アプリリニューアルで使うツールは、デザイン設計、使いやすさの検証、導入後の効果測定の3つの目的(5つのカテゴリ)に分けて選ぶと、自社の課題に合う候補を絞り込めます。
ツールの位置づけと主要7ツールの特徴、課題別の選び方を順に見ていきます。各テーマの詳細は、関連記事もご覧ください。
▼全体ガイドの記事
・アプリリニューアルの完全ガイド
スマホアプリ開発の種類・工程・費用・会社選定までの全体像については、無料ホワイトペーパー「スマホアプリ開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
アプリリニューアルを支えるツールの位置づけ

ここで紹介するツールは、ローコード/ノーコード基盤やクラウド移行基盤とは役割が異なります。CI/CDやストア対応を担うツールとは別に、UI/UXの設計、ユーザビリティ検証、効果測定といった、リニューアルの意思決定と検証を支える周辺ツールです。
アプリを作り直す開発基盤との違い
ノーコードでアプリを作り直せる基盤を連想する方もいます。そうした基盤は、「アプリ刷新」や「アプリケーションのモダナイゼーション」の領域にあたります。一方、今回取り上げるツールは、既存アプリの技術基盤を前提に、UI/UXの設計・検証・効果測定を支援します。
5つのカテゴリ
自社の課題がどの領域にあるかを見極めるため、周辺ツールを次の5つのカテゴリに分けて確認します。
- UI/UXデザイン・プロトタイピング
- デザインシステム管理
- ユーザビリティ検証
- A/Bテスト・実験
- 行動分析・プロダクト分析
課題に合うカテゴリを先に決めておくと、比べるツールを絞り込みやすくなります。
ツールを比較するときの共通の観点

各ツールの機能一覧を見るだけでは、自社の検討フェーズに合うかは判断できません。そこで、対応領域と既存ツールとの連携、料金体系を共通の質問にします。データの扱いも同じ基準で見て、候補を同じ条件で比べます。
対応領域と既存ツールとの連携
デザインツールでは、ワイヤーフレームから高忠実度のプロトタイプ、開発者への引き渡しまでの対応範囲を確認します。一方、検証・分析ツールでは、Figmaなどのデザインツールや社内BIツールと連携できるかを確認します。
連携の可否だけでなく、どのデータをどの頻度で連携できるかまで確かめておく必要があります。
データの扱いと料金体系
行動データやテスト参加者の個人情報を扱う場合は、保管場所、権限管理、契約終了時の削除条件を確認します。
課金の単位はツールごとに異なり、デザインはシート数、分析はイベント数やセッション数が基準です。また、リサーチは参加者数やテスト回数を基準にしています。
想定する利用規模を伝えたうえで、無料プランの範囲と有料プランへの移行条件を確認します。詳しい評価の観点はアプリリニューアルの選定ポイント・選び方・種類をご覧ください。
アプリリニューアルに関わる主要クラウドツール7選
2026年7月時点で公式ページと料金体系を確認できた7ツールを紹介します。掲載順は優劣を示すものではありません。カテゴリごとに得意な領域が異なるため、自社の課題と利用規模をそろえて比べます。
Figma
FigmaはUI/UXデザインとプロトタイピングを同じ画面で行え、複数の人が同時に編集できます。デザイナーや開発者、企画担当者が意見をすり合わせやすい点も特徴です。
2026年7月時点の公式サイトでは、Starterは無料で、Professionalはフルシート月額$16です。Organizationはフルシート月額$55で、年払いのみです。為替や契約条件によって請求額は変わるため、契約前に公式サイトで確認してください。
zeroheight
zeroheightは、Figmaなどのデザインコンポーネントのルールを文書にまとめ、社内外に配信・運用するツールです。利用状況が見えるため、リニューアル後も一貫したデザインシステムを運用したい企業が、改修の優先順位を付ける際に役立ちます。
公式サイトには具体的な料金の記載が見つかりませんでした。そのため、無料トライアルやデモで、利用規模に応じた見積もりを取得します。
Maze
Mazeは、プロトタイプのユーザビリティテストやモデレーテッド・インタビュー、サーベイをオンラインで行える調査基盤です。600万人以上の参加者パネルにアクセスできるため、社内でユーザーを集めることが難しい場合でも評価を得やすい点が特徴です。
