MOTION BOARD導入の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

導入は、業務目的とデータを整理し、クラウド版かオンプレミス版を選んだうえで、要件定義から設計・開発、テスト・リリースへと段階的に進めます。

MOTION BOARDはウイングアーク1stが提供するBIダッシュボードツールです。記事記載では累計3,900社以上に導入され、製造・金融・流通・サービスなどで利用されています。

▼全体ガイドの記事
・MOTION BOARD導入の完全ガイド

MOTION BOARDの全体像

MOTION BOARDは、社内に散らばるデータを集約・可視化し、経営判断や現場改善を支える製品です。

データの収集・加工・分析・共有を組み合わせて使います。

MOTION BOARDの主要機能と特徴

多様なデータを取り込み、プログラミングなしでボードを作れる点が、基本の使い方になります。

  • 接続先:記事では、60種類以上の標準コネクタが掲載されています。
  • データ例:MySQL、SQL Server、Salesforce、kintone、Google Analytics、CSV・Excel、IoTセンサー
  • 作成方法:取り込んだデータをドラッグ&ドロップで配置し、担当者がボードを作成・変更できます。

MOTION BOARDは、REST/MQTT通信でIoTデータを受け取り、ミリ秒単位の表示に対応する点も特徴です。

  • 旭川信用金庫:相続管理システムを内製化し、営業店事務を年間約3,000時間減らした事例
  • スシロー:全547店舗の30億件のデータを分析基盤として活用した事例

利用目的や接続環境が自社の要件に合うかを、導入前に照らして確認します。

クラウド版とオンプレミス版の違い

クラウド版とオンプレミス版は、データ保管場所、構築作業、利用開始までの期間が異なります。

選ぶ際は、社内DXの要件、Cloud連携の可否、IT運用体制も含めて判断します。

接続先には、MySQL、Oracle、SQL Serverといった主要なRDBMSが含まれます。さらに、Salesforce、kintone、Google Analyticsなども接続対象です。

  • クラウド版:提供元のサーバーで稼働し、自社でのサーバー調達が不要です。最短数日〜数週間で開始できる場合があります。
  • オンプレミス版:自社サーバーやデータセンターで運用し、データを社内環境に置けます。

クラウド版はHTTPSで利用でき、ネットワークの変更を抑えやすい点が利点です。一方で、社外サーバーの利用は社内ポリシーと照らして確かめます。

  • オンプレミスの期間:通常3〜6か月、大規模では1年以上かかることがあります。
  • 機能差:MBクラウド録画など、クラウド版限定機能はオンプレミスで利用できない場合があります。

オンプレミスは、厳格なセキュリティ要件や既存システムとの連携に適する場合があります。ただし、サーバーの調達・設定・保守が必要になるため、必要な機能は事前に確認しておきます。

ポイント

提供形態は、厳格なセキュリティ要件や既存システムとの連携があるか、サーバーの調達や保守を社内で担えるかで判断します。機能と接続先が自社の要件に合うかを、先に照らしておきます。

MOTION BOARD導入の進め方

要件定義・企画、設計・開発、テスト・リリースの順に進むMOTION BOARDの導入工程図
各段階の確認事項をそろえると、次の工程へつなげやすくなります。

導入は、要件定義・企画、設計・開発、テスト・リリースの3段階で進み、各段階で役割と確認事項を決めておきます。

要件定義・企画フェーズ

まず、どの業務を改善するのかを具体化します。

  • 導入目的:売上を経営会議で確認する、製造ラインを監視する、Excel作成の工数を減らすなど。
  • 関係者の要件:現場に聞いて、データの種類、更新頻度、利用者、既存システムとの連携を決めます。
  • 成果基準:目的と必要な機能をつないで、完了の条件を明確にします。

次に、推進担当者を定めます。社内展開をリードできるよう、製品への理解を深めておきます。

  • 提供形態:クラウドとオンプレミス、どちらで使うかを選びます。
  • 計画:選んだ構成をもとに、予算と大まかなスケジュールを作ります。

目的が曖昧なままだと、完成後に想定と異なるダッシュボードになるおそれがあります。

設計・開発フェーズ

要件に合わせて、データを接続し、品質と形式をそろえます。

  • データ接続:社内DB、クラウドAPI、CSVなどを、リアルタイムかバッチで取り込みます。
  • 整備:必要に応じてデータをクレンジングし、統一形式に変換します。
  • 品質確認:数値や項目の定義を確かめ、後工程での手戻りを防ぎます。

設計に沿ってチャートやボードを作ります。続いて、利用者と試作を確認します。

  • 表示部品:棒・折れ線・地図・ゲージ・ガントチャートなどを組み合わせます。
  • 試作・改善:早めにプロトタイプを作り、そこにユーザー部門の意見を反映します。
  • 段階展開:三島食品では、生産計画・温湿度・設備稼働・原材料品質などに利用しています。

小さく始めてから活用範囲を広げたことは、記事で紹介された導入事例の成功要因の一つです。

テスト・リリースフェーズ

テストでは、データ、性能、使いやすさを確かめます。

  • データ検証:元データの数値と、ボードの集計値が一致するかを見ます。
  • 性能確認:更新遅延の許容範囲やピーク時の同時接続を測定します。
  • UAT:利用部門が要件、見やすさ、必要な情報を確認します。

課題を修正したうえで、本番環境へ移し、利用者が継続して使える体制を整えます。

  • 環境移行:クラウド版は比較的簡易ですが、オンプレミス版ではサーバー導入とネットワーク設定を確認します。
  • トレーニング:利用者向けの研修で、基礎から応用機能までを習得します。
  • 運用体制:現場の改善要望やデータソースの追加・変更に対応します。

