FutureStage導入とは?|考え方/特徴/仕組み/目的を解説

中堅・中小規模の製造業や卸売業、小売業では、生産管理は工場、販売管理は営業部門、会計は経理部門というように、基幹業務のデータが部署ごとのシステムやExcelに分かれたまま運用されているケースが少なくありません。損益や在庫の状況を経営層が把握しようとしても、部門をまたいだ集計に時間がかかり、意思決定が後手に回ります。こうした基幹業務を生産管理・販売管理を軸に一元管理し、日立グループが全国的なサポート体制で導入から定着まで支援する統合基幹業務パッケージが、FutureStageです。

本記事では、FutureStage導入の基本的な考え方と特徴、主な機能、オンプレミス型・クラウド型の仕組み、日立グループによるサポート体制、導入目的、他の基幹システムとの違いを順に解説します。FutureStageという名称を初めて知った担当者の方でも、自社の基幹業務刷新に適した選択肢かどうかを判断できるよう、実際の業務範囲に沿って整理します。

本テーマに関する全体ガイドは、以下の記事をご覧ください。

▼全体ガイドの記事
・FutureStage導入の完全ガイド

FutureStageとは何か?全体像と提供企業

FutureStage導入の全体像を確認する担当者

FutureStageは、1987年のリリース以来30年以上にわたり提供されている統合基幹業務パッケージです。単発の会計ソフトや販売管理ソフトとは異なり、生産管理・販売管理を軸に、購買・在庫・原価・会計・人事給与までを一つのデータ基盤でつなぐ点が特徴です。累計で約4,000システム以上の導入実績があるとされており、中堅・中小企業の基幹業務刷新において長く選択肢の一つとなってきました。

日立グループが手掛ける統合基幹業務パッケージです

FutureStageは、株式会社日立システムズを中心に展開されています。日立システムズの公式サイトによると、日立ソリューションズや、九州日立システムズ・北海道日立システムズといった日立グループの地域会社も、それぞれの担当エリアでFutureStageの紹介・導入支援を行っています。単一の開発会社が全国を一手に担うのではなく、日立グループ全体でカバーする体制になっている点が、他の基幹業務パッケージとの違いの一つです。

この体制のため、導入企業は自社の所在地に近い日立グループ各社の営業・サポート窓口とやり取りしながら検討を進めることになります。全国どこであっても同じブランドの製品を、地域に根ざした担当者を通じて相談できる点は、複数拠点を持つ中堅企業にとって扱いやすさにつながります。

対象は中堅・中小規模の製造業・卸売業・小売業です

FutureStageが主な対象とするのは、中堅・中小規模の製造業、卸売業、小売業です。従業員数十名から数百名規模の企業が中心になると見られ、大企業向けの大規模ERPほどの投資規模を必要とせず、かといって単機能の会計・販売管理ソフトでは足りない中間層の企業に向いています。この対象企業層の位置づけは、後述する海外発のミッドマーケットERPとも重なる部分がありますが、対象業種の広さという点でFutureStageには独自の特徴があります。

自社が該当するかどうかを判断する際は、従業員規模だけでなく、複数の業務システムに情報が分散しているか、経営層が損益や在庫状況をリアルタイムに近い形で把握できているかという観点で確認することが実務的です。

FutureStageの主な機能と業種テンプレート

FutureStageの主な機能を確認する担当者

FutureStageの機能は、生産管理・販売管理を中心に、購買、在庫、原価、会計、人事給与までをカバーします。加えて、業種・業態ごとに用意された専用テンプレートの豊富さが、他のパッケージ製品と比べたときの大きな特徴です。

生産管理と販売管理を軸に基幹業務を一元化します

日立システムズの公式サイトによると、FutureStageは生産管理・販売管理を軸に、購買、在庫、原価、会計、人事給与までを一つのシステムで扱えるように設計されています。工場の製造進捗と営業の受注情報、経理の会計処理がそれぞれ別のシステムに分かれていると、締め処理のたびに手作業での突合が発生しますが、基幹業務データを一元化することで、こうした転記や突合の手間を減らせる可能性があります。

