FutureStage導入とは?|考え方/特徴/仕組み/目的を解説

FutureStageは、日立グループが手掛ける統合基幹業務パッケージです。導入すると、生産管理と販売管理を中心に、購買、在庫、原価、会計、人事給与までの業務データを一つのデータ基盤でつなぎ、基幹業務をまとめて管理できます。

主な対象は、中堅・中小規模の製造業、卸売業、小売業です。

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FutureStageの全体像と提供企業

FutureStage導入の全体像を確認する担当者

FutureStageは、1987年のリリース以来30年以上にわたり提供されている統合基幹業務パッケージです。会計ソフトや販売管理ソフトのように単一の業務を扱う製品と比べると、生産管理と販売管理を中心に、購買、在庫、原価、会計、人事給与までを一つのデータ基盤でつなぐ点が特徴です。

累計で約4,000システム以上の導入実績があるとされ、中堅・中小企業が基幹業務を刷新する際に、長く選択肢の一つとなってきました。

前段で見た広がりを、役割の面から3つに分けると、FutureStageの働きがつかみやすくなります。

  • 業務データの統合
  • 販売・生産・在庫の管理
  • 部門間の情報連携

日立グループが手掛ける統合基幹業務パッケージ

FutureStageは株式会社日立システムズを中心に展開されています。日立システムズの公式サイトによると、日立ソリューションズや九州日立システムズ、北海道日立システムズといった日立グループの地域会社も、それぞれの担当エリアで紹介や導入支援を行っています。

日立グループ全体で全国をカバーする体制になっている点が、他の基幹業務パッケージとの違いの一つです。この体制のため、導入企業は自社の所在地に近いグループ各社の営業・サポート窓口とやり取りしながら検討を進めます。

全国どこであっても同じブランドの製品を、地域に根ざした担当者を通じて相談できる点は、複数拠点を持つ中堅企業にとって扱いやすさにつながります。

対象は中堅・中小規模の製造業・卸売業・小売業

FutureStageが主な対象とするのは、中堅・中小規模の製造業、卸売業、小売業です。従業員数十名から数百名規模の企業が中心になると見られ、大規模ERPほどの投資規模は必要とせず、単機能の会計・販売管理ソフトでは足りない中間層の企業に向いています。

後述する海外発のミッドマーケットERPとも対象企業層が重なりますが、対象業種の広さという点では、FutureStageに独自の特徴があります。

自社が該当するかは、従業員規模だけでなく、複数の業務システムに情報が分散しているか、経営層が損益や在庫状況をリアルタイムに近い形で把握できているかで確認すると実務的です。

ポイント

FutureStageが自社に合うかは、対象業種(中堅・中小規模の製造業、卸売業、小売業)に当てはまるかと、部署ごとに分かれたデータを一つにまとめたい課題があるかで判断します。

FutureStageの主な機能と業種テンプレート

FutureStageの主な機能を確認する担当者

FutureStageの機能は、生産管理と販売管理を中心に、購買、在庫、原価、会計、人事給与までをカバーします。

加えて、業種・業態ごとに用意された専用テンプレートの豊富さが、他のパッケージ製品と比べたときの大きな特徴です。

生産管理と販売管理を中心にした基幹業務の一元管理

日立システムズの公式サイトによると、FutureStageは生産管理と販売管理を中心に、購買、在庫、原価、会計、人事給与までを一つのシステムで扱えるように設計されています。

工場の製造進捗、営業の受注情報、経理の会計処理が別々のシステムに分かれていると、締め処理のたびに手作業での突合が発生します。そこで、基幹業務データを一つにまとめれば、こうした転記や突合の手間を減らせる可能性があります。

さらに、ビッグデータ分析サービス「Smart Business Gateway」と連携することで、蓄積した基幹業務データからトレンドの把握や売れ筋分析につなげる拡張機能が使えます。また、輸出入業務など国内外の取引をつなぐ機能も用意されています。どこまで標準機能を使い、どの拡張サービスを組み合わせるかは、自社の業務範囲に応じて検討する必要があります。

