mcframeの製品は、オンプレミス型の7シリーズ(SCM・PCM・LiteMES・CFP)、クラウド型のmcframe X、海外拠点向けのGA・CSに分かれます。組み合わせは、提供形態、対象業務、海外拠点への対応範囲によって変わります。
各製品の詳細は、関連記事もあわせてご覧ください。
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mcframe導入における提供形態の違い―オンプレミスとクラウド

mcframeは、自社サーバーに導入するオンプレミス型の7シリーズと、クラウド型のmcframe Xを提供しています。提供形態によって、初期費用の性質、カスタマイズの自由度、運用の負荷をどこまで自社が担うかが変わります。
オンプレミスのmcframe 7シリーズという選択
独自の配賦ルールや帳票を作り込みたい企業には、自社サーバーに導入するmcframe 7シリーズが合います。
7シリーズは4つの製品で構成されています。中核は生産・販売管理のSCMで、原価管理のPCM、製造実行のLiteMES、製品単位のCO2排出量を算定するCFPと組み合わせると、統合運用を実現しやすくなります。
カスタマイズの自由度は高い一方で、サーバーの調達と監視、バックアップ、バージョンアップの作業が自社側に多く残ります。
クラウドのmcframe Xという選択
mcframe Xは、日本で開発されたものづくり向けクラウドERPで、サーバーを調達せずに利用を始められます。
mcframe Xの特徴は、機能拡張と複数拠点での利用を支える点にあります。
- 機能拡張:ノーコード・ローコードで機能を拡張する「Developer Platform」が使えます。
- 複数拠点利用:日本語・英語・タイ語・インドネシア語・中国語の5言語に対応し、海外拠点との共通利用にも適しています。
標準機能に合わせて進めるほど、短期間での稼働につながります。一方で、独自要件が多い場合は、Developer Platformでの追加設定に時間がかかります。
製品を比較するときの共通の観点

原価管理や海外展開への適合は、製品ページの機能一覧だけでは判断しにくいものです。そこで、業務範囲や原価計算方式に加えて、海外対応、料金、サポートを同じ条件で比べます。
業務範囲・原価計算方式への対応の確認
まず、SCM・PCM・LiteMES・CFPのそれぞれについて、標準機能でどこまで対応できるかを確かめます。対応できない部分は、追加設定や連携開発が必要かどうかも見ておきます。
「原価管理に対応」という説明で済ませず、標準原価・予算原価・実績原価・実際原価のどの方式に対応するかを確かめます。
特に、総合原価計算と個別原価計算のどちらに強いかは、自社の実データを使ったデモで再現してもらいます。
海外拠点対応・料金体系・サポート窓口の確認
海外拠点がある場合は、mcframe GAとmcframe CSの対応国・地域を確かめ、現地の会計制度への適合状況も見ておきます。
多くの製品は個別見積もりが基本のため、課金の対象と保守・サポート窓口の対応範囲を、製品や販売パートナーに同じ条件で質問しておくと比べやすくなります。
評価軸と比較の進め方は、mcframe導入の選定ポイント・選び方・種類にまとめています。
mcframeの主要パッケージ・クラウド製品7選
2026年7月時点で公式サイトに現行ページを確認できた7製品を、次に紹介します。掲載順は優劣を示しません。製品ごとに得意な業務範囲が違うため、自社の課題に照らして検討します。
mcframe 7 SCM
mcframe 7 SCMは、生産管理・販売管理・購買管理を担う中核製品です。公式サイトによると、見込生産・受注生産・半見込生産など、あらゆる生産形態に対応します。
BOMとMRPを使った生産計画に加えて、多言語・多通貨の処理、EDIとPLMの連携を備えています。特に、生産計画の精度や受発注業務の速度に課題のある企業では、最初の検討候補になります。
mcframe 7 PCM
mcframe 7 PCMは、原価管理に特化した製品です。公式サイトによると、標準原価・実際原価・予算原価など4つの原価計算方式に対応します。
原価シミュレーションと、部門別・品目別の配賦を備えています。加えて、総合原価計算と個別原価計算の両方や、品別P/Lなどの分析レポートを扱えます。
決算後になって原価のブレを把握する企業や、値上げ交渉の材料となる利益分析ができていない企業では、優先して検討する候補になります。
mcframe 7 LiteMES
