情シス業務のアウトソーシングの見積相場や費用/コスト/値段について

情シス業務のアウトソーシング費用は、月額数万円から数百万円まで幅があります。金額を左右するのは、委託する業務の範囲、企業の規模、SLAなどの品質水準です。全体像は、情シス業務のアウトソーシングの完全ガイドもあわせてご覧ください。

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・情シス業務のアウトソーシングの完全ガイド

情シス業務アウトソーシングの費用・コストの全体像

委託範囲・規模・品質水準(SLA)によって、費用は変わります。たとえば、月額数万円のスポット対応から、月額数百万円の包括的な総合アウトソーシングまで選択肢があります。

見積もりを正しく評価するには、費用の仕組みと内訳を知っておくことが役立ちます。

費用の仕組みと内訳

情シス業務の費用は、初期費用と月額費用の2つに分けて考えると分かりやすくなります。

  • 初期費用:業務開始前の準備にかかる費用
  • 月額費用:業務を継続して委託するための費用

初期費用には、業務引き継ぎの調査、ドキュメント整備、ツール導入が含まれ、担当者への引き継ぎ研修も初期費用の項目に入ります。初期費用がかからないケースもありますが、一般的な目安は月額費用の1〜3か月分程度です。

月額費用には、担当スタッフの人件費相当額、管理コスト、ツール利用料が含まれます。さらに、報告書の作成コストが月額費用に含まれることもあります。

費用は、サービスを一括した定額パッケージで提供される場合もあれば、業務量に応じて請求する従量課金型で提供される場合もあります。そのため、複数の見積もりを比べるときは、含まれるサービス範囲を同じ基準で確認してください。

費用形態の種類

費用形態は、利用量の安定性と予算の立てやすさを見て選びます。

  • 定額型:月額を固定して利用する形態
  • 従量課金型:対応件数・時間・業務量で変動する形態
  • ハイブリッド型:定額と従量課金を組み合わせる形態

従量課金型は、対応件数・時間・業務量に応じて費用が変わります。利用量が少ない時期は費用を抑えやすい一方で、繁忙期には費用が増えるリスクがあります。

ハイブリッド型は、基本料金と超過分の従量課金を組み合わせた形です。一定の予測可能性を保ちながら、利用量の変動にも対応できます。

多くのアウトソーシングサービスは、このハイブリッド型を採用しています。たとえば、基本業務は定額で、緊急対応や特殊案件は別途請求する形が一般的です。

自社の業務量の安定性に応じて、最適な費用形態を選ぶことが大切です。

ポイント

見積もりは、初期費用と月額費用に分けて比べると判断しやすくなります。定額型と従量課金型のどちらが合うかは、業務量がどの程度安定しているかで決まります。

アウトソーシングの費用相場・目安

ヘルプデスク、ITインフラ管理、セキュリティ監視、IT戦略・CIO支援の月額相場を4枚のパネルで示した図。
委託範囲が広がると、相場の上限にも幅が出ます。

情シス業務の費用相場は、委託する業務の種類と企業規模によって変わります。業務カテゴリごとの相場と規模別の目安、月額と従量課金の違いを、順に取り上げます。

業務範囲別の相場

業務範囲を広げるほど、求められる専門性や体制も増えていきます。

  • ヘルプデスク:社内ITの問い合わせを受ける業務
  • ITインフラ管理:サーバーやネットワークを監視・保守する業務
  • セキュリティ監視:SIEMなどで脅威を監視する業務
  • IT戦略・総合支援:戦略から複数業務まで担う支援

ヘルプデスク・サポートデスクの相場は、月額20万〜100万円です。対応件数、対応時間、多言語対応の有無によって、費用に幅が出ます。

ITインフラ管理の費用は、月額30万〜200万円が目安です。管理するサーバー台数、ネットワーク規模、24時間対応の有無によって変わります。

セキュリティ監視・SIEM(セキュリティ情報およびイベント管理)の費用は、月額50万〜300万円です。監視対象のエンドポイント数、対応速度、インシデント対応の深さで変動します。

IT戦略・CIO支援(フラクショナルCIO)は、月額30万〜100万円が相場です。経営会議への参加頻度と戦略立案の範囲によって、費用が変わります。

ヘルプデスクからインフラ・セキュリティまでを含む総合アウトソーシングは、月額100万〜500万円以上が目安です。常駐型の場合は、業務範囲の広さに応じて費用が発生します。

