業務プロセス改革のパッケージ/クラウド製品一覧

業務プロセス改革を支える製品は、自社導入型とクラウド型の2方式に分かれます。主要5製品を方式の違いや課題別の候補と照らし合わせると、要件に合う製品を選びやすくなります。

料金や契約条件は見積もりによって変わることがあります。方式の違いから契約前の確認事項まで順に押さえると、比較の観点がそろいます。各テーマの詳細は関連記事もご覧ください。

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パッケージ型とクラウド型の違い

パッケージ型・オンプレミス型は、自社サーバーへの導入や個別構築を含む広い意味で使われます。一方、クラウド型は、ベンダーが運用するサービスをインターネット経由で利用する方式を指します。

業務プロセス改革を支えるBPM・ワークフロー製品では、比較しやすいクラウド型が中心になっています。このため、現行の公式情報を確認できたクラウド製品を中心に取り上げます。

全社基盤の大規模統制に向く自社導入型

自社導入型は、固有のセキュリティ基準や閉域網、複雑な基幹連携に対応しやすい可能性があります。一方で、サーバー、監視、バックアップ、バージョンアップを自社で担う範囲が広くなります。ただし、複数の業務プロセスを段階的に広げ、全社の統一基盤として運用する場合には、選択肢のひとつになります。

特定プロセス単位の短期導入に向くクラウド型

クラウド型は、サーバーを調達せずに始めやすく、ベンダーによる機能更新も受けられます。このため、特定の一つの業務プロセスを対象に、数週間〜数ヶ月で稼働させ、効果を確かめながら対象を広げる進め方と相性がよい形態です。

ここで取り上げる製品は、クラウド(SaaS)で提供されるか、提供形態の個別確認が必要なものです。自社サーバー運用だけを前提とする純粋なオンプレミス専用製品は含めていません。

ポイント

自社サーバーの運用を社内で担えるかが、方式を選ぶ分かれ目になります。社内に運用を担う体制がない場合や、一つの業務から始めたい場合は、クラウド型を先に候補へ入れると進めやすくなります。

製品を比較するときの共通軸

業務プロセス製品の比較軸を、業務の再現性、外部連携、情報管理、設定変更に分けたチェックリスト。
同じ観点を各製品に当てると、違いを見比べやすくなります。

製品が自社の業務プロセスに合うかは、同じ質問を各製品に当てて比べると見えてきます。中心になるのは、対応業務範囲と再現性、連携の3点です。セキュリティや料金も、同じ質問で確かめます。

対応業務範囲とノーコードでの再現性の確認

承認ルートや条件分岐、例外処理が、製品のノーコード機能でどこまで再現できるかを、対象業務に当てはめて確かめます。たとえば、一本道の承認フローだけを扱える製品と、部門をまたぐ複雑な分岐を組める製品とでは、対応できる業務の複雑さが違います。

自社の対象プロセスをデモ環境で実際に組んでみると、再現性を直接確かめられます。

外部連携とセキュリティ・権限管理の比較

各製品について、外部連携、情報管理、設定変更の観点で対応を見比べます。

  • 外部連携:会計・基幹システムとのAPI・CSV連携の範囲、同期のタイミング、エラー時の扱い。
  • 情報管理:閲覧・編集の権限、操作ログ、バックアップ、契約終了時のデータ出力・削除の条件。
  • 設定変更:現場担当者が設定を変えられる製品での、変更権限の範囲と変更履歴の機能。

変更権限を事前に決めておかないと、意図しない設定が本番環境に反映されるおそれがあります。情報管理の確認は、情報セキュリティ部門と調整するときの材料にもなります。

評価の進め方は、業務プロセス改革の選定ポイント・選び方・種類で詳しく整理しています。

ポイント

機能の多さより、自社の業務を同じ条件で再現できるかを優先すると比べやすくなります。連携先と権限の扱いは、デモの前に一覧にしておくと違いが見えてきます。

業務プロセス改革を支援する主要クラウド製品5選

2026年7月時点で、現行の公式ページと料金体系を確認できた5製品を取り上げます。掲載順はランキングではありません。製品ごとに得意な領域も料金体系も異なるため、自社の対象プロセスに照らして比べる必要があります。

Questetra BPM Suite

Questetra BPM Suiteは、業務プロセスのモデリング(設計)から実行、モニタリングまでを、ノーコードで一貫して行えます。

  • 連携・活用:AIエージェントや外部REST APIに対応しており、複数業務の段階導入に向いています。
  • Basic:2026年7月時点で1ユーザーあたり月額1,200円。
  • Advanced:同時点で1ユーザーあたり月額3,000円。
  • Professional:同時点で1ユーザーあたり月額4,800円。

