MOTION BOARD導入の保守・運用費用・ランニングコストについて

MOTION BOARDの運用費用は、月額数万円から150万円程度まで変わります。費用を左右するのは、利用者数、改善の範囲、データ基盤や運用方式です。

MOTION BOARDは、ダッシュボードや現場帳票、リアルタイム監視画面を提供します。Dr.Sumや既存のデータベース・DWHと組み合わせて使われます。

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MOTION BOARD導入の運用保守費用の構造

MOTION BOARDの運用保守費用を製品ライセンス・保守サポート費、導入SIの運用保守費、Dr.Sum側の保守費に分けた図。
Dr.Sumを併用する場合は、保守費の項目が加わります。

MOTION BOARDの運用保守費用は、製品にかかる費用と導入SIにかかる費用の2階建てです。費用の種類を分けて見積もると、製品費は想定内でも運用費が予想以上になるといったズレを防ぎやすくなります。

製品ライセンス・保守サポート費は、バージョンアップや不具合修正、テクニカルサポートを受けるための費用で、ウイングアーク1st社に支払います。

導入SIの運用保守費は、ダッシュボード改善や指標追加、データ連携の変更を担う開発・運用パートナーに支払います。

さらに、MOTION BOARDをDr.Sumと組み合わせる場合は、Dr.Sum側の保守費も加わります。そのため、両製品を含めて運用を設計する必要があります。

ダッシュボードの「作って終わり」を防ぐ継続的な改善

運用保守費は、導入時に決めた内容だけでなく、運用後の利用状況を踏まえて考えます。

  • 改善の継続:業務要件の変化に合わせて、画面やデータ連携を見直します。
  • 費用の予算化:月額の保守運用費を、導入前の段階から予算に見込んでおきます。

ダッシュボードや帳票は、導入時点の業務要件に合わせて作ります。ただし、業務は導入後も変わるため、後から追加の要望が出てきます。

たとえば、指標や部門別内訳の追加、新システムとのデータ連携、経営会議向けの表示変更といったものです。こうした要望は、画面が実際に使われている表れでもあります。

改善せずに放置すると、業務の変化に追いつけず、画面が見られなくなることがあります。そのため、運用保守費の中心は、利用状況を踏まえた継続的な改善になります。

保守運用費は、初期開発費の5〜15%程度を月額で見込むのが一般的です。多くの場合、月額数十万円規模から始まります。

製品保守とSI運用保守の2階建て

費用の役割を分けて把握するために、製品保守とSI運用保守の違いを押さえておきます。

  • 製品保守:製品そのものを安定して使い続けるための費用です。
  • SI保守:業務に合わせて作った画面や連携を維持します。

製品保守の契約により、バージョンアップ、不具合修正、ベンダーのテクニカルサポートを受けられます。

また、国産製品のため日本語で相談でき、トラブル対応や仕様確認を進めやすい点も安心材料です。

保守料の払い方は方式によって変わります。オンプレミス版は年間保守料が発生し、クラウド版(MotionBoard Cloud)は月額サブスクリプション費用に保守サポートが含まれます。

SI運用保守費には、指標の追加や定義変更、レイアウト改善が含まれます。データ連携や権限設定の見直しも、同じく費用の対象になります。月々の保守運用費は、前述のとおり初期開発費の5〜15%程度を月額で見込むのが一般的です。

Dr.Sumと併用する場合は、集計定義の保守とデータ連携の維持も必要になります。そのため、MOTION BOARDとDr.Sumの両方を含めて体制を組みます。

ポイント

製品費と導入SIの運用費を分けて見積もれば、どちらの費用が想定を超えたのかを切り分けられます。Dr.Sumを併用する場合は、その保守費も別の項目として並べておくと、見通しを立てやすくなります。

ランニングコストの内訳

ランニングコストを製品ライセンス・システム維持費、保守・運用費、インフラ・データ基盤の維持費に分けた図。
利用人数や改善範囲、データ基盤の構成で確認する費目が分かれます。

ランニングコストは、製品ライセンス・維持費、保守・運用費、インフラ・データ基盤費に分けられます。金額は利用規模やベンダーの見積もりで変わるため、以下に挙げる金額は一般的な目安です。