規模別の費用目安

企業の規模によって、必要な業務範囲もスタッフ数も変わります。

  • 小規模企業:必要最低限のサービスから始める
  • 中堅企業:複数の業務を組み合わせる
  • 大企業・複数拠点:包括的な体制を整える

従業員50名以下では、ヘルプデスクと基本的なインフラ管理で月額20万〜50万円程度が相場です。業務範囲を絞って必要最低限のサービスから始めると、コストを抑えられます。

従業員50〜300名では、ヘルプデスク・インフラ管理・セキュリティ監視で月額50万〜200万円程度が目安です。従業員300名以上や複数拠点の企業では、月額200万〜500万円以上の契約が多く見られます。

常駐スタッフを置く場合は、1名当たり月額40万〜80万円の人件費相当額が基準になります。複数名を配置すると、そのぶん費用も大きくなります。また、規模が大きいほど規模の経済が働き、従業員数当たりの単価は下がる傾向があります。

月額・従量課金の違い

月額型と従量課金型は、業務量がどれだけ変動するかと、予算を管理しやすいかで使い分けます。

  • 月額定額型:業務量が安定し、費用を予測しやすい企業向け
  • 従量課金型:利用量が少ない時期の費用を抑えたい企業向け

月額定額型は、問い合わせ件数や対応時間に関わらず固定費が発生します。業務量が少ない月でも同額が請求されるため、繁閑差が大きい業務には不向きな場合があります。

従量課金型では、問い合わせ1件当たり数百〜数千円が一般的です。さらに、対応時間の場合は、1時間当たり5,000〜15,000円といった単価設定があります。

利用量が少ない時期は費用を抑えやすい反面、繁忙期に費用が急増するリスクがあります。そこで、事前に上限額を設定できる「キャップ付き従量課金」を選ぶと、費用を管理しやすくなります。

ポイント

相場は、委託する業務の種類と企業規模で大きく変わります。まずは委託したい業務の範囲を絞り、その範囲の相場と照らし合わせると、見積もりを比べやすくなります。

費用に影響する主な要因

情シス業務の委託費用に関わる4条件を中央の見出しから放射状に示した図。
委託範囲と社内外の分担を合わせて整理できます。

同じ業務でも、アウトソーシングの範囲や品質水準によって費用に差が出ます。

社内で対応する部分との比率も、費用を動かす要因になります。そのため、見積もりでは、これらの要因を把握したうえで各社の提案を評価します。

アウトソーシング範囲

委託する業務の範囲は、費用にいちばん大きく影響します。

  • 業務範囲:単一業務か、複数業務を含むか
  • 対応時間:平日対応か、24時間365日対応か
  • 対応拠点:本社のみか、全国の複数拠点か

インフラ管理・セキュリティ・IT調達・ベンダー管理まで依頼した場合は、ヘルプデスクだけの場合と比べて費用が数倍異なります。

平日9時〜18時だけの対応なら費用を抑えやすいですが、24時間365日対応では夜間・休日の人件費が上乗せされます。

本社のみの場合と全国の複数拠点では、必要なスタッフ数が変わります。加えて、移動コストやシステム連携の複雑さも、対応拠点の数によって変わります。

コストリスクの面では、まず対象業務を絞り、段階的に範囲を広げる方法が望ましいです。

SLAと対応品質

SLAとスタッフのスキル水準は、求める対応品質と費用を左右します。

  • SLA:応答や復旧までに求める時間の水準
  • 対応品質:担当スタッフに必要な専門性の水準

SLA(サービスレベル合意)を高くすると、リソースの確保にかかるコストが増えて、費用も上がります。たとえば、「問い合わせから1時間以内に初回応答」や「障害発生から4時間以内に復旧」は、高い水準の例です。

SLAを「翌営業日対応可」などの緩やかな水準にすれば、費用を抑えやすいです。

一般的なIT問い合わせに対応するL1サポートと、専門知識が必要なL2/L3サポートでは、単価が異なります。そのため、自社の業務特性に合う水準を設定して、過剰なスペックの契約を避けることが大切です。

インソース比率

社内対応と外部委託をどう分けるかは、費用とリスクの両方に関わります。

  • ハイブリッド型:通常業務を社内、高度な対応を外部に分ける
  • 知識の蓄積:マニュアルや訓練で社内にノウハウを残す

通常の問い合わせは社内で行い、高度な対応だけを委託すれば、費用を抑えやすくなります。さらに、このハイブリッド型なら、専門性の高いサポートも確保できます。

社内担当者の育成コストとアウトソーシング費用を比べて、比率を検討します。

社内に知識が蓄積されないと、委託先への依存度が高まります。将来の契約変更時にリスクが生じるため、業務マニュアルを整えておきます。

ナレッジ管理ツールの導入や、社内担当者への引き継ぎ訓練も計画します。開始時から準備しておけば、適切なインソース比率を保てます。

ポイント

費用を左右するのは、委託する業務の範囲、対応時間や拠点の数、SLAなどの品質水準です。SLAは高いほど費用が上がるため、自社の業務に合う水準を選ぶことが判断の目安になります。