いずれも年払いには割引があり、月次は5ユーザーからです。適用条件と最新価格は、見積もりの時点で確かめる必要があります。

X-point Cloud(株式会社エイトレッド)

X-point Cloudは、紙やExcelの申請書の見た目を残したまま、ノーコードでワークフロー化したい企業に向いています。1,000種類以上のテンプレートがあるため、部門ごとに乱立しがちな稟議、経費申請、契約締結申請などを、一つの基盤にまとめられます。

2026年7月時点の公式料金では、初期費用は0円で、月額基本料金はユーザーあたり500円からです。適用条件は契約前に確かめておきます。

kintone(サイボウズ株式会社)

kintoneは、プログラミングの知識がない担当者も、ドラッグ&ドロップで部門ごとの業務をアプリにできる基盤です。申請ワークフロー機能も備えており、現状分析で見つけた業務フローを現場主導でアプリにしたい企業に向いています。

  • ライトコース:2026年7月時点で1ユーザーあたり月額1,000円(10ユーザー以上)。
  • スタンダードコース:同時点で1ユーザーあたり月額1,800円。
  • ワイドコース:同時点で1ユーザーあたり月額3,000円(1,000ユーザー以上)。最新価格は見積時に確かめます。

intra-mart Workflow(株式会社NTTデータイントラマート)

intra-mart Workflowは、複数部門の申請・承認や条件分岐、他のワークフローとの連携を含む、複雑な承認ルートに対応します。BPMやAI、OCRのほか、電子サインとも連携できます。複数の業務を広げ、全社の統一基盤として運用したい企業の候補になります。

公式ページには具体的な料金の記載がありません。そのため、対象業務と利用規模を伝えて、個別の見積もりを取得します。

SmartDB(株式会社ドリーム・アーツ)

SmartDBは、Webデータベースとワークフローを組み合わせたノーコード基盤です。現場主体で業務プロセスの完全デジタル化を目指しています。

  • 業務プロトタイプ:人事・労務、総務・法務、開発・製造、営業・サポートなど、約50種類があります。
  • 対象企業:複数の業務プロセスを横断して見直したい大企業が候補になります。
  • 料金:公式ページには料金プランへのリンクがあるものの、具体額はありません。金額は資料請求で確かめることになります。

自社の課題別に候補を絞り込む方法

業務プロセス製品の候補を絞る手がかりを、申請プロセス、紙・Excelの見た目、AI・API連携、複雑な承認の4枚のパネルで示す図。
自社で優先する課題から、比較する製品を絞り込めます。

5製品を一度に細部まで比べる前に、プロセスの複雑さと展開規模から必須要件を決めておくと、候補を絞り込みやすくなります。

まず一つのプロセスから素早く着手したい場合

特定の申請プロセスを短期間で電子化・自動化したい場合は、Questetra BPM SuiteやX-point Cloudが検討の対象になります。テンプレートが豊富で、ノーコード設定を完結しやすい製品が候補になります。

  • 紙・Excelの見た目を維持:X-point Cloudが候補です。
  • AI・API連携と柔軟な設計:Questetra BPM Suiteが候補に挙がります。

複数プロセスへ段階的に展開し全社基盤にしたい場合

一つの業務で成果を確かめてから他部門へ広げる場合は、展開規模を考慮して候補を選ぶことになります。

kintoneは、現場担当者がアプリを追加できます。一方で、複雑な承認や多くの業務プロトタイプを使う場合には、intra-mart WorkflowやSmartDBが候補になります。

将来の利用規模を見据えるなら、1人あたりの料金だけでなく、アプリ数やプロセス数の制限も確かめておく必要があります。

ポイント

まず一つの業務で始めるか、複数の業務を広げるかで、絞り込みの方向が変わります。始める業務の数と将来の利用人数を先に決めると、比べる製品を減らしやすくなります。

料金と契約前の確認事項

プロセスの追加やユーザーの増加、外部連携が加わると、公開価格より費用が増えることがあります。そのため、月額だけでなく総保有コストで判断する必要があります。

総保有コストは、導入の準備から移行や教育、日常の運用、将来の解約とデータ移行までを合わせて見積もります。

課金単位の確認

課金の単位は製品ごとに違い、ユーザー数や作成できるアプリ数、ワークフローの本数などが使われます。

  • 利用規模:現在の1プロセスの利用人数と、他業務へ展開したときの想定人数・アプリ数を伝え、同じ条件で見積もりを取ること。
  • 追加費用:初期費用、最低利用期間、従量課金の境界、API利用料、導入支援費の確認。
  • 非公開料金:具体額が公開されていない製品の数字は、推測で比較表に入れないようにします。

