、実際の円換算は為替相場により変動します。

もともと安価な軽量モデルだったLunaは、さらに一段安くなりました。要約や分類、定型的な文章生成のように大量に処理する場面で、コストを抑えられます。

Terra・20%値下げ、Solは据え置きとFast modeの追加

TerraとSolでは、標準料金の扱いが分かれました。Terraは値下げされ、一方でSolは据え置きです。

さらに、Solには速度を優先できるFast modeが新たに加わりました。標準料金と並べて見ると、Solは標準を据え置いたまま、速さを選ぶ別の料金が用意された形です。

  • Terra入力:2.5ドル(約388円)から2ドル(約310円)へ、20%値下げ
  • Terra出力:15ドル(約2,325円)から12ドル(約1,860円)へ、20%値下げ
  • Sol標準:入力5ドル(約775円)・出力30ドル(約4,650円)で据え置き
  • Sol Fast mode:入力10ドル(約1,550円)・出力60ドル(約9,300円)で、標準の2倍の料金

Fast modeは標準の最大2.5倍の処理速度が出せます。ただし、知能面の性能は変わらないとされています。速度と料金のどちらを優先するかで、標準とFast modeを選び分けられます。

ポイント

料金を比べるときは、Lunaのように値下げ幅が大きいモデルだけでなく、Solのように標準料金は据え置きでもFast modeを選ぶと倍額になる点も見ておくと、実際の負担を読み違えにくくなります。

値下げの背景:モデルの効率化

今回の値下げは、競争対策の値引きというより、モデル自体の効率化が進んだ結果だと説明されています。

つまり、同じ性能をより少ない計算資源で出せるなら、そのぶんを価格に反映できます。業界全体でも、同等以上の性能のモデルを以前の10分の1以下のコストで使える傾向が続いています。

Codex・ChatGPT Workのサブスク枠にも反映

API料金の改定は、CodexとChatGPT Workのサブスク枠にも及びます。値下げは、利用枠の増え方だけでなく、自動レビューの仕組みや費用の見込みにも関わっています。

  • 利用対象:CodexとChatGPT Workの利用枠にも値下げを反映
  • 月額料金:変わらないまま、同額でLuna・Terraの処理量が増える計算
  • 機能切替:OpenAIの公式Xアカウントで、ChatGPTアプリ・Codex CLIの自動レビューをGPT-5.4からGPT-5.6 Lunaへ変更と発表
  • 費用見込み:世代交代と料金改定により、レビュー費用は約10分の1になる見込み
  • 料金動向:生成AIの従量課金・推論モード化が進む中、サブスクの実質的な処理量が変わる例のひとつ

料金体系の比較

GPT-5.6のLuna、Terra、Solについて、100万トークンあたりの入力料金を横棒で比較。料金はそれぞれ0.2ドル、2ドル、5ドル。
3モデルの入力単価には価格差があります。

GPT-5.6の3モデルを他社の主力・最上位モデルと比べると、価格帯のどこに位置するかが分かります。なお、他社モデルの料金は、いずれも2026年8月時点で弊社が別記事で確認済みの数値です。

モデル入力(100万トークンあたり)出力(100万トークンあたり)値下げ幅位置づけ
GPT-5.6 Luna0.2ドル/約31円(旧1ドル/約155円)1.2ドル/約186円(旧6ドル/約930円)約80%オフ軽量・高速な定型処理向け
GPT-5.6 Terra2ドル/約310円(旧2.5ドル/約388円)12ドル/約1,860円(旧15ドル/約2,325円)約20%オフ汎用の中位モデル
GPT-5.6 Sol5ドル/約775円30ドル/約4,650円据え置き最上位(Fast modeは2倍額・2.5倍速)
参考:Claude Opus 55ドル/約775円25ドル/約3,875円比較用Anthropicの主力モデル
参考:Claude Fable 510ドル/約1,550円50ドル/約7,750円比較用Anthropicの最上位モデル

Lunaは他社の主力・最上位モデルと比べても際立って安価です。ただし、Solの標準料金はClaude Opus 5より高く、最上位クラスでも価格は一様ではありません。