費用を最適化するポイント

業務棚卸、優先順位付け、実績データに基づく発注規模の設定へ進む3段階の図。
実績を整理してから発注量を決める流れです。

費用を無駄なく抑えるには、事前の準備と発注の設計が欠かせません。まず、委託する内容を明確にし、過不足のないサービスを設計すると、コストパフォーマンスが高まります。

業務棚卸と優先順位付け

最初に、現在の情シス業務を洗い出し、それぞれの発生状況を一覧にします。

  • 日常業務:ヘルプデスク・障害対応・PC設定など
  • 定期業務:一定の周期で発生する情シス業務

日常業務と定期業務を分けて、それぞれの発生頻度、工数、専門性を整理します。定期業務には、システム更新、セキュリティパッチ適用、監査対応などがあります。

この情報があれば、発注仕様書であるRFP(提案依頼書)を正確に作れます。業務内容が明確になるので、見積もりの精度も上がります。

洗い出したあとは、費用削減・品質向上・社内の人手が空く効果が大きい業務から優先します。全業務を一度に委託すると費用が膨らむため、効果が明確な業務から段階的に始めます。

適切な発注規模の設定

発注規模は、実績データと契約期間を踏まえて決めます。

  • サービス量:実際の問い合わせや工数に合わせる
  • 契約期間:割引と変更リスクのバランスを取る

業務量より多く発注すると、使われないぶんの費用も発生します。そのため、過去半年〜1年分の問い合わせ件数と対応工数を集計して、実績から必要なサービス量を割り出します。そのうえで、発注規模を決めます。

長期契約(1〜3年)では、月額費用を割り引いてもらえるケースがあります。一方で、サービスに不満が生じた場合に、契約の変更が難しくなるリスクもあります。

初回は6か月程度の短期契約で品質を確認してから、長期契約へ移る方法が有効です。

ポイント

費用を抑えるには、業務を洗い出して優先順位をつけ、実績から発注規模を決めることが基本です。全業務を一度に委託せず、効果が明確な業務から始めると、費用が膨らみにくくなります。

見積もり取得時の注意点

見積もりは金額だけで比べず、サービス内容・前提条件・隠れコストも確認して評価します。また、複数社から見積もりを取ると、市場の相場と各社の強みがつかめます。

比較検討の方法

見積もりは同じ条件で取り寄せると、各社の費用を比べやすくなります。

  • 提示条件:業務範囲・対応時間・SLAをそろえる
  • 評価項目:実績・専門性・緊急体制・報告内容を見る

自社の要件をまとめた簡易的なRFP(提案依頼書)を作って、各社に配布します。そのうえで、最低でも3社以上から見積もりを取ると、市場の費用感と各社の違いがつかめます。

最安値が最良とは限らないため、長期的なコストとリスクを総合評価します。費用以外の評価項目としては、報告の頻度と内容も外せません。

隠れコストの見極め方

見積もりの金額に含まれない費用もあるため、契約前に範囲を確認しておきます。

  • 初期・超過費用:契約の開始時と、上限を超えた場合に発生する費用
  • 追加サービス:報告書やダッシュボードなどのオプション
  • 対応・ライセンス費:緊急対応やツールに関わる費用

引き継ぎ・業務移管の初期設定費用が、別途請求される場合があります。さらに、業務量が上限を超えた際の超過料金にも注意が必要です。

報告書やダッシュボードの作成費用が、オプション扱いになる場合もあります。加えて、緊急対応・休日対応の割増料金や、ツール・システムのライセンス費用も、見積もりに含まれているかを確かめます。

見積もりを受け取ったら、この金額に含まれないコストを必ず確認してください。

契約更新時の値上げルールは、年間インフレ率に連動するといった条件も含めて確かめておきます。そのうえで、複数年の総所有コスト(TCO)を試算して、長く続けられる費用水準を選びます。

ポイント

見積もりは、同じ条件で3社以上から取り、金額だけでなく含まれる範囲と別途かかる費用まで確認して比べます。最安値だけで選ぶと、後から別途費用が重なることもあるため、総合的に比べる視点が欠かせません。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。