データ保持・権限・解約条件の契約書での確認

移行後は、申請内容や承認履歴、添付書類がクラウドに蓄積されます。そのため、権限管理や操作ログ、通信・保存時の保護を、契約書の記載で確認します。

障害時の復旧やデータの保管場所、解約時に受け取れる形式も、あわせて確認します。特に、承認履歴や設定を一般的な形式で出力できるかは、契約前に質問しておきます。

ポイント

表示価格は利用規模や追加費用で変わるため、同じ条件で見積もりを取って総額で比べることが判断の前提になります。解約時のデータの受け取り形式も、契約前に押さえておく項目です。

デモとPoCによる製品一覧の最終候補への絞り込み

実際の業務に近いプロセスを中心に置き、承認、例外処理、差し戻し、代理承認を確認項目として示した図。
通常時と例外時の確認箇所を並べて見渡せます。

資料で比べて2〜3製品に絞ったら、見直したい業務を題材に、デモかPoCを行います。現場や法務、情報システムの担当者も加わると、導入後の行き違いを減らせます。

1プロセスを最初から最後まで通した検証

実際の業務に近いプロセスを使い、起票から他システム連携まで、承認や例外処理を含めて確かめます。

正常な処理に加えて、差し戻しや、金額・内容の途中変更、承認者が不在のときの代理承認も試します。

現場の担当者にも実際に操作してもらい、説明なしで扱える範囲を確かめます。そのことで、必要なマニュアルや問い合わせ窓口の準備が見えてきます。

導入効果の実測と稟議への活用

PoCの前後で、承認時間や差し戻し件数、確認の問い合わせ件数を比べます。他社の事例は当てはめず、自社の件数と人件費から削減見込みを算出します。

クラウドを使う場合でも、アカウント管理や仕様変更への対応工数は残るため、投資効果から差し引いて考えます。

稟議では、初期費用と月額費用に加えて、移行や教育にかかる社内の工数も投資額に含めます。こうしておくと、想定外の費用を避けやすくなります。

ポイント

通常の処理だけを見て決めると、例外の扱いで手戻りが生じやすくなります。例外を含めて試したうえで社内に説明できれば、判断の根拠が残ります。

業務プロセス改革の製品比較で押さえるポイント

候補は、機能の数やおすすめの順位より先に、自社の対象業務と展開規模を同じ条件で比べます。判断が分かれやすい点も、このときに確かめておきます。

買い切り型・自社サーバー型が必要な場合の対応

料金や機能を確かめやすい製品は、クラウド型が中心です。一方で、自社サーバーでの運用が必須の場合は、問い合わせで対応の可否を確認できるintra-mart Workflowも候補になります。個別開発やハイブリッド構成も、比較の対象に加えます。

複数プロセスへ展開する場合の料金プラン選び

最初の1プロセスだけを基準に最安のプランを選ぶと、後で展開するときに、プランの変更やアプリ数の上限に直面することがあります。

今後1年から3年程度で広げるプロセス数とユーザー数を伝えると、プラン選びの前提がそろいます。上位プランへの移行条件や料金体系も、あらかじめ確かめておくと安心です。

総保有コストによる料金の比較

各社に同じ利用人数、対象プロセス数、連携条件を伝えたうえで、複数年の総保有コストで比べます。

初期費用と月額費用だけでなく、移行やAPI連携、サポート、社内運用に加えて、解約時のデータ出力費も含めます。

まとめ

業務プロセス改革を支えるクラウド製品の市場では、買い切り型の具体的な製品を無理に探すより、継続的に更新されるクラウド型を比べるほうが現実的です。

比べるときは、対象プロセスの複雑さと展開規模に合わせます。紹介した5製品も、短期導入向けから全社基盤型まで特徴が異なります。

対象プロセスの複雑さから2〜3製品への絞り込み

まず、業務の複雑さと展開規模を定めます。そのうえで、業務範囲と連携を中心に、セキュリティや料金も同じ質問で比べると、候補を絞り込めます。

デモや仕様書で確かめた根拠を評価軸ごとに記録しておくと、印象に頼らず比べられ、社内への説明にも役立ちます。

実プロセスのPoCによる最終確認

最終判断は、現場担当者を含む関係者で、実プロセスのPoCを通して行います。

  • 一貫した業務処理:自社業務を最後まで通し、例外処理も含めて対応できるかどうか。
  • 効果と運用負荷:削減できた時間と、導入後に残る運用の工数。

既製のクラウドで独自の承認や基幹連携に対応できない場合は、個別開発やハイブリッド構成も検討の対象になります。

riplaは、フルスクラッチ開発の立場から、製品比較で見えてきた不足機能の整理や、自社業務に合わせたシステム構築を支援しています。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。