さらに、ビッグデータ分析サービス「Smart Business Gateway」と連携することで、蓄積した基幹業務データからトレンドの把握や売れ筋分析につなげる拡張機能や、輸出入業務など国内外の取引をつなぐ機能も用意されています。標準機能をどこまで使うか、拡張サービスをどこまで組み合わせるかは、自社の業務範囲に応じて検討する必要があります。

豊富な帳票と問い合わせ画面で経営の見える化を支援します

FutureStageは、損益情報、在庫情報、製造現場の進捗状況といった基幹業務データを一元化したうえで、豊富な帳票や問い合わせ画面から確認できるように設計されています。経営層が月次決算を待たずに現状を把握できる状態を目指す機能群と言えます。

また、対象業種の広さを反映して、製造業向けには金属加工業・自動車部品業・一般機械製造業など、卸売業向けには食品卸・医薬品卸など、小売業向けには量販店・専門店・百貨店などの業種別テンプレートが用意されています。人事・給与・会計といった業種共通の機能も含めると、一つのパッケージで製造から卸売、小売までを横断的にカバーできる点が、FutureStageの機能面での特徴です。

オンプレミス型とクラウド型の仕組みの違い

オンプレミス型とクラウド型FutureStageの仕組みを比較する担当者

FutureStageは、自社環境に個別導入するオンプレミス型のパッケージ提供と、クラウド型(SaaS)の提供の2つの形態を持っています。どちらを選ぶかによって、導入までの期間や費用の構造、運用時の役割分担が変わります。

オンプレミス型は自社環境への個別導入が基本です

従来型のオンプレミス提供では、自社のサーバー環境にFutureStageを導入し、業種テンプレートをベースに自社の業務フローへ合わせ込んでいきます。自社固有の業務ルールや、他の基幹システムとの連携を細かく作り込みやすい一方、サーバーの調達・保守・バージョンアップといった運用は自社側の負担が大きくなります。オンプレミス型の価格は公式サイトに一律の記載がなく、業務範囲やカスタマイズの内容に応じた個別見積りが基本です。

クラウド型はLite版とStandard版の2モデルがあります

クラウド型のFutureStageには、Lite版とStandard版の2つのモデルがあるとされています。Lite版はノーコードでの設定変更を前提としており、Standard版はノーコードに加えてローコード開発にも対応する構成です。標準機能に近い形で早期に稼働させたい場合はLite版、ある程度の追加設定や個別対応を見込む場合はStandard版というように、自社の要件に応じてモデルを選ぶ余地があります。

クラウド型の一次情報としては、標準機能を中心とした小規模なケースで最短10日間程度での導入が可能とされ、初期費用は110万円〜(税別)、月額費用は16万5,000円〜(税別)という価格帯が示されています。月額費用にはライセンス、データベース保守、回線費用、問い合わせ対応、クラウド基盤使用料が含まれるとされています。ただし、この期間・価格帯はクラウド型・標準機能中心のケースを前提としており、業種テンプレートを本格的にカスタマイズする場合や、複数拠点への展開、オンプレミス型での導入では、一般的なミッドマーケットERPと同様に3〜6ヶ月程度の期間を見込むのが現実的です。

日立グループによる導入・保守サポート体制

日立グループによるFutureStage導入・保守サポート体制を確認する担当者

FutureStage導入を検討するうえで見逃せないのが、日立グループによる全国的で手厚いサポート体制です。これは、海外発のミッドマーケットERPにはない、国内大手SIerならではの強みと言えます。

日立システムズと地域日立各社が全国で支援します

現状分析や要件定義を綿密に行い、マスタ登録や現場研修まで伴走支援することで、導入初期の現場の混乱を防ぎながら標準的なスケジュール内での定着を進めやすくなる、というのが大手SIerによる手厚いサポート体制の一般的な効果です。FutureStageの場合、日立システムズを中心に、日立ソリューションズや各地域の日立システムズ各社がそれぞれの担当エリアで導入・保守支援に当たる体制になっているため、全国に拠点を持つ企業でも、比較的近い距離感でサポートを受けやすい構造になっています。