mcframe 7 LiteMESは、SCMの生産計画をもとに、製造現場の日々の作業計画を具体化する製造実行システムです。リアルタイムな実績収集も支援します。
公式サイトによると、日次の指図を時間単位に分ける差立管理や、進捗ボードで工程の進み具合を一覧できる機能を備えています。
さらに、タブレット端末のRAKU-PADや、設備データ連携のSIGNAL CHAINとつなげる機能もあります。進捗の把握や実績の収集を紙や口頭に頼っている企業では、検討する価値があります。
mcframe 7 CFP
mcframe 7 CFPは、製品単位のCO2排出量を管理する製品で、会計機能は持ちません。CFPは、Carbon Footprint of Productsの略です。
公式サイトによると、原材料調達から生産までを対象とし、製造実績に基づく排出量の計算と、標準値・実績値の比較分析を行います。
取引先からサプライチェーン排出量の開示を求められている製造業や、自社の脱炭素対応が課題の企業では、候補に入ります。
mcframe X
mcframe Xは、日本で開発されたクラウドERPで、ものづくり企業向けです。公式サイトによると、組立加工からプロセス製造まで幅広い業種に対応します。
ノーコード・ローコードで機能を拡張する「Developer Platform」を搭載し、日本語・英語・タイ語・インドネシア語・中国語の5言語に対応します。
サーバー調達の負担を抑えたい企業や、複数拠点で共通の基盤を使いたい企業の候補になります。
mcframe GA
mcframe GAは、海外グループ会社向けの会計・ERPパッケージです。公式サイトによると、33の国と地域で1,500社を超える導入実績があります。
日本本社から、海外拠点の財務・販売・購買・在庫のデータへアクセスし、一元管理できます。さらに、異なるシステムを使う拠点向けの「mcframe GA Global Link」や、SaaS型サービスも特徴の一つです。
海外グループ会社の会計処理や連結決算の負荷が課題になっている企業では、検討する候補になります。
mcframe CS
mcframe CSは、海外拠点向けの生産管理パッケージです。公式サイトによると、コンパクトな生産管理システムとして、または海外拠点を統括する第2標準ERPとして利用されています。
販売・生産・原価管理に加えて、権限管理や、受発注・単価申請のワークフロー管理も提供されています。
mcframe GAと組み合わせると、会計機能まで含むワンストップの体制を構築できます。CSは、海外拠点の生産・原価管理をコンパクトに始めたい企業に向いています。
自社の課題別に候補を絞る方法

7製品を一度に細かく比べるより、最も大きな課題を一つ決めて、必須要件で候補を絞るほうが効率的です。課題が違えば、優先する製品も変わります。
原価の可視化を最優先する場合
標準原価と実際原価の差が決算後にしか分からない企業や、製品別・得意先別の利益分析ができていない企業では、mcframe 7 PCMを中心に検討します。
生産計画とのデータ連動を重視するなら、SCMを組み合わせます。さらに、現場の実績収集まで含めて精度を高めたい場合は、LiteMESの追加も検討します。
海外拠点対応や脱炭素対応を重視する場合
海外グループ会社の会計処理や連結管理が課題なら、mcframe GAを検討します。一方で、海外拠点の生産・原価管理をコンパクトに始めたい場合は、mcframe CSが候補になります。
両方が必要であれば、GAとCSを組み合わせます。また、取引先からCO2排出量の開示を求められることが課題なら、mcframe 7 CFPも候補に加えます。
複数拠点で共通のクラウド基盤を使いたい場合は、mcframe Xも検討できます。
料金・契約前の確認事項
2026年7月時点で確認した範囲では、紹介した7製品は公式サイトに具体的な料金を載せていません。そのため、問い合わせや資料請求を通じた個別見積もりが基本になります。
公開されていない金額は推測で比較表に入れず、見積もりの時点で確認した最新の条件をもとに判断します。
料金の個別見積もり
各社の見積もりは、費用を同じ項目に分けて並べると比べやすくなります。ライセンスから保守まで、どの費用が含まれているかを見ておきます。
- ライセンス費用
- 要件定義・導入支援費用
- カスタマイズ費用
- データ移行費用
- トレーニング費用・年間保守料
オンプレミスのmcframe 7とクラウドのmcframe Xでは、費用の発生時期や内訳が異なります。そこで、同じ利用規模と利用年数の前提で複数のパートナーに見積もりを依頼すると、比べやすくなります。