料金だけでなく、自社の処理内容に合うモデルかどうかも検討する必要があります。

ポイント

他社モデルと比べるときは、料金の高さだけで決めず、Lunaの安さとSolの位置づけを、自社の処理内容に合うかどうかと合わせて読むのが目安になります。

法人の選び方:料金競争を踏まえた選定基準

失敗の影響が小さい定型処理にLuna、精度が事業判断に直結する複雑な処理にTerraやSolを対応させた左右比較図。
求める精度や失敗時の影響が割り当ての目安になります。

値下げ後も、処理を業務ごとの難易度と許容できる誤りの範囲で分けて考えるのが現実的です。発注側は、業務ごとに処理の難易度と許容できる誤りの範囲を先に決め、その基準に応じてモデルを割り当てる方法が実務的です。

定型処理はLuna、複雑な分析はTerra・Solの使い分け

モデルの使い分けは、処理の難易度と失敗時の影響に応じて考えます。

  • 定型処理:失敗の影響が小さく、大量処理したい業務はLuna
  • 複雑な処理:精度が事業判断に直結する業務はTerraやSol、あるいはFast mode

たとえば、一次分類や議事録の要約、定型文書の下書きは定型処理にあたります。一方で、契約書のリスク確認や複数条件を踏まえた提案文は、精度が重視される処理です。

また、ExcelでAI分析をする場合は、Copilot in Excelのようにモデルを選べるツールの仕組みも確認しておくと、業務ごとに組み合わせを変えられるかが分かります。

他社モデルとの料金比較による選定材料

料金・統合・セキュリティを他社と横並びで見ると、値下げの影響を相対的に評価できます。複数社を確認する際は、生成AI比較も参考になります。

値下げは頻繁に起きるため、契約や社内ルールを1社のモデルや料金に固定しすぎないことが大切です。そのため、定期的に見直す前提で運用すると、次の値下げにも合わせやすくなります。

ポイント

業務ごとに、失敗の影響と求める精度から使うモデルの目安を決めておくと、値下げが続いてもそのたびに選び直す手間を減らせます。

導入時の注意点

料金表の単価は目安にとどまり、実際のコストはトークン消費量やFast modeの利用有無で変わります。

円換算は、1ドル=155円の想定レートによる概算です。予算は、ドル建ての単価と想定トークン数から見積もり、為替の影響は別枠で管理しておくと安全です。

Codex・ChatGPT Workの利用枠への反映は、詳しい適用条件を自社の契約プランで確認してください。

ポイント

予算は、ドル建ての単価と想定トークン数から見積もり、為替の影響とFast modeの利用は別枠で見ておくと、導入後の想定外の支出を抑えやすくなります。

まとめ:値下げは「安く使う」より「使い分ける」判断材料

GPT-5.6では、Lunaが約80%、Terraが20%値下げされ、SolにはFast modeが追加されました。生成AIの料金競争が続いていることを示す動きです。

法人に求められるのは、処理の難易度に応じてモデルを使い分ける基準を持つことです。まず、自社の代表的な業務でトークン消費量とコストを実測し、その結果をもとにモデル選定ルールを定期的に見直すとよいでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. GPT-5.6 Lunaはいくら値下げされましたか?

2026年7月30日の発表で、入力は100万トークンあたり1ドル(約155円)から0.2ドル(約31円)に下がりました。出力も6ドル(約930円)から1.2ドル(約186円)へ変わり、いずれも約80%の値下げです。

Q. 最上位モデルのSolも値下げされましたか?

Solの標準料金は、入力5ドル(約775円)・出力30ドル(約4,650円)のまま据え置きです。新たにFast modeが加わり、標準の2倍の料金で最大2.5倍の処理速度を選べます。

Fast modeの料金は、入力10ドル(約1,550円)、出力60ドル(約9,300円)です。

Q. Codex・ChatGPT Workの月額料金も下がりますか?

月額のサブスクリプション料金自体は変わらないとされています。値下げの効果は、同じ月額でLuna・Terraを使う処理量が増える形で、利用枠に反映されます。

Q. 法人はどのモデルを選べばよいですか?

失敗の影響が小さい定型処理にはLunaが向いています。精度が求められる分析や提案には、TerraやSol、あるいはFast modeを使い分けるのが基本です。

他社料金も比較し、自社業務で実測してから運用ルールを決めることをおすすめします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。