レガシーシステムリニューアルの選定は、方式を比べる前に自社の課題を切り分けることから始まります。見た目の古さと操作上の不便では、必要な改修の範囲が変わります。
課題の所在から契約前の確認事項までを、この順に見ていきます。全体の流れは、次の全体ガイドで確認できます。
▼全体ガイドの記事
・レガシーシステムリニューアルの完全ガイド
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選定前に整理すべき自社の課題
まず、利用者がどの画面のどの操作で不満を感じているかを、具体的に挙げておきます。「古く見える」という把握のままでは、比べる方式や体制を決められません。
ブランドイメージの陳腐化とUXの課題の切り分け
ブランドイメージの課題と、目的の操作にたどり着けないUXの課題は、分けて考える必要があります。前者は見た目の調整が中心になりますが、後者では情報設計や画面遷移の再設計が必要です。
課題を混ぜたまま進めると、見た目は変わっても成果に結びつかないことがあります。そのため、現場へのヒアリングとアクセス解析で、どこを直すべきかを先に確かめておきます。
モバイル対応の遅れと離脱率の高さの確認
モバイル利用が多い場合は、表示崩れと操作のしづらさを優先して確かめます。さらに、離脱の多い画面と端末の内訳を見ると、対応範囲を決めやすくなります。
構築方式で見るレガシーシステムリニューアルの種類

構築方式は、ASP型、クラウド型(SaaS)、パッケージ型(オンプレミス)、フルスクラッチ型の4つに大別できます。各方式は、要件との適合度、費用、期間、自由度をそろえて比べます。
ASP型・クラウド型が向く短期間のリニューアル
ASP型やクラウド型(SaaS)は、標準機能を使って短期間で始めやすい方式です。ただし、独自のブランド表現や特殊な業務フローには制約があるため、標準機能で解決できる範囲を先に確認しておきます。
パッケージ型・フルスクラッチ型の独自要件への対応力
パッケージ型は、既存の機能を基にしながら、要件に合わせて調整する方式です。フルスクラッチ型は自由度が高い反面、要件定義から運用までの負担も大きくなります。
体制・パートナーを比較するときの評価軸

方式を絞ったあとは、候補を同じ評価軸で比べます。営業説明の印象に左右されないよう、確認の方法も候補ごとにそろえます。
- UXリサーチとデザイン設計の進め方
- データ移行とセキュリティの責任範囲
- 公開後の運用体制と総保有コスト
UXリサーチ・デザイン設計力の確認
デザインの実績は、完成した画面だけでなく、調査と検証の過程まで確かめます。類似案件で課題をどう特定し、デザインをどう確定したかが、判断の材料になります。
仮説と判断指標を説明できるかを聞くと、実績を再現できるかどうかを見極めやすくなります。また、公開後に自社で調整できる範囲は、契約前に確かめておきます。
データ移行・セキュリティ・TCOの確認
データ移行の範囲と手順は、業務を止めずに切り替えられるかを左右します。さらに、セキュリティ対策や保守を含めて、初期費用だけでなく運用期間全体のコストで比べます。
見積もりでは、脆弱性対応、バックアップ、診断のそれぞれについて、担当者と費用を分けて確かめます。自社で対応するか月額保守に任せるかという前提をそろえておくと、契約後の追加費用を抑えられます。
プロトタイプ検証とPoCの進め方

資料やデザイン案だけで発注先を決めず、本実装の前に操作を検証しておきます。早い段階で違和感を見つけるほど、後工程でのやり直しを抑えられます。
ワイヤーフレーム・デザインカンプによる手戻りの防止
ワイヤーフレームやデザインカンプで、操作の流れを確かめます。関係者が早い段階で画面に触れておけば、実装後に大きな修正が発生するリスクを下げられます。
候補先には、検証をどの契約段階で何回行うかを確かめます。また、見積もりに含まれる範囲と、追加費用になる条件を契約前に明確にしておきます。
本番導入前のユーザビリティテスト
ユーザビリティテストでは、利用者に実際のタスクを依頼し、操作が止まる箇所を記録します。モバイル利用が多い場合は実機でも試し、公開後も分析と改善を続ける体制を決めておきます。
SaaS・パッケージ・フルスクラッチの選び分け
標準機能で目的を満たせるなら、SaaSが候補になります。一方で、独自要件が競争力に直結する場合はフルスクラッチを、領域ごとに使い分ける場合はハイブリッドを検討します。
独自要件の有無による判断
複数ブランドの統合や独自の業務フローが必須なら、既製品では足りない可能性があります。反対に、標準機能で目的を達成できるなら、SaaSで範囲と期間を抑えられます。
迷う場合は、未対応の要件を一覧にして、標準機能で吸収できるものと独自開発が必要なものに分けます。さらに、一部だけ独自開発にする構成も候補に入れます。
標準領域と独自領域を分けるハイブリッド構成
共通機能はSaaSやパッケージに任せ、差別化する画面や業務だけを独自開発する方法です。この構成では、正のデータ、連携仕様、例外処理を先に決め、入出力項目を示して個別に見積もります。
RFP・デモ・PoCの進め方
候補を2〜3社に絞ったら、RFPで要件をそろえたうえで、画面と操作感をデモやPoCで確かめます。資料と口頭説明だけで決めないようにします。
RFPに盛り込む業務シナリオと非機能要件
RFPには、対象画面と利用者を明記したうえで、現行課題や目指す体験、実際の利用シナリオを書きます。加えて、表示速度やレスポンシブ対応、データ移行を要件に含めます。保守と障害対応の範囲も、要件として書いておきます。
比較表には、デモ、提案書、口頭説明のどれで確認したかを記録します。口頭説明だけで確かめた項目は保留にし、契約前に文書での提示を求めます。
実案件のフルパスで見るデモ
デモでは、自社の画面遷移と入力パターンを使い、正常系だけでなくエラーや途中離脱の場面も試します。
利用者にも操作してもらうと、説明を受けなくても進められるかを確かめられます。製品の候補を探すときは、レガシーシステムリニューアルのパッケージ・クラウド製品一覧も参考になります。
レガシーシステムリニューアル導入前に確認しておきたいポイント
候補を絞ったあとは、対象範囲と運用体制を確定させておく必要があります。曖昧なまま着手すると、公開後に認識のずれが起きやすくなります。
全面刷新か部分刷新かの決定
全面刷新か段階刷新かによって、必要な体制と期間は変わります。段階的に進める場合は、最初の範囲で測る成果指標を先に決めておきます。
部分刷新では、旧画面と新画面が併存します。そのため、ブランドや操作感の一貫性を保つには、移行期間の暫定ガイドラインを用意しておく必要があります。
選定時に考えるリニューアル後の運用体制
公開後は、アクセスやクリックの状況を見ながら改善を続けます。数値を見る担当者、判断の周期、デザイン更新の担当者は、選定段階で決めておきます。
公開しただけで成果が続くとは限りません。そこで、A/Bテストやコンテンツ整備を含む改善計画を、パートナーと事前に共有しておきます。
まとめ
選定では、課題を切り分けてから構築方式を選び、候補を同じ軸で比べます。そのうえで、プロトタイプやPoCで操作を確かめ、契約前に範囲と運用を固めることが欠かせません。
課題の切り分けから体制選定までの一連の流れ
課題を切り分け、方式を選び、比較と検証を重ねて判断材料をそろえると、感覚だけに頼らず体制を決められます。
既製品で足りない領域を個別開発する選択肢
既製品で足りない要件だけを独自開発に切り分けると、方式を選びやすくなります。riplaは、要件整理から既存システムとの連携を含むリニューアル構築まで支援しています。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