ただし、「手厚いサポート」は無償ではありません。システム導入・構築支援費用や、外部委託によるコンサルティング費用が別途発生することが一般的です。サポートの手厚さと費用負担は表裏一体であることを踏まえ、どこまでを自社で対応し、どこから支援を受けるかを事前に整理しておくと、見積りの比較がしやすくなります。

業種テンプレートの対象業種の広さが差別化要因です

業種テンプレートが豊富であるほど、業務フローの大きな変更や追加開発を避け、標準機能のまま運用できる範囲が広がり、要件定義から開発までの期間を短縮しやすくなります。FutureStageは製造業だけでなく卸売業・小売業まで対象業種をカバーしているため、業種特化型パッケージの中でも「自社業種に合うテンプレートが用意されている可能性」が相対的に高い点が特徴です。

複数の事業(製造と卸売の両方を営む企業など)を抱える中堅企業にとっては、事業ごとに異なるパッケージを導入するのではなく、一つのパッケージで複数業種の業務をカバーできる可能性がある点も、比較検討時の論点になります。

FutureStage導入の目的と期待できる効果

FutureStage導入の目的を整理する会議

FutureStage導入の目的は、単に古いシステムを新しいものへ入れ替えることにとどまりません。基幹業務データを一元化し、経営の見える化と業務標準化を同時に進める点に本質的な狙いがあります。

損益・在庫・進捗を一元化し経営の見える化を進めます

生産現場の進捗、在庫の状況、部門別の損益が別々のシステムやExcelに分かれていると、経営層が判断材料を集めるだけで時間がかかります。FutureStageで基幹業務データを一元管理すれば、豊富な帳票や問い合わせ画面から必要な情報へ同じ画面からたどり着けるようになり、月次決算を待たずに現状を把握しやすくなります。

ただし、システムを導入しただけで見える化が自動的に実現するわけではありません。どの数値を、誰が、いつ確認するかという運用ルールを併せて設計しなければ、蓄積されたデータが十分に活用されないまま終わってしまいます。

レガシーシステムの刷新と標準化を目的に導入されます

長年使われてきた個別最適な自社システムやExcelマクロは、担当者の異動や退職によってブラックボックス化しやすいという課題を抱えがちです。FutureStageのような業種テンプレートを持つパッケージへ切り替えることで、業務フローを標準的な形に近づけ、特定の担当者に依存した運用から脱却できる可能性があります。

一方で、標準化には自社の業務プロセスを見直す作業が伴います。既存の帳票や承認フローをそのまま踏襲したい部分と、この機会に見直したい部分を切り分けておくと、導入プロジェクトの合意形成がスムーズになります。

他の基幹システムとの違い

FutureStageと他の基幹システムの違いを整理する担当者

FutureStageは、同じ中堅・中小企業向けの基幹業務パッケージと比較検討されることが多くあります。それぞれの位置づけの違いを理解しておくと、自社にとっての優先順位が明確になります。

海外発のミッドマーケットERPとは強みの置き所が異なります

ドイツ発の複雑な部品表管理・個別受注生産に強いパッケージや、北米発でクラウドSaaS化・低コード拡張を武器にするパッケージなど、中堅製造業向けには海外発のミッドマーケットERPも複数存在します。これらが特定の生産方式への深い適合力や、クラウドネイティブな拡張性を強みにするのに対し、FutureStageは日立グループという国内大手SIerによる手厚い伴走支援と、製造・卸売・小売にまたがる業種テンプレートの対象範囲の広さを強みにしている点が異なります。

複雑な個別受注生産への特化度を最優先するのか、国内でのサポート体制の手厚さと業種の幅広さを優先するのかによって、比較検討の軸の置き方は変わってきます。

フルスクラッチ開発とは初期投資と業務適合度のバランスが異なります

フルスクラッチ開発は、初期費用が1,000万円〜数億円、期間も6ヶ月〜数年に及ぶことがあり、中堅・中小企業には投資規模が過大になりやすい選択肢です。これに対して、FutureStageのように業種テンプレートが豊富なパッケージであれば、フルスクラッチに近い業務適合度を、より現実的な費用感と期間で実現できる可能性が高まります。