製品ライセンス・システム維持費

ライセンス費用を見積もるときは、利用人数と導入方式を確認します。

  • 利用人数:閲覧・操作するユーザー数が費用に影響します。
  • 導入方式:サーバー費用の扱いが、オンプレミスとクラウドで異なります。

BIツールではユーザー課金型が多く、ライセンス費は月額数万円から数十万円以上まで幅があります。その違いは、利用規模によって生まれます。

特に、一部門での小規模な利用なら費用を抑えやすい一方、全社に展開して数百人が閲覧すると、ライセンス費用が積み上がります。

オンプレミス版はライセンスを購入して自社サーバーに構築するため、サーバー運用費が別途かかります。

クラウド版(MotionBoard Cloud)は、月額費用にサーバー環境や保守が含まれます。そのため、初期のインフラ構築の負担を抑えられますが、利用規模が広がると月額費用も増えます。

方式を選ぶ際は、閲覧ユーザー数の見込みや既存インフラの有無、機密データの取り扱い方針を踏まえます。利用者数の見通しを立てておくと、膨らみやすいライセンス費の管理にも役立ちます。

保守・運用費(継続的な改善コスト)

保守運用費は、継続的な改善の内容と、社内外でどこまでを分担するかで考えます。

  • 改善作業:指標やデータ連携を業務に合わせて更新します。
  • 費用の調整:社内対応と外部依頼の線引きです。

たとえば、初期導入構築費が1,000万円の場合、保守運用費は月額50万〜150万円程度が目安です。これは、初期開発費の5〜15%程度を月額で見込む考え方に基づきます。

費用に含まれるのは、新しい分析指標の追加や既存指標の定義変更、画面の改善です。さらに、新規データソース連携や権限設定の見直しも対象になります。

日常的な問い合わせへの対応や、軽微な不具合の修正も含まれます。

ノーコードで現場が編集できる範囲は社内で対応し、データ連携の変更や複雑な作り込みはパートナーに依頼します。こうした分け方によって、費用を調整できる場合があります。

改善を担う体制がないと、画面が業務の変化に追いつかず、使われなくなることがあります。そのため、保守運用費は活用を続けるための投資として捉えます。

インフラ・データ基盤の維持費

データ基盤の維持費は、オンプレミスとクラウドで発生の仕方が異なります。

  • オンプレミス:サーバーの維持、電力、機器の保守にかかる費用です。
  • クラウド:サーバーや転送量に応じた従量課金が発生します。

MOTION BOARDは、データを可視化するフロントエンドです。その裏側では、Dr.Sumやデータウェアハウス、データベースが集計を行い、ETLがデータを取り込みます。

クラウド構築では、データベースやデータ転送に従量課金がかかります。そのため、データ量や閲覧頻度が増えて集計負荷が上がると、インフラ費も増えていきます。

クラウド環境で非効率なクエリや不要なデータを放置すると、費用が想定以上に膨らむおそれがあります。

Dr.Sumの高速集計エンジンで処理を効率化すれば、可視化時のインフラ負荷を抑えられる利点があります。そのため、MOTION BOARDだけでなく、データ基盤を含めた総額で管理します。

ポイント

ライセンス費は利用人数、運用費は改善の範囲で大きく変わるため、両者の見込みを別々に作ると判断の材料になります。月額の目安は初期開発費の5〜15%程度と考えると、予算の枠を決めやすくなります。

コストが膨張するリスクと抑制策

ランニングコストの周囲に、予算アラート、定期棚卸し、公開ルールを配置した図。
費用監視と画面整理を運用ルールに組み込みます。

運用の仕方によっては、ランニングコストが当初の想定を超えることがあります。そこで、費用の増加要因を把握し、活用の価値を保ちながら管理する方法を見ていきます。

ユーザー課金とインフラ費の膨張リスク

費用の増加を抑えるには、利用者数とクラウド環境の両方を管理することが大切です。

  • ライセンス:利用者数を部門展開のロードマップに沿って見積もります。
  • クラウド費:処理状況と予算を継続して監視する必要があります。

特に、ライセンス費とインフラ費の増加は、コスト膨張の代表的な要因です。

閲覧ユーザーが増えると、ユーザー課金型のライセンス費用が積み上がります。利用者を計画せずに増やすと、月々の費用が想定を大きく超える場合があります。

作成・編集担当者と閲覧のみのユーザーで権限やライセンス種別を分けると、費用を抑えられる場合があります。

クラウドでは、データ量や閲覧頻度が増えるうえに、非効率なクエリや不要データの保持が集計と転送の従量課金を押し上げます。

実行状況やデータ量を定期的に監視し、非効率な処理を見直します。予算アラートを設定すれば、クラウド費用の異常な増加を早く検知できます。

Dr.Sumと併用する場合は、集計処理をDr.Sum側で効率化し、可視化時のインフラ負荷を抑える方法もあります。

ダッシュボードの乱立と保守負荷の増大

画面の乱立による保守負荷を抑えるには、作成後の管理方法を整えます。

  • 公開ルール:正式版と試験利用を分けて管理します。
  • 定期棚卸し:利用状況を確認し、未使用の画面を整理して保守対象を適正な範囲に保ちます。

ノーコードで手軽に作れるぶん、各部門が画面を増やし、似たダッシュボードが乱立することがあります。そうなると、画面ごとの連携や指標定義を保つ工数が増え、運用保守費も膨らみます。