豊富な帳票と問い合わせ画面による経営の見える化

FutureStageは、損益、在庫、製造現場の進捗といった基幹業務データを一つにまとめ、豊富な帳票や問い合わせ画面から確認できるように設計されています。経営層が月次決算を待たずに現状を把握できる状態を目指す機能群と言えます。

また、対象業種の広さを反映して、業種別テンプレートが用意されています。たとえば製造業向けには金属加工業・自動車部品業・一般機械製造業、卸売業向けには食品卸・医薬品卸、小売業向けには量販店・専門店・百貨店などの区分があります。

人事・給与・会計といった業種共通の機能も含めると、一つのパッケージで製造から卸売、小売までを横断的にカバーできる点が、FutureStageの機能面での特徴です。

ポイント

業種テンプレートで足りる業務と、標準機能の範囲を超えて個別に作り込む業務を分けておくと、比較の判断がしやすくなります。

オンプレミス型とクラウド型の仕組みの違い

オンプレミス型とクラウド型FutureStageの仕組みを比較する担当者

FutureStageは、自社環境に個別導入するオンプレミス型と、クラウド型(SaaS)の2つの形態を持っています。

どちらを選ぶかによって、導入までの期間や費用の構造、運用時の役割分担が変わります。

オンプレミス型は自社環境への個別導入が基本

従来型のオンプレミス提供では、自社のサーバー環境にFutureStageを導入し、業種テンプレートをベースに自社の業務フローへ合わせ込んでいきます。

自社固有の業務ルールや他の基幹システムとの連携を細かく作り込みやすい一方、サーバーの調達・保守・バージョンアップといった運用は自社側の負担が大きくなります。

オンプレミス型の価格は公式サイトに一律の記載がなく、業務範囲やカスタマイズの内容に応じた個別見積りが基本です。

クラウド型のLite版とStandard版

クラウド型のFutureStageには、Lite版とStandard版の2つのモデルがあるとされています。両者の違いは、ノーコードの設定変更だけで済ませるか、ローコード開発まで使うかにあります。

  • Lite版:ノーコードでの設定変更を前提とした構成
  • Standard版:Lite版の内容に加えて、ローコード開発にも対応する構成

標準機能に近い形で早期に稼働させたいならLite版、ある程度の追加設定や個別対応を見込む場合はStandard版というように、自社の要件に応じてモデルを選ぶ余地があります。

クラウド型の一次情報では、標準機能を中心とした小規模なケースで最短10日間程度での導入が可能とされ、初期費用は110万円〜(税別)、月額費用は16万5,000円〜(税別)という価格帯が示されています。月額費用には、ライセンス、データベース保守、回線費用、問い合わせ対応、クラウド基盤使用料が含まれるとされています。

ただし、この期間・価格帯は、クラウド型で標準機能を中心としたケースを前提としています。業種テンプレートを本格的にカスタマイズする場合や、複数拠点への展開、オンプレミス型での導入では、一般的なミッドマーケットERPと同様に3〜6ヶ月程度の期間を見込むのが現実的です。

ポイント

オンプレミス型かクラウド型かは、導入期間や費用の構造、運用時に自社が担う範囲で選びます。クラウド型なら、Lite版とStandard版のどちらが要件に合うかも比べます。

日立グループによる導入・保守サポート体制

日立グループによるFutureStage導入・保守サポート体制を確認する担当者

FutureStageの導入を検討するなら、日立グループによる全国的で手厚いサポート体制は外せない要素です。これは、海外発のミッドマーケットERPにはない、国内大手SIerならではの強みと言えます。

日立システムズと地域日立各社による全国での支援

大手SIerが現状分析や要件定義を綿密に行い、マスタ登録や現場研修まで伴走支援すると、導入初期の現場の混乱を防ぎながら、標準的なスケジュール内での定着につなげられます。これが、大手SIerによる手厚いサポート体制の一般的な効果です。

FutureStageの場合、日立システムズを中心に、日立ソリューションズや各地域の日立システムズ各社がそれぞれの担当エリアで導入・保守支援に当たります。そのため、全国に拠点を持つ企業でも、比較的近い距離感でサポートを受けられる構造です。