料金は公式サイトで具体的に確認できませんでした。テスト回数や参加者数を伝えて、見積もりを依頼します。
UserTesting
UserTestingは、700万人以上の認証済み参加者から、アプリやプロトタイプへの意見を集める検証ツールです。デザインやUXリサーチ、プロダクト開発など職種別の機能があり、Figmaとの連携やAI駆動の分析機能も備えています。
具体的な料金は、公式サイトでは確認できませんでした。そこで、対象チームと利用規模を伝えて見積もりを依頼します。
Optimizely
Optimizelyは、リニューアル後のUIが成果につながるかを検証するA/Bテスト・実験ツールです。新旧のデザインを一部のユーザーに配信して比べ、実測データからリニューアルの効果を確かめられます。
公式サイトには具体的な料金が載っていませんでした。想定トラフィック量と施策数を伝えて、見積もりを依頼します。
Amplitude
Amplitudeは、行動データからDAU/MAU、継続率、コンバージョンを分析します。さらに、セッションリプレイやヒートマップで、離脱した画面も追跡できます。
2026年7月時点の公式サイトでは、月間200万イベントまでのFreeプランを無期限で利用でき、カード登録も不要です。
200万イベントを超える利用は従量課金になります。利用数はアクセス規模によって変わるため、事前に見込みを立てて確認しておきます。
Contentsquare(旧Hotjar)
公式サイトは「HotjarはContentsquareの一部になりました」と案内しています。プランの上限や機能、申し込みの条件は、申し込む前に現行の内容で確かめておきます。
- 統合後の提供形態:単独のブランドではなく、プラットフォームの一部として提供されています。
- Freeプランの上限:2026年7月時点では、月間200,000セッションまでです。
- 利用できる機能:ヒートマップ、セッションリプレイ、月100件までのサーベイ回答が含まれます。
- 旧サービス名での申込:旧サービス名で申し込む場合、契約主体や機能の範囲が変わっていることがあります。
- 現行プラン:申し込み前に、現行の内容を必ず確認します。
自社の課題別に候補を絞る方法

7ツールを一度に細かく比べるより、最大の課題を決めて必須要件で候補を絞るほうが効率的です。課題の種類によって適したカテゴリが変わり、デザインの作り直しとルール維持、使いやすさの検証と効果測定とでは、見るべき領域が異なります。
デザインの作り直しとルール維持を重視する場合
画面を作り直すならFigmaを中心に検討し、複数の製品やチームでルールを揃えたいときはzeroheightを組み合わせます。ブランドガイドラインを作ったばかりなら、まずFigmaで部品をそろえ、運用が始まってからzeroheightのような文書管理ツールを検討できます。
検証と効果測定を重視する場合
リニューアル前後の段階と社内の体制に分けて、検証ツールの選び方を整理します。
- リニューアル前:候補デザインの使い勝手を確認するなら、MazeやUserTestingを検討します。
- リリース後:OptimizelyのA/Bテストで成果を検証し、AmplitudeやContentsquare(旧Hotjar)で行動を分析します。
- 社内に専任者がいない場合:パネルを持つMazeやUserTestingなら、短期間で外部の視点を取り入れやすくなります。
料金・契約前の確認事項
無料プランだけで判断すると、利用規模が広がったときに想定外の費用が生じることがあります。そこで、月額費用のほか、シートの追加やイベント量の増加、サポート範囲も確認します。
課金の単位と利用規模
ツールごとに課金の基準が違うため、自社の利用量を、そのツールの単位に置き換えて見積もります。基準はデザインがシート数、分析がイベント数やセッション数、リサーチが参加者数やテスト回数などです。
現在の規模だけでなく、リニューアル後にアクセスが増えた場合の規模も伝えておきます。そのうえで、無料プランの範囲と有料化の条件を確認し、利用が広がったときの費用を把握します。
データの扱いと解約条件