同じ指標でも画面ごとに定義が異なると、どの数字が正しいのか混乱を招きます。

このため、正式な画面では指標の定義を統一して管理します。

画面を作ることと、作り続けて維持することは別の負担です。だからこそ、ガバナンスのある体制を関係者で共有することが、手軽さを活かしたコスト管理につながります。

ポイント

ユーザー課金とクラウドの従量課金は、利用が広がるほど膨らみます。利用状況と費用を定期的に見直す担当者を決めておくと、想定を超える前に手を打てます。

費用対効果を高める運用体制

コストを抑えるだけでなく、支出に見合う価値を引き出すことも欠かせません。そのうえで、定着支援や人材育成、オンプレミス版とクラウド版の運用負荷を踏まえて体制を考えます。

定着支援と活用人材への投資

費用対効果を高めるには、現場への定着支援と活用人材の育成が要になります。

  • 定着支援:現場が画面を業務で使えるよう支えます。
  • 活用人材:要望を集めて改善につなげます。

投資対効果を左右する最大の要因は、製品やインフラの費用の大きさより、ダッシュボードが現場で使われるかどうかです。

画面を作っても、見方や活用方法が現場に伝わらなければ、Excelや紙の帳票に戻ってしまうことがあります。

そのため、導入時から定着支援と活用人材の育成に投資します。開発費の10〜15%程度を、現場研修やマニュアル整備、運用開始後の支援に確保することが推奨されます。

どの画面のどの数字を見て、どんな判断や行動につなげるかを現場に浸透させると、日常業務に根づいていきます。

社内の推進担当者が改善要望を集め、画面に反映する流れを回すことも大切です。さらに、簡単な修正を社内で完結できれば、外部への依頼を減らせます。

活用人材を育てれば、保守運用費を抑えながら、ライセンス費や保守費に見合う価値を引き出せます。

オンプレミス版とクラウド版の運用負荷の違い

MOTION BOARDにはオンプレミス版とクラウド版(MotionBoard Cloud)があり、どちらを選ぶかで運用負荷と費用の構造が変わります。

  • オンプレミス:運用負担は続く一方で、自由度があります。
  • クラウド:インフラ管理の負荷を抑えられます。

オンプレミス版は自社サーバーに構築するため、サーバー管理やOS・ミドルウェアの更新、製品のバージョンアップを自社または委託先で行います。

機密データを社外に出せない要件にも対応しやすい一方で、インフラ運用の人件費は継続してかかります。

クラウド版は、サーバー環境や保守がサービスに含まれるため、インフラ運用の負荷を大幅に抑えられます。月額費用は発生しますが、サーバーの調達や維持管理は不要です。

少人数の情報システム部門でも運用しやすい構成です。ただし、利用規模の拡大に伴って月額費用が増える点や、データ配置の方針は事前に確認しておきます。

選ぶときは、機密データの扱いと社内の運用人員を中心に判断します。そのうえで、既存システムとの連携要件や中長期の利用規模も照らし合わせます。

運用負荷と費用の違いを踏まえて選ぶことが、無理なく運用を続ける出発点になります。

ポイント

費用対効果は、製品やインフラの費用の大きさより、現場で実際に使われるかどうかで決まります。導入時から定着支援と活用人材の育成に予算を確保すると、現場で使われる状態を作りやすくなります。

まとめ

MOTION BOARDのランニングコストは、製品ライセンス・保守、導入SIの運用保守、インフラ・データ基盤費で構成されます。

保守運用費は、初期開発費の5〜15%程度を月額で見込み、ダッシュボードの継続的な改善を前提に予算を組みます。

ユーザー課金、クラウドの従量課金、画面の乱立が費用の増加につながります。これらは、利用者管理や費用監視、運用ルールで抑えられます。

定着支援と人材育成で活用を促し、費用対効果を高めます。あわせて、オンプレミス版とクラウド版の運用負荷を考慮して体制を整えます。

導入を検討する際は、初期費用に加えて継続的な費用と体制も含め、導入実績のあるパートナーと具体的な見積もりを取るとよいでしょう。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。