ただし、手厚いサポートにも費用はかかります。システム導入・構築支援費用や、外部委託によるコンサルティング費用は、別途発生することが一般的です。サポートの手厚さと費用負担は表裏一体であることを踏まえ、どこまでを自社で対応し、どこから支援を受けるかを事前に整理しておくと、見積りの内容を比べる際に基準がそろいます。

業種テンプレートの対象業種の広さ

業種テンプレートが豊富であるほど、業務フローの大きな変更や追加開発を避けて標準機能のまま運用できる範囲が広がります。そのため、要件定義から開発までの期間を短く抑えられる可能性があります。

FutureStageは製造業だけでなく卸売業・小売業まで対象業種をカバーしているため、業種特化型パッケージの中でも、自社業種に合うテンプレートが用意されている可能性が相対的に高い点が特徴です。

複数の事業(製造と卸売の両方を営む企業など)を抱える中堅企業では、事業ごとにパッケージを分けるか、一つのパッケージで複数業種をまとめて扱うかが、比較検討時の論点になります。

ポイント

地域の日立グループ各社を含めた支援の範囲と費用を、導入前の見積り段階で切り分けておくと、社内での判断がしやすくなります。

FutureStage導入の目的と期待できる効果

FutureStage導入の目的を整理する会議

FutureStage導入の狙いは、基幹業務データを一つにまとめ、経営の見える化と業務標準化を同時に進める点にあります。古いシステムを新しいものに入れ替えることも、この狙いの一部です。

損益・在庫・進捗を一つにまとめた経営の見える化

生産現場の進捗、在庫の状況、部門別の損益が別々のシステムやExcelに分かれていると、経営層が判断材料を集めるだけで時間がかかります。

FutureStageで基幹業務データを一元管理すれば、豊富な帳票や問い合わせ画面から必要な情報にたどり着けるため、月次決算を待たずに現状を把握しやすくなります。

ただし、システムを導入しただけで見える化が自動的に進むわけではありません。どの数値を、誰が、いつ確認するかという運用ルールも併せて設計しなければ、蓄積されたデータが十分に活用されないまま終わってしまいます。

レガシーシステムの刷新と標準化

長年使われてきた個別最適な自社システムやExcelマクロは、担当者の異動や退職によってブラックボックス化しやすいという課題を抱えがちです。

FutureStageのような業種テンプレートを持つパッケージへ切り替えることで、業務フローを標準的な形に近づけ、特定の担当者に依存した運用から脱却できる可能性があります。

一方で、標準化には自社の業務プロセスを見直す作業が伴います。既存の帳票や承認フローをそのまま踏襲したい部分と、この機会に見直したい部分を切り分けておくと、導入プロジェクトの合意形成がスムーズになります。

ポイント

導入の目的を、古いシステムの入れ替えだけでなく、経営の見える化と業務標準化まで含めて決めておくと、導入後の効果を振り返りやすくなります。

他の基幹システムとの違い

FutureStageと他の基幹システムの違いを整理する担当者

FutureStageは、同じ中堅・中小企業向けの基幹業務パッケージと比較検討されることが多くあります。それぞれの位置づけの違いを理解しておくと、自社にとっての優先順位が明確になります。

海外発のミッドマーケットERPとの強みの違い

ドイツ発の複雑な部品表管理・個別受注生産に強いパッケージや、北米発でクラウドSaaS化・低コード拡張を武器にするパッケージなど、中堅製造業向けには海外発のミッドマーケットERPも複数存在します。

これらは、特定の生産方式への深い適合力や、クラウドネイティブな拡張性を強みにします。一方、FutureStageは、日立グループという国内大手SIerによる手厚い伴走支援と、製造・卸売・小売にまたがる業種テンプレートの対象範囲の広さを強みにしています。