ポイント

段階ごとに役割と確認事項を決めておくと、完成後のずれや手戻りを減らせます。判断に迷ったら、目的が具体的に決まっているかを先に見直すとよいでしょう。

費用相場とコストの内訳

10ユーザーの場合のクラウド・スタンダード、クラウド・プロフェッショナル、クラウド・IoTの月額ライセンス費用を比べる棒図
同じ10ユーザーの条件では、プランごとに月額が異なります。

費用は、ライセンス、初期構築、ランニングコストを合わせたTCOで見積もります。

ライセンス費用と人件費・工数

クラウド版のライセンス費用は、プランによって月額が異なり、初期費用もかかります。

  • クラウド・スタンダード:10ユーザーで月額3万円(税抜)
  • クラウド・プロフェッショナル:10ユーザーで月額6万円(税抜)
  • クラウド・IoT:10ユーザーで月額9万円(税抜)
  • クラウド初期費用:10万円(税抜)

一方、オンプレミスには、月額8万円程度からのサブスクリプションや、全社員が利用できるスイートライセンスなどがあります。料金は、ユーザー数や機能要件によって変わります。

初期構築には、社内担当者の工数と、外部支援の費用が加わります。

  • 小規模:1〜2本の簡易ボードなら、社内担当者で数週間〜1か月程度で対応できる場合があります。
  • 中規模以上:複数部門・複数データソースでは、認定パートナーの支援費用が数十万〜数百万円となることがあります。
  • 支援範囲:ヒアリングから運用支援までを、まとめて委託できます。

認定パートナーの例として、テクバン株式会社やシー・エス・エスがあります。

初期費用以外のランニングコスト

クラウド版は、月額ライセンスのほかに、次の費用も見込んでおきます。

  • 追加ユーザー:ユーザーの増加に応じたライセンス費用
  • データ転送・保管:大規模データでは転送量やストレージ費用が増える場合があります。

料金は、データ増加の見通しをもとに試算します。

オンプレミスでは、サーバーの維持や更新などの継続費用も、予算に入れておく必要があります。導入後は、業務変更への対応を含めて運用の費用が続きます。

  • サーバー:保守・更新費用
  • ソフトウェア:OSやミドルウェアのライセンス、MOTION BOARDのバージョンアップ
  • 変更対応:データソース追加や業務変更に伴うボード改修
  • 教育:外部トレーニング参加費や社内教育の人件費

ポイント

費用は、ライセンス費に加えて、社内の工数や外部支援、運用後の費用まで合わせて比べます。プランと利用規模をそろえておくと、見積もりの額を同じ条件で見られます。

見積もりを取る際のポイント

見積もり依頼前に整理するデータ、利用者・頻度、環境・連携、成果の4項目を示すチェックリスト
4つの観点を同じ形でまとめると、各社への依頼条件をそろえられます。

見積もりの精度は、依頼前に要件をどこまで具体化できるかで変わります。そのため、目的と必要なデータを、同じ条件で各社に伝えます。

要件明確化と仕様書の準備

要件書には、見たい業務とデータの条件を整理して書きます。

  • データ:種類・発生源・テーブル、CSV/APIなどの形式
  • 利用者・頻度:ユーザー数、アクセス頻度、更新サイクル
  • 環境・連携:PC・スマホ・工場モニター、既存システム連携
  • 成果:目指す業務改善の目標値

主な目的がデータマイニングや高度な統計分析なら、TableauやPower BIなど別のツールも比較の対象になります。また、MOTION BOARDでできることとできないことを整理し、初期ヒアリングでパートナーと共有しておくと、提案や見積もりの前提をそろえられます。

複数社比較と発注先の選び方

認定パートナーを選ぶ際は、最低2〜3社から提案を受けて比較します。比べる観点は、実績、提案、支援の3つです。

  • 実績:導入件数、同業種・同規模の支援経験
  • 提案:要件への理解と内容の具体性
  • 支援:導入後の保守や運用サポート

初期構築のあとも、データソースの追加や業務に応じた改修は発生します。そのため、継続的な支援体制があるかと、カスタマーサクセスやトレーニングの活用を支援できるかを確認します。

注意すべきリスクと対策

導入計画で注意したい主なリスクには、次のようなものがあります。

  • データ整備の遅延:データソースを調査し、クレンジング工数に余裕を持たせます。
  • 定着の失敗:現場を設計に参加させ、推進担当が利用状況を確認します。

連携元を絞って小さく始め、データを段階的に増やします。さらに、現場の改善要望に応えながら、導入効果を定期的に報告すると、継続的な支援を得やすくなります。

ポイント

見積もりを比べるときは、同じ要件を各社に伝えたうえで、実績、提案内容、導入後の支援を見ます。依頼の前提がそろっているかは、提案を受ける前に確かめておきます。

まとめ

MOTION BOARD導入は、業務目的とデータを定め、提供形態と段階的な導入計画を選ぶことから始まります。

  • 機能・提供形態:コネクタや事例を確認し、クラウドかオンプレミスを選びます。
  • 工程:企画、設計・開発、テスト・リリースを、推進担当が中心になって進めます。
  • 費用・委託:ライセンス、支援費、運用費を含めて、複数社と比べます。
  • リスク:データ整備と社内定着を、早い段階から計画に入れます。

MOTION BOARDは、判断と改善を支える仕組みとして設計します。そのうえで、利用範囲を段階的に広げていきます。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。