ただし、パッケージの標準機能から大きく外れる独自業務がある場合、無理にカスタマイズを重ねると保守コストが膨らみ、フルスクラッチに近い投資規模になってしまうこともあります。標準機能で対応できる範囲と、個別開発が必要な範囲を早い段階で切り分けることが重要です。

FutureStage導入前に確認しておきたいポイント

FutureStage導入前の確認ポイントを整理する担当者

FutureStage導入を検討するかどうかは、知名度や導入実績の多さだけで決まるものではありません。自社業種とのテンプレート適合度、提供形態の選び方、サポート範囲まで含めて整理することで、導入後のミスマッチを防げます。

自社の業種にテンプレートがあるかを最初に確認します

FutureStageの強みは業種テンプレートの対象範囲の広さにありますが、すべての業種・業態を細部まで網羅しているとは限りません。自社の主要業務(製造なのか、卸売なのか、小売なのか、あるいはその組み合わせなのか)に近いテンプレートが用意されているかを、商談やデモを通じて具体的に確認することが最初のステップです。

クラウド版とオンプレ型はスケジュールと費用感が異なります

クラウド型・標準機能中心であれば最短10日間程度という一次情報がありますが、これは限定的なケースの目安です。業種テンプレートの本格的なカスタマイズや、複数拠点への展開、オンプレミス型での導入を伴う場合は、一般的なミッドマーケットERPと同様に3〜6ヶ月程度、規模によってはそれ以上の期間を見込んでおく必要があります。自社が想定するスケジュールと、実際に必要な業務範囲を照らし合わせて確認してください。

日立グループのサポート範囲は契約内容次第で変わります

「大手SIerによる手厚いサポート」という特徴は魅力的に映りますが、その範囲は契約内容によって変わります。現状分析・要件定義への伴走、現場研修、保守対応のうち、どこまでが標準契約に含まれ、どこからが追加費用になるのかを、見積り段階で具体的に確認しておくことが、導入後の想定外のコスト発生を防ぐうえで重要です。具体的な選定の進め方や評価軸については、FutureStage導入の選定ポイント・選び方で整理しています。

まとめ

FutureStage導入の要点をまとめる担当者

FutureStageは、日立グループが提供する統合基幹業務パッケージであり、生産管理・販売管理を軸に購買、在庫、原価、会計、人事給与までを一元管理します。30年以上・累計約4,000システム以上という国内での実績を背景に、製造業だけでなく卸売業・小売業までをカバーする業種テンプレートの広さと、日立システムズを中心とした全国的なサポート体制を強みとしています。

FutureStageは業種テンプレートと伴走支援を強みとする基幹パッケージです

オンプレミス型・クラウド型の両方に対応し、クラウド型ではLite版・Standard版という2つのモデルが用意されている点も、自社の要件に応じた選び方ができる特徴です。ただし、システムを導入するだけで経営の見える化や業務標準化が自動的に実現するわけではなく、運用ルールの設計や、標準機能と個別要件の切り分けを併せて行う必要があります。

自社の業務範囲を整理してから比較検討を始めます

まずは、自社のどの業務領域(生産管理なのか、販売・卸売なのか、小売店舗運営なのか)に最も課題があり、どの範囲を一元化したいのかを整理してください。優先すべき業務範囲が明確になれば、FutureStageの業種テンプレートとの適合度や、必要なサポート範囲を具体的に検討しやすくなります。既製パッケージの業種テンプレートでは吸収しきれない独自の業務要件がある場合、既存システムとの連携を含む個別開発やハイブリッド構成も選択肢になります。riplaはフルスクラッチ開発の立場から、パッケージでは対応しきれない業務要件の整理や、既存システムとの連携を含む構築を支援しています。

▼全体ガイドの記事
・FutureStage導入の完全ガイド

株式会社riplaでは、IT事業会社出身のプロフェッショナルが「Impact-Driven型支援」を通じて、プロダクトやシステムの納品・提供を目的とせず、お客様と同じ目線で、事業成果の達成をゴールとして、高品質なDX/開発支援をいたします。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。