複雑な個別受注生産への特化度を優先するのか、国内のサポート体制の手厚さと業種の幅広さを優先するのかによって、比較で重視する点は変わってきます。

フルスクラッチ開発との初期投資と業務適合度のバランス

フルスクラッチ開発は、初期費用が1,000万円〜数億円、期間も6ヶ月〜数年に及ぶことがあり、中堅・中小企業には投資規模が過大になりやすい選択肢です。

これに対して、FutureStageのように業種テンプレートが豊富なパッケージであれば、フルスクラッチに近い業務適合度を、より現実的な費用感と期間で実現できる可能性が高まります。

ただし、パッケージの標準機能から大きく外れる独自業務がある場合、無理にカスタマイズを重ねると保守コストが膨らみ、フルスクラッチに近い投資規模になってしまうこともあります。標準機能で対応できる範囲と、個別開発が必要な範囲を早い段階で切り分けることが重要です。

FutureStage導入前に確認しておきたいポイント

FutureStage導入前の確認ポイントを整理する担当者

FutureStage導入の検討では、知名度や導入実績の多さに加えて、自社の条件との合い方を確かめることが欠かせません。

自社業種とのテンプレート適合度、提供形態の選び方、サポート範囲まで整理しておけば、導入後のミスマッチを防げます。

自社の業種に合うテンプレートの有無

FutureStageの強みは業種テンプレートの対象範囲の広さにありますが、すべての業種・業態を細部まで網羅しているとは限りません。

自社の主要業務(製造なのか、卸売なのか、小売なのか、あるいはその組み合わせなのか)に近いテンプレートが用意されているかを、商談やデモを通じて具体的に確認することが最初のステップです。

クラウド版とオンプレ型のスケジュールと費用感の違い

クラウド型・標準機能中心であれば最短10日間程度という一次情報がありますが、これは限定的なケースの目安です。業種テンプレートの本格的なカスタマイズや、複数拠点への展開、オンプレミス型での導入を伴う場合は、一般的なミッドマーケットERPと同様に3〜6ヶ月程度の期間を見込む必要があります。規模によっては、それより長い期間を想定しておくことになります。

自社が想定するスケジュールと、実際に必要な業務範囲を照らし合わせて確認してください。

日立グループのサポート範囲と契約内容

大手SIerによる手厚いサポートは魅力的ですが、その範囲は契約内容によって変わります。現状分析・要件定義への伴走、現場研修、保守対応のうち、どこまでが標準契約に含まれ、どこからが追加費用になるのかを見積り段階で確認しておくと、導入後の想定外のコスト発生を防げます。選定の進め方や評価軸は、FutureStage導入の選定ポイント・選び方で整理しています。

まとめ

FutureStage導入の要点をまとめる担当者

FutureStageは、日立グループが提供する統合基幹業務パッケージであり、生産管理と販売管理を中心に、購買、在庫、原価、会計、人事給与までを一元管理します。

30年以上・累計約4,000システム以上とされる国内での実績を背景に、製造業だけでなく卸売業・小売業までをカバーする業種テンプレートの広さと、日立システムズを中心とした全国的なサポート体制が強みです。

業種テンプレートと伴走支援を強みとする基幹パッケージ

オンプレミス型とクラウド型の両方に対応し、クラウド型ではLite版とStandard版の2つのモデルが用意されている点も、自社の要件に応じて選べる特徴です。

ただし、システムを導入するだけで経営の見える化や業務標準化が自動的に進むわけではありません。運用ルールの設計や、標準機能と個別要件の切り分けも、併せて行う必要があります。

自社の業務範囲の整理と比較検討の進め方

まずは、自社のどの業務領域(生産管理なのか、販売・卸売なのか、小売店舗運営なのか)に最も課題があり、どの範囲をまとめて管理したいのかを整理してください。優先すべき業務範囲が明確になれば、FutureStageの業種テンプレートとの適合度や、必要なサポート範囲を具体的に検討しやすくなります。

既製パッケージの業種テンプレートでは吸収しきれない独自の業務要件がある場合、既存システムとの連携を含む個別開発やハイブリッド構成も選択肢になります。

riplaはフルスクラッチ開発の立場から、パッケージでは対応しきれない業務要件の整理や、既存システムとの連携を含む構築を支援しています。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。