行動データやテスト参加者の個人情報を扱う場合は、取り扱いの条件を契約の前に確かめておく必要があります。とくに契約終了後のデータの扱いは、解約の段階で調べても遅いため、早い段階で見ておきます。
- 情報管理:行動データや参加者の個人情報について、保存期間、権限管理、契約終了後の削除・エクスポートの条件を確認します。
- 移行データ:旧サービスから統合・移行したツールでは、以前のデータやアカウントを引き継げるかを確認します。
- 有料化後の概算:無料プランで試している段階から、本格的に使い始めたときの費用を概算しておきます。
アプリの利用が活発になるほど、イベント数やセッション数は増えていきます。そのため、利用が伸びた場合の費用も予算と照らし合わせておくと、本番導入の時点で慌てずに済みます。
無料トライアルとPoCによる最終候補の絞り込み
資料での比較で2〜3ツールに絞ったら、実際のプロトタイプやアプリを使って無料トライアルやPoCを行います。その際、デザイナーに加えて開発者やマーケティング担当者が参加すると、導入後の使い勝手を判断しやすくなります。
実際のプロトタイプでのトライアル
サンプルデータを使うより、実際にリニューアルを検討している画面のプロトタイプやデザインファイルで試すほうが、実務で使えるかを具体的に判断できます。
ユーザビリティ検証ツールでは、想定ユーザーに近い参加者を条件で指定できるかも確認します。
導入前後の数値の比較準備
トライアルで導入前後を比べるには、次の点を確認して、データを準備しておく必要があります。
- 現状データ:分析・A/Bテストツールを試している間に、既存アプリの利用状況を取得します。
- 比較準備:リニューアル後の数値と並べて比べられる状態にしておきます。
- 無料プラン:無料の範囲で、どこまでデータを取得できるかを確認します。
- 有料化の時期:必要に応じて、移行の時期をあらかじめ検討しておきます。
アプリリニューアルツール選びの確認ポイント
無料プランだけでなく、利用規模やチーム構成に合っているかも確認します。機能欄では見えにくい条件を試すことで、導入後に運用が滞るリスクを抑えられます。
小規模チームでの導入
デザイナーが少人数だったり兼任だったりする場合でも、Figmaのような無料プランから始められます。そのため、初期費用を抑えて導入できます。
ユーザビリティ検証や行動分析も、無料の範囲で試してから本格導入を判断できます。
複数ツールの組み合わせ
1つのツールですべてを完結させようとすると、機能不足を感じやすくなります。デザイン、検証、効果測定は性質が異なるため、データの正本をどのツールに置くかを決めておきます。
選定する人と運用する担当者が異なる場合は、選定の段階で運用担当者にも操作感を見てもらうと、日常で使われないまま契約だけが残る事態を避けやすくなります。
定期的に未使用のツールや重複する機能を見直す運用も、リニューアル後の投資対効果を保つうえで役立ちます。
まとめ
アプリリニューアルでは、開発基盤を入れ替えるよりも、課題と検討段階に合う周辺ツールを組み合わせる方法が現実的です。
対象は、UI/UXデザイン・プロトタイピング、デザインシステム管理、ユーザビリティ検証です。さらに、A/Bテスト・実験、行動分析・プロダクト分析も含みます。紹介した7ツールも、それぞれ特徴が異なります。
課題診断とツールの組み合わせ
まず、デザインの再設計やルール維持、使いやすさの検証、効果測定のうち、どれを最優先にするかを選びます。
次に、対応領域、連携、料金を同じ質問で比べます。データの扱いも同じ基準で確認すると、自社に合う組み合わせを選びやすくなります。
実際のプロトタイプでの最終確認
機能の数だけでなく、実際の画面やデータで試せるかが重要です。一方で、周辺ツールでは既存システムとの連携や独自のブランド体験を作り込めない場合もあります。
riplaは、フルスクラッチ開発の立場から、ツール選定で見えた要件をもとに支援します。UI/UXの再設計から既存システムとの連携まで、アプリリニューアルを支援しています。
▼全体ガイドの記事
・アプリリニューアルの完全ガイド
▼開発を相談する前に読みたい無料ホワイトペーパー
・スマホアプリ開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