料金の最新情報は、見積もりの時点で確認してください。特に海外向けのGA・CSは、対象の拠点数や利用者数によって料金体系が変わる場合があります。
現在の拠点だけでなく、将来増える可能性のある拠点も見積もり条件に含めておくと、想定外の費用を防ぎやすくなります。
保守・データ・サポート窓口の契約前確認
契約前には、法改正への更新方針と障害時の対応範囲を確かめておきます。あわせて、データのバックアップ方法と保管場所も確認します。
また、解約や乗り換えの際に、データをどの形式で受け取れるかも確認します。自社の業界での導入実績やサポート体制は、販売パートナーごとに比べます。
デモとPoCによる最終候補の絞り込み
資料で比べて候補を絞ったら、実際の原価計算パターンや海外拠点の要件を使い、デモまたはPoCを行います。
経理・生産管理・情報システムの担当者が参加すると、導入後の行き違いを減らせます。
自社の原価計算パターンのデモ再現
まず、自社の配賦基準や差異分析の粒度を伝えます。そのうえで、総合原価計算と個別原価計算のどちらを基本とするかも共有します。
実データに近い条件でデモを依頼し、標準機能で対応できる範囲と、追加設定や連携開発が必要な範囲を記録します。この記録は、後の見積もり比較に役立ちます。
PoCによる標準機能への準拠度の検証
mcframe Xの公式サイトが示す導入プロセスを参考に、プロトタイプの段階で原価計算ロジックの再現度を検証します。
同プロセスは、目標を定めるところから始まり、プロトタイプ、開発、運用トレーニングを経て、本番移行と定着化に至ります。海外拠点がある場合は、GA・CSを使った現地検証も、本格導入の前に行う大切なステップになります。
mcframe導入前の確認ポイント
候補を選ぶときは、名称の似た製品を混同しないように注意し、契約規模に応じた条件を同じ基準で比べます。判断が分かれやすい点も、あらかじめ確認しておきます。
mcframe GAとmcframe CSの組み合わせ方
公式サイトによると、CSは生産・販売・原価管理を担い、GAは会計・ERP機能を担います。両者を組み合わせると、海外拠点の会計機能まで含むワンストップの体制を構築できるとされています。
GAかCSのどちらか一方を導入するか、両方を組み合わせるかは、海外拠点でどこまで業務をシステム化するかで決まります。
CFPは会計機能ではなくCO2排出量管理機能
mcframe 7 CFPが担うのは、原材料調達から生産までの製品単位のCO2排出量の算定と管理です。会計処理は対象に含まれません。
国内の会計処理は、会計システムとのインターフェースを通じて外部システムと連携します。一方、海外グループ会社では、mcframe GAが会計・ERP機能を担います。
販売パートナーごとの提案内容の違い
mcframeは、複数の販売パートナーを通じて導入される場合があります。得意な業種、Fit&Gap分析の進め方、稼働後のサポート体制は、パートナーごとに異なります。
そこで、同じ要件定義書とデモシナリオを複数社に提示し、提案内容とサポート範囲を比べて選びます。それが、後悔のない導入につながります。
まとめ
mcframe製品群は、オンプレミスの7シリーズ(SCM・PCM・LiteMES・CFP)と、クラウドのmcframe Xに分かれます。海外グループ会社向けには、GAとCSが用意されています。
7製品には、それぞれ異なる役割があります。原価・生産・製造実行・CO2排出量・海外拠点の会計や生産管理など、担う領域は製品ごとに違います。
課題診断から製品の組み合わせへの絞り込み
まず、原価の可視化・海外対応・脱炭素対応・現場の実績収集のなかから、最優先の課題を決めます。そのうえで、業務範囲、料金、サポート窓口を同じ質問で比べると、候補を絞り込めます。
評価軸の詳細はmcframe導入の選定ポイント・選び方・種類で、導入の基本的な考え方や仕組みはmcframe導入とは?考え方・特徴・仕組み・目的を解説で確認できます。
実データによるPoCでの最終確認
確認すべきは機能の数ではなく、自社の原価計算方式や海外拠点の要件を一貫して処理できるかです。プロトタイプの段階から実データで検証し、標準機能の対応範囲を見極めてから決めます。
既製パッケージでは、独自の原価計算ロジックや基幹システムとの連携に対応しきれない場合があります。その際は、個別開発やハイブリッド構成も検討の対象になります。
riplaは、フルスクラッチ開発の立場から、製品比較で見えた不足機能の整理や、自社業務に合わせたシステム構築を支援しています。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
